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議会報告

第1回定例会 共産党市議団提出意見書(案)【2014/3/6】

安心・安全の地域公共交通の充実を求める意見書(案)                                日本共産党前橋市議団

 2013年12月4日に交通政策基本法が公布され即日施行された。
 交通機能の確保・向上を目指すとしているが、豊かな国民生活の実現、国際競争力の強化、地域の活力の向上、大規模災害への対応など、極めて総花的であり、自民党政権のもとで進められてきたモータリゼーションの推進、インフラ整備などに重点が置かれたものとなっている。
少子高齢化社会の進行により、全国どの地域においても膨大な移動制約者が発生すると予想される。これらの人々の交通権を保障することが今後の大きな課題となっているが、本法には盛り込まれていない。
人々が一番多く利用する地域公共交通が、赤字経営で存続が危ぶまれるなど大きな岐路に立たされている中で、交通不便地域に暮らす人々が、安心して住み続けられる地域として再生するために、公共交通が果たす役割はきわめて大きいと言える。
地域公共交通の現状は、2000年以降、鉄軌道は35路線が廃止され、累積の廃止キロ数で673.7キロに及ぶ。乗り合いバスでは2006年からの6年間で1万1600キロもの路線が廃止され、地域公共交通の衰退に歯止めをかけることが困難になってきている。
このような中、国民の間に急速に貧困化が拡大し、公共交通の運賃負担やマイカー保有が経済的に困難になっている世帯が増加しているだけに、低料金で利用しやすい地域公共交通の整備は緊急の課題となっている。
本市でも住民の足を確保するため、地元の交通事業者の協力を得て、旧町村地域のデマンドバスの導入や全市デマンドの社会実験を実施しようとしているが、本格運行にあたり国の財政支援が強く求められるところである。
地域の公共交通をライフラインとして位置づけ、地方自治体が地域交通政策の立案と実施主体となる仕組みの構築が望まれる。
よって、国においては、下記項目に速やかに取り組み、安心、安全の地域公共交通の充実を強く求めるものである。

        記

1、国民が健康で文化的な最低限度の生活を営むために必要な移動を保障する「移動権」を交通政策基本法に明記する。
2、地域の赤字路線解消の代替交通、乗り合い交通、デマンド交通などへの国の財政支援を強化する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。




介護保険制度の改悪に反対し充実を求める意見書(案)
               日本共産党前橋市議団

 安倍内閣は2月12日、介護保険法と医療法の改悪を一本化した「地域医療・介護の総合確保法案」を閣議決定した。「地域における医療及び介護の総合的な確保を推進」などとして、関係法律をセットで改定し、来年4月からスタートさせようとしている。
 介護保険では、要支援者向けサービスの訪問介護と通所介護を介護保険サービスから外し市町村の裁量で行う地域支援事業に移行、施設入所を要介護3以上に限定、一定以上の所得(本人年収280万円以上)がある利用者の負担を1割から2割に引き上げ、施設入所者へ居住費・食費補助の縮小ももりこまれている。
高齢者の暮らしを支えるサービス内容を市町村が判断することになれば、財政力によりサービスの縮小・廃止に追い込まれる自治体が相次ぎ、サービスを受けられない高齢者が生まれかねない。
介護事業者からも「要支援の人は現在週1〜3回のデイサービスを利用し在宅生活を維持することができており、これが重度化を防ぐことにつながっている」「認知症など介護度が軽く判定される高齢者が施設から締め出されることになる」などと懸念の声が上がっている。
社会保障の給付は、人間らしく生きる権利を実現するための国家による保障である。高齢者の生存権を保障するためにも介護保険給付の削減は行うべきではない。

よって、国においては介護保険制度の後退をせず、安心の介護保険を求める国民の切実な願いに答える制度の充実を図るよう強く求める。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。



核兵器全面禁止のための決断と行動を求める意見書(案)
      日本共産党前橋市議団

2010年5月の核不拡散条約(NPT)再検討会議は、「核兵器のない世界の平和と安全を達成する」ことを合意し、「全ての国家は核兵器のない世界を達成し維持するために必要な枠組みを築く特別な努力をする必要がある」と強調した。
この会議以降、米ロ間の合意などで一定数の核兵器が削減されたとはいえ、世界にはなお1万9千発もの核兵器が貯蔵・配備され、朝鮮半島や中東においても新たな核開発の動きもあり、核兵器が使われる危険が今も存在している。
世界で唯一の被爆国である日本は、核兵器の非人道性を率先して訴え、全面禁止を主張する重い責任を担っている。

2013年10月21日には、「核兵器の人道的影響に関する共同声明」が、125カ国の連名で発表され日本政府も賛同した。この声明は、「核兵器の残虐性、非人道性」を告発し、「核兵器が使用されないことを保障する唯一の道は、その全面廃絶である」と強調し、「全ての国が核兵器の使用の阻止、核軍縮のための責任を負っている」と訴えている。
このようななかで2015年に開かれる次回のNPT再検討会議に向けて、世界の全ての国の政府は、この目標を実現するために行動することが強く求められている。

よって、国においては、共同声明の署名国として、また、国際紛争の解決手段としての武力行使と威嚇を憲法で放棄した国として、核兵器全面禁止のために世界の多くの国々と協力して活動し、核兵器全面禁止条約の交渉開始のためにいっそう努力することを強く要望する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。




憲法が保障する教育の自主性を破壊する
教育委員会「改革」の中止を求める意見書(案)
      日本共産党前橋市議団

 自民党は2月19日に文部科学部会を開き、安倍政権が進める教育委員会制度「改革」案を了承し、今国会に現行教育委員会制度の「改革」に関する法案を提出しようとしている。「改革」では首長に、教育行政全体についての教育政策の基本、公立学校の設置・廃止、教職員定数、教職員の人員・懲戒の方針など教育行政の中心的内容を首長に与えるとしている。教育委員会には教科書採択などが残されるのみとなるが、これも文部科学大臣の教科書選定の権限が強化される。教育の仕事を実際に行う教育長を現行法では教育長は教育委員会が任命し罷免できるが、この仕組みを変えて首長が直接任命・罷免できる仕組みに転換する。このように首長が地方教育行政の執行機関とする制度になるのである。
 マスコミ報道でも、「実現すれば、戦前の軍国主義教育への反省から、国や政治家に対する歯止め役を担ってきた教育委員会制度の根幹が揺らぐ」(東京新聞)「首長が選挙で交代するたびに、教育の目標や教科書採択の方針が変わることになれば、教育現場に混乱を招きかねない」(読売新聞)など懸念が表明されている。
 そもそも日本の戦後の教育は、戦前の軍国主義教育の反省のもとに、地方教育行政は学問の自由や教育を受ける権利など基本的人権の保障、地方自治の原則などにのっとり、国や行政権力から独立し、国民に直接責任を負って行われるものへと変革された。
 こうした基本原理をないがしろにして、首長や国の権限を強化することは子どもの成長や発達を時の政治権力や国家に従属させるものであり許されない。
よって、国は憲法が保障する教育の自主性を破壊する教育委員会「改革」を中止するよう強く求める。

以上、地方自治法第99条により意見書を提出する。




子ども・子育て支援新制度の見直しを求める意見書(案)
          日本共産党前橋市議団

 保育所・保育園は、子どもの成長・発達を保障する福祉施設として大きな役割を果たしてきた。貧困や子育て困難の広がりなど、今、子どもを取り巻く環境がますます厳しくなるなか、すべての子どもに保育を平等に保障することは、極めて重要になってきている。少子化にもかかわらず、保育所・園の待機児童が社会問題になっている。保育士不足も深刻で、その原因が低すぎる処遇にあることも広く知られるようになってきた。
こうした課題のあるなか、国は、子どもの権利と公的責任を明確にした現行保育制度を廃止し、2015年4月からの「子ども・子育て支援新制度(以下新制度)」導入・実施を決めた。新制度の具体的な内容は、内閣府の子ども・子育て会議で検討されている。例えば、新たに導入される認定制度では、子どもにとっての必要性と権利保障という点からではなく、保護者の就労を基本に保育の必要性と必要量が決められた。また、保護者に対する直接補助(個人給付)に変わるなど、現行保育制度からの大きな変更になる。さらに、多様な基準で運営される施設・事業が認められるようになり、乳幼児の保育・教育は今より複雑になる。これまでの保育所・園よりも緩い基準の適用も検討されており、保育環境の悪化が心配されている。利用できる施設・事業で保育条件が異なれば、子どもの受ける保育に格差が生じることになる。加えて、地方自治体が国の制度に上乗せするかたちで行っている様々な独自施策を、新制度実施後も続けるのかどうかも心配である。
 未来を生きる子どもは、社会の宝である。どの子も無条件に愛され、よりよい保育を受け、幸せに生きる権利がある。
よって、国は、全ての子どもたちが、豊かで幸せな子どもの最善の利益を尊重するという視点から、新制度実施にあたって以下の項目を強く求めるものである。             
              記
1、新制度実施にあたっては、全ての子どもの権利と平等を保障する制度とする視点から、保育の格差をもたらさないよう財政面を充実すること。
2、保護者・保育現場への制度の混乱を避けるために拙速な導入・実施をしないこと。
3、保育士の処遇・改善を図り、安定した雇用身分を保障する仕組みを構築すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。




集団的自衛権の行使を可能とする憲法解釈に反対する意見書(案)  
    日本共産党前橋市議団

安倍晋三首相は、今開かれている通常国会で、「集団的自衛権の行使が認められるという判断も政府が適切な形で新しい解釈を明らかにすることによって可能であり、憲法改正が必要だという指摘は必ずしも当たらない」と答弁し、歴代政権の憲法解釈を否定し、解釈改憲によって集団的自衛権の行使容認を進める道に公然と踏み込んだ。時の政権が選挙で議席の多数を獲得すれば、憲法解釈の変更を自由勝手に出来るという、立憲主義を否定する暴論である。
 これまでの歴代政府は、憲法9条にもとづく制限があり、憲法そのものを変えない限り集団的自衛権の行使は出来ないという立場を一貫してとってきた。
 政府の基本見解を覆し、時の政権の勝手な思惑で一方的に憲法解釈を変え、集団的自衛権の行使を認めることは、決してあってはならないことである。いま、安倍首相の乱暴な見解に、圧倒的多数の国民や学者・知識人・法律家、さらには元法制局長官や自民党の元幹事長らが、強い批判の声を上げていることは当然である。

 そもそも、 集団的自衛権は、自国が武力攻撃を受けた場合に行使する個別的自衛権とは異質の「権利」である。国連憲章51条の集団的自衛権は、第2次世界大戦後、世界の覇権を狙い軍事同盟を拡大した米国が、国連の統制を受けないで自由に武力介入できるようにするために盛り込まれたものである。
 過去の歴史を見ても、先制攻撃や侵略された国を助けるという建前通りに集団的自衛権が発動された事例はなく、米国のベトナム戦争、旧ソ連によるチェコスロバキアやアフガニスタンへの侵略など、「大国による武力介入」を正当化する口実の役割を果たしてきたのが、集団的自衛権の実態である。
 
 よって、国においては、憲法を頂点とする法秩序である立憲主義を根本から破壊し、国民の信頼を著しく損ない、海外での武力行使や戦争に道を開く、集団的自衛権の行使を可能とする憲法解釈の変更を絶対に行なわないよう強く求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

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