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議会報告

介護保険条例改正についての議案反対討論 教育福祉常任委員会3.27小林久子【2012/3/27】

 私は、日本共産党市議団を代表して本委員会に付託された、議案第6号平成24年度介護保険特別会計暫定予算、及び議案第24号介護保険条例改正の2件について反対の討論を行います。
 最初に議案第6号平成24年度介護保険特別会計暫定予算についてです。
昨年の介護保険法の改定は、地域包括ケアを目玉とし、「介護予防・日常生活支援総合事業・(総合時事業)」などが制度化されました。総合事業は要支援と認定された高齢者へのサービスを、市町村の判断で安上がりなサービスへ置き換える危険性があり、お年寄りの生活を支える点では不十分です。介護職員の医療行為の合法化、特養などの介護施設の基本報酬の引き下げ、介護病床廃止方針の継続など「効率化、重点化」により、コストの高い施設から在宅へ、医療から介護への流れをいっそう強めており、この法にもとづく予算編成には問題があり認めることはできません。
 介護保険が始まって12年になりますが、この間サービスの切り捨てや、介護報酬の削減などがくりかえされ、必要なサービスが受けられない低所得者や、療養病床を追い出され行き場のない介護難民が増え続けています。特養待機者1500人いますが、今度の暫定予算には増設の方向が見えず認められません。また、利用料が高く、利用限度額の平均6割しか利用されておらず、利用料の独自支援が必要です。


 次に議案第24号介護保険条例改正についてです。
高齢者の生活を苦しめる介護保険料の大幅引き上げには反対です。
高齢化率が高まり、介護給付が増えれば、介護保険料の引き上げにつながるという制度そのものの仕組みが問題であり、介護保険制度のあり方そのものが問われているといえます。
 介護保険料は3年ごとに改定されますが、2000年の制度開始時の基準額は前橋市は月2792円でした。以来改定ごとに上がり、現在月3725円です。そして第5期の保険料は4825円と一気に1100円も引き上げられ、年額57900円となります。
 今回の介護保険法「改正」で、都道府県の財政安定化基金を取り崩す規定を設けました。財政安定化基金は、市町村の介護保険財源に不足が生じた場合、貸付けをおこなう基金で、国、都道府県、市町村が三分の一づつ同額を積み立ていますが、市町村の負担金には税金は1円も含まれず、65歳以上の人が納めた介護保険料だけで賄われています。この基金の市町村分と市町村の介護給付費準備基金を取り崩し、保険料引き上げの抑制に使うと法を改正したのです。   
 従って、介護給付費準備基金の全額の取り崩しはもちろんのこと、財政安定化基金は市の分だけでなく、県や国の分も取り崩しを求め、それでも保険料の引き上げになるとすれば、一般会計からの繰り入れを行い保険料の引き上げは止めるべきです。介護保険料の引き上げの抑制や、あるいは引き下げを実現するために、自治体が一般財源の繰り入れを求める運動も広がり、全国では千葉県浦安市や埼玉県美里町、北海道中富良野町などで一般会計の繰り入れが行われています。自治体の財政事情は様々ですが、住民の負担軽減への努力が求められています。  
 自治体の担当者などの一部に、「給付費の12.5%という市町村負担金の他、介護保険特別会計に一般財源を繰り入れることは介護保険法で禁止されている」と誤解している人がいますが、介護保険法にそのような規定はありません。それにもかかわらず、厚生労働省は、介護保険料軽減や減免制度の財源として、一般財源を介護保険会計に繰り入れないように各自治体を厳しく指導しています。
 4月以降、年金の物価スライドや過去の物価下落時の給付据え置き分に対応した年金の削減、後期高齢者医療保険料引き上げ、介護保険までもが大幅な引き上げと続き、さらに消費税増税も狙われています。高齢者は「年金が減らされ、次々と値上げではとても生活できない」と訴えています。3年後ごとに保険料を引き上げ、高齢者に幾重にも負担を押し付ける介護保険制度は破綻しているといわざるをえません。高齢者が安心して老後を送ることが出来るようにするためにも、介護保険料の引き上げには反対です。
以上申し上げ、反対討論を終わります。



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