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議会報告

安心して利用できる介護保険について/住宅・商店リフォーム助成制度の創設と拡充について近藤好枝・総括質問【2015/3/12】

@高齢者の生活実態 
本市は新年度から3年間の65歳以上の介護保険料を基準額で19・9%、総額11億円もの引上げを提案しています。高齢者からは今でも払いきれないと悲鳴が上がっています。
 65歳以上の高齢者の6割が市民税非課税者です。70歳のAさんは独り暮らし、月々の年金6万円から介護保険料と国保税が天引きされて手残りは約5万円余り。心臓病の持病を抱えて毎月の医者代や水光熱費を差し引くと1日500円以上は使えないと食事を3回から2回に減らしました。細々と暮らしているAさんでさえも介護保険料は月々2300円払うことになります。こうした高齢者の深刻な生活実態を把握したうえで介護保険料の引き上げを決めたのでしょうか答弁を求めます。

A国への国庫負担金の増額と一般会計からの繰り入れで介護保険料の引き上げ中止を
いま、保険料値上げか、サービス切り下げかという介護保険制度の根本的な矛盾の打開が求められています。国庫負担割合の引き上げで財源を確保することが不可欠です。介護保険制度のしくみの限界を打開するために、国庫負担をせめて10%増やし(在宅は25%から35%へ、施設は20%から30%へ)、安心できる介護保険制度に転換すべきです。政府に対して国庫負担の増額を強力に求めるべきと考えますが見解を伺います。
同時に、本市は国保税の税額抑制をするために国保会計に一般会計から昨年・今年度と約16億円法定外繰り入れをおこないました。国保税負担の軽減を決断できたのですから、今度は一般会計から介護保険会計への繰り入れをおこない、引上げ総額分11億円を決断すべきです答弁を求めます。

(2)保険料・利用料の減免
@保険料の免除
本市の65歳以上の方の介護保険料の滞納者は2月末現在で2575人でそのうち非課税者は6割を超えており、保険料を払えない高齢者は介護保険の利用から排除されかねません。
国は低所得者に対して介護保険料の負担が重いと認めて、保険料への20%助成をすることを予定していましたが、実際は新年度は所得階層の第一段階だけを対象としてわずか5%の補助にとどまりました。その結果、本市の第1段階の保険料は年間2万6千円から2万7千7百円となり、1700円の新たな負担増になります。本市としての独自の軽減は待ったなしの課題です。生活保護水準以下の生活を強いられている第1段階の15558人、17・2%のうち生活保護者を除く (昨年度1650人)方々を一般会計から補てんして保険料免除を決断すべきと考えます見解を

A利用料の独自減免
私のところに相談に来たNさんは78歳で娘さんと2人暮らしです。要介護2で認知症が進行し、昼間は家から押し車で外出していなくなってしまうことが頻繁にあり、民生委員さんも何とかしたいと努力されています。ところが娘さんの収入も安定せず、月々3万円弱の年金から、週2回のデイサービス代を支払うのが限界です。同じ悩みを持っている家族はたくさんいらっしゃいます。必要な人に必要な介護サービスを提供できるようにするために、利用料の減免以外にありません。
調布市では 世帯全員が市民税非課税の方、世帯の年間収入が,1人世帯の場合は150万円以下(世帯員が1人増すごとに50万円加算)を対象に、個人負担利用料の4分の1を減免。高崎市では市民税非課税世帯で生活保護基準を下回る世帯で、預金350万円以下一人増すごとに100万円の方を対象に利用料の2分の1を限度に減免。本市でも単独減免をせめて高崎市並みに創設し、介護の負担を軽減すべきと考えますが答弁を求めます。

(3)介護報酬の引き下げの影響と中止要請
@介護労働者の賃金と介護労働者の求人状況     
介護報酬2・27%の引き下げは処遇加算を含んでいるので、処遇加算を含めなければ実質4.48%の引き下げです。市内のある特養ホームでは介護職の1万2千円の増額をしても事業所に入る収入が減るので、月給は上げてもボーナスを減らし、年間支払総額を結局減らすしかない。しかも、1万2千円の加算分を介護職だけ上げるわけにはいかない事務やケアマネにも引き上げなければ、労働のモチベーションが下がってしまう。結局のところ総額では減らすことになり、介護人材が集まらなくなるという悪循環に陥り、施設を閉鎖するしかないと語っていました。全国でも「採用が困難」を挙げる介護事業所が7割近くにのぼっています、厳しい労働条件におかれた介護従事者等の離職が深刻化し、人手不足と経営難が介護現場を直撃していると大きな問題になっていますが、本市では介護職員の低賃金の状況、介護労働者の離職状況、求人状況の把握の実態を踏まえて、人手不足が加速することは明らかです。経営が苦しくなっても賃金加算は流用せず、支払うように指導すべきと考えますがいかがですか。

Aそもそも、介護保険制度発足当初から介護報酬は低く抑えられ、制度発足当時よりも現在の介護報酬の水準は低下しています。このうえ新年度から過去最大規模の介護報酬を平均2・27%引き下げが実施されようとしています。全国の介護事業者や利用者から介護崩壊を招くと、国に批判が集中しています。
本市でも経営が成り立たない地域のヘルパー事業所はすでに2か所閉鎖を決定して、利用者の受け入れ先を探しています。特養ホームの基本報酬は6%も下げられます。ある市内の特養ホームでは年間2000万円の赤字になると試算し、今後の特養ホーム増床は難しいと判断しています。政府は特養ホームなど施設の内部留保金を問題にしていますが、施設の修繕や人件費で消えてしまうのが実態であり、市内の事業所は大変深刻です。本市は介護事業所の指導監査を実施しているので、経営実態を詳細に把握しているはずであります。内部留保金のないところは廃業しないように市が利子補給するとか融資の手立てをとるなど廃業にならないように3か月ごとに経営実態を把握しあらゆる手立てをとり見守っていくべきではないかと考えますいかがですか。

Bさらなる介護難民を生むことになるので、国に中止要請すべき
介護報酬の引き下げによって事業所が撤退し、介護労働者が確保できなければ、介護崩壊を招き、膨大な介護難民を生み前橋市の高齢者を路頭に迷わせることになるのは必至です。政府に対して事業所の経営に与える深刻な影響、実態をリアルに突き付けて、中止要請すべきです。もし、引き下げが強行されたら元に戻すよう求めるべきと考えますが答弁を求めます。

(4)総合事業への移行中止
@本市の第6期介護事業計画では新総合事業への移行は2年間延長するとしていますが、移行する29年4月スタート時の要支援者の訪問介護は利用者1886人の半数(943人)、通所介護では利用者2752人の半数(1376人)を新総合事業に移行すると計画しています。新総合事業は既存のサービスを「多様なサービス」と称して民間業者が提供するサービスやボランティアを活用した安上がりなサービスに置き換えることになります。住民が要介護認定を受けたいと窓口を訪れても、担当者が「基本チェックリスト」等により新総合事業に誘導するのではないかとの不安が拡がっています。Bさんはひとり暮らしで要支援2、デイサービスに週3回通ってお風呂に入り、近所の顔見知りのおばあさんとデイサービスでお話しするのが唯一の楽しみで、一人暮らしを続けられています。かりに、Bさんがデイサービスから新総合事業に移行して、今までのデイサービスからボランティアなどのサービスに行くことになれば徐々に身体機能が悪化して、一人暮らしが続けられなくなるのではないか。今から不安でいっぱいと話されていますのですぐには移行しないと安心させることも大事です。本人の意志は十分尊重されるのか。本人に納得のいく説明が行われるのか利用料についてもどう違ってくるのか要支援認定の省略による利用判断の公平性が担保されるかどうか必要なサービスが引き続き受けられるのか。こうした疑問にしっかり答えるべきです見解を伺います。

A2年後から適用される予定の改訂された介護サービスを利用する高齢者についてです。今までの介護保険での申請、相談、利用サービスの仕分け、ケアマネージメントという流れから、新たな新総合事業が発足したもとでの違いはどのようになるのか。今までと比べて適切にサービスを受給する権利が保障されるのでしょうか。介護保険料は値上がりするにも関わらず、必要なサービスが提供されなくなるのではないかと懸念されますが見解を伺います。

B高齢者人口が増加するなか、介護給付費を減らすために新総合事業へ移行し、財源が絞られる中では今までのサービスが切り捨てられることになります。要支援サービスを受けていた高齢者が自立に向けて元気になることはなく、サービスを切り捨てられることによって重症化し、かえって介護給付費や医療費を増加させることになるとケアマネなど介護専門家や医療団体も指摘しています。新総合事業への移行は今後の推移をみながら、2年間の猶予があるので実態を把握して国に中止を要請すべきです、見解を伺います。

(5)特養ホームの増設
高齢者世帯が増える中で、老老介護、認認介護(認知症の人が認知症の人を介護)など深刻で、過去には悲惨な介護殺人まで起きてしまいました。病院退院後、行く場所がないと切実に訴えられています。
多くの高齢者は在宅を希望していますが、現実は在宅で介護したくてもできない状況です。特養ホームなどの施設に入らなければ、家族が共倒れする事態が広がっているのです。
特養ホームは実際に1308人が待機していて重度の要介護4・5の方は598人、一方第6期介護事業計画の特養増床計画は250床、であり大変深刻であるという認識が足りないのではないか。施設の増設計画が高齢化率の高い市内中心部を優先しつつ、必要な文京南部、東、南橘、北部中部、老人保健施設からの入所や病院入所も申請数も整備数の算定に入れ、市有地の利活用も含めて待機者解消するための増設計画にすべきと考えますが答弁を求めます。

2、住宅・商店リフォーム助成制度の創設と拡充について
(1)地域経済活性化策
本市の耐震エコ子育て制度は対象を限定する国の補助制度を活用して、20万円以上の対象工事の30%上限に20万円を助成、平成23年11月1日から27年3月31日まで3年4か月間、総事業費は3億2千7百万円、1725件(持家83900件)実施し対象工事は耐震14件エコ1518件子育て71件 バリアフリー122件を実施。市民の評価は大変好評だったと伺っています。一方で、畳替や和式トイレをから洋式トイレに変えたい外壁の塗装をしたいなどのリフォーム要望は事業対象の工事にはならない不十分さがありました。
そこで、全国では住宅政策だけではなく地域経済の活性化策として位置付けた住宅リフォーム助成制度として、全国5県を含む628自治体(13年度)が実施しています。
 秋田県がまとめた4年間の事業効果によると、県制度の活用件数は5万1000件以上。補助金総額は68億6200万円以上で、工事総額は約1032億5000万円に上ります。経済波及効果は約1626億円で、投資した補助金の24倍に相当すると報告されています。そこで、本市の耐震エコ子育ての地域経済への波及効果について伺います。

A産業経済部ではプレミアム商品券も地方創生、地域経済活性化策と位置付けて15億円の商品券発行施策を新年度実施しようとしていますが、耐震エコ子育て及び全国で実施している住宅リフォーム助成制度も地域経済への波及効果及び地域経済活性化の優れた施策と考えます。
さらに、建築業界は職人希望者の減少に加え、建築不況、消費者ニーズとのズレ、大手ハウスメーカーの進出により、廃業する事業者が多くなっています。
そこで、業者の仕事起こしとしても、地場産業材の活用を図る意味からも環境に配慮した「大工さん」の育成を図り、地域に根ざした伝統技術を継承し、事業者の育成を目指す観点からも重要な施策と考えるがそれぞれ見解を伺います。

(2)制度創設と拡充         
@本市の耐震エコ子育ての多面的な事業の意義を答弁していただいたと考えますが有効な施策でありながら。新年度で予算化されていません。市長は住宅リフォーム助成制度の公約を掲げているのですから、耐震エコ子育事業を国の補助事業が終了したとして区切らずに、さら発展させて使い勝手の良いどんな改修工事も対象となる住宅リフォーム助成制度の創設を直ちにすべきと考えます。新年度の早い時期に創設すべきですがいつ実施する考えなのか明確な答弁を求めます。

 A住宅リフォーム助成制度の商店版が商店リフォーム助成制度ですが、新年度予算で本市はまちなか店舗ホスピタリティー向上支援事業として実施します。しかし、高崎市や全国の自治体が実施している商店リフォーム助成制度との差異があるとつくづく感じています。対象事業は外から来るお客さんのためのおもてなしをメインに外観、トイレ、リニューアル工事で高崎市や全国で実施している備品購入経費は含まれていません。たとえば、飲食店では冷蔵庫やエアコン、食器などの備品購入も一体のものとすることによってリニューアルできるのです。対象地域も街中に限定していますが、新前橋駅前商店街も前橋市の玄関口で外からのお客さんが来るところです。備品購入費補助も含めて施策そのものを新前橋駅前も含む全市の商店を対象に拡大すべきです。まずはスタートさせてから検討いいますが、すでに豊富な実績を持つ自治体があるわけですから、よりよい施策に発展させることが求められていると考えますがそれぞれ答弁を求めます。









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