2021年3月15日付託外反対討論(近藤好枝)

私は日本共産党前橋市議団を代表して議案第13号、第20号、及び報告第1号について反対討論を行います。

最初に議案第13号令和2年度前橋市一般会計補正予算についてです。

その一つは新型コロナウイルス感染症対応中小企業経営支援基金積立金10億5千万円について賛成できません。わが党は経営安定化資金融資への借入金利子等への補助を実施し、積み立てるための基金条例に対して否定するものではありません。しかし、今回の臨時交付金第3次分のすべてを積みたてることには賛成できません。本市が支出予定している借入金利子等の新年度から発生する5年間分の内の1年分の約4億円を積み立てて、残り分は毎年度の一般会計予算で計上すべきです。基金に積み立てる予定の残り約6億円は優先度の高い新型コロナ対策費に使うべきです。
本市の本年度新型コロナウイルス感染症対応地方創生臨時交付金は第1次第2次第3次にわたって交付され、3月までで約39億6000万円交付されます。さらに、新年度に残りの約3億9千万円を合わせると約43億5000万円の交付金収入が見込めます。
このうち、この間活用した支出はコロナ対策として公共交通の維持運行経費や学童クラブへの支援金や衛生用品購入費補助など多岐にわたっています。とりわけ支出が多額になったのは、小中全児童生徒に配布するタブレット端末の購入費約10億3800万円、プレミアム付き商品券約5億3500万円、小規模事業者集中支援金約3億1200万円、中小企業経営安定化資金利子補給及び保証料約5億720万円などとなっています。
そして、本補正予算では、この交付金を使って新型コロナウイルス感染症対応中小企業経営支援基金積立金として新年度から5年間かけて本市の支出予定となっている中小企業経営安定化資金利子補給及び保証料の支払いのために基金として10億5000万円を積み立てようとするものです。
 新型コロナウイルス感染症はいまだ収束の見通しも立たっていません。感染の下げ止まりの状況が続いており、変異株の広がりなどの要因もあり感染再拡大の危険性もあります。期待されているワクチン接種も遅々として進まず、その見通しも不透明です。こうした状況から、今後も感染拡大に備えるための対策強化が求められています。市民の健康も暮らしもしっかりと支え守るため、本市の市民への強力な支援が求められています。
 とりわけ、コロナ感染を封じ込めるため、大規模で集中したPCR検査を実施すべきです。事実上の「クラスター」対策だけでは感染が少し下火になると検査も減らすことになり、感染を抑え込むことができません。医療・福祉施設でのクラスター発生を防止する検査は、重症者を減らし、医療への負担を軽減するうえで決定的に重要です。
そのためにも、医療機関、高齢者施設、障害者施設、学校などの利用者や従事者へのクラスターを発生させないための社会的検査及び大規模検査などを実施し、無症状者をとらえ保護し治療することを徹底すべきです。本来検査費用は全額を国が負担することが求められますが、現時点での抜本対策をとるためには国待ちにならずに本市として予算化を決断すべきです。
また、この間コロナ患者を受け入れてきた医療機関などへの損失補填への支援も繰り返し求めていますがいまだに実現していません。国の支援対象となっていない保育労働者への支援も直ちに実施すべきです。さらには生活困窮者への支援など優先すべき施策の具体化がされていません。これらの施策をまず最優先して支出するべきであり、具体的な支援をしないままで基金へ積み立てることには賛成できません。

その2つはマイナポイント利用環境整備業務委託料の追加1674万9千円の予算化には賛成できません。
本市の市役所及び各支所、市民サービスセンターのフロアーにマイナンバーカードの支援窓口を設置して、カードの申請・マイナポイントの予約申込・マイタクの利用登録・健康保険証の利用登録を同時にできる窓口を設置して手厚い支援をしていますが今年度の9月から半年間のネットバーナー広告代や人件費やなどの委託料の補正予算です。
マイナポイントはマイナンバーカードを普及させるため、莫大な国費を使った一大事業となっています。
 マイナンバーカードを持つ人がスマートフォンのキャッシュレス決済を使う場合、国の予算でポイント・マイナポイントを上乗せする仕組みの導入です。カード保持者がスマホに事前入金つまりチャージすると、最大25%、5千円分までポイントをつけるものです。昨年10月からの消費税増税「対策」のキャッシュレス決済のポイント還元が2020年6月に終了したため、その後の消費活性化策と位置付けています。しかし、消費税増税を国民に押し付けるために多額の税金を費やすマイナポイント還元による増税対策そのものが大問題です。消費拡大効果も疑われています。
 政府は2020年度末までに6000万~7000万枚のマイナンバーカード発行を目標にしていました。必要額はマイナポイント付与だけでも2000億円にのぼり、促進のための経費も含めれば数千億円に達するおそれもあります。マイナンバーカードの本市登録者は約25%で全国的にも約26%となっており、政府の目論見との大きな乖離があります。
政府は利便性の向上といいますが、障害者や高齢者などデジタルを使いこなすことが困難な条件や環境にある人、経済的事情でIT機器が利用できない人などへの具体的な対策はありません。マイナンバー導入の大きな理由に政府は「効率化で行財政の無駄をなくす」ことを挙げましたが、数千億円もの国費を使ってカード取得を強制する取組の推進こそ浪費そのものです。ましてや税と社会保障の抑制を目的に、国民が求めていないマイナンバーカードを押し付けるため、増税対策の名目で国費を使うことに、全く道理はありません。ここまで国費を投じなければ普及が進まないこと自体、制度の行き詰まりを示しています。
 したがって、本予算を認めることはできません。
その3つは総合運動公園整備事業の追加4062万1千円と繰越額7900万円、中心市街地再生事業(市街地再開発事業補助金・前橋駅北口地区)繰越額5億1465万円、中心市街地再生事業(市街地再開発事業補助金・千代田町中心拠点地区)繰越額1010万円についてです。
前橋駅北口の27階建て高層ビル建設は総事業費約100億円を超え本市として約10億円も助成金を支出することは認められません。
総合運動公園整備についてもかねてから指摘していますが、老朽化している既設の施設の改修を優先しその整備規模や内容の見直しを繰り返し求めてきましたが見直しせず推進していることには賛成できません。
中心街の再開発事業は2・3ヘクタール対象区域の見直しや莫大な事業経費が見込まれる中で、権利床が売れなければ莫大な赤字を生み出す可能性があります。今後示される具体的な事業計画および市有施設の設置計画をいったん市民に示すべきです。
しかも、本市は公立施設整備の対象を市立図書館本館の建て替えを検討していると答弁しています。市立図書館は市民共有の重要な財産であり施設です。市街地整備地内に設置するのがよいのか利便性はどうか、対象地として学校統合によって余剰地となった中央小や春日中、広瀬中など、その他の公有地も含めて十分検討すべきです。仮に、県立図書館との合築などとなれば、現在の県立図書館での建て替えも考えられます。なによりも、まずは市民の意見を十分聴取し慎重な判断が求められます。
市長はスーパーシティー構想に対しては「市民と一緒に進めていきます」として3密を防ぐことが求められているコロナ禍でも市民説明会をすでに16会場で実施しています。3月25日には中央公民館で市長自ら説明するという並々ならぬ決意で取り組んでいます。
一方で中心市街地再開発事業は本市の長年にわたる懸案事項であり、再開発に対する市民の様々な意見があり、前橋市の将来に大きな影響を及ぼす問題です。パブリックコメントなど言い訳程度の意見聴取で将来の前橋市の街づくりを決めるわけにはいきません。具体的な見通しも含めて、市民に十分周知・説明して理解を得ないまま、本市行政が無批判に推進することは止めるべきであります。この間の推進手法も含めてしっかりと総括することなしに、このまま推進することには賛成できません。

次に議案第20号令和2年度前橋市産業立地推進事業特別会計補正予算についてです。
本市では、この間一貫して資本力のある大企業誘致をめざして工業団地の造成が行われてきました。現在、駒寄インター周辺の造成のための環境アセスが進められ、補正予算では西善中内地区の産業用地の造成事業費の繰越額5億8392万8千円が計上され、推進しようとしています。
 西善中内地区産業団地は既に一部工業団地として運用していますが、当該地域は農地改良が済んだ前橋南部の優良農地です。農業振興策を弱体化させながら優良農地をつぶして工業団地の拡張するものであり問題です。
 今、新型コロナウイルス感染症の拡大により、国内はもとより、世界経済が深刻な危機に直面し、経済の浮き沈みが激しい中で、工業団地を作っても、必ず企業が進出する見通しはありません。
 わが党は市内の中小企業振興策の強化を繰り返し求めてきました。市内で頑張っている事業者を応援するために産業団地を整備することを否定するものではありません。しかし、資本力のある県外企業などに企業立地促進条例で優遇措置を講じて工業団地に呼び込むための企業誘致を推進する本市の方針を認めることはできません。
最後に報告第1号土地の買い入れの専決処分について(前橋市新設道の駅整備運営事業用地)は新設道の駅事業であり賛成できません。同事業は、予算規模全体の整備費(57億5百万円)周辺道路整備費(5億4千3百万円)15年間の維持管理・運営費(36億9千9百万円)合わせて約100億円を予定しています。100万人の誘客が見込まれていますが、計画通りの誘客が見込めるのか、事業が成功するのかもわかりません。そもそも、事業計画が過大すぎます。計画倒れになり、経営が成り立たなくなれば、莫大な市財政を投入せざるを得ない施設になる可能性があります。
わが党は「本市の規模では最大でも約2ヘクタールの規模であり、今からでも見直せるものは見直して、身の丈に合った事業にすべき。市民の意見を十分聴取すべき」と繰り返し提案してきましたが、再検討しないまま強行しようとしています。
今、国も本市も新型コロナウイルスによる感染症の拡大により、観光業も農業も市民生活も大きな経済的な打撃となっています。本市として検討すべきはコロナ禍の下で、既定の方針を突き進むのではなく、立ち止まって新設道の駅事業を凍結あるいは建設する建物などの規模の大幅な縮小などの見直しをすべきであり賛成できません。
以上申し述べまして、反対討論といたします。