トップページへ 前のページへ 目次ページへ
議会報告

12月定例会に
6つの意見書(案)を提出【2012/11/28】

企業・団体献金禁止と政党助成金の廃止を求める意見書(案) 日本共産党前橋市議団

 今年度も約314億円もの政党助成金が交付される。日本の政党助成金は、イギリス、ドイツ、フランスなどの主要国と比較しても、もっとも高額である。
イギリスでは、政党助成金の総額の上限が法律で約2億9200万円に固定されており、使途も政策立案活動に限定されている。政党への企業献金も株主総会の承認が必要など、規制の動きもでている。
ドイツでは、連邦裁判所から政党助成金について“政党の政治資金を補完する部分的なものでなければならない”とすでに違憲判決が出ている。
フランスでは、閣僚の汚職事件を受けて1994年に企業献金を全面禁止とした上で、現在、約98億円の政党助成金制度を実施している。しかも、政党が男女同数の候補を擁立しない場合には、法律にもとづき助成金を減額するという厳しい規制もある。
日本の政党助成金は、ドイツの1.8倍、フランスの3.2倍にもなっている。身を削るといいながら、政党助成金には一切手を触れず、国会議員の定数削減だけを強調するのはあやまりである。
今こそ、憲法違反の政党助成金制度を廃止し、例えば、東日本大震災と福島原発事故による被災者支援や被災地復興などにあてるべきである。
諸外国と比べても、わが国の政党助成金制度は、助成総額の上限も使用目的の制限もすることもなく、17年間で約5,500億円もの国民の税金を注ぎ込んでいる。
そもそも、政党助成金は企業献金の全廃を前提に導入されたにもかかわらず、今だに、政党は企業・団体献金を取り続けている。 国民の思想・信条の自由を侵害する政党助成金と企業・団体献金の“二重取り”を続ける異常さが際立っている。
企業・団体献金は、無駄な公共事業を蔓延させ、原発の再稼働を容認し、TPP参加を促進するなど、企業・団体の利益を優先し、政治を歪め国民の願いに背を向けた政治が横行している。

よって、国に対して、企業・団体献金を直ちに禁止し、国民の税金を山分けする憲法違反の政党助成金の廃止を強く求めるものである。

以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。



公的年金給付費削減の中止を求める意見書(案) 日本共産党前橋市議団
 
 年金を特例水準の解消として3年間で2.5%削減する法案が強行され、これに連動して、ひとり親家庭への児童扶養手当や障害者・被爆者への手当も3年間で1.7%引き下げることを決定した。
 2.5%の年金削減で、国民年金満額支給の人で月約1600円、年間17500円の減額、厚生年金標準世帯の夫婦2人分、約23万円で、月約6000円、年間72000円もの減額になる。
 その後は「マクロ経済スライド」によって毎年0.9%ずつ削減する方向で、底なしの削減になり、将来年金を受ける世代の年金水準も大きく減らすものである。すでに物価スライドによって、年金額は10年間で2.2%減っている。
 厚生労働省調査では、老齢年金受給者の4割が年収100万円以下である。それを承知で年金をさらに減らすのは高齢者を見捨てるものである。さらに、物価に連動して年金を減らすというが、高齢者の暮らしにかかわる水光熱費、食料品は下がっていないうえ、介護保険料などの社会保険料負担は大幅に増えている。
この間所得税の配偶者控除の廃止、65歳以上の所得税の老年者控除廃止と公的年金等控除の引き下げ、住民税の老年者控除の上乗せ部分の廃止、所得税住民税の定率減税の廃止などにより、税負担も増え、所得は年々減り、年金手取り額も減り続けている。
 今後、70歳から74歳の高齢者の医療費窓口負担が来年4月から2割に引き上げられれば9割以上の高齢者に影響が出るうえ、医療と介護保険料の負担増、年金の連続引き下げと、消費税増税という連続負担増には、多くの高齢者はもはや耐えられない。
 よって、国においては、年金給付費の削減を中止するよう強く求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


国民の意思を正確に反映する選挙制度の抜本的改革を求める意見書(案) 日本共産党前橋市議団

 野田首相は国民世論に追い込まれた衆院の解散にあたって、赤字国債を発行する特例法の成立や社会保障制度の改革を検討する「国民会議」の発足とあわせて、最高裁から「違憲状態」と判断された「1票の格差」是正と衆院の定数削減を持ち出した。
 ところが実際に民主党が持ち出してきたのは、現在の小選挙区比例代表並立制を前提に、小選挙区の定数を全体で5減らす「0増5減」を行ない、定数削減については従来の主張どおり比例定数40削減するというものである。比例定数削減については他党が同意せず「0増5減」の小選挙区の区割り案だけが成立した。

 もともと衆院の選挙制度で問題になってきたのは、現在の選挙制度(小選挙区比例代表並立制)では国民の意思が正しく議席に反映されず、大政党に有利な不公平な制度になっていることである。選挙制度の抜本改革が各党間で話し合われてきのに、「0増5減」だけで小選挙区を固定化させ、抜本改革を棚上げすることは許されない。
 しかも得票に応じて議席が配分される比例代表制は、現行制度で唯一民主的な制度である。一部の党の談合でその定数を削減するのは、民主主義を破壊し、制度のひずみをひどくするだけである。国民の民意を国会から締め出すことにしかならないのである。

 よって、国においては議会制民主主義の土台である選挙制度の抜本改革を行ない、衆院の選挙制度は小選挙区を廃止し、全国11ブロックの比例代表のみの制度改革をはかるよう強く求める。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する



電機・情報産業による大規模なリストラ計画に反対し、雇用の確保を求める意見書(案) 日本共産党市議団

今、会社発表や報道などだけをもとにした集計でも、電機・情報産業の大企業による首切り・リストラ計画は、10月末で約13万人となっている。人員削減計画を公表していない企業も多数あり、さらに非正規社員の削減数は一部を除いて不明であり、その影響は13万人をはるかに超えると考えられる。
 2008年の「リーマン・ショック」の際のリストラは、「派遣切り」、「非正規切り」という形で現れたが、今日の同産業のリストラは、非正規社員にとどまらず正社員も対象とされ、しかも製造部門だけでなく事務・設計・開発部門にまで人員削減の嵐が襲っている。同産業の多くの企業が個人面談による執拗な退職強要を行っており、精神疾患などの病気に追い込まれる労働者も増えている。また、正当な理由なく解雇を通告し、そのまま労働者を職場から締め出す「ロックアウト解雇」という無法なやり方も行われている。
 自由な意思決定を妨げる退職勧奨は、違法な権利侵害に当たる。このような大量解雇が続けられるなら、大企業に働く労働者が職を失うだけでなく、下請け企業など膨大な中小企業を倒産に追いやり、さらに大量の失業者を生み出すなど、日本経済に極めて否定的な影響を与える。しかも、今強行されようとしている大量リストラは、企業経営のうえで決して切羽詰まったものではない。同産業の内部留保は約26兆円にも及び、労働者の雇用を守る力を十分持っていることは明らかである。
 日本の電機・情報産業は今、外国企業との競争に大きく立ち遅れている。その原因は、製造部門を海外に安易に移転して技術・開発部門と切り離したり、誇りをもって働いてきた労働者のリストラを進めたことが、同産業の命である創造的な技術開発の土台を自ら破壊し、「経営悪化」への悪循環を作り出してきたからである。
 よって、国においては、次の措置を講ずるよう求めるものである。

1、労働者の首切り・リストラの実態を直ちに調査し、全面的に把握した上で、違法行為を根絶する断固たる措置を講ずること。

2、大リストラ計画を中止して雇用の確保に責任を持つよう、関係企業に強力な行政指導をただちに行なうこと。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。



米軍人による女性暴行事件等に関する意見書(案) 日本共産党前橋市議団
 
今年8月18日に強制わいせつ致傷事件、10月16日に女性暴行事件が相次いで発生し、在日米軍は全米兵に対して午後11時から午前5時まで夜間の外出を禁止するなどの指示を出したにもかかわらず、またしても、去る11月2日、沖縄本島中部において、在沖縄米兵による住居侵入・器物損壊・傷害事件が発生し、再び県民に強い衝撃と大きな不安を与えている。 
沖縄復帰後の米軍構成員等による犯罪件数は、2012年10月時点で5,792件にも上り、国民は事件・事故が発生するたびに、綱紀粛正、再発防止及び関係者への教育などを徹底するよう米軍等に強く抗議してきた。

日米両政府は遺憾の意を繰り返し、米国政府は即座に綱紀粛正の徹底を改めて発表したが、一時的な規制は形式的で、県民の怒りを静めるためのものであり、米軍の綱紀粛正が機能していないことは今回の事件で証明されている。
日米両政府はなぜ、戦後67年、復帰から40年を経た今なお、事件・事故が繰り返される現状を顧みず、本格的な解決策に取組もうとしないのか。沖縄県民はもとより、国民の命と人権を守るには、在沖米軍と日本における米軍基地の整理・縮小と米兵の基地外への外出を禁止するしか方法はない。
沖縄県民や国民の声を無視し、オスプレイが配備される中で、またしても、このような事件が起きたことは、県民や国民の我慢の限界をはるかに越え、全国からは米軍基地の全面撤去を求める声も大きく広がっている。

 よって、国は沖縄県民の人権、生命、財産を守ることはもとより、国民の怒りの声をしっかり受け止め、今回の事件に対し厳重に抗議するとともに、下記の事項が速やかに実施されるよう強く求めるものである。
                記
1、相次ぐ事件の被害者及び家族への謝罪及び完全な保障を行うとともに、日米地位協定の抜本的な見直しを行うこと。
2、在日米軍兵士の基地外への外出禁止を強化し、実効あるものにすること。
3、沖縄における米軍基地はもとより、日本全土の米軍基地の整理・縮小・返還を促進すること。
 
 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。



TPP交渉参加反対を求める意見書(案) 日本共産党前橋市議団

 昨年11月、野田内閣は「TPP交渉参加に向けて関係国との協議に入る」と表明し、今年、7月31日に閣議決定された「日本再生戦略」においては、アジア太平洋経済戦略の一環としてTPP交渉参加に向けて、関係国との協議をすすめることが改めて明記された。
 さらに、野田総理は、11月20日のプノンペンにおける日米首脳会談で、TPP交渉参加に向けて米国との事前協議を加速させる考えをオバマ大統領に伝えた。

 農畜産物等の例外なき関税撤廃は、日本農業への壊滅的な影響を及ぼすことはもとより多岐に及ぶ交渉を通じ、食品安全、金融サ−ビス、投資、医療、労働、政府調達等多くの分野で国内制度の規制緩和・撤廃など国民生活全体に悪影響を及ぼすことが懸念される。
 すでに、米国通商代表(USTR)からは、牛肉、保険、自動車の自由化要求というべき非関税障壁の撤廃を強く求められており、特に、性急な輸入牛肉規制緩和などは、食の安全・安心を脅かすものである。
 これらの懸念事項に対し、納得できる交渉内容や事前協議情報は、国民的議論に乏しく、とてもTPP参加の是非を判断できる状況でない。

 そして、東日本大震災による被災地域の復旧、復興と東電福島発電所事故による放射性物質の被害は、未だに終息の糸口が見えていない以上、これらの解決に向けた取り組みが最重要、最優先課題であり、TPPへの参加は、復旧・復興と両立しない。

 よって、TPP交渉参加は、国内農業をはじめ、国民生活、地域社会への甚大な影響を及ぼすことはあきらかである。国においては、事前協議からの即刻離脱を含め、TPP交渉への参加をしないように強く求めるものである。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。



ページのトップへ