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議会報告

第3回定例議会・意見書案6件提出【2014/9/1】


消費税率10%へのさらなる増税の中止を求める意見書(案)
             日本共産党前橋市議団

政府は2014年4月1日、「増税中止」を求める国民の声に背を向け、消費税率8%への大増税を強行した。消費税が増税されて以降、中小商工業者は増税の影響を何とか切り抜けようと懸命であるが、内閣府が発表した4月から6月期の国内総生産・GDPの速報値は年率換算で6.8%の大幅な落ち込みとなった。特に個人消費は統計上で比較可能な1994年以来20年間で最大の落ち込みで、前期比の年率換算で18.7%減となった。各種調査結果でも、小売店の販売額や家計支出額が軒並み減少し、深刻な景気悪化が起こっている。
原則としてあらゆる商品の販売やサービスの提供に課税される消費税の増税は、暮らしに打撃を与え、消費を冷え込ませ、売り上げを減少させる。食料品など生活必需品にも課税されるため、低所得者ほど負担が重くなる逆進性は深刻である。
政府は、「アベノミクスで円安が進み、物価が上昇し、経済の好循環が期待できる」と今なお事態を楽観視しているが、一部の大企業が増税分を価格に転嫁して利潤を回復しても、賃金など国民の所得が増税に見合って伸びなければ、国民の暮らしは良くならず好景気も期待できない。
政府は増税による深刻な影響を「想定内」と言いながら、年内にも10%への増税を決めようとしているが、最近の大手新聞社の世論調査でも、再増税反対は70%に迫っている。
  物価が上昇し収入が伸び悩んでいる今、さらなる消費税増税が加われば、国民の暮らしはますます悪化する。 国民の消費購買力を高め、地域経済を活性化させ、内需主導に転換することが今こそ求められている。
よって国は、消費税増税法附則第18条第3項に基づいて、消費税のさらなる増税方針を撤回し、10%への引き上げを中止するよう求めるものである。

以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。



名護市辺野古の米軍新基地建設に向けた工事の即時中止を求める意見書(案)
              日本共産党前橋市議団
政府は、仲井眞弘多沖縄県知事の承認を根拠に、世論調査で示された73.6%の圧倒的多数の県民の反対意思を踏みにじり、名護市辺野古の米軍新基地建設に向け、台船を設置し海底ボーリング調査を強行している。住民の海上抗議行動を締め出すため、立ち入り禁止水域を示すブイやフロートを設置し、海上保安庁が厳戒態勢で巡視艇やゴムボートを大量動員して威嚇し、漁船やカヌーを繰り出して抗議する人たちを一時拘束するなど、住民敵視の強権的姿勢をむき出しにしている。
  この傍若無人な作業の強行に対して、稲嶺進名護市長が「地域の人権と豊かな生物多様性を踏みにじるものであり、もはや民主主義国家の体をなしていない」と述べ、地方自治権の乱暴な侵害にも激しい怒りを表明したのは当然である。
  また、那覇市議会は8月22日に工事強行の暴挙に強く抗議し、「辺野古移設を唯一の解決策として力ずくで押し付けようとしている政府の姿勢は断じて容認できない」とし、工事の即時中止と辺野古移設断念を求める意見書を可決した。
  沖縄県民は今もなお、米軍普天間基地の無条件の閉鎖撤去・県内移設断念とともに、危険な訓練飛行を繰り返している米軍の垂直離着陸機オスプレイの配備撤回を強く求めている。
  政府が、このような沖縄県民の強い意思や沖縄の米軍基地の縮小・廃止を求める多くの国民の願いを無視し、既成事実を積み重ねて新基地建設を強行・推進することは認めることはできない。
 よって国は、民意を無視して強権的に開始している海底ボーリング調査等の新基地建設に向けた工事の即時中止を強く求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。




子ども子育て支援新制度に関する意見書(案)
                             日本共産党前橋市議団

国は2015年4月から子ども子育て支援新制度(以下新制度という)を施行するとして、制度の実施主体である市区町村に対して、関係条例の制定など早急に施行準備を進めるよう求めているが、政省令が遅れている。また、必要な財源についての調達のめどがたっていない。さらに、市区町村における新制度の検討や住民への周知は十分ではない。このまま無理な日程で準備が進められれば、保護者をはじめ関係者が疑問や不安を抱いたまま新制度が実施されることになりかねない。
今、多くの国民が求めているのは、新制度の性急な導入ではなく、都市部における待機児童の解消や過疎地における保育の場の確保であり、被災地の保育所の復旧・整備である。こうした緊急課題の解決を図った上で、幼い子どもの命にかかわる制度の変更については、子どもの権利保障の観点から十分に配慮をした上で検討を進めることが必要である。
よって、国は子どもの権利保障を最優先に位置付け、国と地方自治体の責任の下で保育施策を維持拡充するために下記事項について強く要望する。
                    記
1、新制度は多様な保育を認めているが児童福祉法24条1項の市区町村の実施責任を踏まえ、子どもの命を守り安全・安心な保育をするために、保育士資格・配置基準や保育施設基準などすべての子どもに対して格差のない保育を提供すること。

2、新制度における公定価格は、施設・事業の安定的、継続的な運営が可能な設定とし、施設・事業ごとの単価の差をつけず、すべての子どもの健やかな育ちを保障するための算定基準にすること。

3、保育料は現行水準から引き上げず、保護者負担の軽減を図ること。

4、子どもの成長・発達を担う保育士が安定的・継続的に働くことができる仕組みを制度上に位置づけ、民間の他職種と比較しても低すぎる保育士の処遇改善を図ること。

5、保育環境の整備・改善を図るため、新制度施行後も、国と地方公共団体による現行の施設整備費補助の仕組みを維持拡充すること。


以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。




国民健康保険の広域化方針を撤回し、国庫負担の復元を求める意見書(案)
                         
日本共産党前橋市議団

 国民健康保険制度は、人口の3割、3,600万人が加入する日本で一番大きな医療保険制度であり、国民皆保険制度の土台をなしている。多くの低所得者が加入する国民健康保険を安定的かつ持続的な運営を図るためには、国の財政支援が不可欠である。国民健康保険財政の総収入に占める国庫負担割合は、1984年の49・8%から2008年には24・1%へ半減し、その結果、同時期の一人当たりの国民健康保険税額は、全国平均で39,020円から90,625円へ急増している。
したがって、国民健康保険財政への国庫負担割合を計画的に復元して、高すぎる国民健康保険税を誰でも払うことのできる水準に引き下げていくことが求められている。
 また、厚生労働省は、後期高齢者医療制度後の「新たな医療制度」の「中間とりまとめ」において、市町村が運営する国民健康保険を、全年齢を対象に2015年4月から全国一律で都道府県単位に「広域化」する方針を明らかにした。広域化する理由として厚生労働省は、「安定的な財政運営ができる規模が必要」などの理由を挙げている。
しかし、一般会計からの繰り入れを除けば、多くの市町村が赤字であり、その財政難の国民健康保険を寄せ集めても財政が改善する見込みはなく、広域化によって、国民健康保険税の値上げと医療の給付抑制の押しつけが強まり、住民の声が届かない組織運営につながることが懸念される。
したがって、この計画は、被保険者に対する市町村の負担軽減をやめさせ、住民に国民健康保険税の引き上げか、受診の抑制を迫って医療費削減を図ることを狙いとするものであり、広域化は、住民の命と健康を守る社会保障制度としての公的医療保険を破壊する路線と言わざるを得ない。
よつて、国は、国民健康保険制度の安定的かつ健全な運営を図るため、次の事項を実現するよう強く求めるものである。

               記

1、国庫負担割合を従前の負担割合に計画的に復元すること。
2、国民健康保険の広域化(都道府県単位での統合)を撤回すること。

 以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。



自衛隊第12旅団へのオスプレイの配備及び離着陸訓練等を実施しないことを求める意見書(案)                                                                     
                        日本共産党前橋市議団

垂直離着陸機オスプレイは、米海兵隊が任務とする他国への侵攻作戦を強化するため導入した新型輸送機であり、開発段階で墜落事故を繰り返し多数の死者を出している。
2012年の沖縄配備後は、学校や病院を含む人口密集地上空を避ける、夜間の飛行は行わないとした日米合意に違反し、住宅地上空での回転モード・ヘリモード飛行、夜10時以降の深夜飛行など危険な飛行を繰り返しており、住民から強い抗議の声が上がっている。
しかもオスプレイは、日本の航空法で定められている安全基準や緊急着陸時に必要なオートローテーション機能が欠如した欠陥機と言えるものである。このように危険なオスプレイの配備・訓練等を、日米両政府は沖縄の負担軽減を理由に、日本全土へ拡大しようとしている。
安倍首相は、陸上自衛隊に2015年度から導入予定のオスプレイを民間空港である佐賀空港に配備し、軍民共用空港にするとともに、米海兵隊オスプレイの本土での補給・訓練拠点にする考えも明らかにしている。
群馬県では榛東村議会が、6月19日、米海兵隊のオスプレイ飛行訓練を容認し自衛隊のオスプレイを誘致する決議を強行した。また阿久沢成實村長は「村議会決議に同感する」と表明し「オスプレイの危険性が他の航空機に比べ特段高いわけでない」などと述べているが、榛東村民だけでなく、飛行ルート下の前橋市民及び、多くの県民の命と安全にかかわる大問題であり、誘致を表明することなど到底認めることはできない。

よって国は、相馬原の自衛隊第12旅団へのオスプレイの配備を行わないこと、及び米軍オスプレイの相馬原基地での離着陸訓練等を実施させないことを強く求めるものである。

以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。



「生活困窮者自立支援事業」の財源等拡充を求める意見書(案)
                             
 日本共産党前橋市議団

 昨年12月に生活保護法が改正され、「生活困窮者自立支援法(以下支援法)」が国会で成立し、2015年4月から全国で実施される。
生活保護制度は、国民の「生存権」を保障する最後のセーフティーネットであるが、今度の改正では、「必要な人が利用できる」制度から、扶養権限の拡大を強化するなど「本来必要な人への制度利用抑制」を強めるものとなっている。
 「支援法」は、生活保護制度を利用する手前で生活困窮者を救済する制度といわれている。しかし、その内容は、「就労自立(経済的自立)」に特化しており、税の滞納などの生活状況や身体状況、住宅状況などきめ細やかな相談を受けとめる行政の体制指導が確立されておらず、「困っている人を真に社会的に支える」という生活困窮者本人が主体的に乗り越えられるような指導が大変不十分だといわれている。
 また、「新法」による自立相談支援事業は、自治体の必須事業で就労その他の自立に関する相談支援、自立に関するその他の事業を利用するためのプラン作成などを実施することになっているが、稼働年齢層に対して、仕事探しを優先に対応することが強調されている。そのため、今でも、生活保護申請を窓口で抑制する「水際作戦」と言われる状況があるが、それより厳しい、申請の窓口に至らないところで申請を抑制する「沖合作戦」となることが大変危惧されている。
さらに、財源については、国が財政措置の充分な対応策を実施しなければ、自治体間での事実上の格差が広がること懸念される。

よって、国は、生活保護としての支援を後継にせず、真に生活困窮者を全国一律的に支援するために、専門的でかつ充分な行政職員を配置し、各事業が充分推進できるよう、積極的な財政支援を強く求めるものである。

以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

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