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議会報告

前工跡地の汚染物質にふたをしたままのメガソーラー発電設置を削除する修正案に対する賛成討論 近藤好枝【2012/12/10】

日本共産党前橋市議団を代表して議案第110号平成24年度前橋市一般会計補正予算に対する修正案についての賛成討論をおこないます。
 本案は前橋市岩神町大規模太陽光発電事業について平成25年度から平成45年度までの債務負担行為の補正から4億8千万円を削除するものです。
 わが市議団は本年第3回定例会で提案された旧前橋工業高校跡地の利活用に要する経費6000万円内訳は整備設計費1000万円整備費5000万円、この予算は暫定的なものであり、今後、整備の追加予算が計上された場合にも賛成をする予定であります。市はこの6年間にわたり、周辺住民及び自治会の方々に不安と心配をかけてきたこと、周辺の13自治会から土地の利活用にむけての早期決着の要望が寄せられていることにもあり、当面の利活用については、高齢者や子どもが集まれるような場所を早期に整備していただきたいとの要望に応えるために賛成いたしました。したがって、広場や駐車場整備のための予算に賛成してまいりました。
 今議会に提出されている本予算案、メガソーラー発電装置を20年間のリース契約で設置することに対し疑義を申し上げています。
まず申し上げておきますが、わが市議団は原子力発電に代わる再生可能な自然エネルギーであるメガソーラー発電には大いに賛成しております。しかし、旧前工跡地は土壌汚染対策法で認められた封じ込めによる跡地の利用つまり形質変更時届出区域の指定は、短期的なもの、暫定的なものであるべきと考えます。跡地は利根川に隣接しており、利根川の水位の上昇によって汚染土壌の物質が地下水に溶出して、汚染物質が広範囲に流出する可能性があります。周辺住民への健康被害も懸念されます。跡地は利根川河畔の赤城山や榛名山を望む好立地であり、本市の貴重な財産として周辺住民の意向を尊重すると同時に、市民共有の財産として長期的なビジョンに立って利活用を検討すべきです。したがって、メガソーラー発電の設置方針は全市民的な共通の理解を得ることも難しいと考えます。
 そのためには、前工跡地2.8ヘクタールを完全に汚染物質を除去し、形質変更時区域指定の解除をするつまり完全浄化の方針を明確にして実施すべきと考えてます。メガソーラー発電の設置は20年という長期的な方針であり、汚染物質にふたをしたまま、放置することになります。本市の負の遺産を20年間放置することは許されないと考えます。前市長の失政を引き継いだ山本市長が根本的な解決策を出さず、先送りすることは山本市長に対し市民の新たな不信を招きかねません。メガソーラー発電のリース契約終了後20年後の跡地の土壌汚染を一体誰が解決するのでしょうか。これらの問題点を十分地域住民及び市民に説明し理解を求めることがまず、先決ではないでしょうか。
 しかも、議会の議決も得ずに本議案の審議中にプロポーザル業者募集の告知をおこなうことも拙速すぎるので大いに問題であります。なぜ、メガソーラー発電の設置を急ぐのか、1キロワットアワーあたり42円の買取価格が今年度で修了するので急いでいるのであれば、脱原発の流れの中で買い取り価格が大幅に下がることはありません。そんなに心配することはありません。
 全市民的にみてもメガソーラー発電の設置場所として中ノ沢の野球場を転換して設置することは理解できますが、旧前工跡地については土壌汚染対策を最も強化すべき市長がメガソーラー発電の設置場所に選定した責任も看過できません。
 最後に申し上げますが、2008年4月の跡地土壌汚染調査報告は10メートル四方300地点、最大10メートルの深度までボーリング調査を実施し、敷地のほぼ全域の土壌から、国が定める環境基準を大幅に超える六価クロム2・6倍、水銀20倍、鉛360倍、砒素6・8倍、フッ素3倍もの大量の汚染土壌が検出され、これに基づく完全浄化費用は20億円と試算されています。あれから4年が経過しています。まず、浄化のための費用は現在の科学技術でいくらかかるのか試算し、調査すべきであり、旧前工跡地検証・利活用委員会の遡上に載、浄化方法を明らかにすべきであります。その上で、原因者であり道義的な責任のある群馬県に負担を求めるべきです。こういうときこそ、市長は友好的な関係のある大澤知事との協議の場を持ち、暫定的な封じ込めによる対策ではなく、浄化費用の20億円の負担を県にも丁寧に要請し、完全浄化すべきです。
 なお、長い間周辺住民のみなさんはたいへんな被害を受けており、応急措置としての飛散防止策ではなく、周辺住民の皆さんのための暫定的に利活用できる工事を早急に開始すべきであり、メガソーラーに関係なくこの予算はすでに決定しているのであります。市長がメガソーラーでなければ暫定的な工事もできない、地元要望に応えられないとの態度を示しているとすれば大変問題であります。
以上の理由から、メガソーラー発電装置20年のリース契約である債務負担行為の補正から削除する修正案に賛成いたします。

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