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議会報告

2009年第4回定例議会総括質問  小林久子【2009/12/9】

1、新清掃工場建設について
(1)まず最初に3清掃工場の廃止と新清掃工場建設計画についてです。
 六供、亀泉、大胡の3つの清掃工場を、1箇所に統合し、2016年下増田に新清掃工場を建設しようとしています。市民のゴミの減量の取り組みや意識も高まる中で、一箇所に大規模な施設を、巨費を投じて建設することに対して市民からも疑問の声が上がっています。地球環境の保全のためには、大型焼却炉によるごみの焼却中心から脱却を図り、ごみの減量と再生で環境への負荷を抑制することが求められています。

@質問の第一は炉の延命化についてです。
 六供の施設は19年目を迎えるが、炉はダイオキシン対策工事を2001〜03にかけて約39億円をかけおこなっています。亀泉・大胡は、ダイオキシン対策の炉に02と03年に改修しており、まだ6〜7年しか経過していません。焼却施設の耐用年数は一般的に20年から25年程度とされてきましたが、建物は50 年程度の耐用年数をそなえています。国は、2009年度から施設の長寿命化計画を策定する自治体に経費の三分の一を補助しています。さらに、2010年度からは、炉などの基幹設備の改良費用も助成し、施設の寿命を15年程度伸ばすことをめざしています。施設全体の耐用年数の延長を図ることは自治体財政にとっても効果的であると同時に、資源、エネルギーの保全の観点からも大切です。現在の3工場の延命化をはかるべきと考えますが答弁を 求めます。

A二つ目は施設の分散についてです。
 1か所だけだと、万一地震や火災などの緊急事態発生時にごみ処理が滞るというリスクをおうことになります。これを避けるためにも複数に分散させたほうが良いと思います。また、1日400台のトラックが往復するなど、交通量や、排気ガスの増大による環境への影響が心配されます。住民、事業者にとっても下増田までゴミを運ぶのは大きな負担と不便を強いることになります。3箇所のうちの1箇所2か所でも残し、下増田には、計画より規模を縮小した炉を建設し、複数にすべきと考えますが見解をお聞きします。

B3つ目に市民合意についてです
 環境影響評価で、半径5キロ圏内を対象に、市内4箇所と近隣市町村あわせて7箇所で説明会を行ないましたが、多くの市民は、新清掃工場の建設をいつどこに、作るかや、一箇所に統合することなど、内容をまったく知りません。まず最初にやるべきことは、計画の丁寧な説明を全市域、全市民対象に行ない、新清掃工場を下増田に建設することについての市民合意を得るべきではないでしょうか。

(2)次に焼却炉の選定と規模についてです。
@3つの方式、焼却、焼却+灰溶融、ガス化溶融から選定についてですが、4人の専門部会の委員で来年夏までに炉の選定をするとしています。環境省は2005までは、市町村が設置する焼却炉に灰溶融施設を併設しないと補助金の対象にしないと自治体を縛り、さらに今度は循環型社会形成プロジェクトに交付金を支給するという方式へ切り替え、発電施設のない焼却プラントは交付金の対象からはずされました。
ガス化溶融炉は、ごみを前段のガス化炉の低酸素の中で加熱して可燃性のガスと炭に分解し、後段の溶融炉で1300度以上の高温で燃やし、スラグを作ります。灰溶融炉は、ストーカー炉などで焼却した焼却灰を灰溶融炉で溶かして固めてスラグにします。このスラグは道路の路盤材に活用でき最終処分場がいらず、廃熱利用の発電ができるとされましたが、有害重金属が含まれるなどで、安全性に問題があり、高温・高圧の可燃性ガスを発生させるため、爆発事故を含むトラブルが相次いでいます。また高温燃焼のための助燃材が必要で、コストもかかります。
高温で何でも溶かすガス化溶融炉を採用すれば、ごみの分別リサイクルを推進してきた、市民の意識が低下します。また、地球温暖化防止にも逆行するものであり導入すべきでないと思いますが、見解をお聞きします。

A3方式の炉の建設費を180億円から270億円としていますが、国の交付金を当て込んで建設費を抑えたとしても、運転経費・メンテナンス費・委託費など莫大な費用が、自治体の財政を 圧迫します。これらについては、三方式でどのような試算、比較をしているのか伺います。経費の面や安定した運転を言うのであれば、ストーカー炉であり、川崎市で採用したストーカー炉は450トン炉で134億円です。
 
(3)次にゴミの減量化についてです。 
@ごみゼロに取り組む自治体の実践に学ぶべきです。東京都町田市や神奈川県葉山市など全国ではごみゼロを掲げがんばっている自治体が数多くあります。本市は廃棄物処理基本計画を策定し、2015年までに20%削減目標を掲げています。これを、市民、事業者に対し提起すべきです。本市のごみは燃えるごみが81%。リサイクルが14.3%です。昨年の紙ごみのリサイクルは13,000トンです。これをさらに引き上げるために、市民と一体になった、新たなごみ減量施策を 打ち出すべきと考えます。特に 家庭系、事業所系のごみの組成、現状を細かく分析・把握した上で、市民、事業者に減量、リサイクルの目標を提起し、具体的取り組みをしていくことが必要と思いますが答弁を求めます。

A紙以外の食物残渣、剪定枝などもリサイクルの対象にし、再資源化、堆肥化に取りくむべきです。東京都町田市では、市民と協力して、本市も業務用生ごみ処理機を使った取り組みをしています。自治会、団地、事業所などでも活用できるように業務用の生ごみ処理機を貸し出すなど、モデル事業としてまず取り組みをしたらどうでしょうか。また本市の南橘地域ではすでに、廃油の回収に取り組み、市民の実証が行なわれています。こうした市民の協力を広く求めて、リサイクルを推進していくべきではないでしょうか。

B事業系ごみの減量は、事業所任せで、分別が不十分です。事業所にも、現在対象外になっているプラの分別も含めて、ごみの分別を徹底すべきです。本市の廃棄物の処理および清掃に関する条例では、大量に出す事業者に対しては、減量計画書の提出を義務続けていますが、各事業所に対しても同じく減量計画を求めていくべきではないでしょうか。また、 鎌倉市、町田市、久喜市では、剪定枝の堆肥化に取り組んでいますが、本市でも大量に出る剪定枝を燃やすのではなく、堆肥化に取り組むべきです。答弁を求めます。

2、次に町村の合併後の市民生活をめぐる諸問題についてです。 
 国の主導で進められてきた平成の大合併は2010年3月で終了します。10年で市町村数は3232から1760へ半減しました。全国町村会は平成の合併をめぐる実態と評価の調査報告を昨年10月に出しています。メリットとして財政の効率化があげられますが、これをそのままメリットと捉えてよいのか。地域の特性にあった行政サービスや、住民サービスを 犠牲にした財政支出の削減は、合併のメリットとは言えないのではないかと指摘しています。
(1)そこで、支所・出張所等の市民サービスの充実について伺います。
 支所は、合併当初の7課から現在、3課に縮小され、各種証明書の発行、税の納入、課税評価などのサービスに限られ、かつていろいろな相談に対応していた機能はなくなり、行政が住民から遠くなったと感じています。今年の市政懇談会では、乳幼児健診を朝日町の保険センター1か所にしたことで、小さな子どもを抱えて、混みあう中順番待ちをしなければならず、前に戻してという意見が出されました。小さな子どもをつれて出歩くのは大変なことです。一人とは限らず2人いればなお大変です。乳幼児健診は支所や出張所でもできるようにすべきではないでしょうか。生活保護の申請や滞納相談は、本庁に来なければなりません。市民が一番求めるサービスが、近くの支所でできないというのは問題です。是非支所・出張所でもこれらのサービスができるように改善すべきであり、本庁から支所などに職員が出向いてでもサービスを充実すべきです。
高齢者、障害者、交通弱者など、市役所まで来るのが、大変な人も多くいます。各種申請も支所ですべて受け付けるようにし、市民の利便性の向上を図る必要があると考えますが見解をお聞きします。

Aまた、平日に来庁できない市民のために本庁では第三日曜に相談窓口を開設し市民の利便を図っていますが、支所・出張所に市民相談窓口を置き、市民がいつでも相談できる体制を整えることが必要ではないでしょうか。見解をお聞きします。

B社会福祉協議会の支所の存続と充実についてです。合併時の調整では、行政の支所と同じく再編見直しを図るとされていましたが、社協は現在、三地域において、学童や福祉作業所、いこいの家デイサービスセンターや、老人福祉センター、大胡の東部介護センター、ボランティア活動の拠点として、さまざまな事業を展開しており、それらをささえる大切な役割を果たしています。今後も存続すべきと考えますが答弁を求めます。

(2)次に新市建設計画の進捗状況の問題についてです
 新市建設計画の前期事業に位置づけられていたものの執行状況ですが、上電の新駅建設、粕川小、中学校の改修、大胡中体育館の建設、足軽グラウンド、茂木公園整備など、検討中あるいは実施中となっていますが、前期5年に位置づけられながら、まったく手が付けられていなかったり、ここにきてやっと動き出した事業など、地元住民からはどうなっているのかと心配の声が上がっています。特に学校施設の整備については耐震の問題もあり、最優先で行なうべきです。これら前期事業に位置づけられたもので遅れているものの進捗状況はどうなっているのか。また、今後の事業の見通しについて伺います。


第二質問
 行財政改革実施計画では、いったんは清掃工場の長期補修計画策定を上げていたが、耐用年数がないからと取りやめてしまいました。国や県の広域化計画が背景にあります。国の施策に振り回されず、ごみの減量と焼却炉の規模をどうするかを同時に考えていく必要があり、ここをしっかり論議せずに大型炉先にありきの考えは問題です。

@施設の規模ですが、新清掃工場施設整備基本構想では、ごみが2020年まで増え続ける前提で、約12万トン。日に332トンと試算しています。しかし廃棄物処理基本計画の、2015年に20%の削減では、9万7千トン、日量244トンです。稼働日数考慮しても、450トン炉は過大な見積もりといわざるを得ません。リサイクル推進課とも連携して、ごみ減量に取り組み炉の規模縮小を図るべきと考えますが見解をお聞きします。

Aガス化溶融炉が自治体財政を圧迫との見出しで数々の事故が報道されています。
東京23区の灰溶融スラグから、基準値以上の鉛が検出され施設を大改修。高砂市のガス化溶融炉は、2年間で27回の事故を起こし、年間の維持管理費が約2倍かかった。諫早市は4市で作る組合が147億円かけてガス化溶融炉を建設したが、ガス代だけで3億2800万円も係り、また、稼働に必要な電力を発電量でまかなうはずだったが、2億円をこえる電力を購入した。取手などの4市で作る事務組合が溶融炉の建設費260億、維持管理費155億円が高すぎるとして、議会が白紙撤回を求めた。など、枚挙にいとまがありません。川崎市や富山県高岡地区では、こうした点を加味して灰溶融炉の建設を取りやめています。最終処分場に余裕があれば、灰溶融炉は作らなくてもいいのです。本市は溶融スラグ利用を検討しているとのことですが路盤材に使えばすぐには問題なくとも、経年劣化で有害物質を前橋中に分散させることになります。予想を超える税金投入が生じるリスクの高い溶融炉は作るべきではないと考えますが、再度答弁をもとめます

B建設検討委員会の専門部会を設け、来年夏までの短期間で、炉を決定すると言うが、4回ぐらいの会議で決定しようというのはいかがか。また、市民の意見聴取を行なうことはないのか。市民をまじえた検討委員会で十分議論し、炉を選定すべきと考えますが見解をお聞きします。

ごみの減量についてですが市民運動の啓発のために、市民、環境団体、事業者、行政が情報や活動の交流を図るネットワーク組織を作ってると共に、ごみの減量、堆肥化の取り組みを進めるための市民会議を設けたらどうか。見解を伺います。
 
支所・出張所の市民サービスの充実ですが、全市民がサービスの充実を望んでいます。支所とともに出張所にも人を配し市身近な相談にのるべきです。また、 本庁舎内でも高齢の方や、障害の方は1箇所で用が足せるようにすべきです。お答えください。

新市建設計画の中にある上電の新駅の建設は地元の要望も強いが、県や沿線自治体の支援をうけており、本市だけでは決定できない問題があることは承知していますが、市はできないとは言っておりません。後期の5年の中で、どのように位置づけ、取り組んでいくのか。伺います。

合併特例債は20年までで、約171億円発行しています。教育施設の整備の関係ですが、特例債はせっかく有利なものに使えるので、後期の期間については、教育施設整備を後回しにせず、最優先に実施していくべきと考えますが、答弁を 求めます。




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