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議会報告

第1回定例会 共産党市議団提出の意見書(案)とその賛否【2013/3/29】

日本共産党前橋市議団は7本の意見書案を提出
1 意見書起草委員会で全会派が賛成
2 賛成多数で採択(賛成は日本共産党、清新クラブ、市民フォーラム、公明党、心世紀、光風クラブ、市民の会、飛躍の会)
3 賛成少数で不採択(賛成は日本共産党、市民フォーラム、飛躍の会)
4 賛成少数で不採択(賛成は日本共産党、新風クラブ)
5 賛成少数で不採択(賛成は日本共産党、市民の会)
6 賛成会派無し不採択(日本共産党のみ)
7 賛成会派無し不採択(日本共産党のみ)




1、たび重なる米軍機の低空飛行訓練の即時中止を求める意見書(案)                      日本共産党前橋市議団
 
 群馬県及び前橋市の上空における、米軍機の飛行訓練が今年も1月以降頻繁に行なわれている。夕方から夜間にかけて、低空での旋回飛行を繰り返し、耳を覆うような爆音が鳴り響き、「受験勉強が落ち着いてできない」「子どもがおびえている」などの抗議や苦情が、県庁や市役所などに700件(2月15日現在)を超えており、過去最高を更新している。
 こうした現状を受けて、群馬県はセンター試験や高校入試日当日の米軍機の飛行訓練中止を申し入れるとともに、前橋市と渋川市に騒音の測定器を設置する方針を明らかにした。県は、騒音測定を行い実態を把握して、防衛省、外務省を通じて米軍に対して、住民に危険を及ぼす飛行訓練の中止を要請すると表明している。
 こうした危険な低空飛行を繰り返す背景には、在日米軍の法的地位を定めた地位協定の実施に伴う航空法特例法により、これらの規定の適用が除外されているなどの問題がある。
 アメリカ本土では、人口密集地近くでの米軍機による低空飛行は禁止されているのに、前橋市や高崎市など人口が密集した都市の上空を低空で旋回し続けることは全国でも例がない。いつ市街地上空で部品の落下や墜落事故が起きるとも限らず、異常な事態の早期改善を強く求めるものである。
 よって、国に対して下記事項を強く要請するものである。
                
            記

1、爆音など市民生活に多大な悪影響を及ぼし、墜落による大惨事を引き起こす危険性のある米軍機の低空飛行訓練をただちに中止するよう米軍及びアメリカ政府に強く要請すること。
2、国の責任において被害を受けている自治体に対し、爆音を測定するための騒音測定器を設置すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


2 「いじめ」問題の解消に取り組むための条件整備を求める意見書(案)                    日本共産党前橋市議団
 
 「いじめ自殺」が社会問題になり30年近くたった今なお、子どもを守れないケースが各地で繰り返されており、多くの人々が心を痛めている。
深刻化する「いじめ」をなくすことは、日本社会の切実な問題である。新聞社の調査では、7割の教員が「いじめ」対応の時間が足りないと答えている。文科省による「教育改革」で学校の雑多な業務がふえ、教員は必死で働いても肝心の子どもと遊んだり、授業準備をする時間が確保できず悩んでいるのが実態である。
子ども一人ひとりをていねいに見られる少人数学級が何よりも重要で、そのため、途中で止まっている「35人学級」をすみやかに完成させるべきである。
また、教職員の多すぎる業務を改善し、教職員が「いじめ」に向き合う条件をつくることが求められているとともに、「いじめ」を発見しやすい立場にある養護教諭とカウンセラーの増員をはかり、専門職としての独立性を尊重するべきである。
しかも、「いじめ」がこれだけ深刻化しているのに、教職員には研修の機会さえなく、独自の研修も求められている。
今こそ、国の責任で「いじめ」対応のセンターとしての役割を担う「いじめ防止センター」(仮称)を設立し、「いじめ」問題を解消するための条件整備が早急に求められている。

よって、国は以下の対応策を講ずることを強く求めるものである。
              
            記
1、教職員の「多忙化」の解消を図ること。
2、35人学級の完成を急ぐこと。
3、養護教諭・カウンセラーの増員を図ること。
4、「いじめ」問題の独自研修を保障すること。
5、「いじめ防止センター」(仮称)の設立を急ぐこと。


以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。



3 年金支給額の2.5%削減の中止を求める意見書(案)                           日本共産党前橋市議団

昨年、衆議院解散をめぐって国会が混乱している中、十分な議論が行われずに「年金2.5%削減法案」が可決成立した。現在の年金支給額が「本来の支給額」より2.5%多く支給されているので、その分を現在の年金支給額から「削減する」というものである。
 今から10年以上も前の年金額が「多く支給されている」からとの理由であるが、この措置は、年金生活者の生活状況が困難なので「特例措置」として決められたもので、生活の実態に合わせて取られた措置である。これを10年以上経過して「もらい過ぎ」だとして「削減」するというのは、年金生活者の実態を無視したものである。 
今回の削減は、今年10月に1%、来年の2014年4月に1%、そして2015年4月に0.5%削減となり、消費税増税時期とも重なるものである。
 年金支給額は、H24年度も0.3%減らされ、ここ10年間で5回も減額されている。
このように年金が減らされつづけていけば高齢者の生活は困窮し、その上に「2.5%削減」が重なれば、ますます生活が脅かされることになる。
さらに、介護保険・健康保険などの負担増も重なり、なおかつ、アベノミクスで2%もの物価上昇を考えているのに、年金額を2.5%も削減では生活実態に合わないことは周知の事実である。
 
よって、国においては、高齢者の困難な生活を少しでも改善し、高齢者の実態に合わせた「特例措置」を行った精神を生かすために、年金支給額の2.5%削減を中止することを求めるものである。

 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。


4 TPP交渉参加の撤回を求める意見書(案)                               日本共産党前橋市議団

 安倍首相は2月23日の日米共同声明でTPP参加を合意した。首相は「聖域なき関税撤廃が前提でないことが明確になった」としているが、発表された「日米の共同声明」ではTPPに関して、「全ての物品が交渉の対象とされる」と明記している。
 すでにTPP交渉参加国では「関税並びに物品・サービスの貿易及び投資に関するその他の障壁を撤廃する」として関税と非関税障壁の撤廃が原則であることに合意している。与党自民党内では「米、小麦、牛肉、乳製品、砂糖は例外品目にすべき」と主張しているが、実現の保障は全くない。
 首相の「聖域なき関税撤廃が前提でないことが明確になった」などというのは、国民を欺くことにほかならない。

 TPPは農林水産業だけでなく、食の安全から医療、雇用などさまざまな分野で国民の暮らしや国のあり方まで変えてしまう大問題であり、それを国民と国会の場での了承を得ずに、日米首脳会談で事実上の交渉参加を約束してくるやりかたは、民主主義の点でも重大である。
 JA全中(全国農業協同組合中央会)の会長が「我々は、今のような状況で、TPP交渉に参加することは反対であり、政府・与党は、我々の信頼を裏切るような判断を絶対すべきではない」との声明を発表し、地方のJAからも怒りの声が殺到している。

 農業や医療、食の安全をはじめ、広範な分野で地域経済と国民生活に深刻な打撃となるTPPを推進することは絶対に許されるものではない。
 よって国はTPP交渉参加の撤回をするよう強く求めるものである。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


5 原発即時ゼロを求める意見書(案)
                  
  日本共産党前橋市議団

 安倍首相は、日米主脳会談で民主党政権の「2030年代の原発稼働ゼロをめざす」とした方針を 「ゼロベースで見直す」と明言した。また「米国とは原子力協力のパートナーとして緊密に連携していきたい」とも述べている。
 直近の新聞社の世論調査でも、日本の原子力について、「すぐにやめる」が13%。「30年代より前にやめる」が24%。「30年代にやめる」が22%。「30年代より後にやめる」が12%と、「やめる」と答えた人の合計は約70%に達している。オバマ大統領に対する安倍首相の言明は、こうした国民世論を無視して、米国との「信頼回復」を最優先にし、原発の再稼働・推進を確約するものである。
 安倍首相は国会答弁でも「原子力政策を推進してきたこの基本的考え方は間違っていなかった」(参院予算委員会2月19日)と強弁し、自身も含む歴代自民党政権の原発推進については反省がまったく欠如している。
 原発の再稼働はおろか、新増設についても島根、大間など原発新増設は民主党政権がすでに決めているとして見直すことも考えていない。
 しかも、いまだ放射性物質を出し続けている福島第一原発の現状は収束とは程遠く、事故から2年になろうとしているのに、事故の経過さえ分かっていない。事故原因の究明を尽くさず、原発の危険から国民の安全を守ることができないことは明らかである。さらに、骨子案は、原子力発電所の直下に活断層が走っていても、地表に露出した断層がなければ設置を認める基準となっており、とても世界最高水準の安全基準とは言えない内容である。
よって国においては、国民の過半数が求める原発ゼロの願いに答え、無謀な再稼働、新増設を行なわず、原発即時ゼロをただちに決断するよう求めるものである。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

 
6 デフレ不況脱出に向けた対策を求める意見書(案)                          日本共産党前橋市議団
どうやって深刻なデフレ不況から抜け出すかは、いま多くの国民が切望する国政の大問題である。日本経済がデフレ不況に陥った最大の原因は、歴代政府が労働法制の規制緩和をすすめ、派遣やパートなど非正規雇用を拡大し、賃下げとリストラの繰り返しで働く人の所得を減らし続けてきたことである。したがって、デフレ不況から抜け出す最大のカギは、減り続けている働く人の所得を増やす方向に政策を抜本的に転換することである。
 消費税増税で、サラリーマン世帯の1カ月分の給料が消費税に消えてしまえば、消費が凍りつき景気の底が抜け税収も落ち込むことは、1997年の消費税増税後に14兆円もの税収が減ったという事実によって証明ずみである。また社会保障制度の削 減は、将来の暮らしの不安をいっそう拡大し消費を冷え込ませることは明らかである。
 いま大企業は、労働者をリストラし賃金を引き下げ、不況の下でも利益を増やし続けて、内部留保は260兆円にものぼっている。そのごく一部を国民に還元しただけでも、リストラをただちに中止して正社員を増やし、大幅な賃上げが可能である。
 いまこそ、労働者派遣法やパート労働法の抜本改正を行い、非正規社員の待遇を改善して正社員化の流れをすすめるとともに、中小企業支援をしっかり行いながら、最低賃金を時給千円以上へと大幅に引き上げて、日本から「働く貧困層」をなくしていくことが必要である。
 また、大企業と中小企業が公正に取引できるルールをつくるなど、独占禁止法の強化なども必要である。
よって、国においては、第1に、消費税の10%増税と社会保障削減計画を中止する。第2に、大企業・財界の身勝手な賃下げ・リストラをやめさせる。第3に、人間らしい暮らしを保障するルールづくりに踏み出すなど、「デフレ不況脱出に向けた対策」をすみやかに行なうよう求めるものである。  
  
 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


7 市民生活の最後の砦である生活保護費の引き下げに反対する意見書(案)                                                   日本共産党前橋市議団

 政府は1月27日、生活保護費の扶助基準を3年間で670億円引き下げると決め、その上期末一時扶助の見直しを行うとして70億円の削減を、13年度予算案に盛り込んだ。食費、水光熱費をまかなう生活扶助費の削減額の9割が物価下落分を口実にしたもので、物価の要素を排除した保護基準の従来の決め方を放棄するものである。
 この10年余りで給与所得は著しく落ち込み、年金や雇用保険・失業給付の引き下げなど社会保障が縮小され、貧困が社会的な問題としてクローズアップされた中で、唯一のナショナルミニマムである生活保護費が引き下げられることは許されない。

 そもそも生活扶助基準と最低賃金や国民年金などの低所得者層を比較することが妥当とは言えず、基準引き下げのための議論であったことは疑う余地がないのである。
 生活扶助基準は、地方税の非課税基準、最低賃金の設定の配慮事項、就学援助の対象基準など、日本の社会保障水準の物差しとなっており、その影響は計り知れない。
 しかも、わが国は生活保護の捕捉率が10%そこそこしかなく、低所得者層の中には、本来、生活保護を受けるべき人が多数含まれている。生活扶助基準は、支給金額のみならず受給の要否を判断する基準でもあり、それを下げれば受給対象から外れる層ができ、捕捉率が他国に比べて突出して低い状況が、さらに悪化することになる。
 消費税増税により負担は増えるばかりなのに、生活扶助基準に連動して様々な形で低所得者層の収入が下がる一方では、消費の回復など期待できず、それが国民全体の給与水準の低下につながり、このままではまさに負のスパイラルに陥るばかりである。

 よって国は市民生活の最後の砦である生活保護費の引き下げをやめ、憲法25条を尊重し生存権を保障するよう強く求める。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

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