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議会報告

第2回定例会 議案第79号の反対討論 7/12小林久子議員【2012/7/12】

 私は日本共産党前橋市議団を代表し、本議会に上程された、議案第79号前橋市工場立地法地域準則条例の制定について、反対討論を行ないます。
地域主権改革第2次一括法による工場立地法が一部改正され、特定工場の立地にかかわる緑地面積率等にかかる準則を策定する権限が市に委譲され、緩和することができることとされました。
 この条例制定にともない、企業による事業用地の拡大や新たな設備投資など土地の有効活用が図られ、生産効率が高まり、雇用の拡大や、企業立地を促進する条件が広がるなどのメリットが強調されています。しかし、今回の条例案では工業地域及び工業専用地域の緑地面積率を現行20%以上から5%以上に、準工業地域の緑地面積率を現行20%以上から10%以上へと大幅に緩和するものとなっており、地球温暖化防止という地球的規模の問題に世界中が取り組む中で、環境分野での規制を緩和することは時代に逆行するものであり問題です。
 工場敷地内における緑地帯は第1に工場内の騒音防止効果、第2に、CO2など温室効果ガスを取り除く効果や炭酸同化作用による大気の清浄化、第3に、火災や爆発などの事故発生時の緩衝地帯の役割、第4に無機質な工業地域における近隣住民へのリラクゼーション効果など、環境保全や防災上の大きな役割を果たしています。
また、大気汚染・土壌汚染・水質汚濁といった高度成長期におきた深刻な公害の反省の上にたち、現在の環境基準を作り上げてきました。
 この条例の対象となる特定工場は、敷地面積9.000平米以上、また建築面積3.000平米以上の、一定の規模のある工場、企業が対象であり、企業の社会的責任を果たすことは資金的にも十分可能であると考えます。
 グローバル社会における企業経営は、生産コストを下げるための安い労働力を求めて海外に進出したり、市場を求めて出て行くものであり、工場の緑地面積を減らしたからといって海外進出を抑えられるものではありません。
前橋市はこの条例の対象となる企業が54工場あるということですが、条例案の制定についてのパブリックコメントの結果では、6件の意見がありましたが、いずれも規制緩和を歓迎する企業側の意見ばかりでした。工業団地周辺の住民へのアンケート調査も行なわないままの不十分な意見聴取です。
 市は事業所税の新たな減免の実施とともに、企業誘致条例にもとづく支援も続けながら、今年度予算でも、環境配慮型企業支援で総額2.2億円の予算を計上し、企業支援を実施しています。企業の責任を軽減し、環境配慮を欠く規制緩和でなく、これまでの基準を維持し、地球に優しい環境を守る立場に立つべきです。
 また、平成16年7月29日に環境都市宣言をした本市が、水と緑と詩のまちを標榜しながら、緑地を減らし、環境対策を後退させることを認めることはできません。
以上申し述べ、本議案に対する反対討論といたします。

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