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議会報告

3月臨時議会 付託外議案反対討論 3.22  小林久子【2012/3/27】

私は、日本共産党前橋市議団を代表して、議案第1号、第2号、第3号、第4号、第5号、第7号、第9号、第10号、第11号、第21号、第34号以上11件について、反対討論を述べます。
 
まず、議案第1号24年度一般会計暫定予算についてです。
反対理由の第1は、市長は選挙公約で、暮らしを守る財源を確保し放射能対策・食の安全をかかげており、この対策を急ぐべきですが、これが予算に反映されていないことです。

その一は、わが党市議団は、東日本大震災と福島第一原発事故の教訓を活かし原発事故を想定した防災計画の見直しを一貫して求めてきましたが、市はこれに答え、作業を開始していますが、その内容が不十分であります。
本市から100キロ県内にある新潟県柏崎刈羽原発の事故を想定し原発立地自治体に習い、原子力災害対策偏を設け、情報収集や避難方法など具体的な計画の策定や、よう素剤の備蓄など原発事故に備えた対応を早急に図るべきです。

その二つは、赤城山・大沼の放射能汚染対策のとりくみが極めて弱いことです。赤城大沼のわかさぎから基準値を超える放射性物質が検出され、昨年秋から釣りが出来ず、3月になって食用を禁止することで釣りを解禁しています。食品の基準値はさらに500ベクレルから100ベクレルにきびしくなり、このままでは観光の目玉であるワカサギ釣りが出来なくなることが懸念されます。赤城山観光に本気で力を入れるなら、まず徹底した除染を行い、放射能汚染の被害や風評を払拭することです。そのためには、直ちに放射線物質汚染対策特別措置法に基づく汚染状況重点調査地域の指定を受け、除染費用を確保すべきです。

その三つは、食品の放射能汚染による内部被曝から市民の健康を守る点が弱いことです。
 わが党市議団は、学校給食食材や市民が持ち込む農産物や食品検査を市独自に行なうよう求めてきました。調理済みの給食食材一食分の検査を昨年12月から実施してきましたが、市は検査機器2台を購入し学校給食と保育所の給食の食材検査をこの4月から毎日行なう予定です。また、国の制度により検査機器1台を国から貸与され、消費者や生産者の声に応えようとしていますが、4月から飲料水や乳飲料など食品の放射性物質の基準値がさらにきびしくなります。こうしたことにも対応できるようにさらに検査機器を増やしたり、人員を確保するなど、検査体制の整備をしっかり進めるべきです。

反対理由の第2は、工科大学の独立行政法人化を進める事業予算が計上されていることです。
わが党はかねてから法人化には反対をしてきましたが、公立大学の法人化は大学の序列化と経費削減を目的とするもので、大学の自治を壊し、自由な学問研究をゆがめるものであり、認めることは出来ません。

反対理由の第3は、特別支援学級の学校支援員を充実することは是としますが、30人学級の公約を後退させたことは問題です、
すべての子どもたちへゆきとどいた教育を実現するために、県のさくらプランやわかばプランの拡大を求めつつ、市独自で段階的に30人学級を拡大していく努力を尽くすべきです。

収納行政については市長は改善すると答弁しましたが、生存権や営業を脅かす収納行政を改める方向は見えてきません。ぜひ丁寧な相談を行うことと共に、納税の猶予・換価の猶予・滞納処分の停止などの運用で、延滞金の減額、差し押さえ解除など納税緩和制度で救済する対応を的確に行ない、市民の生存権を守る立場に立つべきです。公約どおり収納行政の抜本的な改善をするよう指摘しておきます。
 
米軍機低空飛行問題については、市民からの苦情が殺到しています。本市も北関東防衛局長に飛行中止の要請を行ないましたが、県都前橋が、他市町村のリーダーとなって、飛行訓練の中止を求めるための監視機器を予算化し、ただちに設置すべきです。

次に、議案第2号 国民健康保険特別会計暫定予算についてです。
国保税の引き下げや、申請減免制度の拡充がされていないことは問題です。
国保は高齢者や、自営業者、失業者など、生活が困難な低所得者が加入者の大半を占めています。市民の所得が減り続ける中で、所得に占める保険料負担率は約一割にも及び、国保税の重い負担は市民の暮らしを圧迫しています。本市は国保税を1年以上滞納している世帯は7000世帯を超えています。
国保税滞納者に対して資格者証の発行は、昨年10月時点で1045世帯、短期保険証は2497世帯、交付率は合計6.5%にもなっています。資格者証の発行により、医療費の10割負担が払えず、医者にかかれなくて病気を重篤化し、あるいは手遅れで命を落とすなどの事例が発生しています。資格者証・短期保険証の発行は止めるべきです。
各種検診無料化により早期発見早期治療で市民の健康を守ると共に、国保税引き下げをぜひ実施するよう求めます。
また、倒産、作物の不作、病気、などで所得が激減した人に対する国保税の減免制度の拡充や、窓口一部負担の減免制度の積極的活用をすべきです。

次に、議案第3号 後期高齢者医療特別会計暫定予算についてです。
世界でも例を見ない高齢者差別医療である本制度の廃止をせず、今後2年間高齢者に対して1割もの負担増を課す同制度を認めることは出来ません  
度重なる社会保障の連続改悪と年金削減では、高齢者が安心して老後を送ることは出来ません。後期高齢者医療制度はただちに廃止し、老人保健制度に戻すべきです。

次に、議案第4号 競輪特別会計暫定予算は、わが党がかねてから指摘してきたとおり、行政がギャンブルを奨励し、市財政が、その収入に依存することには反対です。

議案第5号農業集落排水特別会計暫定予算、議案第7号簡易水道事業特別会計暫定予算、議案第9号水道事業会計暫定予算及び議案第10号下水道事業会計暫定予算についてです。
それぞれの料金に消費税を転嫁していることを認めることは出来ません。
また、水下道事業については、今回の機構改革で係りの再編を行いさらに職員を削減することを認めることは出来ません。また、水の安全と安定供給を確保する上からも、職員の技術の伝承や後継者の育成を困難にする民間への業務委託は問題です。直営にもどすべきです。

議案第11号平成23年度一般会計補正予算についてです。
土地開発公社は、土地の先行取得により、塩漬け状態の土地が多数あります。駒形第二区画整理事業や二中第二区画整理事業など、事業化していないのに一般会計で引き受けることは問題です。また、中心市街地8番街区の旧麻屋の取得も登録文化財である建物を壊してまで早急に買い取る必要があったのか。公社経営健全化計画にもとづく土地開発公社からの引き取りと先行取得した土地の土地開発基金からの引取りで、6億5千万円が計上されています。このように市財政の負担を増大させていることは問題です。

 前橋工業団地造成組合の赤字解消を図るため運営費負担金10億4590万7千円を一般会計補正予算からつぎ込むことについては反対です。
 前橋工業団地造成組合は、2002年から赤字を続けてきました。そこで国の財政健全化計画にもとづき単年度赤字を黒字にすることで、組合債の発行を可能にし、事業の継続をはかろうとするものです。
前橋工業団地造成組合への一般会計からの繰り入れは今回4回目で、4年間で43億5458万円にものぼります。
 前工団事業は、長引く不況により売れ残った造成地を多く抱えており、組合債の残高は22年度末現在で83億9000万円にもなります。
このことから呼び込み型の企業誘致は破綻していることが明らかです。こういう状況下にもかかわらず、朝倉工業団地の新規拡張を進めたことは問題です。オーダーメイド方式といいながら、企業が進出を断念するなどして、全区画の売却にはいたって言いません。
 前市長は、「財政が厳しい」「選択と集中」と説明し、民営化や職員削減で効率化を図り、その一方で前工団には湯水のように一般会計を投入し続けてきました。山本市長も、今議会で新たな雇用創出として、企業誘致を進めると答弁しましたが、企業誘致のために新たな工業団地を造成することは認めることは出来ません。これでは市内企業育成や中小企業支援策も実を結びません。このような開発優先の姿勢を続け、かつ不要不急の公共事業のために、際限なく税金を投入することには、市民の理解は到底得られません。

次に議案第21号前橋市市税条例の改正についてです。
 復興財源と称して、個人住民税の均等割りを500円引き上げることは、低所得者や被災者にも負担増を課すものであり、認めることは出来ません。
市民の負担は年間約7500万円にもなり、期間は10年間に及びます。
低所得者に重く、高額所得者には軽い、このような負担の求め方は、応能負担が原則に反するもので、行なうべきではありません。

次に、議案第34号 前橋市営住宅管理条例の改正についてです。
国の住宅政策は、住まいの確保は自己責任とされ、持ち家建設にゆだねられてきましたが、失業倒産廃業や不安定雇用の増大で、公営住宅の果たす役割は大きくなっています。入居希望は増えているのに、入居を低所得者に限定していることは問題です。わが党市議団は2009年4月の国の公営住宅入居収入基準の20万円から15万8000円への引き下げには反対をしてきました。現在入居している人も5年以内に退去を迫られるなどの問題があります。
住宅は生存と生活の基盤であり、格差と貧困をなくすためにも、住まいの不安をなくし、安心できる居住環境をつくることが求められています。地方分権で、自治体の裁量権がみとめられているのだから、市独自の入居基準を設けて、市民の住宅確保に力を注ぐべきです。

最期に 市長は中小企業や市民の暮らしをいっそう苦しめる消費税の増税や、年金・医療・介護・保育・生活保護などの給付削減と負担増を中身とする社会保障制度の大改悪に対して反対を表明すべきです。また、本市農業に壊滅的な打撃を与え、医療、金融、公契約などあらゆる分野へ深刻な影響を及ぼす、TPP参加に断固反対し、原発依存からの脱却を国に求めるなど、国にきちんとものを言う姿勢を貫くべきことを申し添えます。

以上申し上げ、反対討論といたします。



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