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議会報告

3月臨時議会 総括質問(45分答弁含む)がん検診の無料化と国保税引き下げ、介護保険料引き上げ案(撤回)、安心して子育てできる保育の支援、原発事故を想定した防災計画の見直し、最優先の市営住宅9棟の耐震工事、赤城山と大沼の放射性物質の除染、食品の放射能汚染による内部被曝から健康を守る、放射線副読本の問題点、米軍の低空飛行訓練中止と市庁舎への騒音測定器設置について  中道浪子【2012/3/23】

1、私の最初の質問は、がん検診の無料化と国保税引き下げについてです。
@市長は、就任直後、新年度からがん検診など市が有料で実施している10種類の健診全てを無料化する方針をかためたとの報道がありました。
この報道を見て、医療関係者からは、「がん検診の無料化が実施されれば、これまで費用負担ができなくて、毎年全部検診を受けられない方にも、今度は、積極的に受けるように話すことができるので期待している」との声が寄せられています。市長にお伺いしますが、がん検診の無料化は、いつから実施しようとお考えですか。

Aがん検診が無料化になれば、「さわやか健診の受診率向上」も期待できると思いますが、「がん検診の無料化」の報道記事が掲載された時、市長は「年間8,000万円弱の敬老祝い金が本当に必要なのか。職員のみなさんと一緒に考えていきたい」との報道も同時にありました。市長にお伺いします。他の福祉施策を後退させないでがん検診を無料にすることに値打ちがあるので、お年寄りが楽しみにしている敬老祝い金を今より後退させるべきではないと思いますが、いかがですか。

B高齢者が楽しみにしている敬老祝い金を決して廃止するようなことのないように求めておきます。さて、市長は、国保税の引き下げについても公約を掲げています。がん検診の無料化が継続されれば、国保の医療費負担が軽減されて、国保財政にメリットとなりますが、国保の健全財政の立場から、がん検診の無料化についてのお考えをお聞かせください。

Cまた、国保財政にメリットとなる課題として今議会の初日に、全会派で「医療費助成制度の現物支給に伴う国庫負担金減額措置の廃止を求める意見書」を採択しました。
中学卒業までの医療費無料化実施に伴い、県の助成もあるが本市の国庫負担金減額額は1億8500万円。この減額分が国保財政に戻れば大きなメリットとなります。市長は機会あるごとに、「医療費助成制度に係る国庫負担金減額措置を廃止するよう」国に意見を上げていくことが求められていますが、いかがでしょうか。

●よろしくお願いします。
2、次は、「介護保険料引き上げ案の見直し」についてです。
@代表質問でも指摘しましたが、今回の本市介護保険料引き上げ案は、基準額で月1,100円、年間13,200円と大変大幅なものです。しかも、介護保険料だけでなく、今回は後期高齢者医療保険料も大幅な引き上げになったのに、年金収入は物価スライドによる減額、国会では消費税増税が強行されようという状況です。80歳をも過ぎた高齢者が、食事や電気、暖房費を削って生活する姿を見れば、今以上介護保険料を引き上げるとはとても言えません。せめて今回の介護保険料引き上げは据え置きするか、低所得者層の引き上げ幅をもっと抑制するなど工夫すべきだったのではないでしようか。いかがですか。

A努力は認めますが不十分です。今回の保険料引き上げ幅があまりにも大きいため、厚労省さえも異例の「財政安定化基金」取り崩しを認めたのですから、あと1億円余りの市の介護給付準備基金を取り崩して引き上げ幅を抑制するとか、せめて生活保護と同等以下で頑張って生活している方のみでも、保険料を免除して免除分の保険料額を一般会計から繰入れて対応することも必要だったのではないでしょうか。異例の特別対応策としていかがですか。

B一般会計からの繰入もだめというが、法律上の禁止はないはずです。一部事務組合には開発のためにこの3月補正で10億円も一般会計から繰入れようとしているのですから、高齢者が将来安心して暮らせるようにと公約している市長だからこそ、介護保険に一般会計を繰入れて引き上げはしないと特段の配慮が必要だったのではないでしょうか。船橋市は、課税者の引き上げ幅を大きく、非課税者の幅を小さく、非課税との境界の課税者も引き上げ幅を抑制し、保険料の所得区分を17段階に細分化しています。そして、さらに第一段階から第三段階を二分の一から三分の一に減額するなど工夫しています。多くの自治体が工夫して減免要綱を策定しています。こうした先進例を検討した上での本市の介護保険料が設定されたのでしょうか。いかがですか。

●介護保険制度は、制度そのものに欠陥があります。高齢者の暮らしを守る立場で、今回の介護保険料の引き上げ案は、撤回すべきことを強調しておきます。

3、安心して子育てできる保育の支援についてです。
@今国会に法案が提出されている「子ども子育て新システム」は6日、予算委
員会で審議され、市町村は保育費用の一部を給付するだけで、保育に欠ける児童の保育実施責任をなくし、保護者が自分の責任で保育所を探し、直接契約を結ぶという大改悪になることが明らかになりました。
この法案が可決されれば、せっかく積み上げてきた本市の保育運営と保育内容に大きな影響をおよぼし、保育の後退を招くことは必至です。
市長は、選挙公約で「保育園や幼稚園を充実させ、保育者の負担を軽減します」と公約しているのですから、「子ども子育て新システム」の法案が可決されれば、保育度によって保育時間が決められ、子どもの発達を保障する保育ができなくなり、明らかに保育行政が低下しますので「法案に異議あり」の声を直ちに表明すべきだと思いますがいかがですか。

●今の答弁のような認識だとすれば間違っています。株式会社が参入され、公立がなくなっていくのに、そのような認識では、保育所の父母や保育士の願いに答えられないし、市長の公約実現は不可能となります。「子ども子育て新システム」は直ちに反対し、誰もが安心して利用できる保育所・保育園にすることを求めておきます。

4、次は、東日本大震災と福島第1原発事故の教訓を生かした本市行政施策についてです。>(1)その1つは、原発事故を想定した防災計画の見直しについてです。
@昨年9月議会で、私は「本市の防災計画見直しは、原発事故を想定した内容にすること。安定ヨウ素剤を備蓄すべき」と質問し、市は「国・県との協議をはじめ、原子力発電所が設置されている自治体との情報交換を含め必要な対応策を研究していきたい」と答弁しました。
新潟県柏崎刈羽原発は、前橋市から100`圏内に位置しています。この原発が仮に事故を起こした場合、福島原発より多大な影響を被ることは明らかです。
今、市は地域防災計画を見直し中で、県の計画に沿うものを考えているようですが、上位計画である県の防災計画も見直を開始しおり、その内容は大変不十分です。
栃木県は茨城の東海第2原発を視野に、岐阜県は福井の敦賀原発を視野に拡散する放射性物質を予測した避難計画や医療体制の整備、「原子力災害対策編」を設けるなど、原発施設との情報交換や避難方法など加えたものになっています。本市として、県に対して最短距離にある柏崎刈羽原発との関係や柏崎市の「原子力災害対策編」を参考に、防災計画に盛り込むよう意見を上げるべきで、同時に、市としても、栃木県や岐阜県のように放射性物質の拡散を予測した避難計画や避難方法などを盛り込み、原発事故に備える計画にすべきだと思いますがいかがでしょうか。

A前橋から200`県内にある福島1原発事故の本市への放射性物質の拡散状況をみれば、距離にこだわることなく原発立地自治体に習った計画を策定する必要があるのではないですか。再度の答弁を求めます。

●(群馬県には7年前の新潟中越地震を引き起こした、関連の柏崎銚子構造線という一本の断層ではなく数多くの断層の集合体で、柏崎、三国山脈、沼田、赤城山、太田を通り千葉県銚子付近へ抜ける構造線が走っており、今後30年以内には活断層によるM8程度の地震が、いつ発生してもおかしくないことも想定されています)急いで原発立地自治体に習った計画を作り上げ、避難訓練を積み上げることを求めておきます。

(2)2つ目は、最優先されなければならない市営住宅の耐震化についてです。
@この間、繰り返し市営住宅9棟の耐震補強工事を求めてきましたが、未だに4棟分の設計をしたままで、工事が先送りになっています。古市町の市営住宅住民などからも市に要望が出されておりますが、設計完了の4棟の工事は、直ちに本暫定予算に盛り込むべきだと思いますが、いかがでしょうか。

A昨年11月、市議会建水常任委員会で、名古屋市の耐震補強工事が完了した市営住宅を視察しました。入居住民が生活をしたまま工事を行う方法なので、本市の担当課には、写真や資料を参考にするよう届けました。4棟は新年度予算で工事を着工との答弁ですが、残り5棟については直ちに設計に取り組み、次年度には耐震工事が始まるように計画すべきですが、いかがですか。

●人命がかかっていますので、急ぐべきです。

(3)3つ目は、赤城山と大沼の放射能汚染対策についてです。
@赤城山を本市の観光地として全国にPRしていくためには、赤城山の除染と大沼の除染が求められています。全国では104市町村、本県ではすでに、桐生市など12市町村が国の放射性物質汚染対策特別措置法に基づく汚染状況重点調査地域の指定を申請し、川場村や福島では、側溝のヘドロや落ち葉をかたずけ、高圧洗浄機で洗い流すなどの除染を行っています。
本市も赤城山の落ち葉の除染と大沼の湖底を除染するために、この措置法の指定を申請すべきと提言してきましたが、そのつもりがないようです。赤城山の地元の方々の要望を実現するためにも、本市の観光の目玉とするためにも国の特別措置法を申請すべきではないですか。お伺いします。

●特別措置法の申請を含み、あらゆる手立てを尽くすことが、市民や地元住民への安心・安全を提供することであり、信頼感を構築することになります。赤城山と大沼を除染することが全国に観光地赤城山をピーアールすることにもなります。躊躇しないで申請することを求めます。

(3)4つ目は、食品の放射能汚染による内部被曝から市民の健康を守ることについてです。@市は、市民の要望に応えて学校や保育所・幼稚園の給食食材への検査をすすめ、市独自の検査機器を購入し毎日の調理済み給食を検査することになりました。私たちは、原発事故後、独自で公園や広場などの放射線空間線量の測定を今も続けておりますが、「りんごの放射能を検査して」とか、「畑の大根は大丈夫か。測定して」と食品の放射能汚染の心配が寄せられています。
昨年12月議会で、「消費者庁が食品の放射性物質を自治体が検査するのに支援するための検査機器貸与の事業に対して、手を上げるべき」と質問しましたが、その結果についての状況をお伺いします。

A4月より、飲料水が200ベクレル/`gから10ベクレルに、牛乳や乳製品が200ベクレルから50ベクレルにと食品の放射性セシウムなどの暫定規制値が大きく変わり厳しくなります。今後、市民から食品の放射性物質の検査体制が強く求められてくると思われますので、検査機器を増やし、東西南北の市民サービスセンターなどに、保健所の専門家を交えた体制作りを検討すべきではないかと思いますが、再度の答弁を求めます。

(4)4つ目は、放射線副読本の問題点についてです。@文科省は全国の小・中・高校生向けに新しく放射線教育の副読本をつくりました。しかし、副読本は、子どもたちの不安、疑問に的確に答える内容になっていないことや、放射線の基礎知識を教えるとしながら、放射能が人体に及ぼす害悪については全く触れておらず、むしろ、喫煙、食事などたくさんある原因の内の1つに過ぎないという内容となっており、今問題になっている原発事故による放射能汚染の実態にも一切ふれていないのです。このような副読本の内容で、原発事故の実態と放射能汚染による健康被害の真実について、子どもたちへの教材としてふさわしいのでしょうか。誤った知識を子どもたちに植え付けることになりますので、副読本の配布は中止すべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。

A放射性物質のセシウムなど猛毒の物質についても触れておらず、広島・長崎の原爆についてはたった一行だけです。副読本は結局「放射能は怖くない」というあやまった認識を植えつけることになりませんか。子どもたちに、原発の危険性を教える教材を市教委が独自で作成すべきだと思いますがいかがですか。

●文科省が副読本の作成を委託した先は、原子力業界団体の広報団体で「日本原子力文化振興財団」です。3・11原発事故後に「委託先は適当でなかった」と中川正春文科相も述べたように、内容そのものが安全神話で問題があるのです。副読本配布の中止を求めておきます。

5、米軍の低空飛行訓練中止と市庁舎への騒音測定器の設置についてです。
@前橋上空での米軍戦闘機の騒音が今年1月以降、激しさを増しています。党
市議団は民主市政会役員などと2月10日に本市・前市長あてに「米軍機の低空
飛行訓練の中止を求める申し入れ」を要請し、3月2日には、女性団体などの8
団体を加えて、衆議院議員とともに防衛省と外務省に要請しました。
市民部長は申し入れに応えて、3月15日に北関東防衛局長あてに直接要請さ
れたと伺いましたが、2月8日には、艦載機が神奈川県下で落下物の事故を起しており、本市の上空でも落下物や墜落事故なども想定外ではありません。引き続きの監視体制が必要ですが、本市として、騒音測定器を設置し、騒音や飛来する機体の撮影などを記録する監視体制をつくり、科学的なデーターをもとに飛行訓練の中止を再度要請する必要があると思いますがいかがでしょうか。

●騒音測定器は70万円程です。鳥取県浜田市などを調査して、科学的なデーターの実態をつかみ、本市が県内市町村のリーダー役となって、飛行訓練の中止を求めるための監視体制を創ることを求めておきます。

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