2022年第1回定例会 総務常任委員会(小林久子)

3月22日に行われた22年度予算審査の総務常任委員会で、小林久子市議が質問しました。質問の内容は以下の通りです。

質問する小林久子議員
  1. まえばしDX推進計画の問題点
    1. 5年間の計画の概要

国は、自治体のDXを強力に進めようとしています。

自治体の情報システムの標準化・共通化、マイナンバーカードの普及促進、自治体行政のオンライン化など、デジタル化を手段として制度や政策、組織のあり方等を変革していくとしています。本市も、国に忠実に推進しようとしていますが、地方自治の後退を招きかねない大きな問題があります。

デジタル化による住民の利便性向上を図ることは大切ですが、DX推進計画で、公共サービスが営利を追求する民間企業の参入によりゆがめられる危険性や、自治体が住民福祉の向上の観点から行っている独自施策を後退させかねないという問題があります。

新年度はDX推進関連事業として19億4349万円の関連予算が計上されています。

マイナンバーカードの交付、マエマース、ギガスクールなど継続事業に加え、図書館の電子書籍やICタグの導入、防災行政無線システム更新などの事業に加えて、今後各課の行政手続きのオンライン化に向けた新なシステム構築や更新、様々な新規事業などが取り組まれると、DX関連事業費が大きく膨らむことが想定されます。

まえばしDX推進計画の5年間の事業概要と予算も含めた考え方をお聞きします。

●国も自治体も、デジタル化する業務が増え、この間で情報システム関係予算は増加しています。標準準拠システムの義務付けにより、各自治体は23~25年度までに新システムへの引っ越しを余儀なくされ、デジタル庁が整備するガバメントクラウドの利用の努力義務も明示しています。

今後、ワーキンググループから上がる新規事業や、各課のシステム更新などに向け、どれほどの予算が必要になるのか見通せない状況です。

市は財政が厳しいと言いながら、デジタル化を聖域として突き進むことで、市民の福祉暮らしの予算に大きな影響を与えかねません。拙速なDX計画の推進は止めるべきです。

 

  • マイナンバーカードの取得と活用

政府は、膨大な個人データを集積するプラットホーム構築として、マイナンバー制度の拡大をめざしています。さらに健康保険証や預金口座まで紐づけし、ポイント付与など特典を付け、取得を誘導しこれに多額の予算を使っています。

本市も、マイナンバーカードの普及活用を重点事業に位置付け、2022年度末までに市民のマイナンバーカードの保有率90%の達成をめざし、申請窓口を広げ促進を図っています。

個人情報をマイナンバーカードで紐づけ・国が管理し、国民の資産や社会保障給付の状況を把握し、税徴収の強化と社会保障給付費の削減が最大の目的で、国民監視が一層強められます。個人情報の集積により、情報漏えいや、マイナンバーカードの紛失、盗難の危険も高まります。

本市は、さらに、マイナンバーカードを積極活用し、マイナポータルの母子健康情報や、マエマース、マイタク利用、まえばしIDなど様々な行政サービスを組み込み、促進しようとしています。

国民監視を強め個人情報が危険に晒される、マイナンバーカードの活用促進は止めるべきと考えますが、見解を伺います。

●市長はまえばしIDの取得にはマイナンバーカードの保有が必須だとして、カード取得を強力に進め、まえばしIDの構築の調査研究の予算を新年度計上しています。

そもそも個人情報を丸ごとすべて提供することが前提であり、個人情報の漏えいやプライバシーの侵害の問題は払しょくできません。

  • DX人材活用

本市は、情報政策課がDX推進の全庁的なマネジメントを担っていくが、外部人材の活用により、足りないスキルを担保するとともに内部人材の育成を図るとしています。

昨年第4回総括質問のわが党議員の質問に対し、DX推進計画の活動を加速させていくためにも、民間企業に限らず知見を求めて、積極的な活用を検討していくと答弁しています。

政府のデジタル庁は、IT企業などの民間人材が約3割超えていることを見ても、企業利益が優先され行政の公平性を損なう事態を招きかねません。

また、今後、庁内を含め外部人材の活用が進めば、委託費が増大することも懸念されます。

新年度予算では、地域社会のDX推進で外部人材を活用するとしていますが、この内容について伺います。

●本来市民ニーズに基づき行政施策が実施されるべきですが、外部人材の活用については、これから事業提案を受けるということで、何をめざすのかが全くはっきりしていないことは問題です。外部人材活用ありきで予算を付けるべきではないと指摘しておきます。

  • スーパーシティとデジタル田園都市国家構想
    • 選定されなかった理由 

市は、スーパーシティに選定されることを最優先課題と位置づけ、昨年4月の公募に手を上げました。8月、大胆な規制改革の提案がなかったとして、本市をはじめ28の市町村が再提案を行いました。

本市は「少人数学級、修得主義」「レベル4自動運転、モビリティサービス」「マイナンバーカードの未来形の選考実現」の3つの重点施策を中心に再提案しましたが、選定されませんでした。

市民の意見を十分聞かず、市民ニーズからかけ離れた提案で、市民理解や合意は得られていなかったと思います。

市長は問題点があったと思っていないと述べていますが、市民不在で、本市は何が何でもスーパーシティに突き進んできたことの反省をすべきです。

選定結果をどう受け止めているのかお答えください。

●スーパーシティは大阪市とつくば市を指定することが決まりました。

国歌戦略特区諮問会議の竹中平蔵パソナグループ会長が、スーパーシティについて、自身の著書で大阪、つくば両市長の実名を挙げ大変積極的と評価していましたが、結局両市が指定されました。

一体何のための公募だったのかという思いは拭いされません。

大阪市のスーパーシティ構想は万博やカジノを含む統合型リゾート予定地を対象に日本発の空飛ぶ車を走らせるというものです。これ一つを見ても、そもそも市民が今困っていることを解決しようという住民目線に立ったものではありません。

国のスーパーシティに自治体が振り回されたあげく、大胆な規制改革とはこのようなものだったのか。むしろ本市が選ばれなくてよかったと思います。

  • 熟度

市はこの間、選定をただ待つのでなく、勝ち筋戦略、選定に向けた積極的対応を行うとして、スマートシティ関連事業の3事業の申請(前橋ID,マエマース、EBPM官民ビックデータ活用)やスーパーシティの実現に向けた先端的サービス「交通テック×脳テック」の公募採択、自治体連携のデジタル&ファイナンス未来型政策協議会の発足などを平行して行ってきました。

今回の指定から漏れた場合であっても、落選でなく提案の熟度が高まり次第、指定について改めて検討すると追加の認定があるとにおわせています。本市は今後も追加採択をめざすのか、それとも止めてデジタル田園都市国家構想へすすむのか、どちらなのか伺います。

●山本市長は、2月のデジタル田園都市国家構想の分科会の前橋市の意見発表をしたことを議会でも明らかにしています。市長のブログでも、スーパーシティ構想とはまた別の意味で、前橋市にとって大きなチャンスをいただいたと述べ、スーパーシティからデジタル田園都市国家構想の舞台へと早くも切り替わっています。

スーパーシティでも、デジタル国家田園都市国家構想でも、とにかくデジタルの予算が付けば、いいというのでしょうか。

  • 今後の進め方

政府は、デジタル田園都市国家構想実現に関連する施策に総額5兆7千を投入し、成長戦略の柱として推進し、地方自治体のあり方や再編を狙っています。

地方における官民のデジタル投資を大胆に増加させ、地域のデジタル基盤(共通ID基盤やデータ連携基盤、ガバメントクラウドの活用など)を国が整備し、地方に提供するとしています。

コロナ禍で市民のいのちや暮らしがおびやかされ、市民の暮らしを守る施策が最優先されるべきなのに、市はデジタル化の実験場のように様々な実証実験を繰り返してきました。

田園都市国家構想推進交付金は200億円が措置され、デジタルの実装に取り組む地方公共団体を1000団体にするとし、基盤整備とデジタル実装を強力に推進しています。

この事業公募に前橋市は手を上げようとしていますが、スーパーシティのように国政に翻弄されることのないように、市民の福祉暮らしの充実に貢献できるデジタル化を推進すべき考えます。本市は今後どのように進めようとしているのか伺います。

●交通テック×脳テックで、危険な道路や交差点などの事故が多いところを分析し解決・活用する事業の実装にとりくもうとしていますが、前橋が先頭を切ってやるものではないと思います。市民の要望からの出発でなく、企業主体となっています。

本来デジタル化は市民サービス向上のための手段であるべきが、デジタル化そのものが目的となっていることは問題だと思います。

例えば、市営住宅は現在市民が自分で探さなければなりませんが、情報が少なく苦労しています。個人の要望や体調を考慮した空き部屋情報をワンストップで検索できるようにするとか、市民サービスの向上が実感でき、もっと現実的な街づくりのために、デジタル化を生かすべきです。

     

  • マイタク

新年度から、マイタク利用をマイナンバーカードがないと乗れないようにしたことは問題です。市はこの3月、まだカードの取得をしていない登録者約1万人にハガキで移行のお知らせをしたようですが、これら多くの人を切り捨てるものです。

  • 利用回数

昨年マイタクの利用回数を120回から70回に削減しました。ある高齢女性の方は、持病をかかえ、足も悪く、通院や買い物にマイタクが欠かせません。年度途中で使い切ってしまい困り果てていました。この方のように、移動手段としてマイタク利用が欠かせない人には70回では少なすぎます。1年間経過して、コロナ禍の外出控えなどで、市民の利用が減ったとのことですが、市民の利用状況についてアンケート調査を行い、70回というのが妥当なのかをしっかり検証すべきです。そして、福祉的観点からも利用回数をもとの120回に戻すべきと考えますが、答弁を求めます。

●80代のある女性は、中央病院と善衆会病院の複数の病院に通い、できるだけマイタクの利用を控えようと、沿線のバス路線がありますが、1時間に1本で1日がかりとなり大変苦労しています。福祉的観点からもマイタク利用回数を増やすべきです。

  • 料金助成

市街地での利用は、タクシープールも近く、相乗りで利用すると近距離は、安く便利に利用できます。しかし、旧4町村をはじめ郊外は、迎車料金もかかり、街なかまで行くとなれば、片道数千円と負担が重く、利用が進まない原因になっています。

デマンド交通などを組み合わせて乗り継ぐマエマースを推進しようとしていますが、観光客や若い方などは利用できると思いますが、交通機関の乗り継ぎは病院通いの高齢者には負担が重く利用は大変です。長距離利用者も、自宅から目的地まで少ない負担で利用できるように、料金助成を増やすべき考えますが、答弁を求めます。

●富士見地区から日赤病院に通うのに、デマンドバスからバスを2回乗り継がなくてはたどりつきません。バスの待ち時間なども含めると、時間もかかり、高齢で持病のある人などはかえって具合が悪くなりかねません。

  • 予算増額

高齢化が進む中で、運転免許証の返納も進んでおり、家族の送迎などが困難な方にとっては、マイタクは重要な移動手段となっています。マイタクの登録者数が約3万1000人と増えておりマイタクへの期待が高いと言えます。それなのに市はマイタク事業継続を強調し、予算の支出を抑えようとしていることは問題です。

また、長引くコロナ禍でタクシーなど交通事業者の経営も大変になっています。タクシー事業者を応援する上でも、予算を増額すべきと考えますが答弁を求めます。

●急速に進む高齢化社会の中で移動困難者支援、福祉施策と位置づけ予算を増額すべきです。新道の駅などは、当初予算から30億円も増えたのに、何事もなかったように予算をつぎこむ一方、マイタクは市民が本当に困っているのに予算の増額に背を向けることには、市民は納得しません。

  • 交通安全指導事業
    • 交通指導員の確保策
      • 交通指導員の定員178人に対し、155人の方が、子どもたちの交通指導や見守り活動をしていただいており、大変頭が下がる思いです。しかし、交通指導員の数が定員を割っている状態となっています。地域の児童数や通学路の危険個所数など地域により違いがあると思いますが、指導員の配置の考え方について伺います。

●定数を越えた配置をしている地域もあるということですので、必ずしも小学校区の定員に縛られることなく、交通指導員の地域を超えた配置についても検討していただければと思います。

  • 交通指導員の方も子どもたちを守る使命感を持ち、困難な中でも長く携わっていただいている方も多く、平均年齢が70歳を超えております。PTAや地域の方の力をお借りして、交通指導員の負担軽減を図りながら、若い方にも参加していただける環境を作っていくことが求められます。市は、交通指導員をどのように確保しようとしているのか伺います。

●ホームページなどで、交通指導員を募集し、会計年度任用職員として採用している自治体もあります。

児童の通学時における安全指導・安全確保にかかわる交通指導で、車の流れや歩行車、自転車通行者の動きに目を配り、児童が交通事故の被害にあわないよう指導、誘導を行うことで、交通事故防止策として大変重要な任務であり、市が積極的に指導員の確保を進めることも必要ではないでしょうか。

  • 交通指導員の報酬

 毎朝、悪天候の中でも通学路に立ち、肉体的精神的負担は大変大きいものと思います。交通指導員の方には、本市は制服などが支給され、報酬は年間15万円です。

時給にすると最低賃金以下となります。有償ボランティアとして長くお願いしてきましたが、任務の重要性を考えますと、報酬を引き上げるべきと考えますが、見解を伺います。

●ぜひ他都市の状況も調査し、指導員の確保と報酬引き上げを検討していただきたいと思います。

また、通学路の安全対策については、PTAや学校・地域で、通学路の危険個所の安全点検や改良要望も上げていただいています。また、千葉県八街市で小学生が死傷した事故を受けて、小学校の通学路調査で、県内で対策が必要な危険個所が1039か所に上ったとのことです。各機関が対応を急ぐということですが、危険個所の解消に向け早い対応をお願いします。

  • 税収納行政
    • 滞納者への分納の対応

市民の暮らしや営業の実態に十分配慮した税滞納整理の業務姿勢が求められています。

特にコロナ禍であり、突然、病気で働けなくなったり、収入減少など、生活の急変によって、税金を払いたくとも、払えない状況に陥ってしまった人への丁寧な納税相談が求められています。

収納課の担当職員が税滞納者に滞納繰越金の分納を指導するときに、1年以内での完納を強調するあまり、生活を脅かす分納額を押しつけることになりかねません。その人の生活実態を把握し、生活を維持しながら毎月の納税が図られるよう、無理のない分納額を示すべきだと思いますが、見解をお聞きします。

  ●実際は、厳しい分納額を請求されると、収納課に行くのも、電話をするのもストレスに感じ、精神的に追い込まれている人が多くいます。

私達の会派に相談に見えた市民の方は、本税は完納しており、残った延滞金と現年分を毎月分納していますが、この分納が遅れると、家屋を公売すると脅かされています。延滞金だけでも公売しようとしていることは問題です。本来執行停止し救済すべきです。また、生活保護の人に対し、過去の滞納分を毎月3000円支払うように請求しているのも問題です。

これは最近の相談ですが、扶助費からの税金の支払いを求めることは違法であり、止めるよう強く求めておきます。

  • コロナ禍での納税猶予

国は新型コロナの影響による収入減少などで納税が困難になった事業所や個人に対し、納税を1年間猶予する特例が令和2年2月~令和3年2月まで適用されました。本市は320件の猶予がされました。

 どういう経営形態の事業者が猶予の対象になったのでしょうか。

また、令和3年度は、コロナが収まらない中で、納税を猶予された分と現年度分と2重の納税が生じ、納税に困難をきたしている方もいるのではないでしょうか。このような人に対し、通常の納税猶予制度は、やむを得ない理由があると認められるときは、更に1年延長できるとされており、そのような対応も必要と考えるが、本市の対応について伺います。

  • 特例の徴収猶予の件数と納税困難者への対応

本市はコロナ前の徴収猶予の許可件数は数件と大変少なく推移していましたが、新型コロナは2年以上も市民の生活を脅かしています。

納税猶予制度の特例は昨年2月で終了しましたが、昨年の夏の第5波による緊急事態宣言、そして今年の第6波とつづき、コロナは収束しておらず、依然として厳しい状況が続いています。このような中で納税が困難な方には、納税緩和制度を積極的に案内していくことが必要です。令和3年度の猶予の申請件数と猶予制度の周知について伺います。

  • 徴収猶予や換価の猶予の周知と活用

制度を広く市民に知らせ活用することが求められます。

猶予制度について窓口に書類などを設置していますが、制度についてわかりやすい市民への説明を日頃から丁寧に行うことが必要です。

また、ホームページなど市民の目に入りやすい場所に置き周知をはかることも大切です。しかし、本市のホームページでは、何回も画面を開けて探さなければならず、簡単に見つけることができません。

徴収猶予や換価の猶予などの猶予制度を市民に周知するとともに、国の猶予制度を320件も活用した実績があるのですから、コロナ禍が続く今後も、猶予制度を活用すべきと考えますが答弁を求めます。

●水道局はコロナで困窮する人の水道料金の徴収を一時猶予しましたが、その後猶予した水道料金の滞納はほとんどなかったそうです。

水道局のように市民を信頼し、収納課も猶予制度を活用しコロナで苦しんでいる人を救済するように強く求めておきます。

  • 4支所の税申告会場集約化の問題

令和3年の機構改革で4支所の税務課は市民サービス課に統合されました。

これに伴い、今年はこれまで4支所で行っていた申告受付事務が大胡と富士見の支所のみで実施されました。

さらに、大胡・宮城・粕川地区の住民は大胡支所で2月16日~3月3日まで、富士見地区の人は富士見支所で3月4日~15日までと期間も短縮されました。

大胡支所では駐車場も混雑し多くの方が長時間待たされ、ある方は2時間も待たされたと怒りの声が私達のところに寄せられています。

支所があるのにこのような申告事務の縮小は、市民の納税意欲をそぐものとなりかねません。税の徴収は厳しく行う一方で、自ら納税申告を行う人に対し、あまりにも冷たい対応ではありませんか。

この申告の期間は税務課の職員だけでは間に合わず、応援を得ているとのことですが、これまで通り税申告が4支所でできるように職員体制を増員して対応すべきと考えますが見解を伺います。

●マイナンバーカードはどこでも出張し申請を受け付けるというのに、旧4町村の市民に対するこの差別的な対応は許せません。4支所で申告事務をできるように再度求めておきます。