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議会報告

2020.7議案反対討論  (2020年6月22日・長谷川薫)

【2020/7/18】

私は、日本共産党前橋市議団を代表して、本議会に上程された議案第63号および議案第84号について反対討論を行います。
 はじめに、議案第63号、令和2年度前橋市一般会計補正予算案についてです。
わが党は、補正予算案のうち生活保護運営事業の641万円の追加補正に賛成することはできません。市当局からは、本事業は、生活保護を受給している全世帯約3200世帯の被保護者を対象に、医療扶助を受けた際に発行されるレセプトデーターすなわち診療報酬および調剤報酬明細書の悉皆調査を外部事業者に委託実施し、傷病治療の内容や医薬品等の処方状況を調査分析するものであり、国が費用の全額を負担する事業であると説明がありました。しかし、わが党は、本事業には以下のとおりの問題点があると考え、補正予算を認めることはできません。
まず、当局は、調査目的は生活保護受給者の生活習慣病の発症予防や重症化の予防対策に活用するためと述べていますが、調査の主たる目的が医療扶助費の抑制のためと指摘せざるを得ません。今、全国的にも、本市においても医療扶助費の支出額は生活扶助や住宅扶助・教育扶助なども含む8種類の扶助費支出総額のおおよそ5割を占めており、国は、これまでにも医療扶助の支出抑制をたびたび各福祉事務所に指示し求めてきました。
  しかし、そもそも生活保護受給者の多くは、病気悪化などによって就業できず預貯金もなくなったために、生活保護申請をして病気治療のために医療扶助を受けております。医療機関への受診は、担当ケースワーカーに相談し承認を受けており、本市においては、すべてのレセプトをチェックが必要な重複受診も過剰診療の問題も起きていません。
 また、生活保護基準は、憲法25条が保障する「健康で文化的な最低限度の生活」の基準であって、国民の生存権保障の水準をきめる極めて重要な基準です。ところが、この間、政府は社会保障費の支出抑制をめざして、先行して生活保護制度を改悪し、高齢者加算の廃止や母子加算、住宅扶助や冬季加算を減額し、2018年の10月からは生活扶助基準を3年かけて最大5%の引き下げを進め、年金制度や医療・介護制度の給付を減らし負担を増やし続ける改悪をつづけています。 
そして政府は、被保護者の健康増進事業を推進すると説明しながら、医療扶助費の支出抑制に全力を挙げているのです。すでに、被保護者に対して、ケースワーカーを通じて重複受診の抑制やジェネリック薬品(後発医薬品)の原則利用などの指導が強められ、全体として医療受診の抑制が図られてきました。
被保護者は、心臓疾患や糖尿病、精神疾患などの慢性疾患者が多く、医療扶助による定期的な医療機関への受診が必要であり、過度の指導で治療や服薬が弱まれば、心身の健康を維持することはできません。来年1月から、本市は保健師を社会福祉課に配置して、被保護者の健康指導を強める事業を開始しますが、あえて国の要請に応えて全被保護者のレセプト調査をしなくても、暮らしや健康状態を日常的に把握しているケースワーカーが対象者を抽出して調査すれば済むことです。
また、市内の医療機関が、生活保護受給者への過剰診療を行っているかどうかの状況調査が必要であれば、群馬県社会保険診療報酬支払基金と連携してレセプトチェックをすれば、あえて悉皆調査は必要ありません。
以上の理由から、わが党は国が義務付けていないレセプト分析業務の委託調査の実施の補正議案に反対いたします。

 次に、議案第84号土地の買い入れについてです。
 本議案は、新道の駅整整備運営事業用地として面積1295.2平方?、予定価格3千23万2,320円の買い入れです。わが党は、上武道路沿線に休憩施設として道の駅を設置すること自体に反対するものではありません。しかし、整備しようとしている新道の駅は面積が7?で、県内では最大面積で事業規模が大きすぎるとともに、富士見・大胡・荻窪の3カ所の農産物直売所運営との競合が避けられず、既設施設の事業運営にマイナス影響が出かねないと指摘し適正規模化を求めてきました。
さらに、市としての新規就農者や農業後継者育成策さらには農畜産物の全国規模のブランド化や特産品の開発などの農業振興策がほとんど具体化されないまま、事業計画と事業運営を民間事業者に丸投げしていることも問題と指摘してきました。
 さらに今、新型コロナウイルス感染拡大による影響で、多くの市民や小規模事業者の暮らしや営業の支援や、小中学校の3カ月の長期休校による児童生徒の教育支援など多くの市独自施策のための財源確保が求められるだけに、新道の駅の整備計画の総額約95億円の事業予算を当初計画通り進めてよいのかという問題が突き付けられています。緊急事態宣言が解除されても、今後第2波3波の感染拡大が予想される中、計画通りオープンしても目標とする年間100万人の集客が得られるかどうかも、安定的な経営ができるかどうかわかりません。施設全体を一気に整備せず、数年かけて段階的に整備して、オープン後の集客状況をみて順次増設していくなど、施設建設の時期や規模などの見直しも改めて検討すべきです。
 したがって、わが党は、これらの問題点を是正・検討しないまま、当初計画通り事業推進している中での、本議案の用地買収を認めることはできません。
  
以上、2議案について反対理由を申し述べまして討論を終わります。

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