【22年第2回定例会】小林久子議員総括質問

2022年第2回定例会における小林久子議員の総括質問です。テーマは①行政のデジタル化推進の問題点、②高齢者の見守りと支援について質問しました。

  1. 行政のデジタル化推進の問題点について伺います。最初に市民合意についてです。           

最初に市民合意についてです。

政府は、デジタル関連法を成立させ、強い権限と予算を持ったデジタル庁設置、国や地方自治体のシステムや規定を標準化・共通化して、個人情報を含むデータの利用を強力に進めようとしています。

本市は、行政のDX推進、スーパーシティ構想申請、デジタル田園都市国家構想推進交付金を申請し、県と連携する群馬共創モビリティ社会推進事業、前橋暮らしテック推進事業は、市民への説明ないまま申請が採択され、10月から一部の実装をめざすとしています。

この間本市は、市民合意なく、国の交付金事業に次々手を上げデジタルの実験場としてきましたが、マイタクのカード一本化も、自動運転も顔認証で手ぶらで買い物やバス乗車など市民が望んだものではなく、市民要求とはかけ離れ、市民に喜ばれる施策になっているとはいえません。

一方、高崎市は、コミュニティバスにスイカやパスモ,ノルべなど交通系ICカードを導入すると発表。新しい敬老バスカードも交通系ICカードが使用できる路線で使えるようにと、市民目線に立っています。太田市は、デジタル地域通貨の導入に際し、スマートフォンのアプリと専用カードを併用する方針です。

前橋市は、10年後の前橋を見据え、今の市民要望とかけ離れた実証実験や事業をこのまま進めていくのでしょうか。高崎市や太田市のように、今やるべき事業があるのではないでしょうか。市民が望むデジタル化事業を進めるうえで、市民理解、市民合意は大前提であるべきと考えますが、見解を伺います。

●市民目線に立ち、市民が本当に困っていることを解決しようというデジタル化になっていると言えません。本来、デジタル技術の進歩は住民福祉の増進のために資するものであるべきです。         

個人情報保護について伺います

2020年版情報通信白書によると、企業などが提供するサービスを利用する際、個人データを提供することに8割の方が不安を感じると答えています。また、個人データ活用は、利便性よりも、安心・安全性を重視すべきが8割近くにのぼっています。

ところが、この間、ラインユーザーの個人情報が中国から閲覧可能になっていたことや、JR東日本が、顔認証機能付きカメラで、駅利用者などの顔を撮影し、指名手配中の容疑者や、不審者などを検知対象にしていたことが明らかになりました。さらに、IT企業や大手銀行などのシステム障害や漏洩などの事故などが相次いでいます。

このように日本は、個人情報保護の規制やルールが、脆弱なのにも関わらず、政府は個人情報保護をさらに緩和し匿名加工、非識別加工して本人への同意もなく個人データを活用できるようにしようとしています。

これまで、地方自治体の個人情報を守るしっかりした条例があり、住民の信頼のもと、安心して個人情報をゆだねられる体制を作ってきました。これを壊すのが、政府の進めるデジタル化です。とても、安心して個人情報を差し出せるような状況ではありません。

市が国のデジタル化に追随し事業を進めるなら、市民は安心して協力できないのではないでしょうか。このことをどう考えているのでしょうか。

また、データ連携基盤を提供する官民連携会社を作るとしていますが、もし、本人のプライバシーが侵害されたり、漏えいしたときの対処、対応をどうするのかも明確にしておく必要があると考えますが、それぞれ答弁を求めます。

●個人情報の第3者提供に、本人同意を必要としていますが、細かい規則に丸ごと同意しないとサービスを利用できず、プライバシーポリシーなど利用目的が公表されていれば、本人に自覚がなくても同意したとみなされます。個人のデータ削除、消去、利用停止はほとんど困難に近く、これでは個人情報は守れません。

行政の公平性についてです          

デジタル化もマイナンバーもまだ体制が整っていない中で、本市は政府の事業にとらわれ推進しているために、デジタルに弱い人は置いてきぼりになっています。

障がい者や高齢者、デジタル機器を使いこなせない人や、経済的事情で機器が利用できない、通信環境を整えられない人への配慮がないまま進められています。

一方、個人情報利用に同意した人は、個別最適なサービスを受けられるといいます。

デジタルを使える人と使えない人との間で行政のサービスに格差が生じ、公平性に欠けることを推し進めることは問題であると考えます。見解を伺います。

●使いたい人が使えばいいという自己責任を行政サービスに持ち込むことがあってはなりません。

職員負担について伺います             

地方自治体の情報システムの標準化では、政府の規制改革推進会議は2万2千の行政手続きの98%をを2025年までにオンライン化する目標を掲げていますが、国の方針やスケジュールありきで自治体に準備を強要すれば、現場は混乱し行政運営に支障が生じ、十分な検討・準備ができず市民サービスが低下することも懸念されます。

また、地方自治体の情報システムの標準化(国が対象とする20業務)は、コスト削減を狙うもので、優れた自治体の独自施策の後退や抑制につながりかねません。
 市民に喜ばれるサービスを考えるのが行政の役割であると考えますが、マイタクや公共交通の充実を願う市民要望に応えず、困っている市民を置き去りに、自動運転やマエマースなど、職員が国のデジタル化方針に振り回されている現状は問題であると考えます。当局の見解を伺います。

結論

この間民間にできることは民間にと、盛んに指定管理者制度、民営化、PFIなど、民間への流れを推進してきましたが、今度は、行政が保有する個人情報まで営利企業の儲けのために差し出すというものです。これが行政の仕事と言えるのでしょうか。

台湾のオードリータンデジタル担当大臣は、新型コロナウイルスの感染対策でデジタル技術を活用し、個人情報の提供を求めるうえで、行政への信頼と理解が大切であるとして、説明・公開・透明性を重視し進めました。

政府の進めるデジタル化は、市民の信頼を損なうことになりかねません。市が住民のプライバシーや個人情報を守る防波堤とならなければ、市民の不安は払しょくできません。

2、次に高齢者の見守りと支援についてです。

 コロナ禍で、高齢者の外出の機会が減り、老々介護や、一人暮らし高齢者の増加により、高齢者の孤立化が進行しています。人々の交流が制限され、運動不足など、高齢者の健康状態も心配される中で、高齢者が地域で安心して暮らせる施策の充実が求められています。

  • 地域の見守りと支援の充実     

民生委員や自治会など支え合い活動が地域で行われていることは承知していますが、ゴミ出し、掃除、片付け、電球の取り換え、植木の選定、話相手など、ちょっとした生活の困りごとを助けてほしいこれに応えサポートできる体制があればいいですが、そういう人ばかりではありません。高崎市はシルバー人材センターが、「ちょこっと助け隊」を実施しています。本市も介護保険サービス以外のこのようなちょっとした困りごとを助けてくれる体制づくりが必要と考えます。

また、せっかく良い制度があっても、知らずに制度を利用できていない人や、どこに相談していいのかも分からない人もいます。ホームページや広報を見て理解できる人ばかりではありません。このような高齢者の不安にこたえる電話相談窓口を設置すべきと考えますが。それぞれ見解を伺います。

●助けてとなかなか言えない。まして行政はハードルが高い。業せて乃方から門戸を開くことが大切です。

高崎市の介護SOSサービスは、介護や見守りを必要としている高齢者の家族や、高齢世帯で緊急に介護が必要となった時に、ヘルパーが24時間電話1本でいつでも対応し介護サービスを提供します。65歳以上を対象に訪問と宿泊があり、訪問は1時間250円で月5回まで利用できます。宿泊は1泊2食2000円1か月3回まで利用できます。

要介護認定を受けていない人でも、例えば、転んで骨折し家事ができず困っている場合なども利用できます。

訪問介護ステーションわかばが高崎市の補助事業として実施しています。

19年度のサービス提供件数は1260件、宿泊サービスは100件となっています(20年度は約9000万円)。入浴中お風呂から出られなくなってしまった人に即対応して大事に至らなかったなど、利用者からとても喜ばれています。

 本市もこのような、緊急時に対応できる介護サービスの体制を整備すべき考えますが、いかかでしょうか。

●元気でいても、先のことはわかりません。突然介護が必要になり、慌てる人が多いのです。

緊急通報システムの拡充について伺います       

 本市の緊急通報システムは、緊急時、救急車の出動要請や、身近な登録先に連絡することができます。また、お伺いコールで、定期的に健康状態などの安否確認を行っています。安否確認センサーが異常を知らせる見守りもしています。

75歳以上の方は持病などが無くても申請可能にし、家に電話が無い人は携帯電話も利用可能にしたことで、利用が近年増えています(令和3年317人)が、非課税世帯に限定しています。
 高崎市の「あんしん見守りシステム」は、65歳以上の高齢者を対象にしています。市が委託した見守りセンターが24時間365日体制で見守りを行うほか、健康に関する不安、振り込め詐欺や訪問販売への対応方法など、生活不安等にかかわるさまざまな相談を受け付けています。

 本市も高崎市のように、非課税世帯に限定せず対象を65歳以上に広げ、高齢者の見守りを強化すべきと考えますがいかがでしょうか。

●この間特養ホーム入所は介護度3以上、食費居住費の値上、所得制限の強化などで施設入所が厳しくなり、自宅での介護を余儀なくされています。

さらに、介護保険料は3年後ごとに引き上げられ、物価高騰の中、たよりの年金は0.4%引き下げられました。

10月からは一定の所得ある75歳以上の医療費窓口負担の2倍化なと゛高齢者はかつてない苦境に立たされています。課税世帯は負担能力があるから大丈夫とは言えない。こんな時こそ、高齢者の暮らしを守るきめ細かい施策の充実が求められているのに、前向きな答弁がなかったことは残念です。ぜひ高齢者施策の充実に予算を振り向けるよう求めて質問を終わります。