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議会報告

9月議会総括質問 1、子どもの医療費無料化の18歳までの拡大 2、介護保険料の引き下げ 3、特養ホームの増設 4、前工跡地の利活用 5、オスプレイ配備と低空飛行訓練中止 6、TPP参加阻止 中道浪子【2012/12/7】

1、最初は、子育て支援策と教育の充実についてです。
(1)その1つは、子どもの医療費無料化の18歳までの拡大についてです。
@今、経済不況の中で、親のリストラや、親の賃金が下がり、高校授業料は無料になったものの、私学の高校授業料の負担分は高く、修学旅行費の積み立て金や、部活動のための費用負担は依然として重く、このような負担感に耐えられず、高校を中退者する若者が増えています。群馬県は、中学卒業まで子どもの医療費を無料にしている全国でもトップクラスで、お医者にかかりやすくなったために、夜間診療の受診率が下がり、逆に慢性疾患の受診率が上がるなど、早期発見・早期治療にも反映しています。
しかし一方では、市行政においても「いきいき前橋っ子はぐくみプラン」の施策でも、高校生への支援策がまことに弱いことが指摘できます。
そこで、本市が誇る中学卒業まで無料化している医療費について、児童福祉法や子どもの権利条約に準じて18歳まで拡大し、重要な高校生・若者への健康支援策として実施すべきではないでしょうか。お考えをお伺いします。

●18歳までの医療費無料化の実施は、少なくともすでに3市、1区、1町が実施しており、福島県は、今年10月より原発事故から子どもの健康を守るために、実施方針を出しました。
本市における高校生は9月現在で10,022人。体力が伴う年齢なので、小さい子どもと比べてもかかる医療費は少ないのが実態です。高校生・若者への健康支援策として無料化の拡大を求めておきます。

(2)30人学級の早期実施についてです。@今年は、7/30日に前橋市の重点要望を県知事へ要請し、その中に、小学3
年生以上にも30人学級を実施するための特配教員を配置するとともに、30人学級編制の実現を国に働きかけて欲しいと盛り込みました。
ところが、山本市長は、非正規の支援員などを増やすことで教職員の多忙化の解消をすすめており、多忙化の解消はできても、子どもたちへの基礎・基本の学力向上でゆき届いた教育の実現には至りません。 
市長は、県知事にも、国にも30人学級実施を要望しているのですから、少なくとも市長の4年の任期中に、自ら本市の実施計画を示すべきで、これまでに試算してみたのでしょうか。当面、小学3年・4年生の現状35人学級を30人学級にするには、27人の正規の先生を増やして、1億5,120万円の財政負担で実施できます。市長のお考えをお伺いします。
A市長は市民に公約をするのに、予算の試算も実施計画も考えなかったのでし
ょうか。今、市民は、「選挙公約に掲げた30人学級の実施を求める署名」をはじめています。署名の趣旨は、「前橋の教育を豊かなものにするために、公約どおり全学年の30人学級を実施してほしい」また、「教育的にも市長は公約を守って欲しい」というものです。市長は、公約どおり実施の検討を段階的にでも示すべきで、公約したのですから、実施するまで追及します。市長からの答弁をお聞かせください。

●30人学級を要望された有権者はたくさんおり、ゆき届いた教育を求めています。実施するまで追及します。

(3)次は、学校統廃合問題についてです。
@市教委の方針に従って、広瀬中学と春日中学の統廃合を進める両地区委員会は、平成20年に設置され、昨年には合同地区委員会を設置し、検討を進めてきました。しかし、今年7月には、合同地区委員会は一旦解散し、休会することになったと市教委からの報告を受けました。この地域には日赤病院の移転誘致が進められておりますが、広瀬中と春日中との合同地区委員会でどのような論議になったのでしょうか。簡潔に市教委の説明を求めます。

A広瀬中と春日中の統合に関連して、市教委は、両中学の地域にある朝倉、天神、広瀬、上川淵小の4つの小学校を2つに統合する方針を提起していますが、両中学が「しばらくは地域の変化等の様子を見定めるため」検討を休会にするのですから、当然、4つの小学校の方針は成り立ちません。ましてや広瀬中学の跡地に統合後の小学校を設置する方針には見通しが全く立ちません。
いったん地域の街づくりに変化が起きれば、直ちに方針の変更が余儀なくされるように、長期的で数合わせの学校統廃合方針は誤りであります。市教委の学校適正規模・適正配置方針は中止するか、あるいは撤回するしかないのではないでしょうか。答弁を求めます。

●市教委の方針は、策定してから既に4年が経過していますが、この間、嶺小を芳賀小に統合する方針を出したために、子どもたちは芳賀小へと移り、今年は小学1年生の入学児童がたった一人しかいなかったと地域では嘆いているではありませんか。
 2中と4中の統合は大成功だが、同じ地域の小学校は、震災時の避難所のことを考えればこのままでいいという意見も聞きました。
市教委は、「特色ある学校づくり」の名の元に「学校選択制」で子どもや保護者を翻弄させた上、結果として小規模校を作り上げて統廃合方針を提起してきたのは明らかです。「子どものため」を隠れみのに、子どもや保護者を惑わし、翻弄させている適正規模・適正配置方針は、「特色ある学校づくり」でも「子どもたちのため」でもありません。まちづくりにも弊害です。止める宣言をする時期ではないですか。

2、高齢者施策の拡充についてです。  
(1)その1つは、介護保険料の引き下げ等についてです。市長は就任直後の臨時議会で、介護保険料を29.5%も引き上げたことで、市民からの抗議の電話が、約1ヵ月間で1,232件も市役所に殺到しました。
私のところにも直接いかりの電話が寄せられ、「介護保険料が高くなって払えない。介護はこれから受けられなくなる。職員に聞いたが質問に正しく答えてもらえなかった」と言う内容でした。
こうした市民の声に応えるには、せめて介護保険料を引き上げ前に戻すべきで、年間10億円の財源があれば単年度の引き下げをすることができます。
私は、毎年一般会計を前工団に繰り入れしていますが、次回からはそれをやめて、介護保険会計にまわすべきだと思います。また、昨年度一般会計決算の黒字分31億円の内、18億円を財政調整基金に積み立てましたが、これを介護保険会計にまわすこともできるのではないでしょうか。国の指導も一般会計を繰り入れることを認めていますので、市長の決断を求めます。

(2)その2つは、特養老人ホームの増設についてです。@今年、市の長寿のお祝いに、100歳以上のお二人を入所している二つの特養老人ホームを訪問し、お祝い金と記念品をお届けしました。特養老人ホームを訪問して思いましたが、安心して生活している様子を見て希望者全員が入所できるようにしなければと痛切に感じました。
ところが、特養老人ホームは依然として、入所待機者が増えるばかりです。本市では今年5月で1,511人もの方が待っていますが、増設計画は第5期計画の3年間でたった230床だけです。市は、待機者解消のためにさまざまな入所施設を建設してきましたが、低年金では入所できず、特養老人ホームの入所希望者はふえるばかりです。
介護保険法第2条は、「被保険者の選択に基づき、適切なサービスが多様な事業者または施設から総合かつ効率的に提供されるよう配慮して行わなければならない」と、保険者の責任と住民の権利を位置づけていますが、法の理念さえままならないのが現状です。市は保険者として国や県が補助を出さなくても、独自の特養老人ホームを建設して低所得者を救済するという立場に立つべきです。

●保険料を上げないように工夫するのも保険者の仕事ではないですか。

B今議会の市長説明には「特別養護老人ホームは介護保険サービスの基盤」と
言うことが明記されており、市長は特養老人ホームは介護保険の基盤サービスという認識をもっているようですので、保険者としての待機者解消が得られるように責任を果たすべきです。
このままでは介護保険法の理念も趣旨も、保険者の責任も全てなし崩しです。
市長は、特養老人ホームを、地域での「介護保険サービスの基盤」となるように、小学校区に配置できるように、しっかりと位置付けるべきです。市長の答弁を求めます。

●現在前橋には21施設、1,387名が入所していますが、小学校区に設置して、倍化する必要があることを申し上げておきます。

3、前工跡地の利活用等についてです。@前工跡地は、小寺前知事と高木前市長との間で行われた土地の等価交換契約
によって県から取得し、土壌汚染に20億円の費用がかかることが明らかになり、除染費用を巡って、その後、変わった大澤知事との間で、市は県に不備があったとして県を訴え裁判となりましたが、わが党市議団は、このあくまでも話し合いで結論を見出すよう求め、提訴に反対しました。
ところが、今年2月、山本市長が就任したことから、大沢知事とのホットラインで、裁判の和解を選択し、お互いの責任の中で協議し、除染費用など県知事にも協力を求める必要があったと思いますが、なぜ和解しなかったのでしょうか。
山本市長は、知事の意向に従って裁判の継続を選び、市の敗訴と言う結果を選択し、確かに、大沢知事と高木前市長との裁判の決着はつきましたが、市民の立場から見れば、県も市も契約に不備があり、県の土地として土壌汚染はまぎれもない事実で、除染費用の20億円は敗訴した市が全て持つことは、納得できないのです。
判決後、大沢知事は市に協力すると述べているのですから、山本市長は、知事に土壌汚染費用についても協力を求めて、協議の場を持つべきだと思いますがその考えをお聞かせください。

A市は、前工跡地の土壌汚染は毎年水質検査をしているが問題ないといっていますが、土壌調査結果にはロッカクロムやシアンなども検出されており、跡地の活用は当面であろうと短期であろうと、いずれ長期的な利活用も視野に入れることを考えれば、徹底した土壌除染はどうしても必要です。跡地の利活用は地元の意見だけでなく、検討協議を重ね、市民合意も得る必要があります。
山本市長は、今議会に旧前橋工業高校跡地の利活用を進めるために、6,000万
円の補正予算案を上程しました。
しかし、暫定的な6,000万円の補正予算計上は、地元住民や市民との間で議論が尽くされていない現状では次期尚早ではないかと思います。
また、前橋市としてどのような跡地利用をすることになっても問題を残さないように、山本市長と大沢知事との間で除染費用などの確約書をしっかりつくっておくべきです。合わせて答弁を求めます。

4、 国政に関する諸問題の一つは、
(1)オスプレイの配備と低空飛行訓練中止についてです。日米両政府は、垂直離着陸機オスプレイの沖縄配備と、10月からの運用開始
を公言しています。問題のオスプレイは構造的欠陥があると指摘され、開発から運用段階にいたるまで
に多くの事故を起こし、36人もの犠牲者を出してきましたが、その背景には
安全に着陸するためのオートローテーション(自動回転)機能に欠如があり、単な
る操縦ミスではないことが明らかにされています。
配備されるオスプレイの低空飛行訓練ルートは、全国で7ルートありますが、その一つが群馬県北部上空にあたるブルールートです。
しかも、前橋市はこれまでも問題になっている米軍ジェット機の低空飛行訓練では、防衛省が受け付けた低空飛行訓練被害件数の6割から9割が集中する最多発地域となっており、グリーンドームを標的にしているとの情報もあります。その米軍ジェット機の低空飛行訓練と高空飛行訓練の両エリアをめがけて厚木基地から飛び立ってくるわけですから、群馬県北部上空がオスプレイの低空飛行訓練エリアといいますが、危険な飛行訓練が重なりあうことになります。  米軍ジェット機の訓練もさることながら、オスプレイの配備も訓練も認めるわけにはいきません。
市長は、県知事とも協力して、オスプレイの配備と低空飛行訓練はやめてほしいと米国に要請するよう国に意見を上げるべきだと思いますがいかがでしょうか。市長の答弁を求めます。

(2)つぎは、TPP環太平洋経済連携協定阻止についてです。@市長には、これまでの質問に対して、第6次産業にゆだねるとか、販売力を強調すれば何とかなると、はっきりとした態度を保留にしています。
すでに、TPPの世論調査では「農業に影響が出る」と答えた人が60%に達し、「日本経済全体を悪くする」と答えた人も大勢が占めるようになり、本市農業にも177億円もの影響が出ることや、市農業委員会もこぞって反対しています。今、TPP参加阻止は山場を迎えているのです。
市長は前橋市民の暮らしや経済、農業などをしっかり守るために、TPP参加反対をはっきりと態度表明すべきだと思います。いかがですか。

●市長は本市の農業を守る立場に立って、しっかりTPP参加には反対の意思表示をすべきです。TPPの情報が少なくて判断ができないとも言っています。もしも、それが事実ならば、市長はだれの立場に立っているのでしょうか。TPP参加は、国内生産、地域経済、国民生活と日本経済全体に計り知れない打撃を与え、特に農業への影響は壊滅的で、国民への懸念も広がっています。JA全中、日本医師会、多くの消費者団体、業者団体などがTPP参加反対の声をあげています。


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