2022年第1回定例会 教育福祉常任委員会(長谷川薫)

2022年3月23日、第1回定例会において予算審査の教育福祉常任委員会が行われました。長谷川薫市議が質問しました。以下は、質問の内容です。

質問に立つ長谷川薫議員

1、新型コロナ感染症対策について

(1)現状の問題点と改善策

①はじめに、新型コロナウイルス感染対策の現状の問題点と新年度に向けての改善策について質問します。

爆発的な第6波の感染拡大に入ってからは、本市では、新規感染者の9割が自宅療養になっています。しかし、感染力が非常に強いオミクロン株の感染拡大を止めるためには、新規感染者を原則自宅療養とする現在の保健所の対応を見直すべきだと思いますが、どのようにお考えでしょうか。

●新規感染者の急増に対応して病床を確保するために、若年層など重症化リスクが低い人には自宅療養を認めて、重症者の入院措置を優先しています。しかし、新規感染者が高止まりとなっているのは、家庭内感染の拡大がつづいていることも大きな要因だと思います。感染症対策の基本は、症状の有無にかかわらず、感染者を早期に隔離保護し治療することです。やはり、受け入れ体制を強化して感染者は入院もしくは宿泊療養を原則とすべきです。

②次に、第6波の集団感染発生場所は全県的に高齢者や障害者施設が3割、学校が3割、保育所が2割で全体の8割を占めています。本市においても保健所での追跡調査が以前のように行われていないために、未就学児や児童生徒そして学生の感染者が増え続け高止まりしています。現状の感染拡大を抑えるためには、教職員や児童生徒、および同居家族のPCR検査を広く実施すべきではないでしょうか。答弁を。

 

●医療従事者が濃厚接触となって長期間出勤できなくなって、コロナ患者の治療をはじめ医療提供体制に支障が出ている医療機関が増えています。医師や看護師の職員体制が弱まり、救急患者の受け入れだけでなく一般の診療もままならない状況が続いています。日赤などの急性期治療の病院は、症状が緩和した患者を慢性期治療の病院に転院できないという悪循環にも陥っているそうです。病院や学校、保育所などを正常に維持するためにも、感染を成り行き任せにせず、これらエッセンシャルワーカーのPCR検査の頻回実施などクラスター防止対策を強めるべきです。強く求めておきます。

(2)次に出口戦略についてです。

いま、オミクロン株の新たな変異株も出現しており、ワクチン頼みでは感染の波が繰り返されます。すでに2年間で9千人もの市民が感染し47名が亡くなられています。経口治療薬が使えるようになったとか、全体としてオミクロン株は重症化しないと楽観視すると、市民ののちは守れません。今年の夏から秋にかけて再び第7波の感染が起きないように、国・県とも連携し、財政措置も求めて第6波で感染者をゼロに抑え込むために全力を上げるべきです。答弁を。

●今、コロナ感染症を感染症予防法の2類から5類に引き下げて、コロナと共存すべきという主張が国会で議論されています。しかし、今も高齢者や基礎疾患を持つ感染者の多くが重症化して死亡しています。インフルエンザと異なり嗅覚障害や記憶障害など複雑な後遺症が残ることも問題視されています。
  したがって、経済対策を優先して感染症対策を弱めようとする議論に決して追随すべきではありません。安全迅速なワクチン接種とともに、検査や医療提供体制の抜本的強化など、コロナの感染終息・ゼロをめざしてあらゆる対策を講ずるべきです。指摘しておきます。

(3)保健所体制

  次に、保健所体制です。今回のコロナウイルスは動物由来と言われていますが、感染症の専門家は、世界的規模の森林破壊や気候危機の下で、今後も、新たなウイルスが出現しパンデミックが繰り返されると考えるべきと指摘しています。
  そこで保健所の感染症対策を抜本的に強化するために、保健師や衛生検査技師などの専門職を新規採用して増員するとともに、PCR検査も外部委託ではなく多くの医療機関が保有している30分で結果が分かる最新鋭のウイルスの検査機器を購入整備すべきだと思います。答弁を求めます。


●前橋保健所の今年1月の職員体制は、応援職員も含めて90人でしたが、過労死ラインの月80時間以上の超過勤務をされた職員が45人に上り、全職員の半数に及んでいます。保健所では、感染症とともに、精神保健、各種検診、健康増進など担う業務は複雑・肥大化しています。やはり平時からの体制強化が必要です。いま雇用している人から正規化し、専門職を増員することを真剣に考えるべきです。要望しておきます。

  • 地域包括ケアシステムの推進について

(1)現状の取り組み

  • 入院退院時の連携

次に、地域包括ケアシステムについて質問します。私はこれまで、市議会議員として、高齢になっても、誰もが安心して住み慣れた家で住み続けられる街づくりを進めたいとの思いで活動してきました。
 しかし、現状は、多くの高齢者が、老老介護が限界に来てやむなく施設入所となったり、骨折や脳卒中で入院した高齢者が手術やリハビリを乗り越えて退院できるようになっても、医療や介護の十分な在宅ケアの提供が難しく、施設入所を余儀なくされています。このような状況を改善するためには、入退院時の地域包括ケアシステムの一層の充実が求められています。現在の取り組みをお聞きします。

 ●入退院時に、病院のソーシャルワーカーと担当ケアマネが連携して医療、介護、介護予防、住まい、生活支援の五つのサービスを一体的に提供して、希望する高齢者が住みなれた地域で生活できるようにする地域包括ケアーはまだまだ不十分です。ケアの提供体制の一層の整備とともに、在宅サービスを熟知していない家族任せにせず、在宅での生活を希望する高齢者への支援をいっそう強めるよう要望します。

次にケアマネの受診勧奨についてです。高齢者が住み慣れた家で暮らし続けるためには、利用者の心身の健康状況を熟知しているケアマネジャーの適時的確な受診勧奨が大変重要です。医療と介護の連携の要としの役割がどのように果たされているのか、現状と課題をお聞かせください。

●身寄りのいない一人暮らし高齢者や認知症高齢者などは、基礎疾患の悪化や閉じこもりによる栄養失調、さらに徘徊などによる事故が心配されます。とくに医療機関への早期受診が必要です。受診時のケアマネの付き添いや具体的な症状を利用者やその家族に代わってケアマネが医師に伝えるなどの支援などが迅速に行われるよう、取り組みを強めていただきたいと思います。

⓷次に医師会に併設されている「おうちで療養相談センター」の活動についてです。

介護事業者は、利用者が被害妄想や暴言・攻撃的な行動が増えるなど、認知機能の低下が見られる場合や、食事の摂取が減り続けて体力が低下してきた場合に、専門医の診断につなげるため支援を求めています。
 「相談センター」はこのような事業者やケアマネの相談を受付け、介護事業者と医療機関との連携を強めるための研修や協議が継続的に実施されているとお聞きしています。地域包括やブランチとことなり、市民にはほとんど認知されていない同センターでは、どのような相談活動や研修が行われているのかお聞かせください。

●介護事業者は、少ない職員体制の下で、利用者の処遇などで様々な困難な事案をかかえています。医療との連携で克服できるよう、今後とも相談センターの運用を強めるとともに、研修などの成果を生かして、具体的な利用者の処遇や医療についての対処方法をマニュアルかして、各介護事業者に啓発していただきたいと思います。

(2)地域別実態調査

次に、地域別実態調査についてです。
地域包括ケアで必要な介護サービス事業者や施設、そして利用者ニーズをつかむための地域別の実態調査がスマイルプラン作成と合わせて3年に1回行われています。しかし、高齢者の個別最適な地域包括ケアを実現するためには、3年に1回ではなく調査結果を毎年更新する必要があると思います。見解を。

●このような分野こそデジタル技術を使って日常的に最新のデターを使って医療と介護の連携に活用できるようにしていただくよう要望します。

(3)民生委員やヘルパーなどの担い手不足対策

  • 民生委員

次に民生委員やヘルパーなどの担い手不足対策です。民生委員の皆さんは日常的に献身的な活動を続けておられますが、病気がちの高齢者の見守り活動をしようとしても高齢者側が拒否したり、個人情報保護の観点から関わり方が難しくなっているという話を聞いております。また、民生委員も高齢化が進み、3年の任期で交代する人が多いなど、顔なじみの相談役としての期待は大きいにもかかわらず、役割が十分果たせない状況もあります。定数679人の中、10名の欠員となっていますが、民生委員を今後とも安定的に確保するためにどのような対策を検討されておられるのか、答弁を求めます。

 ●少子高齢化が進む中で、民生委員に求められる社会福祉活動は大変複雑化しています。わずかな費用弁償が支給されるボランティアでありますが、例えば、コンピュータ端末・タブレットを貸与するとか、スマフォの通信料を助成するなどの支援も必要ではないでしょうか。市と社会福祉協議会が連携して、民生委員への指導援助とそして更なる処遇改善を進めて頂きたいと思います。

  • ヘルパー

次に全国的に介護職員の人手不足が大きな問題となっています。国の調査でも職員不足の状況にあるとした介護事業所が65%に上り、コロナ禍でいっそう深刻になり、利用者が必要な介護サービスを使えなくなる事態が広がっています。
  中でも、掃除や調理や排せつ、入浴、買い物など生活全般を一人で介助する訪問介護は、時間の制約や利用者が認知症である場合もあり、経験と熟練した技術が求められ、在宅の生活を支える介護基盤であるにもかかわらず、施設介護に比べても処遇が悪く、なり手が少なく、より人手不足が深刻です。
  このような中で、医療機関や介護事業者が独自で2級ヘルパーの資格取得講習を実施しています。新年度は、市としても社会福祉協議会と連携して、独自の資格取得講習の取り組みを強めてヘルパー不足を補うべきと考えますがいかがでしょうか。

●介護職員の月給は全産業平均と比べ9万円以上低く、低賃金が極度の人手不足の要因になっています。職員確保の中心になっているのが人材紹介業者を通しての中途採用ですが、利用した介護事業者は年収の25~30%の手数料を業者に支払わなければならず事業運営が大変苦しくなっています。
  ヘルパー不足の背景に、高齢化しているホームヘルパーの離職の拡大があります。いまこそ介護保険財源の公費負担割合を増やし、保険料・利用料の負担増につながらないように介護報酬を引き上げて、ヘルパーの処遇改善を進めることが必要です。国や県に声を上げていただきたいと思います。

(4)小規模多機能型居宅介護施設の整備

つぎに、通い、訪問、泊まりの支援を一体的に提供し、生活の全体を支える小規模多機能居宅介護施設は、現在までに市内に18か所整備されていますが第8期計画では1か所の増設だけで積極的な整備の位置づけがありません。全国的には、公営住宅や民間空き家を福祉目的で利活用する取り組みも始まっています。本市においても施設整備にかかる初期費用の負担を軽減して、増設しやすい条件を整えるべきです。9期計画に向けての市当局の考えをお聞きします。

●本市は、要介護3以上の特養待機者が現在約500人です。小規模多機能,施設は待機者支援の有力な力になります。

要支援から要介護まですべての認定者を対象として、通いを中心として利用者の心身の状況や希望に応じて訪問や宿泊を組み合わせて、多機能な地域密着型サービスを提供する施設は在宅サービスですが、特養待機者解消にもつながる施設です。
  しかも、定員が29人以下なので比較的小さな土地で整備できることもあり事業者も資金計画が立てやすい面がありますが、その一方で、小規模のため、スケールメリットが働かず事業経営が厳しく、広域型施設に比べ整備が進みにくい面があると国も認めています。

したがって、市の独自支援が必要です。借地料補助を市の独自措置として補助するとともに市有地活用の支援、施設経営の補助が必要です。税検討していただきたいと思います。

高齢者が住みなれた地域で暮らし続けられるようにする地域包括ケア推進に有効な在宅支援である地域密着型特養の整備に力を入れていただきたいと思います。

(5)まえばし福祉のまちづくり計画

つぎに、まえばし福祉のまちづくり計画についてです。地域包括ケアの推進のために、前橋福祉の街づくり計画が昨年3月から策定されています。高齢者、障害者など複数の分野にまたがり、地域包括支援センターだけでは解決できない相談への対応を社会福祉協議会や民生児童委員、自治会、地域のさまざまなボランティア団体などとも連携しての支援などの推進計画です。
 高齢者だけでなく、若年層も含めた地域包括ケアシステムが展開できるよう、見守りや権利擁護・金銭管理の支援などを含めた事業連携のかなめとなる地域福祉コーディネーター機能を強めるべきと考えますが、見解を伺います。

●2000年4月から介護保険制度がスタートして22年が経ちましたが、国は「高齢化が進み社会保障費が増大しているので持続可能な制度にする必要がある、」と強調し、サービス給付の抑制や介護保険料や利用料の引き上げを繰り返す制度改定を繰り返しています。

介護の社会化による家族の介護負担の軽減とか利用者本位のサービスの提供の導入目的が形骸化しています。

しかも国は、介護保険制度を公助ではなく、共助として位置付けており、そもそも全ての高齢者に受益者としての権利を認めていません。

そのために、介護を必要とする高齢者にとっては、お金がなければ利用できないという社会保障制度に変質しつつあり、生活困窮者など新たな高齢者の社会的孤立を生み出しています。

地域包括ケアの推進のためにも、介護を必要とする方が介護サービスから排除されることのないように、介護保険の制度上の問題点の改善にも目を向け、国に声を上げるよう求めておきます。

  • 生活保護の運用改善について
  • 申請状況

次に、生活保護の運用改善についてです。コロナ禍の下で、全国的には生活保護申請が急増し、昨年度の生活保護の全国の申請件数は22万8000件余りと前年度より2.3%増えて、リーマンショックの影響を受けた2009年度以来の増加となっています。厚生労働省は「新型コロナウイルスの影響が長期化する中、再就職が難しいことなどから生活が苦しく追い詰められる人が増えている」と説明しています。本市では、相談件数は令和2年度に比べて200軒余り増えているとの答弁がありましたが、申請件数はどのように推移しているのかお聞きします。

  • 制度の周知

顕著な申請者数の増加がみられないのは、この間の国の各種給付金さらには社協の緊急小口資金と総合支援資金の貸し付けで当面の生活困窮をしのいだ結果、生活保護申請が少なかったという要因もあると思います。しかし、生活福祉資金の2年間の貸付けは1万4千件を超え総額53億円に達しています。生活に困窮した市民の方が増えていることはこの数字によっても明らかです。

しかしPCR自己責任を強調する新自由主義の流れの下で、生活困窮者からも「生活保護だけは受けたくない」という声が出たり、行政からも「最後のセイフティーネット」ということが強調されているために、いまだに市民の生活保護に対する偏見や理解不足が生活保護申請そのものが少ないのではないでしょうか。

そこでお聞きしますが、現在、保護申請者や保護決定になった場合に活用する制度紹介の2種類のパンフレットを作成されていますが、もっと一般市民向けに分かりやすく編集するとともに「誤解」や「偏見」を解消するように編集したパンフレットが必要だと思います。
  例えば滋賀県野洲市や札幌市などが「生活保護の申請は国民の権利です!」と申請を呼びかけるポスターを作製しています。本市においても、ごみ減量課が作成しているごみカレンダーや健康部のワクチン接種の案内などのように、カラー刷で制度や申請手続きを分かりやすく紹介する「生活保護のしおり」を作成して、市民が身近に手に取れるよう市役所支所サービスセンターなど公共施設に置いて、市民周知を強めるべきと考えますが。いかがでしょうか。

●日本の生活保護の捕捉率が約20%と低い現状を見ても、制度そのもの誤解や偏見で申請をためらう方が少なくありません。例えば、車を廃車しなければ申請できないとか、持ち家の場合は申請できな、あるいは、申請するとすべての親族に扶養照会を求められる、仕事をしていれば申請できないなど、不確かな情報で権利を行使しない市民が少なくありません。生活困窮でお金がないために心身の健康状態が悪くなっても医療機関を受診せず病状が悪化する方もいます。

これらの誤解や偏見を払しょくするため、日本共産党は生活保護法の名称を生活保障法と変え,受給を利用に変えるべきと提案しています。生活に困窮した時には、憲法25条に基づく国民の権利として生活保護制度を利用できることを強調した広報の具体化を強く求めておきます。

  • 制度の運用

つぎに、申請窓口で懇切丁寧な対応は当然ですが、保護決定された生活保護受給者が、各種扶助制度を十分利用できるように死すべきです。例えば、病気通院の際の移送費です。要否意見書で主治医の必要という判断が確認できれば、体調が悪い場合はバスの乗り継ぎをしなくてもタクシーで通院できることや、働くため技能取得を必要とするときに、その費用の扶助を受けられること、高校生が自立に備えて自動車免許取得や専門学校入学のためのアルバイトをした時には、収入認定をせずに収入の貯蓄を認めることなどの扶助制度が充分知られていません。

私は、生活保護受給者の方から、制度利用自体を知らなかったという話をたびたび聞いています。担当ケースワーカーの制度周知不足の改善が必要だと思います。答弁を。

●憲法第25条の「国民は健康で文化的な最低限度の生活を営む権利を有する」と規定された人権を保障するのは、福祉、事務所の責務です。ケースワーカは、生保受給者の生活状況を把握し、一時扶助の活用などを積極的に提案すべきです。また、各種扶助制度については、保護決定時の説明にとどめず、日常的にパンフレットなどで「困った時には相談を」と呼びかけ、制度の活用を知らせていただきたいと思います。

  • ケースワーカーの増員

厚労省は、ケース件数はワーカー1人あたり80世帯と基準を設定していますが、現在、本市ではすでに80人を超えています。申請時の面接員や就労相談員などの配置はされていますが、ケースワーカーの増員が進んでいません。訪問調査、収入申告の確認、病状確認などの過重労働を軽減し、被保護者に信頼され、質の高いケースワークを実施するためにも増員が必要だと思います。新年度の体制を伺います。

 ●生活保護という公的支援の情報を困窮者に積極的に届ける姿勢が欠けていないか、生活保護受給者に寄り添った支援がされているかなどを検証し、コロナ禍のいまこそ、ケースワーカーを増員し、すべての市民にやさしい前橋市政となるよう、保護制度の趣旨に沿った運用を強めていただくよう要望しておきます。

4、教員の長時間労働・多忙化とその是正について

  • 改善の取り組みと成果

次に、教員の長時間労働・多忙化とその是正についてです。教職員の働き方改革が文科省からも強調され、前橋市でも取り組みを進められているところですが、現場の教員の多忙化の改善にはまだまだこれからというのが現実ではないでしょうか。

先日、市内の中学校の先生に勤務状況の話をお聞きました。

ほとんどの先生が朝8時前には学校に到着し、午前・午後の授業が終わっても、部活が始まれば夕方は6時半頃まで部活の指導をして終了後に生徒の下校を確認した後、公務や授業準備などを済ませて8時頃に学校を出ているそうです。いま、USBメモリーの持ち帰り禁止で、これまでのように自宅で仕事ができなくなったので、必要に迫られて午後9時10時まで仕事をされている先生もおられます。
  時間外勤務が過労死ラインの月80時間以上となっている先生の多くは、生徒指導や部活動を指導に熱心な先生とのことです。

このような状況は、市内のどの学校でも、ほぼ共通しているのではないでしょうか。コロナ感染症対策をしながら、生徒に分かり魅力的授業やそのための準備、児童生徒への指導、学校内の校務分担、部活指導、そして保護者への連絡等で多忙な日々を過ごしておられます。

教職員の労働状況の実態と長時間労働解消の本市の取り組みの成果について伺います。

●先生の一番の仕事は、授業とその準備、子供とじっくりと向き合い話すことです。それを妨げるものは、もっと思い切って削減すべきです。
  教員の仕事を仕分けして外部人材を導入したり、教育委員会への報告書類の削減対策をすすめ姿勢は評価できます。しかし、コンピュータの起動やシャットダウンでの勤務時間管理も、実際には、教育委員会に配慮して現場の先生は実態を反映しないようにしているともお聞きしています。

いま、残業代の出ない超過勤務を強いられる教員という仕事自体に魅力がなくなり、教員採用の倍率が下がるなど、教員のなり手不足が全国的に広がっています。文科省が最近発表した調査結果でも昨年2021年5月1日時点でも全国で2065人の教員が不足しているという深刻さです。精神疾患による休職者も毎年5千人を超え、過去最多となったと報告されています。

先生のためにも、児童生徒のためにも、ぜひ勤務実態を把握して、働き方改革を進めていただきたいと思います。

(2)生徒指導の負担軽減

  

つぎに、いま学校では、子どもの人数が減っているのに、いじめや不登校が増え続け、発達障害など特別な支援を必要とする児童生徒も増え続けています。生徒指導の負担軽減策の取り組みについて伺います。

●スクールアシスタントやオープンドアサポーターなどの配置は必要です。担任の負担軽減にはなりますが、増え続けているいじめや不登校児童生徒を減らす対策の一層の充実が必要です。 子どもたちの困難な現状を変えるためには、正規教員を増やして、学習が遅れた子どもへの個別の手立てや、心のケアを丁寧に行う、手厚い指導が必要です。また、“学習指導要領”を優先させて子ども達に授業を詰め込むのではなく、学習とともに子どもたちの人間関係の形成、遊びや休息をバランスよく保障しなければならないと思います。そして、なによりも過度な競争教育や管理教育、そして社会問題でもある子供の貧困そのものを見直さなければなりません。国に現場の声を上げて是正を求めていただきたいと思います。

  • GIGAスクール構想による負担の軽減

つぎに、ギガスクール構想による1CT教育の推進は、タブレット端末などICTに不慣れな教師にとっては、精神的負担になり、教師の新たなストレスと多忙化につながり、働き方改革に逆行する側面もあります。
 タブレットの操作方法などの支援は受けられるようになっていますが、GIGAスクール構想では、学校教育を個別最適化された能動的な学びに転換をしていくと強調されています。
 教員の皆さんが、ドリル学習やインターネットを活用した情報収集、写真や動画の利用だけではなく、これまでの一斉授業を発展させて一人ひとりの習熟度にあった授業に発展させ、従来のグループによる共同学習も併せて行おうと思えば、教材選定も含めて授業の準備もこれまで以上に工夫が求められ、時間が必要になるのではないでしょうか。負担をどのように軽減されるのか答弁を求めます。

●すでに現場の先生からは、「タブレット端末の1人1台というのは、安倍総理の号令一下、急遽具体化されたため十分な準備もできなかった」というような声が聞かれております。活用開始後1年たった今も学校では「GIGAスクール構想によって公教育への民間企業の参入が進み、集団的学びがおろそかになり、画一的な教育につながりかねない。多忙化の解消と逆行する面もある」という懸念もよせられています。教育委員会は、財界のデジタルに強いグーローバル人材を求める思惑に追随することなく、小学校での英語教育の導入に続いて教員の負担となりつつある授業やドリル学習での一律的なタブレット活用の推進を求めないように求めておきます。

(4)30人学級

次に、30人の少人数学級は、多くの教職員や保護者の強い願いでもあり、一日も早い実施が求められています。一人ひとりを大切にする教育条件の整備は、コロナ禍で不安に感じている子供たちに寄り添った対応が切実に求められている今こそ、優先すべきです。
 本市教育委員会は少人数学級の教育効果を認めて県に先駆けて小中全学級の35人学級に踏み出しました。その一方で、今議会では、「クラスの人数を減らしても授業の準備にかかる時間は変わらないので、小学校5~6年の専科教員の増員や加配教員や介助員などを配置する方が教員の負担軽減になる」と答弁されております。
  しかし、現場の先生は、「学校に今一番必要なのは人と予算とを増やすこと」と強調しており、加配教員も増やしつつ、なによりも正規の教員を増員して少人数学級を一日も早く実現してほしいと述べています。

国に正規教員増のための標準法の改正を求め、県教委には県単独負担定数の増員を求め、小中全学年の30人以下の少人数学級の前倒し実施を改めて求めるべきです。見解を伺います。

●教員の多忙化解消について質問しましたが、根本的には、国が教員の授業負担を増やす一方で、それに必要な教員の定数配置を行わないことが多忙化の大きな要因であります。

20人以下のクラスを担任している先生は、「一人ひとりに 目が行き届き、子どもの願いや思いがよくわかる。勉強のつまずきも丁寧に教えられるし、子どもたちがとても落ち着いている」と話しています。

先生たちに、しっかりと子どもたちに向き合う時間や余裕がない教育現場では、豊かな教育は望めなくなってしまいます。一人の人間である教職員自身が、労働者として働きがいをもって暮らせる保障を一日も早く取り戻さなければなりません。子供たちとゆっくり向き合える時間を持つことは、教員としての喜びでもあると思います。そして、それは基礎学力の人格の形成を目指す子供たちへの教育を学校でしっかり保障していく道でもあります。
 子供たちの学校での育ちを大事にし、教職員の生活と命を守るために、必要な財源を投入することをためらうべきではありません。本市として国に対し教員の定数増を強く求めるべきと申し上げて質問を終わります。