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議会報告

2009年第3回定例市議会・総括質問(長谷川薫議員)【2009/9/15】

2009年第3回定例市議会・総括質問

1、最初に税収納行政の改善について質問します。

(1)滞納整理

 いま、さまざまな生活苦によって税金を納めたくても納められない市民が増えています。ところが本市収納課は、税滞納者の個々の生活実態を十分把握しないまま必要な配慮を怠り、人権や生存権さえ踏みにじる、強引な滞納整理を強めています。
 昨年度は、市税だけでも年間約6千件の差し押さえをしていますが、給与が振り込まれた預金の全額を差し押さえたり、運転資金の入った預金、従業員給与や取引先への支払いが入った売掛金など、くらしと営業に欠かせない財産を、無慈悲に差し押さえて収納する事例が後を絶たず、多くの納税市民が悲鳴をあげています。また、滞納者が収納課との分納誓約に基づいて誠実に納入しているにもかかわらず突然わずかな預貯金を差押えたり、生活保護受給中の市民に差押催告が行なわれるなど、あってはならない事例も起きています。
当局は「呼び出しに応じない滞納者は悪質」とか「まじめに納めている人との公平を保つ」とか「大変でも納めている人が大部分」などの理屈を持ち出しますが、憲法には税は応能負担の原則が規定され、最低生活費には税金をかけないことが定められています。

そこでお聞きしますが、

@給与は国税徴収法76条で、最低生活維持費として生活扶助基準相当額等の一定額の差し押さえの禁止が規定されており、税金や社会保険料を差し引いた額から本人分10万円・家族一人当たり4万5千円を保証しなければならないと定められています。口座に振り込まれれば預金債権化して差押の制限がなくなるとの立場から、本市収納課はしばしば預金の全額を差し押さえております。 
しかもいずれも配達証明郵便などで差押の前に明確にその意思を伝える差押予告は行なっておらず、抜き打ちで差押え処分をする「緊急度」あったとは到底思えません。幼い子どもや高齢者などを含む世帯全員の憲法25条で保障された最低限の生活を脅かし明らかに行過ぎた差し押さえと判断できる事例が頻発しており、一家心中など悲惨な事件が発生しかねません。直ちに改めるべきと思いますが、その意思があるかどうか明確にお答えください。

Aつぎに、収納課は自営業者の営業を脅かす差押もしばしば行なっています。経営に苦しむ中小零細業者の最大の悩みは資金繰りです。店舗・工場・土地などの不動産の差押は、登記簿への記載によって金融機関からの融資が受けられなくなるという事態を必ず招きます。また、下請け会社が持っている売掛金債権の差押は、親会社に経営不振業者との評価を与えることとなり、その後の取引停止という最悪の結果をもたらしかねません。
経営破綻を呼び起こしかねない中小零細業者の滞納整理処分を決して安易に行なうべきではありません。滞納者が呼び出しに応じないといから滞納処分という乱暴な徴収を改め、経営状況を丁寧に調査し、収納課で慎重な検討会を行い、経営を脅かすことがないような納税指導に転換すべきです。答弁を求めます。

B次に、本市では、自己破産手続きによって免責決定が出された場合も生活保護受給中の場合にも、また、失業し再就職が難しい高齢者に対しても、執行停止の対応を迅速に行なっていません。それどころか、高齢失業者の雇用保険給付金が振り込まれた預金を差押えたり、本市社会福祉課との相談の上で資産活用をしながら生活保護の申請を保留している方のわずかな預貯金を差し押さえて収納するなど、生活困窮者へのきびしい取立ても行なっています。
地方税法第15条の7第1項は、滞納者に滞納処分を執行することができる財産がないとき。滞納処分を執行することによってその生活を著しく窮迫させる恐れがあるとき。その所在及び滞納処分を執行することができる財産がともに不明であるときは滞納処分の執行を停止することができるとしています。
徴収は問答無用で行ない、換価の猶予や執行の停止は限りなく消極的対応では弱者救済という法の趣旨が生かされません。滞納者が誠意を示している場合は、たとえ差押をしても換価の猶予や執行の停止などを柔軟に行なうよう改めるべきだと思います。答弁を求めます。

(2)延滞金

納期を過ぎれば年利14.6%の延滞金が賦課されます。納期内に納入する納税者との公平を確保するためと説明されていますが、おおよそ7年滞納すると本税と延滞金がほぼ同額となり、逆に分納を妨げている場合が少なくありません。全国的には地方自治体においても、本税を完納した場合には納税者のくらしの実態を十分把握した上で延滞金を減免している自治体が少なくありません。渋川市も行なっています。本市もかつては行なっていましたが、現在は延滞金の滞納だけで差押も行うなど、延滞金の減免をほとんど行なっておりません。
滞納繰越金を誠実に分納中の納税者には、徴収の猶予によって延滞金を4.5%に減らす対応を行い、誠実に本税を分納した納税者には地方税法72条に基づく減免を行なうなど十分な配慮が必要なのではないでしょうか。また、延滞金の税率を引き下げるよう国に求めるべきではないか。答弁を求めます。

(3)つぎに納税相談についてです。 

@納税相談に呼び出された税滞納者は、収納課職員に対して「納めたくても納められず納税の義務を果たせず申し訳ない」という気持ちで出向いている場合がほとんどです。滞納の理由はほとんどが生活苦や営業苦なのです。収納課の対応が、決して乱暴で不親切な対応であってはなりません。ところが、相談窓口では、収納課職員が声を荒げて滞納の責任を一方的に追及したり、無理な分割納入額を示して問答無用で押し付けるなどの乱暴な対応はやめるべきです。
二度と収納課の相談には出向きたくないと納税者に受け止められるような納税相談を改めて、市民にやさしい窓口対応に収納課職員は徹するべきです。改善に向けての努力をする意思があるかどうか、明確な答弁を求めます。

Aまた収納課職員1人あたりの滞納繰越分の担当件数が約900件と多く、催告文書発送や電話催告や納税相談の呼び出しで精一杯で、日常的には訪問催告はほとんど行なわれていません。このような弱い職員体制が、滞納者は一律的に悪質との立場からの乱暴な徴収行政となり、生活困窮などで滞納している場合の丁寧な対応が出来なくなっているのではないでしょうか。
特別滞納整理案件だけではなく2係や3係にも必要に応じて滞納者の自宅を訪問できる職員配置が必要だと思います。全国的には休日や夜間の訪問を実施したい滞納繰越を着実に克服している自治体もあります。経験をつんだOBの嘱託職員の配置も含めて早期に検討する必要があると思います。答弁を求めます。
B納税相談では、長期滞納者に1年以内・例外的に2年という短期間の完納を求めて日常生活が営まれないほどの多額の分割納入額を日常的に押し付けていますが、市民の営業やくらしを脅かす無理な分割納入額の押し付けは強権的な収納行政といわざるをえません。
 担税力が十分ありながら、全く納税意思のない滞納者と納税意思がありながら、営業不振や家族の病気や多重債務を抱えるなどの事情で滞納している市民とを厳格に区別して、もっと配慮ある分割納入額を認めるなどの丁寧な納税相談に応ずるべきではないでしょうか。長期分納を弾力的に認めるべきと思いますが見解をお聞かせください。

C次に税滞納者が長期滞納繰越にならないような支援と指導についてです。
税滞納が発生する原因は、病気入院や事業の不振・さらにはサラ金などの高利の謝金などで生活苦に陥った場合が少なくありません。収納課は、税や使用料の減免制度の活用や生活福祉資金などの各種生活支援制度の活用を所管の関係各課とも連携を図りながら滞納者に紹介すべきですが、現状は不十分です。強めるべきです。
その上で、たとえば静岡市では納期限を過ぎた未納者に対し、電話による自主納付の呼びかけを早期に実施し収納率向上の努力をしていますが、本市でも文書催告だけではなく、1係を中心に体制を確立して日常的に実施する必要があると思います。いかがでしょうか。

Dつぎに、今年の4月から突然、納税相談に私ども市議会議員が市民から依頼されて同席しようとしても、収納課は滞納者との個別具体的な内容にかかわる相談については同席を認めないという姿勢を示しています。私たち市議会議員は、市民から選ばれ市政の監視役としての役割を担っており、納税相談への同席も議員活動の一部である。
もちろん納税義務を果たすよう滞納者には対応しつつ、くらしの実態を滞納者に代わって収納課の担当者に伝える立場で同席を求めているのであって、税金の徴収を妨害する立場ではありません。
しかも、依頼する市民は本人の個人情報が議員に伝わることを認めており、納税相談において、収納課の調査によって把握した滞納者の資産調査にもとづく金融機関名や取引業者名などが議員に伝わることが公務員の守秘義務に抵触するとの判断ですが、それも、依頼者が知りえている情報であり問題はありません。個人情報が納税者以外に漏洩するので同席を拒否するのではなく、収納課職員の税徴収の手法や個別対応の内容が議員に伝わることのみを恐れているとしか考えられません。
市民に寄り添い市民とともに市民に開かれた市政の実現を求める市議会議員に対する、根拠のない納税相談への同席拒否を改めるべきだと思います。答弁を求めます。

(4)つぎに多重債務者への対応についてです。

特に、納税相談で把握した多重債務者については、任意整理によって過払い請求をすることができることや、自己破産手続きによって免責されることなどの情報を提供し、法務省と弁護士会で運営している法テラスなどの救済機関を紹介し生活を立て直す援助を行なうことや生活保護制度で救済するなど、税金の滞納の背後にある納税者のくらしの実態に即した救済をすべきです。
連絡調整会議にとどまらず、収納課が呼びかけて、具体的な解決策につながるまでの援助ができる相談窓口を庁内に開設すべきだとおもいますが、見解をお聞かせください。


1、つぎに中心市街地の活性化と南部拠点地区開発の問題点について質問します。

(1)最初は中心市街地活性化基本計画についてです。

本市は、中心市街地の活性化の起爆剤として、すでに約70億円も財政投入して元気21の整備を行い、有利な国の財政支援を受けられる基本計画の内閣府承認を推進してきました。  
しかし、ここに来て重点開発プロジェクトとなる8番街などへの開発に手を上げる企業の目途がなければ現状のままでの国の承認は難しいと判断し、当面申請の保留を決断しました。
私は、中心市街地活性化を阻害する最大の原因が文京町のけやきウォークとともに郊外型大型店の出店にあることを一貫して主張し、市として「まちづくり条例」などを制定してこれ以上の大型商業施設を規制すべきと求めてきました。政府も全国の現状告発を受けて2006年には、まちづくり3法を改正し、これ以上大型店立地を郊外にできないようにしました。
ところが、前橋市は、けやきウォークの開発に続き、南部拠点地区の開発を急ぎ、優良農地を潰して市街化区域への変更を推進したのです。
私は、2年後のベイシア開店を積極的に誘導しながら、中心市街地活性化基本計画の内閣府の認定を受けるのは今後とも非常に難しいと思います。8番・4番街の開発に手を上げるデベロッパーも当面期待できないのではないでしょうか。

市長は、市民に対しては今なお中心街の活性化を重点公約としながら、南部拠点の大商業施設促進のアクセルを踏み、活性化基本計画の承認申請については2年先送りとブレーキを踏む行政姿勢に、多くの市民や商店街の方々が「市長は本気になって中心街の活性化を進める意思はないのではないか」との疑問の声をあげています。 
活性化基本計画の素案を見ても、活性化の中心プロジェクトは何も具体化されていません。元気21を利用する年間約140万人の市民が中心街に足を運ばないのは、町に魅力がないからです。昨年と比べても中心街の客足がさらに落ち込んでいます。大型店にはない福祉や文化発信などの多面的な機能を持つまちづくりとともに、何と言っても中心街の商店経営者のやる気を発揮してもらうためには、これ以上の郊外への大型店出店を抑える立場に市長自身が立たなければ、中心街を活性化させる実効性のある活性化基本計画は策定出来ないと思いますが、見解をお聞かせください。

(2)次に南部拠点地区の開発についてです。

6月に開催された都市計画審議会で私は、前橋南部拠点地区の開発の問題点を指摘し、「時期尚早との立場」から優良農地の約49ヘクタールの市街化区域編入に反対をしました。
中心街の重点地区をも飲み込み、けやきウォークをしのぐベイシアなどの大型商業施設や物流施設が進出予定の東地区A・Bゾーン29fの開発は、本市の衰退した中心市街地の活性化方針と両立するものではなく整合性のない政策判断であります。住宅団地等の整備が予定されている西地区Cゾーンの20fについても、開発を予定していた大手ゼネコン熊谷組が撤退を表明し、現状では開発業者の参入の目途はありません。旧市街地の新規建設の民間分譲マンションもすでに過剰気味であり、前工団が開発造成しているローズタウン(江木町・富田町)の分譲にも苦戦している状況の下で、交通の利便性が良いという条件だけで住宅団地開発が順調に進むとは考えられません。組合施行の区画整理事業は、土地価格の下落が続いている中で保留地の売却が早期に進まなければ、事業に必要な財源が生み出せず道路・公園などの公有地整備が進みません。企業参入を期待して事業期間を長くしても、地権者に大きな経済的損失のリスクが発生することは否めません。
 
いま、財政危機と少子高齢化社会の進行の下で、市街地を拡大する従来型のまちづくりからコンパクトなまちづくりが求められている中で、南部拠点地区の開発に向けて、朝日町下阿内線の道路整備や文化財調査にあわせて今年度だけでも3億7千万円もの予算が計上されています。今後とも南部拠点地区開発に道路や下水道などの公的な基盤整備などで市財政を過大に投入することは問題です。
農地を転用して大型店の駐車場などに賃貸する土地所有者も、今後は宅地並みの固定資産税や都市計画税などこれまで以上の税負担増を担わなければなりません。   
ベイシアの開店時期の延期や区画整理事業計画の事業期間の延長を土地区画整理組合に求めるなどの行政指導を、改めて行なうべきだと思います。答弁を求めます。
以上で第一回目の質問といたします。


第A質問

1、収納行政

私の収納行政の改善についての質問に、財務部長の答弁は十分答えていただけませんでしたので、市長の答弁を求めて質問いたします。
云うまでもなく、公務員は市民全体への奉仕者です。税金の徴収についても決して市民の人権を侵害するような乱暴な徴収をすべきではありません。
税金の取り方の基本を定めた国税徴収法は、「徴収に当たって用いる強制力は慎重の上にも慎重を期することが前提」だと示されています。また、「納税の猶予」を定めた国税通則法には、徴収確保のため、納税義務者の生活保障を損なう結果を招くことは「無益で有害な執行」だと述べ、憲法の立場で納税者保護のあり方が示されています。
いま、前橋市は、こうした立法の趣旨を無視して、滞納繰越金を解決する手段として安易に差し押さえを乱発しています。滞納者へのきびしい制裁であります。
一時的には税収が増えて収納率が上がるかもしれませんが、長い目で見ると市政への市民の信頼を徐々に失い、市長が日頃から強調している「市民力や地域力」の発揮も期待できなくなるのではないでしょうか。
いま収納課の多くの職員は、「税金の滞納を繰り返している市民は悪質であり、徹底的に自己責任を追及すべき」と考え、「納税相談に来ない滞納者や分納を怠った納税者には、預金でも給与でも不動産でもきびしく差押えて取り立てることが当然と」考えているようです。
市長!このような乱暴な徴収で、多くの市民が苦しんでいるのです。このようなやりかたを当たり前とする職員が増えていくことは、住民に奉仕する考え方が弱まり、弱肉強食の新自由主義的な特権的な行政意識が市職員に次第に強まり、結果的には市民不信を助長し、市長がめざしている市民と行政が連携を深める市民参加型・市民協働型のまちづくりは難しくなるのではないでしょうか。
とくに前橋市政を今後とも担っていく若い職員が、滞納している市民に対して血も涙もない官僚的な対応をしていることを改めさせないで、収納率の向上に貢献していると手放しで評価することは、懐の深い思いやりのある職員が育たず、職員教育の観点からも間違いだと思います。

私は、市民の願う福祉や教育の充実や安心して暮らせるまちづくりなど市民本位の前橋市の行政の実現に向けて、自主財源の確保が必要不可欠であることなどを丁寧に市民説明し、自主的な納税の義務を果たしてほしいという要請を繰り返し行う。そういう市民を信頼し、納税義務を果たしてもらうという本来の税金の徴収の手法への転換が求められていると思います。市長の答弁を求めます。

2、活性化計画

 前橋市政の大きな政策課題である、中心市街地の活性化という目標実現から考えると、複合拠点として位置づけている南部地区の開発は時期尚早といわざるを得ません。都市間競争に負けないためには、将来を見据えてまちづくりを考えなければならないとの立場のようですが、どう考えても前橋の場合、矛盾するといわざるを得ません。
市長は、これまでに中心市街地活性化計画の策定を二年先延ばしにして来年中には国に認定を受けて、国の財政支援を受けて活性化を推進しようとしていたはずです。 
8番・4番街区の民間開発の提案募集しても企業の応募が十分進まないだけに、バス公共交通やまちなか居住の促進や医療介護などの福祉的な機能の促進・商店街振興策などのハード・ソフトの事業を、これまでのまちづくり交付金や合併特例債以上の有利な支援がなんとしても受けられるようにしなければなりません。
内閣府の市街地活性化本部と市のこれまでの事前協議では、五年以内に実現可能なプロジェクトの提案、市内の約650ヘクタールの準工業地域に特別用途地区の網掛けを行い、売り場面積の一万平米を超える大規模な集客施設の立地を抑制し、現在の店舗の1・2倍以上の拡張を認めない。さらに南部拠点の開発に関しては、市として商業施設の導入を必要と考えるのなら、中心市街地への影響も含めてその必要性を都市づくりの観点から明確に説明する必要がある。と指摘されてきました。結局、ベイシアの出店後でなければ、特別用途地区の網掛けが出来菜との判断から、国への申請をベイシア開業後に引き伸ばしたのではないですか。答弁を求めます。

3、南部拠点開発

「市街地の拡大がまちの発展だ」という従来の認識を改め、少子高齢化社会の進展や効率的な財政支出の必要性にあわせて、「都市基盤の整備された市街地に、病院や図書館などの公共的な施設を集中させ、やめコンパクトなまちづくり」への方針転換は前橋の都市計画にも切実に求められています。

いま、南部拠点地区の整備は、地方拠点方にもとづいて進めている開発。中心市街地を支える地区と位置づけていると答弁し、担うべき役割が異なるとの答弁もされている。
しかし、1998年制定のまちづくり三法が大型店の出店を事実上野放しにしたために、郊外への大型店出店と撤退が繰り返され、中心商店街の衰退にとどまらず、周辺も次々と商店街が閉店し、高齢者など交通弱者は近所で生鮮食品が買えなくなりました。
いま、市民の郊外立地の大型店の利用率は六割を超えています。文京町のけやきウォークやみずきの団地の北にできたオリックス系のクロスガーデンなどを加えれば、8割近くになると思います。このような中で、中心商店街も周辺商店街もつぎつぎと弊店が続き、高齢者などの交通弱者は近所で生鮮食品や生活必需品が買えなくなりました。すでに地域の消費購買力を上回る大型店が進出し、オーバーストア状態になって、中規模店は撤退を続けています。前橋駅前のイトーヨーカドーや中心市街地のスズランも撤退するのではないかともささやかれています。

 国もこのような状況が全国で深刻化したために、2006年6月に、都市計画法などまちづくり3法を改正し、床面積1万平米を越える大型商業施設の郊外出店を原則認めず、出店が可能なのは商業地域と近隣商業地域と準工業地域に限定しました。
ところが、市長は農業者などの住民の意向を尊重したとはいえ、南部拠点地区に中心市街地の重点地区25ヘクタールを大きく超える、55.5ヘクタールの優良農地を市街化地域に編入しベイシアを市が誘致したのです。
昨年秋以降の深刻な景気悪化の下で、市民の消費購買力が低迷する中で、前橋市の南部に出現する市内最大の商業施設の立地が、超高齢化社会に突入する市民の暮らしの利便性を大きく向上するとは思えません。
市長は大型店の野放図な出店や撤退がまちを壊し、中心市街地でも郊外でも商店街を中心とした地域コミュニティーの崩壊が進んでいることをどのように総括し、今後のまちづくりを生かそうとしているのかお答えください。


第B質問

 1、収納行政

 いま、全国の自治体が税源の委譲や税収の落ち込みなどに対応するために、自主財源の確保を目指して税徴収の強化と滞納処分を強めています。一方で税や保険料を払えないほど国民を貧しくする政治を強めながら、取立てだけは無慈悲に強める政治が、本市でも生活困窮にあえぐ市民を追い詰めています。
弱肉強食の構造改革路線を推進してきた自公政治が、国民の審判によって終焉しました。新しい政権の下で、国民に優しい政治への転換を多くの国民が期待しています。多くの前橋市民は今、前橋市政も、市民のくらしに寄り添うあたたかい市政への転換を強く求めていると思います。最後に、市長に収納行政の改善を進める意思があるのかどうか答弁を求めておきます。

2、南部拠点開発

 多くの自治体が旧まちづくり3法の限界を認識して独自の条例を作って郊外への大型店の出店抑制の努力をしたことが、国政を変え大型店の出店規制が再び実施されることとなったのです。大型店を規制しなければまちがこわれるという認識が国と地方自治体の共通認識となっているのです。拠点地区だといえ開発を急がず、少なくとも前橋市内全域の商店街の活性化状況や、高齢者の暮らしの実態をよく調査しながら、拙速とならず慎重な開発・街づくりをすることが必要なのではないでしょうか。全国で最も早く中心街の活性化を果たすと豪語した高木市長自らの公約を守るべきではないでしょうか。いかがでしょうか。



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