【22年第2回定例会】吉田直弘議員の総括質問

2022年6月に開かれた第2回定例会で、吉田直弘議員は①豪雨災害対策の充実について、②文化財保護行政の拡充について総括質問を行いました。

1,はじめに、豪雨災害対策の充実について質問します。

(1)河川増水及び農業用水路の溢水対策

近年全国的に、積乱雲の相次ぐ発生により集中的な豪雨をもたらす線状降水帯、梅雨前線の長期の停滞、突然のゲリラ豪雨による災害が深刻になっています。前橋市内でも、昨年7月の豪雨では、市内10か所で溢水被害などが発生しました。本市では、利根川などの河川堆積物撤去、市内15か所の重要水防箇所の堤防工事など集中的な防災対策が必要です。同時に、いま市管理の準用河川などの整備の強化を求める願いも切実です。

  • 建設部長 

 そこで伺いますが、住宅や商業施設の密集した地域を流れる準用河川の近隣にお住まいの方から、大雨での洪水などへの不安が広がり、底にたまったヘドロの除去など、安全上の管理を強めてほしいという声も寄せられます。災害予防の観点から、市民要望に応える準用河川の管理の強化が必要と考えますが、いかがでしょうか。

●災害防止と未然に防ぐ形で計画的な補修と、地元要望に対して進める

 国や県に溢水対策を求めるとともに、準用河川を適切に管理することで防災にも効果を発揮します。一人一人の住民の寄り添った、丁寧な対応をしていただくよう求めます。

  • 農政部長

 いま東地区では、民間開発による宅地化が進み、豪雨の際、住宅地での被害が増えています。滝川及び農業用水路の溢水対策が急務です。ゲリラ豪雨時の水門の開閉、日常的な水門にたまっている立木などの除却などの管理を強化するため、関係各課や土地改良区などとも連携し抜本的な対策を急ぐべきです。答弁を求めます。

●自動転倒堰や改修の実施をしてきた。土地改良区や水門管理者との連絡を密にして、対策を実施。関係課で検討会議を行い、対策を実施していく。

 河川や用水路の溢水対策は、全市にまたがる大きな問題です。県や管理組合などとの連携を強め、溢水防止対策の抜本的強化を求めます。

要望ですが、箱田中学校の周辺は、大雨の際には側溝があふれ、湖のようになってしまうことが度々起きています。同中学校は地域の指定避難所です。昨年のゲリラ豪雨の際も水があふれ「これではいざというときに避難ができない」と不安の声が多数寄せられました。早急な対策を強く求めます。

(2)災害及び避難情報提供の強化

住民は、自分が住む場所が安全な場所がどうかは、ハザードマップと照らし合わせて判断するしかありません。昨年の改定で洪水浸水想定区域が大幅に増えました。しかし「マップを見てもよくわからない」という声も少なくありません。もっと日常的な防災情報の発信で、わかりやすく伝える努力も欠かせません。例えば、給食の献立表のように冷蔵庫に貼っておけるような、地区別のハザードマップなど、簡単に災害リスクへの備えを確認できる資料を作成し、全世帯に届けることも必要じゃないでしょうか。日常的な情報発信を強化すべきと考えますが、いかがでしょうか。

●マイタイムラインの普及や地域での講習、広報等でも周知し啓発。

 メールやSNSで情報が手に入れられない方も少なくありません。紙媒体によるきめ細やかな情報発信もしてください。

南海トラフに係る東海地域の自治体がマイタイムラインを重視しています。住民一人一人が、台風の接近や豪雨をもたらすような大きな雨雲の接近などを予測しながら、いつどういう風に備えればいいのか時間の経過に沿って自己の避難準備計画を組み立てるマイタイムラインは、水害時の避難計画を立てるチェックリストとして、自分の避難計画を手に入れることができます。ぜひ学校などでの講習や地域の公民館などでの作成支援なども積極的にやっていただきたいと思います。

【要望】さらに、もしもの時に自動的に電源が入り、緊急放送が流れる防災ラジオが重要です。お持ちの方からは「防災情報がほとんどないから使っていない」というお声も伺います。気象庁が線状降水帯予測を始めるなど、日々、新しい情報が増えています。防災ラジオによる積極的な情報発信を求めます。

(3)避難行動要支援者への支援

①西日本豪雨の際、倉敷市真備地区で亡くなられた方の9割が60歳以上でした。熊本豪雨では、犠牲者の7割が70歳以上でした。体が不自由で避難をあきらめた方も少なくありません。本市では、一人暮らしの高齢者や重度の障がいを持つ方など、支援が必要な方の「避難行動要支援者」名簿を作成していますが、登録状況は対象者の2割ほどと伺っています。災害時に誰一人犠牲者を出さないためにも個別支援計画の作成を急ぐべきと考えますが、現状と課題について伺います。

●登録状況5000人中1000人。福祉部と連携。ワーキンググループを作って取り組みを進めている。

 大分県別府市では、ケアマネージャーなどの福祉関係者が、平時の「ケアプラン」に、災害時における避難行動を記入した「災害時ケアプラン」を同時に作成しています。

国は、同計画の作成に福祉専門職などがかかわった場合の報酬や事務経費を要支援者1人あたり7000円、交付金として見込むとする事務連絡を出しました。地域のケアマネージャーや専門職は、介護サービスの利用などを通して、要支援者本人の状況を把握し、実効性ある避難支援の実現も期待できます。ぜひ地域防災計画に福祉専門者との連携を位置づけで、実効性ある避難支援に取り組むよう強く求めます。

②支援計画の実効性を高めるため、要支援者が暮らす地域の方々による支援は欠かせません。地域ぐるみの支援体制を強化していくためにも、自主防災会への行政からの積極的な支援が必要と考えますが、いかがでしょうか。

●ワーキンググループで推進し、実効性高い支援につながる研究や名簿の生かし方も検討し、地域防災会の協力を得て登録を増やしていく。

 ぜひ自主防災会や自治会、福祉団体などの住民組織や消防団などとのつながり、連携作りで、誰一人犠牲者を出さない支援体制づくりに行政がかかわるよう強く求めます。

【要望】さらに、個別避難計画は、自力で避難が困難な高齢者や重い障がいを持つ方などが対象ですが、熊本豪雨の際、同県球磨村の特養老人ホームの入所者14名が避難できず、尊い命を失いました。本市には浸水想定地域に高齢者施設が221施設あります。

 当該施設でも同様の被害が発生しないよう、高齢者施設などへの支援と連携の強化を求めます。

(4)指定避難所の拡大

 本市には、第七中学校や下川淵小学校のように浸水想定区域の中の指定避難所が多数あります。そのために、市民からは農協ビルやケヤキウォーク、大渡町の公社総合ビルなど、身近な一時避難所として避難できる場所を求める声も多数寄せらています。市有施設以外の施設とも連携し、指定避難所を抜本的に増やすべきと考えますが、いかがでしょうか。

●住民の要望にこたえ、市有施設以外の管理者にも相談してきた。管理上の問題などがあり、なかなか実現しない。

予期しがたい豪雨災害への住民の不安は切実です。もっと農協ともひざ詰めの協議もして、本気になって市民の命を守る立場で交渉すべきです。

2、次に、文化財保護行政の拡充について伺います

(1)文化財保存活用地域計画の策定

 熊本地震では、熊本城の13棟の重要文化財がすべて被災しました。文化財の数々は、常に災害や火災の危機にさらされています。文化財の確実な保護のためにも、指定・未指定を問わず災害対策、保護に係る指針の策定が必要です。

 本市には田口町の重要文化財・塩原家住宅には1764点の養蚕関連史料があるほか、鳥羽収蔵庫や粕川の文化財保存センターには約2万ケースの出土遺物があるほか、文化財や史跡も豊富です。いま上細井中西部地区の土地改良事業に伴う調査では、縄文土器が集中して出土し、更に縄文時代から奈良、平安時代の住居跡が発見されるなど、次々に重要な遺跡群が確認されました。同様に、各地で優れた遺物が日々出土しています。

指定・未指定問わず、史跡や文化財の状況を正確に把握し、保存・活用の方針を示す文化財保存活用地域計画を作ることが必要と考えますが、いかがでしょうか。

●現在、悉皆調査を行い、未指定を含む文化財の現状の把握とリスト化を進めている。個人所有のものについても、協力を得ながら随時、リスト化を進めている。

現状を把握したうえで、破損や焼失、水没の被害が起きないような一つ一つの文化財についての対策を具体化すべきです。ぜひ保有する市民への支援も進め、地域計画の策定を進めていただくよう求めます。

(2)学芸員等専門職の計画的採用

本市の古代の地層は浅間山や榛名山の火山灰が幾重に覆っています。平安時代に北関東を襲った弘仁の大地震の際に起きた液状化や地割れの痕跡が、市内各地の遺跡で確認され、現在の災害予測などでも過去の記録が広く活用されています。

文化財保護課の職員は、文化財の保存・管理の業務、発掘調査などを通し、先人の足跡をたどり、未来に伝えていく重要な責任を負っています。その業務は経験の蓄積、高度な専門性に加え、地域に精通していることも求められており、これら技術などの継承は本市でも大きな課題です。

現在の職員数は23名です。同課では総社歴史資料館、粕川歴史民俗資料館など6施設を管理していますが、職員は総社歴史資料館と粕川歴史民俗資料館に臨時職員が配置されているのみです。文化財保護の保存・活用を更に進める観点からも、専門職の計画的採用が必要と考えますがいかがでしょうか。

●専門職の確保は必要。技術の継承も課題。計画的に採用できるよう、関係課とも相談していく。

 2021年度の高崎市では、かみつけの里博物館を含む6資料館がありますが、すべての施設に職員が配置され、盛んにおこなわれる企画展や講演会は大変好評です。職員は約70名と伺っています。学芸員や専門知識を持つ職員の確保を確実に進め、本市が保有する優れた史料の数々を、より広く市民などに発信していただくことが求められています。ぜひ市民向けの講座や企画をもっと活発にし、本市の貴重な魅力ある文化財の数々の発信をしていただきたいと思います。ぜひ本市においても十分な職員配置を一刻早く実現するよう、強く求めます。

(3)大室公園の史跡管理

 大室公園は、土日は市内外の多くの来訪者でにぎわっています。ボランティアガイド「つかの語り部」による大室古墳群の案内は非常に好評です。しかし、関根家住宅がある民家園では、かや葺の屋根がはがれ、隣接する古代住居の模型も、老朽化で剥げた個所が目立ちます。社会科見学などで多くの子どもたちが訪れます。予算を増やし補修を急ぐべきです。答弁を求めます。

●順次改修は進めているが専門的技術、お金もかかり遅れている。隣接する竪穴式住居なども補修は必要と考えている。

ぜひ急いで補修をしてください。大室古墳群は、群馬デスティネーションキャンペーンで吉永小百合さんが訪れた公園として一躍有名になりました。本市にとって全国に誇る史跡公園でもあります。ぜひ全国の模範となる管理をしていただけるよう求めて、私からのすべての質問を終わります。