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議会報告

前橋市立幼稚園の統廃合問題等について、難聴者・聴覚障がい者への支援策について(近藤好枝・総括質問7.11)

【2012/7/11】

 教育委員会の統廃合方針
 @若宮町のまえばし幼稚園および、大胡・大胡東・宮城の4園を対象とした市(いち)立幼稚園充実検討委員会が6月18日に開かれました。目的は統廃合に関する検討です。統廃合方針は保護者や地域からの要望ではありません。
旧三町村の合併協議合意について重大な変更がある場合には地域審議会で議題として報告・提案されるのがルールです。
ところが、変更についての当局側からの説明は合併後の7年間、18回の大胡、宮城の地域審議会で一切行われませんでした。
6月28日の大胡地域審議会では、審議委員から大胡幼稚園の耐震補強工事実施設計が昨年完了しているのに今年度予算化されないのはなぜか。と問われ、当局はここで始めて、幼稚園のあり方についての検討委員会が開かれているので、この結果を待ち耐震補強工事を実施するかどうかを決定したい、工事は保留にしたとの答弁がありました。
この教育委員会方針に対して大胡、宮城の幼稚園の保護者、住民、そしてその代表である地域審議会からは事前に意見聴衆も説明もないと疑問と批判があがっています。3園の統廃合検討そのものが合併合意に反すると考えますが。
見解を伺います。

 長年の信頼関係をも崩す重大問題です。教育委員会はすでに統廃合検討方針を決めていたことは明らかです。

 A突然の検討委員会の設置に対して参加した方々からは「何を検討するのかわからなかった、統廃合について聞かれても、意見を述べられない、配布された資料には議会での質問内容が添付されていたので、議会の総意として統廃合が求められていると受け止めた」と感想を述べていました。
 この検討委員会は、庁内の検討ではなく、公の検討委員会として学識経験者や私立幼稚園協会代表、大胡、宮城地域代表、4園のPTA会長、市(いち)立幼稚園長代表など参加しています。事前に議会に、全く報告もないこと、該当する保護者にも全く知らされないまま進められたのは問題であると考えますが、見解を伺います。
 
議会への報告は当然であります。子どもたちのためによりよい、幼児教育環境を作り上げることが、教育委員会の仕事ではないかと思います。まず、親や子どもの気持ちを大事にしていく、尊重することではないかと思います。

 B検討委員会の資料に添付した包括外部監査より抜粋した資料には、あたかも市(いち)立幼稚園に対し過剰に税金の投入をしているかのような記述や前橋市の1部地域に偏在しているので、公平性の観点から廃止も含めて検討する必要があるとの指摘があります。
若宮町にあるまえばし幼稚園はすでに前橋西部にあった総社幼稚園、前橋中央にあった神明幼稚園を含めた3園のうち2園を廃止しました。3園の存続を願う署名1万3千人以上の市民の反対を押し切って、強引に1箇所にしたのです。このように、経費削減を目的に公的な幼児教育の統合を論じること事態が乱暴な議論と言えるのではないでしょうか。見解を伺います。
 
 幼稚園の統廃合方針に対して包括外部監査の資料を添付したことをとらえても財政の問題であり、教育委員会は小中学校の統廃合については財政の問題ではない、あくまでも子どもたちのためと繰り返し答弁されていましたが、小中学校の統廃合方針の本音がここで露呈しているのではないかと思います。

  幼児教育の重要性
 @少子化の中で質の高い幼児教育を行なって欲しいと言う願いは切実です。宮城幼稚園は、昭和50年4月に村立幼稚園として開園して以来37年間地域の幼児教育の拠点として、大きな役割を担ってきました。農業を基幹産業とする家庭では3世代4世代が同居して、家族みんなで子育てを支え、3歳児から幼稚園にお世話になるのが、通例です。幼稚園は幼児期の人格形成を促す大きな役割を果たしてきました。
大胡幼稚園は昭和31年創立され、54年の歴史があります。町立幼稚園として開園し、平成16年4月に園児の増加によって2つに分けられ、大胡幼稚園と大胡東幼稚園になりました。多くの園児が大胡幼稚園から大胡小学校へ大胡東幼稚園から大胡東小学校へとすすみます。
このように、4園の中でも宮城と大胡そして大胡東幼稚園は幼少中と事実上の一貫校としての優れた幼児教育を行なっており、教育的効果が高いのです。子どもは町の宝として地域と一体となって育てられた幼稚園として、大きな役割を担ってきました。本市にとても大切な公立幼稚園だと考えますが見解を伺います。

 Aこうした中でも、多様な価値観を持った子育て世代に対応するため幼稚園の拡充に向けた取り組みが求められています。
1つは地域への子育て支援です。少子化によって子育ての悩みを共有し合い、親や子供同士が交流できる支援を求める声も高まっています。乳幼児の子育て支援の拠点として、子育て相談や交流の機会を提供するために、空き教室や園庭など施設の活用をして実施すべきと考えますがいかがですか。


2つは定員です。現在の市(いち)立幼稚園は1園7学級180名定員。宮城幼稚園は昨年度新園舎が建築され、園児は84名で教育委員会の問題意識としては充足率が低いことになっています。しかし、保育園や他市の幼稚園の定員数で見れば、決して少なくはありません。むしろ施設整備のときに園児数推計に基づいて1クラスの定員を少なくする見直し、見直した定員に合った教室整備を検討すべきでした。大胡幼稚園も園児数は102名で決して小さい規模ではありません。1クラスの園児の定員数を少なくして全体の定員を見直せば、子どもたち一人ひとりに行き届いた保育ができるのです。耐震補強工事についても、実態に見合った施設改善ができます。

3つは前橋市(いち)立幼稚園では行われていない夏休みの預かり保育を実施すべきです。県内の公立幼稚園84園中14園、7市町村で実施されています。運営形態や保育時間は様々ですが、夏休みの長期休暇中の預かり保育は保護者に大変喜ばれています。見解を伺います。


 統廃合について検討する前に、市(いち)立幼稚園の充実について、保護者や職員の意見を十分聞いて改善すべきです。

 市長にお伺いします。昨日の市長答弁で、行財政計画の見直し及びサマーレビューで全ての市有施設の総点検をおこない、改修や統合の方向性を出すとしています。教育施設や福祉施設を他の施設と同列にして論じるべきではありません。財政の効率化を教育や福祉に求めることには慎重でなければならないし、とりわけ教育は未来への投資であり、目先の財政事情に左右されるべきではないと考えますがいかがですか。
市長は6月29日に開催された宮城地域審議会での質問に答えて、合併合意はいわば、憲法と同じで大変重いもの、守られるべきものであるとの趣旨を述べました。この考えに立ち、保護者をはじめ地域住民の総意からも4園の統廃合の検討そのものをやめるべきと考えますが、いかがですか。


難聴者・聴覚障がい者への支援策について
(1)公的施設への補聴システムの配備と貸し出し
 日本の難聴者人口は2009年に1944万人。70歳以上では2人に1人が難聴者との報告があります。
コミュニケーションのバリアフリー化は手話通訳などで広く知られていますが、集団補聴システム配備は世界的には公共施設に設置が義務化されていますが、日本では機器そのものが知られていません。
高齢化社会に入り、聞こえないため家庭内でも孤立しがちで、社会参加が困難な高齢者が増加しているなか、集団補聴機器の設置により、社会参加が可能となり、寝たきりや認知症の減少、さらには医療費や介護費の軽減にもつながると考えます。まず、前橋総合福祉会館や県の社会福祉総合センターに設置されている集団補聴システムの活用の周知徹底を図るべきです。
同時に、市民文化会館や元気プラザ21などの会議室や、新しく設置する予定の仮称前橋美術館や東公民館などに設置することが求められます。施設改修が困難な既設の施設には、前橋市として新たに携帯用の集団補聴装置を購入し、装置は20万円前後で購入できるものですので配備すべきと考えますがお伺います。

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