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議会報告

第三回9月定例会 総括質問 柏崎刈羽原発の事故などを想定した前橋・防災計画の見直しと、放射能汚染から子どもや市民の健康を守る施策について  中道浪子【2011/9/14】

 1、私の質問は、まず、東日本大震災と東電福島原発事故を教訓とした本市の防災計画の見直しについてです。
その1つは、東京電力・柏崎刈羽原発事故などを想定した計画について伺います。  
 福島原発事故は広島原爆の168個分の放射性物質が飛散し、本市は200キロも離れているのに高濃度の放射性物質が上空から降り注ぎ、市の汚泥焼却灰や赤城大沼のわかさぎなど汚染問題が深刻になっています。ところが、本市から100キロ圏内にあるのが柏崎刈羽原発です。この8月に視察し、世界最大規模を誇る原発が身近にあることを再認識しました。本市の地域防災計画は、柏崎刈羽原発の事故を想定したものにする必要があると思いますが、見解をお伺いします。
また、柏崎刈羽原発からの風向きは、年間を通して「南南東」方向の風が吹いており、事故が発生すれば前橋に放射能汚染物質は容易に降り注ぎます。市民の健康を放射能汚染から守るために、柏崎市は避難所にヨウ素剤を用意しています。本市も原発事故を想定して、ヨウ素剤を準備しておく必要があると思いますがいかがでしょうか。それぞれ見解をお伺いします。【この後は質問席で行います。】(総務部長答弁)

その2は、災害用食糧と資材の備蓄について伺います。
 本市の災害用備蓄倉庫は35ケ所、しかも、資材と食糧の両方セットされているのは10ヶ所しかありません。もし、災害が起きて交通が途絶された場合、物資が運べなくなりますので、備蓄倉庫は避難所ごと、あるいは自治会毎に設置するなど、大幅に設置場所を増やすとともに、食糧などの備蓄品についても資材とセットで大幅に増やすべきです。また、どこに災害用備蓄倉庫が設置されているか、どんな物が備蓄されているのか市民に公表されておりません。災害時には市民力の活用が求められていますから、市民に所在や活用方法を普段から公表すべきです。それぞれ見解をお伺いします。
(総務部長答弁)
●「備えあれば憂いなし」、柏崎市や敦賀原発に隣接する福井市の防災計画などを参考に、防災計画を見直し、ヨウ素剤を備蓄し、災害備蓄倉庫の大幅な増設を求めておきます。

2、次は、放射能汚染から子どもや市民の健康を守る施策について伺います。福島第一原発事故は、いまだ収束の見通しは立っておりません。子どもたちなどの健康を守るためには、引き続き、徹底した測定と公表、迅速な除染や万全な健康管理が求められています。

その1つは、小・中学校や保育所・幼稚園などの詳細な放射線測定について伺います。
 本市では、私どもの要望に応えて、校庭など1ケ所以外に校舎の雨どいや校庭の樹木、園庭の砂場などの空間放射線量を測定されました。その結果、私たちが心配していたように、六供町の城南小学校の雨どいから0.45マイクロシーベルト、宮城小学校の雨どいから0.542の高い線量が検出されました。線量の高い場所の土壌は除染するべきですが、どのように判断されているのでしょうか。今後も、吹き溜まりや側溝など放射性物質がたまりやすい場所を各学校で測定して、放射能のホットスポットがないかどうかを確認すべきです。線量が高い小学校には、現場に線量計を配備させて、詳細な測定をすべきだと思います。少量であっても、将来、発ガンなどの健康被害が起きる危険性もあるので、除染の判断も迅速に行う必要があると思います。当局の見解をお伺いします。(教育委員会・指導部長)(福祉部長)

●子どもたちを放射能から守るために、できるだけのことをやっていただき、あとで後悔しないようにすべきです。

その2は、給食食材の詳細な放射性物質の測定について伺います。 教育委員会は、給食食材を定期的に測定し、検出限界値を1s当たり10ベクレル以下とし、これを「不検出」としていますが、10ベクレル以下を「不検出」としないで、しっかり測定すべきです。県内産に限らず原則全ての食材の放射性物質を測定し、今回の原発事故で汚染された食材は使わないようにし、当面、地産地消の取り組みについては、若干後退しても子どもの安全性を優先すべきだと思いますが、見解をお伺いします。(教育委員会・指導部長)(福祉部長)

●子どもたちが内部被曝をしないよう、給食食材には最大の注意を払っていただきたいと思います。放射線被曝の健康への影響は、「これ以下なら安全」という「しきい値」はなく、「少なければ少ないほど良い」というのが放射線防護の大原則です。

その3は、水質浄化センターと清掃工場の焼却灰対策について伺います。 本市の水質浄化センターは、いまだ基準以上の放射性物質が焼却灰から検出されているため、外部に搬出できず施設内に保管していますが、保管場所が満杯になり30cmのコンクリート壁で放射線が多少遮断できる新しい保管倉庫を建設しました。安全・安心の立場から、鉛のシートを保管庫に張り、放射線を完璧に遮断すべきだと思いますが、当局の考えをお伺いします。
また、引き続き、焼却灰の保管が続けば、新しい倉庫も満杯になってしまい焼却灰を除染する方向が求められていきます。放射能に汚染された焼却灰の除染について、早急に対応するよう国や県に要請する必要があると思いますが、いかがでしょうか。(公営企業管理者)
清掃工場のごみ焼却灰は、放射性物質が国の暫定基準8000ベクレル以下であるということで、従来通り荻窪の最終処分場に埋め立てています。基準以下といってもセシウム類が1sあたり、1740ベクレルもあるのですから、このまま埋め立てて永久に問題がないというものでもないと思われます。後で除染する方針が出た場合、埋立地から掘り出して、いつでも対応できるようにしておかなければならないと思いますがいかがでしょうか。それぞれ見解をお聞かせください。(環境部長)

●インターネットの情報で、8000ベクレルとは、米国基準では厳重に鉛などで封鎖して、数千年間地中深くに埋める基準です。埋めた場所は厳重に管理されているのです。いかに日本の基準が甘いかはっきりしています。この点を十分認識して対応していただきたいと思います。

その4つは、第21回「リサイクルまつり」についてです。 今年も、市は10月に六供清掃工場施設内で「リサイクルまつり」を計画し、市民への来場をよびかけています。しかし、同施設のごみ焼却灰から放射性物質が検出されており、隣りの水質浄化センターには、高濃度のセシウム類が検出されいおり、搬出できない焼却灰が8月末で212トンも保管されております。こういう場所での「リサイクル祭り」は、ふさわしくないと思います。場所を変えて実施するか、適切な場所がなければ、中止することも含めて検討すべきではないでしょうか。いかがですか。(環境部長)

●放射性物質やセシウム類が検出されているのに、来場者への影響はないと行政が言い切ることはいかがなものでしょうか。「リサイクルまつり」の実施は検討した方がよいと思いますので指摘しておきます。

その5つは、自然エネルギー対策についてです。 本市では、太陽光発電システム設置費・補助の申請件数が、今年度はすでに484件となって増えております。第6次総合計画は、最終2017年度までに2000件を目標に、「本市の特性を活かし太陽光発電等の自然エネルギーの導入を図るなど環境負荷の低減に向けた新たな取り組みを進めることが必要」と述べています。原発依存から自然エネルギーへの転換に向けて、本市としても大きく貢献すべきだと思います。そこで、お伺いしますが、市は国に対して太陽光発電に対する支援策を充実するよう要望するとともに、もっと市が製造メーカーに一括発注して単価を下げ、市民が手軽に活用しやすいようにすべきです。第6次総合計画の最終目標値を大幅に引き上げ、自然エネルギー取り組みの実施計画を策定する必要があるとおもいますが、見解を求めます。また、全国の先進自治体に学んで「自然エネルギーモデル都市」の宣言を掲げて、雇用拡大と地域経済の振興に結びつけていくことも大事な本市の政策になるのではないでしょうか。あわせて答弁を求めます。(環境部長)

●あれこれの計画をまとめて「自然エネルギー取り組み」の実施計画に一本化し、「モデル都市」の宣言を掲げるよう積極性を期待しています。

3、広瀬中学校と春日中学校の統廃合計画の問題についてです。@市教委が、適正規模・適正配置の方針を提起したことを受けて、広瀬中と春日中の地元では、両校の統廃合について論議が始まっています。すでに、広瀬中と春日中の両学校の地元代表でつくる地区委員会での話し合いのまとめができたと8/4付けで代表者から教育委員会に報告がありました。市教委が示した適正規模方針では、地区委員会に続いて両校の合同地区委員会を立ち上げて統廃合の決定をまとめるとなっています。しかし、市教委はこれまでの経過について、この間一度も議会に報告することがありませんでした。8/25日に開催される教育福祉常任委員会には報告すべきと申し入れたにもかかわらず「地域で考え検討しているもので、市教委が関与していないので報告はしない」旨の返事でした。そもそも適正規模方針を示したのは市教委であり、統廃合の方向性を示唆したのも市教委ではないでしょうか。それでも地域が独自で検討しているので市教委は統廃合の指導はしていないというのでしょうか。教育長の見解をお聞かせください。(教育委員会・指導部長)

A第二質問・市教委は、地元の代表が独自に検討していることなので、内容はわからないので報告できないと一点張りです。市教委は地区委員会の中などで、説明を求められれば答えており、資料の提供を求められれば応じているというのですから、当然、議会の定例委員会に責任を持って経過報告をすべきです。
私のところにも、いろいろ意見が寄せられています。これらの意見を集約して市教委と論議する場もありません。そこで、市教委は、広瀬中と春日中の関係住民、今後の方針になっている広瀬小、天神小、朝倉小、上川渕小の統廃合計画も含めて方針の説明と住民の意見を聞く場を設ける必要があるのではないかと思いますが、見解をお伺いします。(教育委員会・指導部長)

●個々の到達に合わせた教育が可能という小規模校のメリットは十分住民に知らせているのですか。部活ができない、社会性が育たないと言う根拠のないデメリットが強調されれば、子どもの成長を願う保護者や住民は統合の必要性を感じてくるのは当然です。全てを地域の判断に任せると言うのなら、どのような判断材料を提供しているかを公表すべきです。
災害が起きたら団地の避難所がなくなり心配。毎日のように不審者情報が出されていて心配。通学環境が後退して大変危険。市教委は、これらの心配も地域任せというのでしょうか。納得できません。住民への説明と意見を聞く場を設けるべきです。
・・・・・・ここで予定した質問時間31分が終了しました・・・・

4、介護保険制度の充実についてです。
その1つは、次期スマイルプランの特養ホーム建設計画について伺います。
介護保険制度が実施されて12年。この間、明らかになったことは、全国で「特養ホーヘム待機者が42万人余」。1割の利用料負担ができず「利用率は4割」にとどまり、「介護のための離職者は14万4800人」、「介護心中が400件」 、「静養ホームたまゆらの里」の火災にみる貧困ビジネスの存在も明らかになり、日々の報道がますます介護問題の深刻化を象徴しています。
6月に介護保険改定法が可決され、事業にかかる財源確保や医療行為の介護職員への拡大など不安要素を抱えながら来年4月から施行となります。各自治体は、次期老人福祉計画・第五期介護保険事業計画の策定中で、本市では、昨年5月の特養の待機者は1,472人、在宅で緊急を要するAグループの方が163人、老人保健施設でまっている方が187人です。今、検討中の次期計画では在宅と老健で待機している350人を対象にした特養増設計画を策定すべきだと思いますが、見解をお聞きいたします。(福祉部長)

●認知症の症状があるだけで在宅の介護者は大変。老健での待機者も、家に帰れない状態なので長引けば3カ月毎に老健施設をたらい回しで、これまた大変です。市は、国や県の特養ホーム抑制方針と枠配分方式を改めさせて、350人の対象を介護保険検討委員会や専門部会に提起して、今からでも協議・検討をするよう求めるべきです。

その2は、高齢者向け住宅制度の改善について伺います。 今度の介護保険改定法のなかで、特養ホームのニーズを高齢者向け住宅などの在宅型に誘導し、待たずに入居できるということで歓迎されると言われています。しかし、この在宅型高齢者向け住宅は、低所得層の高齢者には費用が高くて入所できないのが実態です。先日も事業者の好意で生活保護世帯の方が入所しました。生活保護の方や少ない年金で暮らしている高齢者が安心して入所できるように、市独自の福祉施策として家賃助成制度を創設するお考えはないでしょうか。
(福祉部長)
●むずかしいと言わないで、どうしたらできるのかと研究していただきたいと思います。

その3は、「介護予防・日常生活支援総合事業」についてです。
 「総合事業」の創設は、介護の軽度者を給付からはずして介護給付費を削減することが目的だといわれていますが、「創る」「創らない」は自治体の選択だそうです。本市ではこの内容がまだよく分からないので決めかねているようです。先日、群馬中央医療生協の介護現場の方々と懇談を持っていただいたようですが、「総合事業」を創設せず、これまで通りの予防給付で対応してほしいとの要望があったようです。ぜひ、現場の声に応えていただきたいと思いますが、見解をお伺いします。(福祉部長)

●介護保険法の改定でサービスなど後退することがないように、しっかりチェックしていただくようお願いして、私の全ての質問を終ります。



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