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議会報告

第2回定例会 党市議団は意見書案4件を提出(6月28日)【2012/6/28】

国土交通省地方整備局の事務所・出張所の存続を求める意見書(案)                                              
日本共産党前橋市議団

 「防災官庁」とも呼ばれる国土交通省の出先機関である地方整備局は、国道や河川の管理など国土保全をはじめ、災害時の緊急対応を担い、北海道・沖縄を除く全国8か所に設置されている。
地方整備局は、東日本大震災や全国各地を襲った風水害など、災害の発生直後から市町村と一体となって迅速かつ懸命に復旧活動を行い、防災、減災に対する国の責任を果たしてきたのである。
 いま、政府が「地域主権改革」の名で、地方整備局をはじめとする地方出先機関を廃止し、地方へ移譲しようとしていることに対して、各地で反対の声が広がっている。
政府の「地域主権戦略会議」においては、出先機関の業務を複数の都道府県が参加する特定広域連合に移管することや、対象を国土交通省の地方整備局をはじめ経済産業省の経済産業局、環境省の地方環境事務所にまで広げようとしている。
基礎自治体の意見を十分踏まえることなく地方整備局の事務・権限を地方に移譲することは、国が自らの責任を放棄し、地方自治体へ押し付けることになるとともに、地方自治体の地域格差を一層拡大させ、国民の「安全・安心」と「公正・公平」な行政サービスを脅かすこととなり、決して有益とはならない。
特に、本県は、河川国道事務所、ダム管理事務所、利根川水系砂防事務所など17の事務所・出張所などがあり、その影響は計り知れない。
こうしたことから、地方整備局と事務所・出張所で実施してきた事業や役割を引き続き実施し、国民の安全で安心な生活を確保するために、国の出先機関として存続することは不可欠である。
よって、国に対し下記事項について強く要望する。
                  
1、住民の生命と財産を守るために、必要な公共事業については引き続き国がその責任において実施することとし、国土交通省地方整備局の事務所・出張所を存続させること。
2、国の出先機関改革の検討にあたっては、拙速に進めることなく地域住民の安全・安心に直接責任を有し、地域の実情に精通している基礎自治体の意見を十分踏まえるよう、慎重な対応を行なうこと。
3、道路・河川などの公物管理に必要な維持管理や防災関連予算を増額し、住民の安全・安心につながる適正な管理を行なうこと。
以上、地方自治法第99条の規定により提出する。




オスプレイ配備と低空飛行訓練の撤回を求める意見書(案)
                       
日本共産党前橋市議団
 
 防衛省は6月13日、米海兵隊の新型輸送機MV22オスプレイの普天間基地配備と日本での運用に関する環境影響調査(レビュー)の米軍報告書を関係自治体に送付した。米軍は、この中で、オスプレイを沖縄と本土に設定した低空飛行ルートを使って訓練を実施することを表明している。
群馬県は、米軍が使用するブルールートと呼ばれる低空飛行訓練ルートに位置している。この間も米艦載機ジョージワシントンに配備されている米軍ジェット機など危険な低空飛行訓練が行なわれてきたが、これに加えてオスプレイでの飛行回数が新たに年間55回(うち3割が午後7時から12時間の夜間)増えることになる。全国的には330回(21%増)も増えることが予想される。
 オスプレイは、 2010年4月のアフガニスタンでの墜落・死亡事故や今年4月のモロッコでの墜落・死亡事故、さらに、6月13日にフロリダ州でもの事故発生率である。
 オスプレイは離着陸時にはヘリとして、水平飛行時にはプロペラ機として飛ぶ輸送機で、開発段階から墜落を繰り返してきた欠陥機である。しかも、飛行中にエンジンが停止した際に普通のヘリのように着陸する「オートローション」機能が付いていない。墜落する危険性が高く、民間機ならば許可されない構造的欠陥が指摘されている。
 最悪の欠陥機であるオスプレイの配備と夜間を含む低空飛行訓練は、墜落の危険性が飛躍的に高まることは明らかである。

したがって、国に対し下記事項について強く要請する。
                

1、MV22オスプレイの沖縄普天間基地配備及び岩国基地、キャンプ富士への配備計画の撤回を米政府に求めること。

2、事故が多発し危険な、MV22オスプレイによる低空飛行訓練(ブルールート)の撤回を米政府に求めること。

以上地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。




東京電力株式会社の電気料金値上げ方針に反対する意見書(案)                                         
日本共産党前橋市議団
 
 東日本大震災と東京電力福島第1原子力発電所事故から、1年4か月が経過したにもかかわらず、いまだに、34万人もの人が先の見通しの立たない不自由な避難生活を余儀なくされており、復興に向けた各地の取り組みはようやく緒に着いたばかりである。
ところが東京電力(以下、東電という)は、「原子力発電所の停止などに伴う燃料費等の大幅な増加により深刻な経営状況にあり、この状況が継続すれば遠からず燃料調達に支障を来たし、電気の安定供給に重大な影響を及ぼしかねない」として、企業向け電気料金を本年4月から平均で約17%の値上げを一方的に実施し、さらに一般家庭向け電気料は7月からの10.28%の値上げを経済産業省に認可申請している。
日本経済を支える中小企業は、円高・デフレ経済の下で様々な経営危機に直面しており、電気料金の値上げが与える影響ははかりしれない。
このような中で公正取引委員会は22日、東電が4月1日から企業向け電気料金を値上げすると一方的に通告したのは、独占禁止法違反(優越的地位の乱用)につながる恐れがあるとして、東電に対し文書で注意したことを発表した。
政府はいま「一般家庭向け電気料金の値上げについては厳しい視点、国民目線で審査する」としているが、今回の電気料金値上げは、先に政府が認めた東電の経営再建に向けた「総合特別事業計画」に明記されていたものである。
 そもそも東電の経営悪化は今回の原発事故によるものである。事故の責任は、危険性を指摘されながらも「安全神話」を振りまき、対策を怠ってきた東電と原発事業関係者にあるのであり、事故のツケを国民・消費者に転嫁することは筋違いである。原発で莫大な利益を得てきた東電の大株主や融資してきた大銀行にこそ負担を求めるべきである。  
東電には真摯な経営努力が求められているにもかかわらず、具体的な改革案や地域独占による高コスト構造を解消する見通しも示さず、国から1兆円もの公的資金の注入を受けながら電気料金の値上げの申請は到底容認できるものではない。
よって、国は下記事項について対応するよう強く要請する。
                         
 記
1、東電の一般家庭向け電気料金の値上げは不況で苦しむ市民生活や地域経済に多大な影響を与えるので、値上げを認可しないこと。
2、厳しい経営環境にある中小企業向け電気料金は、値上げ前の料金に戻すよう東電に指導すること。
3、東電に対し、今後の電力需要の試算、燃料費等負担の具体的内容、電源構成と今後の方向性について、国民に明確な情報を開示するよう指導すること。

以上、地方自治地方第99条の規定により、意見書を提出する。
 



原発の再稼働を認めないよう求める意見書(案)
                      
日本共産党前橋市議団
 
 福島県内には「東京電力・福島第一原発」の事故による放射能汚染によって避難を余儀なくされている人が16万人、そのうち福島県外に避難している人が6万人に及んでいる。
こうしたなか、5月5日には北海道電力・泊原発3号機が定期検査のため運転を停止し、国内にある50基の原発が全て停止した。
 冷却機能を失えば炉心の溶融を引き起こし、放射性物質を拡散させる苛酷事故につながる原発への依存を改め、再生可能な自然エネルギーへの転換を推進するなど、いまこそ日本のエネルギー政策についての国民的な議論が求められている。
 ところが、政府は先般、東京電力の経営改革策などをまとめた「総合特別事業計画」を認定した。その内容は、1兆円を超える公的資金(税金)の投入、家庭用電気料金の値上げ、柏崎刈羽原子力発電所の来年4月再稼働などの計画が盛り込まれたものである。
 これらは、国民世論とは大きく乖離したものであり、いずれも認めることはできない。とりわけ、福島原発事故後の電力使用に対する国民の意識変化や、節電意識の高まりには目を向けず、事故以前の10年間を勝手に試算し「電力不足」になると不安をあおりながら、危険な原発再稼働を押しつけるやり方は許しがたいものである。
 また、野田首相は6月8日、このような世論に背を向けて、「関西電力・大飯原発」の3、4号機を再稼働することを表明した。
 政府は、先に原子力発電所再稼働に当たっての安全性について基準を示したが、その中身は昨年の事故後、各原子力発電所に指示した非常用電源車の配置や机上で発電所の耐震性などを検査するストレステストの実施などだけで大変不十分な内容である。「大飯原発」の場合、事故の際に不可欠なフィルター付ベント装置も免震事務棟の整備などは全て計画だけで済まされており、安全の名に値しないことは明らかである。
 事故の収束宣言をした福島原発は、原子炉内部の様子さえ分からず、どこがなぜ壊れたのかさえ分からない状況であり、事故の原因究明が尽くされたわけではない。原因究明がなければ科学的な安全対策などあり得ないはずである。全国の原子力発電所がどの程度の地震や津波に見舞われるのかの想定さえ見直しが迫られているのに、安全が確保できているかのように言うのは、新たな安全神話そのものである。
 さらに、国民の信頼をなくした原子力安全委員会、原子力安全・保安院にかわる国民が納得できる規制機関が存在していない中での原発再稼働など、どこにも道理はない。
 よって、国においては、定期点検中の原発の再稼働を認めないよう強く求めるものである。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

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