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議会報告

9月議会に意見書(案)10本を提出【2013/8/30】

 オスプレイの配備撤回等を求める意見書(案)                          
                     日本共産党前橋市議団

 8月5日午後4時すぎ、沖縄本島中部の米海兵隊演習場キャンプハンセン内に米軍救難ヘリが墜落し炎上した。
事故現場は大川ダムの隣、直近の民家から2キロ、沖縄自動車道から1キロの位置で、一歩間違えば大惨事につながりかねず、沖縄県民をはじめ、日本全土にも大きな不安と恐怖を与えた。
 沖縄での米軍機の墜落事故は1972年の本土復帰後45件にのぼっており、繰り返される墜落事故への懸念が払拭されないまま、オスプレイの追加配備強行へ県民の不安が高まる中で起きた今回の事故は、米軍基地の危険性と理不尽さを改めて浮き彫りにした。
米海兵隊は、事故を受け、オスプレイの追加配備の延期を発表していたが、事故からわずか1週間で追加配備を再開するなど、国民の命より軍事訓練優先の態度は沖縄県民の反発をさらに強めている。
その際、ヘリモードで浦添市から宜野湾市上空を旋回し、強烈な重低音を響かせながら滑走路に着陸するなど「学校や病院を含む人口密集地を避ける」「ヘリモードでの飛行は基地内に限る」としたオスプレイの飛行の安全性に対する日米合同委員会合意(昨年9月)を無視し、住民の命や安全を後回しにしていることは許されない。
 米海兵隊は12日の記者発表で「オスプレイは米軍航空機の中で最も安全」と述べ、日本全国で同機の訓練を拡大する考えを発表しているが、昨年だけでも2件の墜落事故を起こし、これまでに36人の兵士が死亡している。また、8月26日に米国内で沖縄配備と同型のオスプレイが訓練中に着陸の失敗事故を起こしており、沖縄での事故の危険性がますます高くなっている。今後全国に張り巡らされたオスプレイなどの訓練ルートでの飛行は、墜落事故の危険を全国に拡大することになる。
 さらに、横田基地にオスプレイを配備検討するとの報道や、防衛省が2015年度にオスプレイを陸上自衛隊に導入する方向で検討を始めていることも明らかになるなど、日米一体になった軍事力強化の流れは、国民の命と暮らしを常に危険にさらすことになる。

よって、国は沖縄県民および全国民の生命・財産を守る立場から、米海兵隊のオスプレイ配備撤回と、自衛隊へのオスプレイの導入を行わないよう強く求めるものである

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する


TPP交渉からの即時撤退を求める意見書(案)
                         日本共産党前橋市議団

 政府は7月23日、TPP交渉への参加を強行した。地方議会の8割が反対や懸念する決議を上げ、各階層の広範な団体が強い反対の意思を表明するなど、国論を二分する状況下での参加である。
 安倍首相は交渉を通して“国益は守れる”として交渉参加を強行したが、国益の中身については明らかにしていない。そもそも2 月の日米首脳会談や日米の事前協議において、すべての関税、非関税障壁の撤廃を原則とする「TPPの輪郭」を確認している。米、小麦、乳製品などの農産品5品目を重要品目とし、関税撤廃の対象から除外する交渉をすると国民に説明しているが、実現する根拠も保障も全くない。現に参院選が終ると西川公也自民党TPP対策委員長は5 品目を守れない可能性を認め、米通商当局者も「5品目すべてどころか、ごく一部も認められるかどうか分からない」と発言している。
非関税分野についても、食の安全、環境保全、公的医療、雇用、公共入札、地場産業の育成など、国民生活全般にかかわるルールが多国籍企業の利益最優先にゆがめられ、格差と貧困をさらに押し広げ、国民の生存権さえ脅かされかねない。
 また協定参加国の投資家や企業が、進出先国の保護政策によって経済的損害を受けたとして国際仲裁機関に政府を提訴することができる「ISD条項」は、明らかに国家主権を脅かすものである。
 他の交渉参加国は、遅れて交渉に参加した日本に対して、「交渉をさらに遅らせることがあってはならない」ときびしく釘を刺し、すでに合意している事項についての議論の蒸し返しを拒否している。日本には当初から対等な交渉権がなく、交渉できる余地が限りなく狭いことは明らかである。
 また、日本政府は、守秘義務協定に調印して交渉に参加したために、政府交渉官は交渉後の記者会見で守秘協定を理由に交渉内容を明らかにすることを拒否した。国民は交渉内容や経過を知ることができないまま、結果だけを押し付けられることとなることは必至である。
 よって、国は交渉参加するうえで国民に公約した「重要5品目の例外が認められなければ交渉から撤退する」という参加条件にも反することがほぼ明らかになり、食糧主権も国民主権をも侵害することとなるTPP交渉からの即時撤退を強く求めるものである。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する


ブラック企業への厳正な対処を求める意見書(案)                 
日本共産党前橋市議団
 労働者、特に若者を使い捨てにするような劣悪な雇用管理を行う企業(いわゆる「ブラック企業」)が社会問題になっている。このブラック企業の多くに共通している特徴としては、法外な長時間・過密労働、低賃金雇用、パワーハラスメント等の人権侵害行為の横行、高い離職率などが挙げられる。そのような企業で働く労働者の中には、自殺に追い込まれたり、精神疾患などで社会生活を営むこともできなくなるまで追い込まれるケースも起きている。
 労働者を使い捨てにするような雇用は、一時的には企業の利益をもたらすことがあるとしても、長期的には社会負担を累増させることから、健全で持続可能な社会づくりにつながるものではない。また、ブラック企業の存在・実態は、就職活動をする学生や就業・転職を目指す人たちの大きな関心事になっている。日本の未来を担う若者が、安心して継続的に就労できる仕組みをつくり、雇用の安定を基盤とした景気の回復・拡大を図るためにも、早期離職率が高い企業など、労働者の使い捨てが疑われる企業への監視・指導体制の強化や重大・悪質な法令違反がある場合の企業名の公表など、実効性のある対策の速やかな実施が求められている。
 厚生労働省は8月に入り、若者を使い捨てる「ブラック企業」が大きな社会問題になっているとして、集中的な監視指導を実施することを発表した。離職率が高い企業約100社をはじめ、過重労働や法違反の疑いがある約4000社を対象に9月の1か月間に立ち入調査を行おうとしているが、調査だけでなくにとどめず「ブラック企業」根絶をめざし取組む必要がある。
 よって、国においては、ブラック企業に厳正に対処するよう以下の施策に取り組む
ことを強く求める。        
                  記
1 労働行政における監視・指導体制の強化・拡充を図ること。
2 調査結果の全容を公表し、労働基準法等違反企業に対する雇用管理の改善指導、状況に応じた企業名も公表するなど、厳格な対処措置を講ずること。
3 求人票への離職率の明記など、企業に対して採用情報の公開・透明化を促すこと。
4 雇用問題の相談窓口の設置・拡充など、若者への就労支援体制を拡充すること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


社会保障制度改革国民会議の最終報告を受けた
「プログラム法案」の中止を求める意見書(案) 
                        
                        日本共産党前橋市議団

 安倍政権は、社会保障制度改革国民会議が、消費税大増税と一体で実施を狙う社会保障「改革」についてまとめた最終報告書を受け、公的介護・医療・年金・保育の諸制度を大改悪していく手順を定めた「プログラム法案」の骨子を閣議決定した。
 社会保障制度改革国民会議は、昨年8月に強行した消費税大増税・社会保障「一体改革」関連法の一つで、社会保障制度改革推進法にもとづいて設置されたもので、「自己責任」を原則とし国の責任を後退させ、国と地方の社会保障費を大幅に押さえ込むことを狙ったものである。
これまでの社会保障給付は「高齢世代中心」だったと一方的に決め付け、高齢者の負担強化と給付カットを提起したことは、その影響は高齢者だけにとどまらない深刻な問題である。
 例えば、介護保険で「軽度」といわれる要支援者を介護サービスから切り離し、特養ホーム入所者を要介護3以上に限るなどサービスを低下させることは、高齢者を介護している現役世代を直撃し、″介護離職者″を激増させかねない。
 また、70歳から74歳の医療費窓口負担を1割から2割に引き上げることは、決して医療費削減につながらず、負担増により受診を控えた高齢者は、早期発見・早期治療の機会が失われ、重症化がすすみ、かえって医療費が膨張する危険すらある。
保育分野では公的責任を投げ捨てる「新システム」や株式会社の参入を促進するプランの実施を加速化しようとしている。
 年金は、支給額の削減と支給開始年齢の更なる引き上げで高齢者から悲鳴が上がっている。
 このような負担増と給付削減の「一体改革」路線では、社会保障の再建・充実は不可能であり、社会保障制度そのものに対する国民の不安と不信を高める結果しかもたらさない。

 よって国に対して、社会保障制度改革国民会議の最終報告を受けた「プログラム法案」の中止を強く求めるものである。

以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。


集団的自衛権行使を可能とする憲法解釈の見直しに反対する意見書(案)                         日本共産党前橋市議団
 安倍政権は今、「集団的自衛権」の行使に向けた動きを加速している。憲法解釈を担当する内閣法制局長官を、外務省出身で行使容認派の小松一郎氏に交代させたのに続き、有識者懇談会でも議論を本格化させ、秋の臨時国会で行使に向けて、政府の憲法解釈変更を宣言するとも伝えられている。 日本が「集団的自衛権」行使を容認すれば、アジアと世界の反発は必至である。 
 日本が直接攻撃を受けていなくても、日本と同盟関係にあるアメリカや国連平和維持軍が攻撃されたときに、日本が武力を行使する「集団的自衛権」の行使は、これまで歴代の政権が「憲法上、行使は認められない」と明確に判断してきたものである。こうした判断は、内閣法制局長官だけでなく首相や閣僚なども国会で繰り返し答弁し、閣議で決定した答弁書などでも確定した政府全体の見解である。

 ところが安倍政権は、「個別的自衛権と同様に集団的自衛権もすべての国に認められた権利である」と国連憲章を示して主張しているが、国連憲章第51条にある「集団的自衛権」の規定は、国連の統制を受けずに軍事行動ができるようアメリカが無理やり持ち込んだものである。「集団的自衛権」の口実でおこなわれたアメリカのベトナム侵略戦争やアフガニスタンやイラク戦争などをもちだして、憲法違反の武力行使を正当化するのは、二重三重に間違いである。
 1996年の「日米安全保障共同宣言」以来、2005年の「米軍再編中間報告」を経て、「日米同盟」の強化が謳われ、この間に米軍と自衛隊の共同演習が繰り返され、自衛隊の装備も飛躍的に強化されてきた。しかし、憲法第9条で戦争を放棄し武力の行使を禁止し、戦後68年間日本が一度も外国で戦争に参加しなかった日本が、憲法解釈を変え戦争の道を突き進むことは許されない。 
 そもそも日本国憲法は、「政府の行為によって再び戦争の惨禍が起ることのないよう」とのべるとともに、「平和を愛する諸国民の公正と信義に信頼して」「安全と生存を保持しようと決意した」と謳っている。「集団的自衛権」行使の解釈の見直しは、憲法9条の解釈改憲の水準を一気に拡大し、明文改憲への道を開くものになりかねない。
 よって国は、「集団的自衛権」の行使を可能とする憲法解釈の見直しをやめ、国際紛争は憲法9条を生かして戦争ではなく平和的・外交的努力で問題を解決し、アジアと世界の平和に貢献する道を進むよう強く求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


消費税増税の中止を求める意見書(案)       
                        日本共産党前橋市議団
 民主党・自民党・公明党の3党の談合で成立した消費税増税法では、2014年4月から8%、2015年10月から10%に引き上げることになっている。
 しかし、いま国民の暮らしは、安倍政権がすすめる経済政策「アベノミクス」によって、急激な円安が進行したために、食料品やガソリンなどの生活必需品が値上がりし、いっそう苦しくなっており、ほとんどの国民は「景気回復」を実感していない。
 今なお続く不況下で消費税を引き上げれば、国民の消費は落ち込み、地域経済は大打撃を受け、価格に税金を転嫁できない中小業者の経営をいっそう悪化させ、倒産や廃業が増え、そこで働く人々の賃金抑制と雇用不安につながり、税収も大幅に落ち込むことは必至である。
政府は、「消費税の増税は高齢化社会に向けての社会保障の安定財源の確保及び財政の健全化を同時に達成するために避けられない」と国民に説明してきた。
  しかし、安倍政権がいま実施しようとしているのは、消費税増税を見込んで、現在の財政危機を招いた不要不急、不採算の大型公共事業への巨額の税金の投入である。
 例えば、今年度予算でも防災・減災対策として、凍結していた八ッ場ダムの建設再開などに多額の事業費を計上したのを初め、高速道路のネットワーク整備として1,598億円を計上した。また、成長戦略を名目に、三大都市圏環状道路など物流ネットワーク整備に3,539億円、整備新幹線に706億円、国際コンテナ港湾整備に400億円、首都圏空港の強化に123億円の計上など、まさに大盤振る舞いである。
 一方、社会保障は改善充実どころか、最後のセーフティーネットである生活保護費を3年間で670億円も減額することを初め、年金支給額も3年間で2.5%も削減を開始した。さらに、70歳から74歳の高齢者の医療費の窓口負担を2割に引き上げ、年金支給開始年齢の先送りや要支援者を介護保険制度から除外する制度改定なども行なおうとしている。
 
 結局、消費税を8%、10%と引き上げを図っても、社会保障の拡充どころか、大型公共事業に湯水のように税金を注ぎ込み、財政を悪化させて、さらなる消費税増税と社会保障削減だけが、国民に押しつけられるのは明らかである。
 よって、国に対して、消費税増税を中止するよう強く求めるものである。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


「秘密保全法案」の国会提出中止を求める意見書(案)
                        日本共産党前橋市議団

 政府が秋の臨時国会に提出予定の「秘密保全法案」は、憲法が保障する国民の「知る権利」や報道機関の取材と報道の自由を制限するものであり、民主主義の原理に真っ向から反する重大な内容の法案である。
 政府が「秘密保全法」制定の必要性の根拠として例示している、尖閣諸島沖の中国漁船による海上保安庁の巡視船衝突事件の映像を海上保安官が流出させた問題は、国家公務員法などの現行法で十分対応できており、新たな「秘密保全法」を制定する必要性は全くない。

 そもそも、政府情報を国民が知る権利は基本的人権である。ところが過去においてわが国は、アメリカ政府との沖縄返還密約や核兵器の持ち込み禁止3原則を逸脱する密約を秘匿してきたなど、情報公開がきわめて不十分であり、「秘密保全法」によって更なる非公開情報を拡大することは、民主政治の根幹を揺るがせる事態を生じかねない。
 また、規制対象となる「特別秘密」の概念が曖昧であり、秘匿される対象もきわめて広範である。外交や公共の安全及び秩序の維持に関する情報はもとより、民間事業者や大学が保有する情報までも対象にしようとしている。
 その上、「特別秘密」に関する単純な取材行為や市民による行政監視のための情報収集行為なども処罰の対象にされかねず、本来自由であるべきジャーナリストの取材や報道、さらにはさまざまな分野の市民活動が制限されて、国民の知る権利や表現の自由が侵害される恐れがある。
 また、「特別秘密」の管理の徹底のために、「特別秘密」の取扱者だけではなく、配偶者や家族も調査対象者とされて、プライバシーや思想信条の自由が広範に侵害される恐れがある。

 よって国は、民主主義の根幹にかかわるにもかかわらず、国民との間で必要な議論も十分行わず、国民の知る権利や思想信条の自由などの基本的人権を侵害することとなる「秘密保全法案」の国会提出を中止するよう強く求めるものである。

以上、地方自治法第99条により意見書を提出する。


福島第1原発事故の収束宣言を撤回し、国の責任で汚染水流出防止対策等を行なうよう求める意見書(案)
         
          日本共産党前橋市議団

 福島第1原子力発電所では、1〜4号機周辺の地下水が原子炉建屋地下に流入し高濃度の放射能汚染水となって海に流出し続けている。さらに、汚染貯蔵タンクから高濃度放射能を含む汚染水約300トンが漏れ出る事故が発生した。放射性物質の量は24兆ベクレルと推定され、レベル3の異常な事象に相当すると原子力規制委員会は述べている。人類が始めて直面する非常事態となっている。
 政府は、現地に対策本部も設けず、東電は依然として後手後手の対策に終始し、事実の公表を遅らせるなど当事者能力を著しく欠く対応に対し、国民から怒りの声が上がっている。
 福島県漁協関係者からも、「このままでは福島の漁業がつぶれてしまう」「収束宣言を撤回し、国の責任で一刻も早い事故の収束を」など事故に対する国や東電の責任を問う発言があいついでいる。 
今必要なことは、国が事故収束のために全責任を負い事故対策に当たることである。
 よって、国に対して、以下の事項を早急に取り組むよう強く求めるものである。

                   記

1、事故収束宣言を撤回し、非常事態との認識にたち、汚染水をはじめとする事故対策を抜本的に改めること。
2、政府が事故対策について全責任を負うという立場に立ち、東電にあらゆる手立てを講じさせること。専門的英知を総結集し、政府の責任で地下水構造の調査・解明や対策の技術的検証を行なうこと。
3、事故収束の妨げになっている再稼働ありきの姿勢を改め、原発再稼働・輸出の政府の方針を撤回すること。
4、原子力規制委員会が原発の再稼働審査を優先する姿勢を改め、事故対策を最優先し総力を挙げること。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する


保険薬局を無料低額診療事業の対象機関とする
制度の拡充を求める意見書(案)

                        日本共産党前橋市議団

 わが国は国民皆保険制度にもかかわらず、経済的理由で十分な医療にかかれない人も少なくない。そのような人は、社会福祉法第2条3項9の「生活困窮者に対して無料又は低額な料金で診療を行う事業」(いわゆる無料低額診療事業)を実施している医療機関において診療を受けることができる。

 しかし、医薬分業が進展する昨今においても保険薬局は無料低額診療事業の対象事業所にされていないことから、無料低額診療事業の医療機関を受診した患者の薬代の一部負担金は、全額患者負担となっているために治療を中断する患者も少なくない。

 いうまでもなく、診療と投薬は医療の一環であり、患者の病気を治療するための投薬は不可欠である。
 このような状況を考慮して、高知市では市の独自事業として無料低額診療事業を受けた患者の保険薬局での薬代助成を2011年4月から実施している。
 
 したがって、国は院外処方せんを受け取った患者においても安心して無料低額診療事業が受けられるように、院外の保険薬局を無料低額診療制度の対象機関とするよう、制度の拡充を強く求めるものである。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する


麻生太郎副総理の罷免を求める意見書(案)      
日本共産党前橋市議団

 麻生太郎副総理兼財務・金融大臣は、本年7月29日に行われたシンポジュウムの席上、現在の憲法「改正」論議に言及し、「今回の憲法の話も狂騒の中でやってほしくない」「騒がれたら中国も騒がざるを得ない。韓国も騒ぎますよ。だから静かにやろう」と前置きした上で、「憲法はある日気づいたら、ワイマール憲法が変わって、ナチス憲法に変わっていた。誰も気づかないでかわった。あの手口に学んだらどうかね」などと発言した。

 ワイマール共和国憲法は、第一次世界大戦直後のドイツで制定された憲法であり、表現の自由や集会・結社の自由など自由権規定を定めるとともに、生存権や教育権など社会権規定をも定めた、当時としては極めて進歩的な民主的憲法とされている。しかし、ヒットラーは、国会議事堂放火事件などのデマで対抗勢力の共産党や社会民主党などを議会から排除し、弾圧した後は、自らが国家の全権を握ることを可能とする「授権法」を制定し、事実上、この憲法の機能を全面的に停止させてしまった。
 このような立憲主義を踏みにじる暴挙を行ったナチス政権は、その後、第二次世界大戦を引き起こし、ヨーロッパ全体を戦禍に陥れるとともに、ユダヤ人大虐殺の悲劇まで生むに至った。ナチス政権によるワイマール共和国憲法の抹殺は、人類史におけるぬぐいがたい「汚点」として語り継がれてきたのである。
 
 ところが、今回の麻生発言は、このようなナチス政権による憲法抹殺の「手口を学ぶべき」と主張した。この麻生発言を単なる一時的な舌禍事件とみなすことは到底できない。また、ナチス政権が引き起こした計り知れない戦禍を体験してきた国際社会は、共通して強い怒りの声を上げ続けている。
外相経験もある麻生副総理からこのような発言が出てくる背景には、麻生副総理を生み出した安倍首相をはじめとする多くの閣僚が、先の大戦で日本が行ったアジア諸国に対する侵略行為を否定し、日本の戦争責任に対して極めて無自覚な思想的土台が存在するからにほかならない。その意味で今回の麻生発言は、一人の閣僚の問題発言ととらえるべきではなく、安倍政権全体の歴史認識問題と任命責任が問われているというべきである。
 
 国内外からの大きな批判を受けて、麻生副総理は8月1日、発言は「誤解を招くので撤回する」と表明したと報道されている。
 しかし、発言を「撤回」したからといって、政治的責任を免れることはできない。憲法尊重擁護義務を無視し、立憲主義を真っ向から踏みにじる、このような政治家は、国務大臣はもとより国会議員としての最低限の資格すら備えていないと言わざるを得ない。
 よって、安倍首相は麻生副総理を任命した責任を十分自覚し、副総理および財務・金融大臣の罷免をただちに決断するように強く求めるものである。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

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