トップページへ 前のページへ 目次ページへ
議会報告

2009年第3回定例市議会 本会議 総括質問(中道浪子)【2009/9/10】【2009/10/20】

1、最初は、安心して利用できる医療と介護についてです。
 
 質問の第一は、国民健康保険税の引き下げ等についてうかがいます。
厚労省の08年度調査では、国保税の滞納世帯数は、453万世帯で国保加入世帯の20・9%にのぼり、5世帯に1世帯が「国保税を払えない」という状態になっています。
また、全日本民医連が今年3月に発表した、「国保死亡事例調査」では、国保加入世帯の中で、経済的事由により受診が遅れ、死亡にいたったという事例が、08年の1年間だけで、31件あったと報告しています。
中でも、短期保険証でも亡くなられた方が13件もあり、「払えないほど高すぎる保険税」と「重い窓口負担」が死亡事件を引き起こしているという実態が浮き彫りになっています。
 本市でも、資格証明書発行件数は、2,475世帯にものぼり、加入世帯の4・8%も無保険世帯です。全国的に起きている悲惨な事件が本市でも起きないとも限らないのです。
高すぎる国保税の引き下げは待ったなしです。少なくとも1世帯1万円の引き下げが必要だと思いますがいかがでしょうか。見解をお聞かせください。
 同時に、「重い窓口負担」が、病院に行くのを遠のかせています。
医療機関への未払いも増え続けているので、厚生労働省はこの7月、2010年度をめどに「未集金のモデル事業」として、事業のガイドラインや特別調整交付金実施の基準づくりなど国保の一部負担金の減免内容を都道府県に通知しました。県内のモデル事業の市町村はまだ決まっていません。
 厚労省の「通知」では、悪質滞納者への未集金の回収を医療機関に呼びかけていますが、所得が低いために医療費が払えない場合には、市町村が未収分の一部肩代わりをすれば国が支援するという基準を示しています。
本市では、既に一部負担金減免制度は実施していますが、昨年度1件申請があったが受理はゼロというのが実態で、実施基準を設けながらもきわめて活用されていません。
医療機関の窓口負担が心配で、医療機関にかかれない人を救済するために、低所得世帯への医療費窓口払いの軽減が実施できるように、制度の緩和策を検討すべきだと思いますがいかがでしようか。また、この制度が知られていないのは行政の責任ですから、制度の周知も必要だと思いますがお考えをお聞かせください。
 
質問の第二は、後期高齢者医療制度の廃止と75歳以上の医療費無料化についてうかがいます。
世界でも例のない高齢者差別医療の「後期高齢者医療制度」が国民の反対を押し切って実施され、介護保険料に続き、年金から保険料が天引きされています。夫が後期高齢者医療制度加入になり、扶養だった妻は無収入なのに、国保税の納付書が送られてきて、どうやって払うのかと。また、100歳になる方が入院していますが、主治医から家族が呼ばれて「もっと治療の方法があるが、高齢者医療なのでこれ以上の治療はできない」と言われたなど、高齢者が長生きするのを喜べない制度です。こんなお年寄りいじめの後期高齢者医療制度は、廃止するしか方法はありません。総選挙で政権交代したのですから、市長はいまこそ、この制度の廃止を新政府に表明すべきだと思いますがいかがでしょうか。市長の見解をお聞かせください。
 同時に、75歳以上の医療費無料化について伺います。
OECD(経済開発協力機構)加盟30か国において、8割の国がお金の心配をせず医療が保障されています。わが国もかつては、健康保険本人も70歳以上の高齢者も無料でした。歴代自民党政権による度重なる医療改悪の結果、“世界の水準”から大幅に後退させられて来たのです。
市長は「後期高齢者医療制度」に代わる、75歳以上の高齢者の医療費無料化を国の制度として創設するよう、政府に要望するお考えはないでしょうか。また、本市は、子どもの医療費無料化を中学まで全国に先駆けて実施した自治体として、今度は75歳以上の高齢者の医療費無料化制度を検討する考えはないでしょうか。市長のお考えをお聞かせください。

質問の第三は、介護の充実についてです。
 介護保険制度は、保険料・利用料が高すぎ、施設整備も遅れている上、たび重なる厳しい利用制限により「介護取り上げ」も行われてきました。
厚生労働省は、今年4月に世論の批判を浴びた「新しい要介護認定制度」を実施して、「介護の非該当者及び軽度者の割合は増加した」と、新制度で認定が軽度化する事実を認めるとともに、利用者への聞き取り調査基準の見直しを決めました。
介護保険制度は、見切り発車ではじまり、度重なる制度改悪を国民から指摘され、そのつど現状把握と利用者の実態把握が求められてきました。しかし、当局はいつの時でも、「国の動向を見守る」としか答弁しかせず、保険者としての主体性がないまま、今日に至っています。
 今回の介護認定の大幅見直しは、10月1日にも再見直した基準の認定を開始し、経過措置を解除するといいます。その後、政府はいずれかの時期に再度検討会を行い見直し後の認定結果を検証する意向です。
当局は、保険者の責任として、今回の認定再見直しで利用者の介護認定がどのように変更するのか、変更した場合の利用者の状況がどのようになるのか、その実態をしっかり把握し、サービスの後退する事態が起きれば、それを援助・カバーする施策をしっかり実施するとともに、保険者として、国の制度改悪に対してしっかり防波堤の役割を果たすべきだと考えますが、いかがでしょうか。お考えをお聞かせください。

介護の二つ目の質問は、前橋市地域優良賃貸住宅・高齢者型の推進について伺います。 高齢者が増えて、老老介護をはじめ、一人でくらしながら介護を受けている高齢者も多くなっています。住み慣れた家で暮らしたいと思っても、様々な理由で施設入所を希望される方も増えています。しかし、特別養護老人ホームは本市だけでも千人以上が入所を待っています。老人保健施設はどこもいっぱいで、3カ月ごとにたらいまわしされているのが実態です。今、小規模多機能型施設の増設を進めていますが、それでも対応できません。高齢になると先のことが心配で安心して暮らしたいという思いで、地域優良賃貸住宅・高齢者型住宅のニーズが高まってきていると仄聞しております。すでに、市内中心街に建設され入居者もいるようです。この制度は、中心市街地から、25f以内の区域で、建築基準に沿っていれば、入居者への家賃の減額補助をするというものです。今後の対応についてお伺いしますが、要綱などの条件が揃えば、市街地から25f以内という条件を緩和することも検討されてはいかがでしょうか。見解をお答えください。

2、次は、小中学校の統廃合計画の問題点等についてうかがいます。 
まず、学校統廃合は、政府が進める「地方自治改革」に添ったものだと考えています。財務省の財政制度等審議会は、「2008年度の予算編成の基本的な考え方」の中で、この30年間で子どもの数は、4割減少したのにもかかわらず公立小中学校数は、数%しか減っていない。「小規模校には教育政策と効果上の問題があり、財政上も非効率であり、積極的な統合・再編を進めるべきだ」と述べています。
また、財務省調査では、05年に小・中学校384校を221校が統廃合したところ、人件費を中心として、統合前より170億円の効率化につながったと評価しています。2008年6月、文科省は、中央教育審議会に「学校統廃合の促進について具体的な検討」を要請、少子化による小規模校が増えたことに対し「教育上、学校にある程度の規模は必要」だと理由を挙げています。
 加えて、全国的に進められている“平成の市町村合併”に伴う学校統廃合については、「新たな市町村合併プラン(05年)」により、教職員定数の規制緩和やスクールバス購入などの優遇措置が取られています。
このように、学校統廃合は、市教委が強調して述べている「前橋の子どものため」というのは、統廃合の経過としての建前であって、本来は今述べたように財務省・文科省など政府が上げて進めている「地方自治構造改革」によるものです。老朽化した小中学校を改築するための予算不足を1校でも2校でも統廃合で乗り切ろうとしているのではないでしょうか。はっきりお答えください。
 また、今年度、二中と四中にそれぞれ学校適正規模地区委員会が設置されました。しかし、二中・三中の両者の「地区委員会だより」NO1には、このようなことが書かれています。「前橋市では、多くの小中学校で小規模校化が進んできており、さらなる小規模校化の進行が見込まれ、児童生徒の望ましい成長、多様な学習活動や集団活動の展開等で様々な問題等を生じさせる危惧があります。」と、学校の小規模校化が何かとてつもなく悪いことかのような言い方をしており、こんな「地区委員会だより」が町中回覧されたのでは、正しく地域住民の意見集約はできないと思いますが、当局の見解をお聞かせください。

3、次は、市長などの政治倫理条例について伺います。
 市長の親族企業や支援企業に対する所得隠し疑惑や、朝倉工業団地の拡張計画、みづき野住宅団地など、次々に市長の親族企業や支援企業に対しての疑惑問題が報道されてきました。しかし、それらの問題に対して市長からは明確な説明もなく、未だに疑惑が解明されていません。私は、市長が自ら襟を正し、疑惑があるとされている親族企業や支援企業への利益誘導を取りやめ、今後自粛していくという立場にたって、政治倫理条例を提出するよう求めてきたところ、ようやく提出された条例は、今起きている疑惑問題を解決しようと言うものでなく、修正する必要があり、質問いたします。
 まず、「市との契約の自粛」の条項をもうけて、市長などその配偶者の二親等以内の親族、または同居の親族が経営する企業並びに市長等が実質的に経営に関与する企業は、地方自治法の趣旨により、市と売買契約や賃借契約などを締結しない努力規定を条例の中に設けておく必要があります。
また、第4条の政治倫理基準の中に、企業などから政治献金を受けないことを付け加える必要があります。
さらには、市民の調査請求権は、市民総数の50分の1の連署を持って調査請求ができると言うのでは、ハードルが高すぎるため、疑惑を証するものがあれば市民一人でも調査請求ができるように修正すべきだと思いますので、三点について市長の明確な答弁を求め、私の第一回の質問といたします。







ページのトップへ