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議会報告

2013年第2回定例議会総括質問(23分)質問原稿1、合併検証と今後のまちづくり 2、市立幼稚園の夏季休業中の 預かり保育の本格実施について 小林久子議員【2013/6/19】

6月議会総括質問
                          小林久子
1、合併検証と今後のまちづくり
(1)市民意向調査の結果
?昨年市長は合併検証室を設置し、合併検証を行い結果が出ました。昨年5月の第1定例議会で私は合併検証にあたって、合併のメリットばかりでなく、地域の暮らしや人々の思い、住民活動、地域づくりなどマイナス面を含めた検証の必要性を指摘しました。政策部長は合併後の地域の一体感、街づくり、行政サービスなどについて、地域住民の視点から、どのような評価や、課題があるのかを把握していくと答弁をしました。
今回の合併検証を見ますと、住民意向調査を昨年12月の約1か月の期間をかけて、自治会の協力のもと、4地区全世帯対象の19257世帯に依頼し、74%と高い回収率でした。
内容を見ると、まちづくりが進んでいるかの問いに進んでいると答えたのは4地区あわせてわずか3%で、反対に進んでいない、あまり進んでいない、変化なしの消極的意見が64%に上ります。ほかの設問も、住民サービス、地域活動、産業施策などは7〜8割が消極的な評価でした。私はこの検証結果を見て、住民の評価は大変厳しいと感じました。合併後のまちづくりや、農業等の基幹産業の後退で地域が疲弊している様子が、見てとれます。住民の側から見て合併が成功していないという結果です。これらを踏まえて当局はどのような総括をされたのでしょうか。答弁を求めます。

?大胡宮城粕川地域は合併8年富士見は3年を経過していますが、自由記載の意見を見てもまだまだ不満が続出で、支持をえられているとは思われません。
住民の評価が、4地区でばらつきがあり、成果が表れるには時間がかかるとも言っていますが、山本市長はマニフェストで、合併検証を掲げ、支所長権限など支所機能の拡充に取り組みました。これらの評価をふくめ再度検証していくことが必要と考えます。伊勢崎市では毎年検証し住民意識の変化を調査しています。合併10年、富士見は5年目には、節目として総合的な検証を再度行う必要があると考えます。その時は施策を充実し市民からもっと高い評価を得られるようにしなければならないと思いますが。いかがでしょうか。お答えください。

?平成の大合併は行財政改革、コスト削減、一体的なまちづくりなどを目的に進めてきました。市長は、昨年合併地域の声を聴き、集中から分散と、合併地域の支所機能の強化に取り組み、今年度は総務課を地域振興課と名称を変更しました。
昨年の総括質問でも申し上げましたが、行政が遠くなり、今まで地域の団体と行政が一体になってやっていた地域づくりや人づくりが機能しなくなり、元気がなくなっています。
アンケートの結果を見ても住民の一体感の醸成を求める声は少なく。合併地区については、それぞれの地域の特性をとらえ、特性を生かした地域づくりを進めていくことが求められていると考えますが、当局の考えをお聞きします。

●市域の均衡ある発展と一体感の醸成をいいますが、合併地域は中山間地に面し、ごみステーションの数が少なく高齢者はゴミだしが大変。防犯灯も数が少ない、デマンドバスもバス停までいけないなど、暮らしの基盤が違うのです。旧市内と新市域、同じ施策を行っても、このギャップを埋めようにも埋められません。違いを認識したうえで、地域の実情に応じた施策の展開が求められています。

(2)地域の特徴を生かした地域づくり
都市計画では、大胡地域は東部地域の核となっているが、その機能を果たしているか疑問です。具体的な街づくりの方向が見えていません。農業が衰退し、地域の個人商店もどんどん減り続け、中小業者の経営も苦しくなっています。

?農業を中心とした地域づくり
旧町村は農業が中心の地域ですが、合併10年後の都市計画の線引きの問題、政府のTPP交渉参加表明、農業従事者の高齢化、耕作放棄地も増え続けるなど、農業に展望が持てない状況でです。
新規就農者支援、定住者施策、都市と農村の交流、農業公園など地域おこしのための新たな施策を打ち出す必要があると考えます。
●農業体験指導
 桐生市の地域づくり交流事業や沼田市の田舎体験ツアーなど見ると、豊かな自然を生かした農業体験学習などを企画・事業化し、広く市外にも参加を呼び掛けています。前橋市でも遊休農地を活用した貸農園や市民農園が各地にあります。しかし意欲があっても一般のひとは農業の知識もなく機械もなく容易ではありません。農家の人が中心となって技術の指導や資材の貸し出しなどを含めた、手助けをして、農業体験や農業指導などに取り組む。コメや野菜作りなどのプロジェクトで、非農家の人にサポーターになってもらい、一緒に取り組むなど様々な農業体験学習を企画し、ゆたかな自然を売りだしていく。こういう取り組みを合併4地域で実施すべきと考えますが、答弁を求めます。

●粕川の室沢の棚田は、市民農園として、合併後整備をしたが、棚田をもっと売り出してもいいのでは。近くには元気ランドもあり、ドイツ村や、フラワーパークもあり、赤城山を中心としたグリーンツーリズムを打ち出していくことも検討を。

?自然エネルギー推進の地域づくり
4地域の豊かな自然環境を利用し、畜産、森林資源、水力、太陽光など地域の資源をかした自然再生エネルギー推進の地域づくりができると考えます。前橋市は2007年2月地域新エネルギービジョンを策定しましたが、太陽光、風力、水力、畜産、木質バイオマスなど新エネルギー導入の研究や、これまで、小水力発電の実証実験、バイオマスタウン構想,メガソーラー設置など、新エネルギー活用を検討しています。
 宮城村の時には新エネルギービジョンを作って、中学校に大規模な太陽光発電施設を作り、家庭用太陽光発電の設置補助、畜産バイオマスや農家の豚舎や畜舎の屋根に太陽光発電施設などを設置する計画もありました。市はこの家庭用太陽光発電設置補助は合併後の新市へ継続をしてきました。
旧富士見村では、森林資源の活用で、間伐材、松枯れの松の利用などによるチップ化や木質バイオマス、植林など森林保全と一体で行ってきました。
旧町村時代の積み上げてきたものと、市の新エネルギービジョンを活用し、地域再生につなげていくべきと考えますが、当局の見解を伺います。

●まだ実験段階であったり、エネルギー確保や採算という段階にはまだないかもしれないが、まずはモデル地区として取り組むなど進めていただきたいと考えます。

?市長に質問
これまで、旧町村時代に積み上げてきた、地域の農業や産業を生かした施策が合併によりうまく引き継がれていない。ここに再度光を当てた地域づくりが求められているのです。
合併4地域は、述べてきましたが豊かな自然があります。赤城山の観光資源の活用、グリーンツーリズムで体験型農業の取り組み、自然エネルギーなどたくさんの可能性があると考えます。これこそ市長のいう宝ではないでしょうか。この宝を磨いて輝かせるための施策が今求められていると考えますが、市長の考えを伺います。

●市長は「イタリアの村はなぜ美しく元気なのか」という宗田(むねた)好史氏の本を読み、「古ぼけたものに新しい価値を付加することが前橋再生のカギ」と農村と都市との交流によるアグリツーリズム、食の安全とスローフード、などに触れている。
 そして市役所は効率を求める行政システムになった。行政が「非効率が真の豊かさを市民へ伝えること」が一番の難関かもしれないといっている。この視点を大切に。

●私は合併は地域の違いを無視して、前橋の制度を旧町村に押し付けたことに無理があったと思います。1市2制度などで、良いものは残す、こういう決断が必要だったのではないでしょうか。また新市建設計画の大型道路や箱ものなどのインフラ整備だけでは、市民は満足していないということも、はっきりしました。今後、合併検証で出された、住民意見に真摯に耳を傾け、住民本位の行政サービスやまちづくりを進めていくことを求めておきます。
 
2 市立幼稚園の夏季休業中の預かり保育の本格実施について

 昨年6月の市立幼稚園充実検討委員会で幼稚園の統廃合計画が突然出され、4幼稚園のPTAは緊急にアンケートに取り組み、「預かり保育の充実、補助員の増員、施設改善、統廃合などについて保護者の意見要望をまとめて、教育長あてに提出しました。これを受けて今年2月の検討委員会の中でも、夏季休業中の預かり保育の実施を検討するとの結論に至りました。
?今回の試行ではプール実施日に合わせて日数が年少年中年長の各学年でそれぞれたった2日間ずつです。これでは保護者のみなさんのねがいとかけ離れているのではないでしょうか。保護者のみなさんの声は聴いたのでしょうか。せっかく試行するのであれば保護者の願いに答えて日数をもっと増やすべきと考えますが、答弁を求めます。

?今年は試行ということですが、来年度には本格実施に踏み出していただきたいと思いますが、日数が少ないまま実施しても、利用が増えるとは思えません。保護者は中途半端な実施でなく、本格的な実施を希望しています。本格実施の時期やその体制など今後どう進めていくのか伺います。

預かり保育の実施は長年の保護者の要望でした、放課後の預かり保育も実施しましたが最初は4時までで、延長を望む声が多く延長も行われました。
 今度は夏季休業中の預かり保育の実施も多くの保護者が期待しています。また、あわせて平日の預かり保育の延長や幼稚園の始業時間を早めてほしい、年中、年長児は1クラス30人で、補助員をつけてほしい、少人数学級など保護者の要望に応えていくべきです。そうすれば幼稚園の入園者は必ず増えます。統廃合も必要なくなります。公立幼稚園の充実にむけ施策の充実を求めておきます。

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