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議会報告

第2回定例会総括質問 小林久子(23分)1、国民健康保険の広域化・都道府県化問題について
【2017/6/23】

1、国民健康保険の広域化問題について

国保の広域化、都道府県化は、2015年5月に成立した医療保険制度改革関連法により、2018年度からの施行がせまっています。
都道府県が、国保事業に必要な費用を市長村に納付金として割り当て、市町村はこれを踏まえて住民から国保税を集め県に納める。県は保険給付に必要な費用を各市町村に支払うことになります。
 
(1)納付金と国保税(健康部長

@昨年秋から今年初めにかけて、各都道府県は納付金や、標準保険料率の試算を行い、5つの道府県が仮算定値を発表していますが、多くの市町村で大幅な国保料・税の引き上げになり、住民や関係者に衝撃が走っています。
医療費が高い市町村は標準保険料率が増加の傾向で、北海道は、夫婦子ども2人のモデル世帯で、最高2.26倍、埼玉県は1.7倍、大阪府は、6自治体が下がるのみで、最高26000円増と軒並みアップし、厚労省は実態が明らかになるなかで、軌道修正を余儀なくされ納付金算定の見直しや激変緩和の導入を行なうとしています。しかし、多少の修正をしたとしても、納付金と標準保険料率をてこに繰り入れ解消・給付費削減を推進する仕組みは変わらないと考えます。
こうした中、本市の国保税は都道府県化でどうなると見込んでいるのでしょうか。 仮に納付金や標準国保税率が高く示された場合、市はこれに従うのでなく、これ以上市民負担を増やさないために、基金や一般会計からの繰り入れなどあらゆる手立てをつくして絶対に上げない立場を貫くべきと思いますが、市の見解を伺います。

●今、新たに県に設置された国保運営協議会で、国保運営方針が決められますが、保険料賦課決定権、予算決定権はこれまで通り市町村にあります。そのことを踏まえ、絶対に上げないように求めます。 

A前橋の国保は、40代夫婦と子ども1人(収入300万・所得に換算すると192万円)のモデル世帯の税額は34万円にもなります。所得に占める割合は18%もの重い負担です。低所得世帯、高齢世帯が多く、加入世帯の半分が税の減免を受けています。また税滞納者に対する6000件を越える差押え、厳しい取り立ても市民を苦しめています。
 全国では、東京23区を始め高い国保税を引き下げるために一般会計からの繰り入れを行っている自治体が数おおくあります。
しかし、都道府県化で、新設される財政安定化基金の活用を迫り、一般会計からの繰り入れを縮小する方向です。こうした自治体の独自の努力を否定し、結局は保険料に転嫁していく国・県の方針には従うべきではありません。
高すぎる国保税を引き下げ、払える国保税にしてほしいという市民の強い声に、市はいま答えるべきです。高すぎる国保税引き下げに向け、一般会計からの繰り入れ5億円を繰り入れれば、1世帯1万円の引き下げができます。
基金や一般会計からの繰り入れで、国保税を引き下げる決断を今すべきと考えますが、見解を伺います。

●前橋市は、高すぎる国保税に市民の負担の限界で、滞納者が増えて、これ以上国保税が引きあけられれば、市民の健康を守るべき国保が、払えない人を増やし、かえって市民の健康をおびやかすことになりかねません。
厚労省は、国保運営方針や標準保険料はあくまで、技術的助言に過ぎず、繰り入れを止めろというのは、自治体の権限を侵すことになる。自治体の判断とのべているので、市はこの権限をしっかり行使し、18年度からは3400億円と倍になる国の保険者支援の交付金や一般会計の繰り入れなど活用し、国保税引き下げの決断をすべき。

(2)医療給付

本市は、病院、開業医が多く受診環境が大変整っていると言えます。
病気の早期発見、早期治療のための、健診や、保健指導、保険証の取り上げを止めるなど安心して医療に係れる体制を徹底し、病気の重症化を防ぐことに力を注ぐべきです。重症化を防ぐことが総じて医療費削減につながると考えます。
一方、国は病院のベッド数削減、入院外来の医療費削減を強力に推し進めようとしていますが、病院を追い出された高齢者などの受け皿が間に合わず、機械的に病床削減が先行すれば、必要な医療やケアを受けられない医療・介護難民がますます増えることはあきらかです。
国保の都道府県化も、実務の効率化や標準化、医療費適正化に向けた取り組みを推進し、特定健診・特定保健指導の受診率、収納率や、ジェネリック医薬品の使用、医療費抑制などの市町村の取り組みを評価し、努力した市町村には財政支援を行うなど、管理・監督を強めています。
医療生命都市を掲げる本市は、こうした国の医療抑制策に安易に乗るべきではありません。当局の見解を伺います。

●2018年度からは、国保の財政管理と国保行政の指導、医療給付費の総額抑制、基準病床数の認定管理、病床機能の再編淘汰、介護基盤の整備、これら医療、介護の権限を都道府県に集中させ、国の指導のもと、給付抑制を一体的に推進させようとしています。格差と貧困の広がりで、国保税や介護の負担に耐えられず、滞納・収納強化で、必要な医療・サービスが十分受けられない状況が広がっています。これに市は立ち向かわなければ市民の命を守り抜くことはできないと考えます。
   
(3)市独自減免
 
@国保の8割近くの世帯が取得200万円以下、約6割が法定軽減の対象。応益負担も市は49.7%と高く、無収入でも国保税が発生する。また多子世帯ほど均等割りの負担が重く、低所得者世帯が多いなど国保の構造的問題を広域化、都道府県化後も依然として変わらず、むしろ深刻化が懸念されます。
 景気は依然として悪く、中小業者の営業とくらしがますます大変になっています。条例では、前年度の所得5割減以上しか減免対象とならないが、これでは病気や失業などよっぽどのことがないかぎり対象にならない。前年所得3割減まで対象の拡大をすべきと考えますが答弁を求めます。
 
A子どもの貧困が深刻になっており、低所得世帯に対する就学援助制度や、保育料も今年度から、住民税非課税世帯の第2子保育料無料化、年収約360万円未満のひとり親世帯などの保育料の軽減などが行われています。
 学校給食費の無料化も、完全無料化が8自治体、一部無料化が本市も含め19自治体に広がっています。
国保の多子世帯の均等割りですが、医療給付分の均等割り1人25,200円。後期高齢者支援金分が1人7,200円で、合わせて32,400円。3人家族で97,200円、子ども3人の5人家族では均等割りだけで162,000円にもなります。子どもが多い世帯ほど国保税の負担が重くなります。
これは子育て支援への逆行です。塩崎厚労相はこどもの均等割りについては「地方自治体から導入の要望がある」とし、「検討をする」としています。多子世帯均等割りの本市独自の軽減を導入すべきと思うがいかがか。

●市独自減免の創設、充実には財源が必要で、市が強い決断をしない限り、出来なくなります。都道府県化で、まさに医療費抑制に向けた努力如何で、保険料が高くなったり、低くなったりする仕組みづくりが強化されようとしている中で、ぜひここは市独自減免を頑張ってほしいと思います。
また、本市は市民の願いに応え、病気の人には申請により、短期保険証を発行し、医者にかかれるようにしているが、市独自の良いところは、都道府県化後もこれを継続すべきです。

(4)国庫負担の増額

 国保財政の危機が全国で問題に。加入者は年金生活者や低所得者が多いのに、保険料は高いという国保の構造的な矛盾がいっそう深刻になっています。国保加入世帯の平均所得は1990年代前半をピークに下がり続け、2015年度は130万円台まで落ち込んでいます。一方、1人当たりの平均国保税額は、前橋市も1990年代の7万円台が、2000年代以降は8万から9万円と上がり続けています。このような中で、国庫負担を1984年の引き下げ以来、国の責任を後退し続け、国保は財政難、高すぎる国保税、滞納増加から抜け出せなくなっています。
さらに、滞納世帯からの保険証の取り上げの義務化で、正規の保険証を持たない世帯が全国で120万世帯にもなっています。
今後、市町村の独自繰入をなくして国保税をさらに引き上げ、保険証のとりあげや差し押さえなど無慈悲な滞納制裁がいっそう強化されるのでは、住民の苦難は増すばかりです。
保険給付費の膨張が保険料の直接リンクする仕組みを改め、国の責任で必要な医療を給付し。国の負担割合の大幅引き上げを、繰り返し国に求めるべきと考えますが、答弁を求めます。

 ●国は3400億円と財政安定化基金2000億円を設置しますが、全国知事会は低所得者が多数を占める国保が抱える問題の根本的解決には、国が一兆円程度のお金を出すべきと要求しています。強力に要請をしていただきたい。


(5)情報公開 

来年度からの実施なのに、市民に何も知らせず、納付金や標準保険料の算定作業が進められようとしています。以前として、都道府県化で国保税はどうなるのか、まったく示されていません。
これまでの試算は、様々問題があり、公表を控えている都道府県もありますが、試算結果の公表を県に求めるべき。また、今後、3回目の納付金算定の試算を夏以降行うようですが、これらの試算結果も合わせて公表を県に求めていくこと。そして、市民への制度の周知や、今後のスケジュールを市民に分かりやすく公表すべきと考えますが見解を伺います。

●国保は社会保障制度であり、市は市民の命と生活を守るために市町村はあらゆる努力によって、国保税の引き下げ、十分な医療体制を確保し引き続き国保事業を担う責任と役割があります。市民負担を増やさない最大限の努力が求められます。
また、地域住民の声を聞き、反映をさせる、あくまで市民の受診権と健康を市が守る。この立場で広域化、都道府県化と向き合っていくことが大切です。
  
 

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