トップページへ 前のページへ 目次ページへ
議会報告

2009年12月議会 議案第166号「訴えの提起について」
              (前工跡地の土壌汚染問題)本会議反対討論  中道浪子【2009/12/16】

 私は、日本共産党前橋市議団を代表して、本議会に上程された議案第166号「訴えの提起について」、反対の討論を行います。
 
 この議案は、前工跡地の土壌汚染問題で、県と市の話し合いがもてず、裁判で判決を下すことを求めようと、市が県を提訴する議案で、昨年12月市議会に上程して否決されたものと同じです。
 
 私ども日本共産党市議団は、前工跡地の土壌汚染問題が発覚してから、近隣住民のみなさんを訪問もして、地元のみなさんの願いに沿って、汚染した土壌を早期に全面回収することを市長に求めてきました。
しかし、早期解決のための県との話し合い・協議を行うことができず、今に至っていることは誠に遺憾に思っています。以下反対の理由を4点について申し上げます。

反対理由の第1は、昨年来、市長自身が県知事に対して、積極的に話し合い・協議の場を要請してこなかったことであります。 昨年12月に同様の議案が上程され、市と県が充分な話し合い・協議がなされていないことが理由で、本会議において時期尚早と否決されたのです。
なぜ県が話し合いに応じないのか、市長は粘り強く紐解いて、県知事に迫る努力をどれほど行ったのか。市長の胸襟を開いた粘り強い取り組みがなくして結果が生まれるはずがありません。
市長が知事と合ったのは、中核市移行への行事の時や県への重点要望のため県庁に行った際などに限られており、市長自身が現状を打開するためには真摯な態度で対応しなければならないのに、その姿勢は全く感じられません。これでは、知事が市長と同じテーブルについていただく要請をしたとはいえないのではないでしようか。 

第2に、市長自身がとんでもない契約を結んだことに対して、反省も謝罪も行っていないことであります。
 市長は、県との信頼で契約を交わし、合意書を締結したので、市としての過失はないといっています。
しかし、取得した土地に瑕疵があった場合は、損害の請求権を1年間できるのに、今回の契約は瑕疵担保責任を放棄しているとんでもない契約なのです。
そんな契約を結んだのは市長自身ですから、今回のように重大な事態になっていることをしっかり自覚されれば、当然大沢知事にも市民にも謝罪するのが市長のとるべき道だったのではないでしょうか。
それすらしないで、知事が話し合いに応じないことだけ主張していることは納得ができません。

第3は、土地の契約、建物の解体、敷地の整地をなぜ急いだのか、疑義を感ずることです。
 この土地は、都市緑地フェアのバックヤードとして使うために、急いで土地の等価交換の契約、建物解体、敷地の整地をしたといっていますが、実は、前工跡地のすぐ近くには、地価高騰時に買い入れて今でも更地のままにしてある共愛跡地があります。この都市緑化フェアのタイミングを逃せば、前工跡地は手に入れにくくなり、そのために急いだのではないかと思われてなりません。
本来なら、県に土壌汚染調査をさせて、安全かどうかを確認してから土地の契約を行えば、こんな問題は起きなかったのではないでしょうか。

第4は、契約の誤りを「要素の錯誤」に摩り替えて、責任を回避しようとしていることです。
 市長は、この契約は、県との信頼の中で交わしたものだから契約には間違いがないと極めて強調しています。
しかし、実際に問題が起きて暗礁に乗り上げているのですから、契約に過失があったことは認めざるを得ないのであります。それを認めず、「要素の錯誤」だったと問題をすり替えて提訴を選択しようということは、市長自ら政治責任を回避して、県との話し合い・協議の場を打ち切る誤った選択であります。全国でも、市が県を訴えるということは前代未聞であり、正しい選択ではありません。
 なお、あえて申し上げますと、「裁判は勝ち負けを決めるものではない」と市長は委員会審査の時に答弁していますが、勝ち負けを決めるのが裁判ですあると言うことを申し上げておきます。
 また、訴訟する議案に賛成する会派は、住民のことを第一優先に考えれば、訴訟で早期解決するしかないといっています。しかし、一年もかけても進展しないのは県が応じなかったからと県に責任を転嫁し、提訴になれば、裁判の結果だからと理由を裁判の責任にするというように、あくまで市長自身が交わした契約の誤りを認めず、謝罪しようとしない姿勢を容認することになり、反対です。 
以上で、私の反対の討論といたします。

ページのトップへ