総括質問3月11日(吉田直弘)

1 はじめに、済生会前橋病院の存続支援について質問します。

(1)済生会病院の地域での役割(健康部長)

 厚生労働省は、2019年9月26日、全国の公立・公的424病院の統廃合リストを発表し、済生会前橋病院がリストに含まれていました。

 新型コロナウイルス感染症の拡大が始まって以来、全国では病床がひっ迫し、医療崩壊の危機に直面したために、厚労省は、感染病床の確保を全国の医療機関に求めました。しかし、同病院の統廃合の方針は撤回しようとしません。

大利根町にお住いの方から、「父を済生会で看取ってもらった。私も体調不良のたびに世話になっている。済生会がなくなるのは、この地域に暮らすものにとっては命にかかわる問題。病院がなくなったら安心して暮らせない」というお話しをききました。

 同病院は、24時間救急体制をとり、入院や緊急手術が必要な重症患者に対応できる市内4か所ある2次救急輪番制病院の一つです。680名の職員が市民の命を守っています。 

地域において大変重要な病院と考えますが、済生会病院の役割について、見解を伺います。

●済生会前橋病院は、知事認定の救急告示医療機関。利根西地域で唯一の災害拠点病院であり、災害派遣医療チームDMATの指定病院。災害時の初期医療を行う重要な病院。地域医療支援病院、県がん診療連携推進病院の指定を受け、無料低額診療事業なども行っている。幅広い分野で本市で大きな役割を担っている。

(2)取組の強化(健康部長)

 済生会では、難易度の高い白血病や膵臓の疾患の治療でも高い実績をもち、各種のがん医療をはじめ、専門性の高い高度医療を行っています。

コロナ危機の中、全国で公立・公的病院が感染症対応で重要な役割を果たしています。済生会は、利根西で唯一の公的病院です。

済生会前橋病院を統廃合リストから撤回させる、さらなる取組の強化が問われていると思いますが、見解を伺います。

●毎年特別交付税を活用した運営助成、医療機器の備品購入費の補助を行っている。前橋地域保健医療対策協議会で、済生会前橋病院の存続に係る必要な意見を述べていく。

 「済生会前橋病院の存続を求める会」準備会という団体が、1月に1085筆の署名を本市に提出しました。市長は都合で同席されませんでしたが、健康部長から、ことある機会に済生会病院の必要性をアピールし、存続にとどまらず、充実を支援したいというお話をきいて、会の人たちが大変よろこばれていました。

 そこで市長に伺います。(市長)

済生会を守って市民の命と健康を守るために、「済生会病院の存続を求める会」の代表や患者・利用者、済生会の代表の方と一緒に、市長を先頭に厚労省に足を運び、統廃合リストからの撤回を国に強力に求めていただきたいと思いますが、答弁をお願いします。

●協議会で、済生会病院の地域医療における必要性、特殊な血液医療などの重要性を委員も共通認識している。まずは協議会で必要な意見をきちんと述べていく。今後は、国や県にも、おっしゃる通りの形で要望もやるべきと考える。

市民も市長の姿勢に非常に期待しています。ぜひ力を合わせてオール前橋の構えで、地域医療を守り抜く一段と踏み込んだ行動を求めます。

2 次に、平和事業の充実について質問します。

(1)検討会の提言(文化スポーツ観光部長)

 前橋空襲を語り継ぎ、平和資料を収集展示の形の検討会は、旧あたご歴史資料館、ぐんまマチダ戦争と平和資料館、前橋市に平和資料館設立をめざす会の3団体はじめ、市当局を含む22人の委員が出席し、現地視察を含む11回の検討会が行われました。そして、3月2日に検討会による提言書が市長に提出されました。

その内容は、検討会の目指す資料館の運営や展示、資料収集、調査研究、普及、地域づくりの6つの角度から整理され、前橋空襲を語り継ぐ重要性や戦争資料の活用の在り方が示されています。

当局も検討会に出席してきましたが、提言書をどのように受け止めているか。見解をお聞かせ下さい。

●約1年間にわたり設置され、市民の多様な意見を集約し、開かれた議論を行ってきた。今月2日に市長に提言書を提出された。平和資料館の設置方法について、6つの案と施設に備えるべき機能について提案された。この提案を踏まえ、前橋空襲を語り継ぐために、前橋市にふさわしい平和資料館の展示方法案をまとめ、関係課で連携を図り、その実現に取り組む。

(2)平和資料館の早期設立(文化スポーツ観光部長)

 あたご平和資料館からは、621点の資料が寄贈されました。前橋に平和資料館の設立を目指す会は、三河町の芸術文化れんが蔵で、毎年8月に「前橋空襲特集~地域から戦争を考える~」という企画展を行ってきました。市民の皆さんによって、平和資料の展示、語り部による前橋空襲の証言など、前橋空襲や戦争とは何かを伝える努力が重ねられてきました。

今年に入り、あたご平和資料館の学芸員であった原田恒弘さんから直接お話を伺いました。前橋空襲は何で起きたのか、あの戦争は何だったのか、「命の尊厳」を後世に語り継ぐ資料館を作ってほしいと訴えられました。

あたご平和資料館からの寄贈資料を本市で保管しています。前橋に平和資料館の設立を目指す会の皆さんも平和資料の収集に努め、戦争や前橋空襲の体験の証言なども収集してきたわけです。こうした市民の方々にも協力をしていただいて、平和資料を収集し、展示できる市立の施設を建設するべきです。

すでに戦後75年が経過し、戦争体験者も少なくなっています。検討会でも、実現を求める声も寄せられてきました。

 平和資料に触れて、子どもたちが戦争とは何かを考え、命の大切さを学ぶことができる資料館の一日も早い実現を求めますが、本市の見解を伺います。

●あたご歴史資料館から寄贈された資料は本市の貴重な財産。昨年12月には、市立図書館で戦後75年特別展示を開催。今後も行政としてとりくむ、前橋空襲を伝える活動や平和事業を通じて、継続的に平和資料の展示を行い有効活用を図る。平和資料館については、今後、提言書の内容を踏まえて資料館の設置に向けたロードマップの策定に着手していきたいと考える。平和資料の展示だけが目的だけでなく、本市の空襲に関する記録と記憶を断絶させないためにも、将来にわたり継続して語り継ぐことが重要と考え進めていく。

ぜひ、早急に予算をつけて、準備室を設置し、もっとスピード感を持って、平和資料館の設置時期を明らかにするよう要望します。

 市長に伺います。(市長)

 かつて市長も、市民団体に対して前橋駅北口の再開発ビルへの設置を検討したいと言われたと聞いています。新年度、予算2600万円でアクエル前橋に学習室が設置されます。

同じように、本市の施設を活用し、資料館を設立することもできるのではないでしょうか。ぜひ市長、平和資料館設置への決断を求めます。市長の見解を伺います。

●気持ちの部分は部長さんが答えた。私も全く同感。戦後75年、そろそろ収集の施設を整えないと、戦争の事実が散逸してしまうという焦りも同感。駅前の開発や、様々な施設群を見回している。地域の方から、いろいろな意見もある。今回、答申を見ている。そろそろこの中から動き出すべき時期だと承知している。その手法は、担当部長がおっしゃる時間軸で進めるしかないだろうと感じる。よろしくお願いします。

 ぜひ直ちに設置に向けて動き出していただきたい。引き続き市民の皆さんの知恵や経験を借りながら、ぜひ具体化を急いでいただきたいと要望します。

3 次に、総社古墳群の保存整備について質問します。

(1)発掘調査の成果

 いま本市では、7か年計画で、総社古墳群の範囲確定の調査を進め、総社古墳群一体の国史跡の指定を目指しています。 総社地区は、宅地開発が進んでいます。「東国文化発祥の地」とも言われ、文化財としての価値の高い古墳群の保存が急がれています。

総社古墳群は、5世紀から7世紀にかけて築かれた、本県全域を支配した豪族の墓とも考えられています。

5世紀から6世紀は、遠見山、王山、今は消滅した王河原山、二子山の順番に前方後円墳が造られました。古墳時代の終盤、7世紀には、愛宕山、宝塔山、蛇穴山と大型の方墳が順番に造られました。7世紀にも、なお大型墳墓が次々に造られたのは、本県では総社古墳群だけです。

古墳時代の東国に仏教文化が伝来してきた様子がうかがえる愛宕山や宝塔山古墳など、総社古墳群を見学すると、古墳時代の地域の発展の歴史が見えてきます。古代の日本史の解明を進める上でも非常に貴重な古墳群です。

 今年度は、総社二子山古墳と愛宕山古墳の調査が行われ、二子山古墳の調査では、高崎市の綿貫観音山古墳と同程度の規模であることが確認されました。

愛宕山古墳では、葺石で見事に飾られた築造当時の姿を想わせる部分も発見され、二段構造と考えられていた墳墓が、実は三段構造であることがわかりました。

現地説明会に参加した人は「今回の発見にびっくりしている。古墳群の中で、愛宕山古墳だけが史跡として指定されていないが、ぜひ史跡指定をして保存してもらいたい」という声が寄せられました。

 私も何度も現地を見てきて、やはり発掘調査はすごい成果があったのではないかと考えますが、本市の見解を伺います。

●総社二子山古墳は、古墳の範囲を把握することを目的に、墳丘をめぐる周壕、幅20mを超える相当大きな壕が確認できた。愛宕山古墳は、三段であったことが判明。川原石をふんだんに活用し豪華に墳丘を飾られていた。古墳の規模や墳丘のつくりなど地域を代表するにふさわしく、全国的に見ても大変価値のあるものであることが確認できた。

2)予算の増額

今いただいた説明でも、重要な成果がわかりました。貴重な史跡なので、本市が所有するところから史跡指定をするなど、最終的には古墳全体の史跡指定を急ぐべきと思います。

愛宕山古墳の石室は、貴重な家形石棺があります。石室にも入れます。地元の方から、「石室の入り口があまりに狭く、安全に石室に入れるようにしてほしい」という要望も寄せられました。

国指定史跡の総社二子山古墳は、前方部と後円部の両方に石室を持つ珍しい前方後円墳です。総社地区の人たちは、草刈りや清掃をするなど、古墳の保存・管理に協力してきました。

ところが、後円部の石室は、長年、天井石が崩れたままとなっています。石室の入り口は柵で、立ち入り禁止となっています。柵の中は木と雑草などで、どこに石室があるのかでさえ確認しにくい状況です。保存するには十分な管理とはなっていません。

地域で活動する総社地区史跡愛存会や総社歴史資料館の解説ボランティアの方々も、二子山古墳の石室の整備・復元に強い期待を寄せています。

 二子山古墳は、国の指定史跡です。国の財政拠出も求めて、二子山古墳の復元・整備へ、本市も予算をつけるべきです。

見解を伺います。

●今後まずは、範囲内の内容確認調査で得られた基礎データをもとに各古墳の特徴を明らかにしていきたい。そのうえで、総社古墳総体としての価値づけを行い、東日本を代表する古墳群として国の指定史跡を目指し、一体的な管理や活用方法を検討していく。中長期的には、保存活用計画の策定や、用地の取得、整備計画の策定こういったことが見込まれ、総社古墳群調査検討委員会や国や県の指導も受けて、段階的に進めていくことを予定。保存・活用に必要な予算は、国や県の予算を活用して進めていきたいと考えている。

同じように貴重な古墳として注目されている高崎市の綿貫観音山古墳は、巨大な石室があり、以前私も観覧しました。

かつては天井石が一部崩れていたそうです。そのために石室を一度解体し、石を組みなおし、コンクリートで補強し、古墳全体も整備復元し観覧できるようにしました。いまは近隣の群馬歴史博物館と一体に、多くの見学者が訪れています。

総社歴史資料館に、発掘調査の成果にもとづく展示の充実と古墳群の整備を一体に進めることで、天狗岩用水のPRと合わせて、歴史と文化に立脚した地域づくりが可能になります。

最後に、史跡の案内板や資料館などで配布するパンフレットの更新など、一連の発掘の成果を広く市民に知らせていただくよう求めて、私からの質問を終わります。