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議会報告

2015年第1回定例会本会議代表質問(3月9日・長谷川薫議員)【2015/3/27】

2015年前橋市議会第1回定例会代表質問(3月9日長谷川薫)


1、市長の歴史認識と非核・平和行政について

@戦後70年にあったての歴史認識

 最初の質問は、市長の歴史認識と非核・平和行政のいっそうの推進についてです。戦後70年の今、大多数の市民が、「二度と戦争を繰り返してはならない」という思いを新たにしています。ところが、日本は今、「憲法9条にもとづく平和国家」か、「自衛隊を海外に派兵する戦争する国づくり」か、の重大な岐路に立っています。
 安倍自公政権は、閣僚の靖国神社への参拝を容認し、秘密保護法の制定、武器輸出禁止三原則の廃止、集団的自衛権の行使を認める閣議決定などを、矢継ぎ早に強行しています。新年度には過去最高の5兆円に迫る防衛予算を計上し、いっせい地方選挙後の集団的自衛権行使のための法制化を表明し、来年の参議院選挙後には、憲法9条を中心に憲法改正作業に入ろうとしています。
 また、安倍首相は植民地支配や侵略戦争を謝罪した「村山談話」や従軍慰安婦を旧日本軍の関与と強制を認めた「河野談話」を見直す新たな「談話」を発表すると表明しています。市長は村山・河野談話についてどのような認識をお持ちなのか、明確にお答えください。

A集団的自衛権行使容認の閣議決定の撤回

 次に、憲法9条については歴代政権によってさまざまな解釈改憲が重ねられ、自衛隊の海外派兵が行われてきましたが、「戦闘地域には行かない」「海外で武力行使はしない」という大原則が歯どめとなってきました。ところが、集団的自衛権の行使容認の閣議決定は、この歯止めをなくして、イラク戦争やアフガン戦争のような戦争をアメリカが引き起こした時に、戦闘地域で自衛隊員が米軍と肩を並べて戦うことを可能とするものに他なりません。
 さらに閣議決定は、日本が攻撃されていなくても「自衛の措置」として武力行使が可能となる「新3要件」なるものを示しています。これでは、時の政権が「他国に対する攻撃を我が国の存立が脅かされる」と解釈しさえすれば、地理的限定もなく地球の裏側にまで出動して戦闘行動ができるようになります。
 市長は、平和都市宣言自治体、平和首長会議への参加自治体にふさわしく、このような「海外で戦争をする国づくり」への危険な道につながる集団的自衛権容認の閣議決定を直ちに撤回するよう、国に求めるべきです。明確な答弁を求めます。

B米軍ジェット機の飛行訓練の中止およびオスプレイの配備問題

 次に、横須賀の米軍基地に原子力空母ジョージワシントンが寄港するたびに本市の上空で昼夜を問わず繰り返される米軍ジェット機の飛行訓練は、今もなお市民の平穏な生活を脅かしています。万が一、墜落事故が起きれば甚大な生命と財産が奪われかねません。国と米軍に強く飛行の中止を申し入れるべきです。
 さらに、多くの国民や沖縄県民の反対の声を無視して、沖縄県の普天間基地に欠陥米軍輸送機オスプレイが配備され、いま日本各地で飛行訓練が計画されています。こともあろうに、榛東村議会は昨年の6月にオスプレイの自衛隊12旅団の相馬が原基地への誘致促進を決議しました。米軍オスプレイが陸上自衛隊との共同訓練を行い、さらに自衛隊が購入し装備するオスプレイが配備されれば、前橋上空を飛行し市民の安全が脅かされることは必至であります。市長は、これらに反対の声を上げるべきです。答弁を求めます。

C非核・平和行政の充実

 次に、市長は今年の終戦記念日に、例年は各地区で行われている戦没者追悼式を、県民会館で合同実施し、前橋空襲を題材にした市民ミュージカルを公演すると表明されています。多くの市民とともに戦争を繰り返さない決意を固め合うことは大事なことであります。しかし、1回限りの行事に終わらせず、他都市に比べても貧弱な本市の非核・平和行政をいっそう充実推進することが必要です。戦争や空襲体験者した市民が高齢化しています。一刻も早く証言を記録し、関係資料などが散逸しないよう収集保存することが必要であります。そのためにも、市として早期に平和資料館(仮称)を設置し、学芸員や平和の語り部も配置し、平和学習の拠点として日常的に開館し運営すべきです。また、4月にニューヨークで開かれるNPT核拡散防止条約再検討会議や8月の広島・長崎の平和式典への市民代表の派遣や8月15日の終戦記念日や8月5日の前橋空襲の日に、恒常的に追悼式や平和行事を開催するなど、現行の平和行政を抜本的に強めるべきだと思います。見解をお聞かせください。

2、市民の命と暮らしを応援する施策について

@最初に、高すぎる国保税の引き下げを求めます。

 理由の第一は、市民生活の実態が大変厳しくなっているからです。小学生の娘さんを育てながら看護師として、早出や遅番などの変則勤務で働くある一人親家庭では、所得162万円に対し国保税が29万8千円で18%も占めています。所得200万円以下の世帯が国保世帯の70%を占めていますが、本市の平均国保税は1世帯当たり年間約17万円、一人あたり10万円になっており、負担はすでに限界を超えています。
理由の第二は、昨年度と2年間で16億円の一般会計から繰り入れたことも幸いし、今年度の決算は黒字見込みであります。現在の国保基金残高8億円にさらに剰余金が積み立てられる見込みであり、引き下げの財源が十分あるからです。
高齢者、自営業者、非正規労働者など低所得者の暮らしの実態を直視するなら、新年度も一般会計から国保特別会計への一定額の繰り入れを継続するとともに、基金を5億3千万円余り取り崩し、少なくとも1世帯当たり1万円の引き下げを決断すべきです。答弁を求めます。


A介護保険料の引き上げの中止について

次に、8万8千人の高齢者の介護保険料についてです。高い保険料の軽減は「待ったなし」の市民の願いであるにもかかわらず、第6期介護事業計画に基づいて示された今後3年間の介護保険料は基準額をさらに19.9%も引き上げ、年間総額11億円の負担増を求める過酷な提案です。「介護の社会化」をうたい、2000年に導入された介護保険の保険料はすでに当初の倍近くになっており高齢者の負担の限界を超えています。一般会計からの繰り入れを決断して、引き上げ案を撤回すべきです。明確な答弁を求めます。

B住宅リフォーム助成制度の創設と商店リフォームの拡充、事業所税の減免制度の継続

 次に、当局は耐震・エコ・子育て住宅改修支援制度の終了を決めていますが、経済派及効果が高い住宅リフォーム助成制度は、市単独事業として対象工事を広げて継続すべきです。また、事業費の2分の一上限100万円の商店リフォーム助成制度が新たに創設されますが、中心市街地の空き店舗対策に限定せず、高崎市の「まちなか商店リニューアル助成事業」のように全市域の商店改装費助成制度として拡充しべきです。買い物弱者支援策としても、閉店の危機にさらされている周辺地域の商店のリニューアルによる顧客および売上増を支援すべきです。それぞれ見解を求めます。

 また、事業所税の6分の5の軽減策を中止せずそのまま継続すべきです。市長は、事業所の廃止が選挙公約であります。課税法人は、固定資産税がすでに課税されており、事業所税は2重課税的な外形標準課税です。消費税と同じく、赤字法人でも負担を求められます。名古屋・東京・大阪商工会議所なども廃止を強く求めています。2016年度から段階的に増額課税する方針を見直すとともに、改めて国に制度の廃止を強く求めるべきです。答弁を求めます。

C税滞納者への行き過ぎた税収納行政の改善

 次に、本市収納課は生活困窮による税滞納者の生活実態を十分把握しないまま、本来は滞納整理処分の最終手段である差押えを乱発し、昨年度は全国的トップ水準の8747件にも及んでいる。
 しかも直ちに換価できる預金債権を最優先し、「差し押さえ禁止財産も口座に振り込まれれば預金債権になる」という認識のもとに、昨年の8月には、入金が児童手当のみの預金口座の残金のほぼ全てを差し押えました。本人の抗議を受けて解除して返還したが、「振り込まれた金額が差押え禁止財産であるかどうかを説明するのは預金口座の持ち主にある」と責任を回避しています。また、昨年の12月には、病気で働けない一人暮らしの高齢者の預金口座に振り込まれた年金を、振り込まれた当日に全額差し押さえ生活に困窮に追い込みました。社会福祉課が生活保護申請を受理し、1月に保護開始決定し扶助費を給付し最低生活を保障しましたが、このような差押えは明らかに違法であり、行き過ぎであります。
 市長は、3年前の市長選挙の時に、「市税滞納者に対する問答無用の差磯さえはやめる」と公約しました。預金債権や給与や売掛金などを突然差押えて市民に制裁を加えて、納税の自覚を高めようという「差押え先にありき」の収納行政は直ちに改善すべきです。 あらゆる手立てを講じて、税滞納者との納税相談のための機会を作り、滞納原因や事業経営の状況、家族を含めた暮らしの状況、資産および負債の状況、納付計画など丁寧に聞いて自主納付を促すとともに、徴収の猶予や執行停止などの納税緩和措置も講ずるなど、本来の滞納整理行政に立ち戻るべきです。見解を求めます。

D全市デマンド交通について

 次に、高齢者などの交通弱者対象の全市デマンド交通の早期実現は、市民共通の切実な願いです。他の公共交通の利便性向上を図りながら、タクシー運賃の一部助成制度に陥ることなく、乗車距離の長短に関わらず低料金で利用できる全市デマンド交通の運行を公約通り一刻も早く実現すべきです。
 国が進める「地方創生」の対象事業でもあり、国や県に積極的に財政支援を求め、事業委託するタクシー事業者への十分な委託費を予算計上すべきです。年間69億円規模の区画整理事業など他の公共事業予算と比べても、赤字バス路線維持のための委託費は年間3億円余りであり、高齢化社会で市民ニーズが高まっている公雇用交通施策としては少なすぎる予算額であります。全市デマンド交通への予算増額は、事業経営に苦しむタクシー業界への大きな経営支援策ともなります。
 多くの高齢者に喜ばれて、市全体の財政運営にもプラス効果・波及効果が生まれる全市デマンド交通の早期実現に、市長は特段の努力をすべきだと思います。答弁を求めます。

E原発の再稼働の中止と地産地消の自然エネルギーの推進 

 次に、原発の再稼働の中止と地産地消の自然エネルギーの推進についてです。現在、全国の48基の原発のすべてが停止していますが、電力不足は全く起きていません。太陽光発電が大きく広がったことが要因でもあります。ところが国は東京電力柏崎刈羽原発の6・7号基も含めて各地の18基の原発の再稼働を進めようとしています。
 東電福島第一原発の事故によって、4年が経った今でも12万人もの福島県民が避難生活を余儀なくされており、高濃度の汚染水対策も進まず、事故原因の究明も行われていない中で、地震と津波列島の日本に、新たな「安全神話」を強調して再稼働を認めることは認められません。
 とくに本市から約100`に位置している柏崎刈羽原発は2007年の中越沖地震の際にも、過酷事故寸前の深刻な事態に陥りました。新たな安全基準をクリアーしたからと言っても、福島の事故の二の舞とならないとは限りません。市長は、直ちに、東電および国の原子力規制委員会に原発の再稼働の中止を求めるべきです。答弁を求めます。

 また、今こそ危険な原発に依存しない安全な再生可能な自然エネルギーのいっそうの推進が重要となっています。本市においても、自然エネルギーの導入が推進されているが、太陽光発電については売電価格が引き下げられ、東電は設置者に対して送電線網の整備費用の負担を入札で求めるなど、接続制限の問題も起きています。
 今後、全国的に太陽光発電以外の小水力発電やバイオマス発電など他の自然エネルギーの推進策が求められます。現在、赤城大沼用水小水力発電の導入検討が行われていますが、市民や地元企業が積極的に参加でき売電利益を市民に直接配当するなど、売電利益が 市内に還流し、地域経済や中小企業振興にも結びつく地産地消型の自然エネルギーの推進を図ることが求められていると思います。見解をお聞かせください。
 
3、教育の充実について


@30人学級の拡充

 川崎市の中学1年生の殺害事件は、全国の父母や教職員に大きな衝撃を与えました。いじめや不登校や引きこもりなどで苦しむ子どもも含めて、在籍するすべての子どもに、教師がゆとりを持って向き合えるようにするためにも、教員の多忙化を解消することは急務の課題であります。
 この間、国は国民的な世論に推され、2011年に小学校1年で35人学級を実現し、2012年からは小学校2年でも予算上の措置をして実現してきましたが、安倍政権になってからは2年間少人数学級がストップしています。そして昨年、財務省が予算削減のために1年生も40人学級に戻せと求めています。
 しかし、国内総生産(GDP)に占める日本の教育予算の割合は、3.6%で経済協力開発機構(OECD)加盟30か国のなかで、5年連続して最下位であります。同時にOECD加盟国の中で、日本の教職員が最も長時間働いており「超多忙」と指摘されているのです。
 教育予算を増額し、教職員の多忙化の解消は「待ったなし」の課題であり、これ以上の教育条件の後退は許されません。
 いじめや不登校をなくすためには、子どもたちがストレスをため込む原因である。過度の競争教育や差別選別教育を改めることが必要であると同時に、何よりも学級規模を小さくして、すべての子どもたちに行き届いた教育を保障しなければなりません。
 わが党は、市長の公約でもある「30人学級の全校実施」の早期実現を一貫して求めてきました。市教委は段階的に実施するとして、新年度に小学校5・6年の単学級の5〜6学級の35人学級化を打ち出していますが、そのあとの計画は何も示していません。30人学級の早期実施に向けて今後どのように進めて行こうとお考えか、お聞かせください。

A学校給食費の値上げの中止と無料化の拡充

 食材費の高騰や必要な栄養の確保を理由に、1食10円の値上げ案が出されています。保護者の負担は、あわせて約6千万円です。
 子育て世代は、消費税増税や物価の高騰で実質賃金が18か月連続減少するなど、厳しい家計が続いており、負担増ではなく負担軽減策が求められています。前橋市の基金残高は178億円であります。6千万円の繰り出しは十分可能であります。値上げ案の撤回を求めます。答弁を求めます。

 また学校給食費第3子無料化は、小中学校に3人が同時に通学する世帯の第3子を対象とする条件を前年度からそのまま継続し全く前進させていません。
県内では無料化を実施している南牧村、上野村、神流町に続き、富岡市、安中市などが無料化の計画を進めています。学校給食は子どもの貧困が広がり、食生活の乱れが心配される中で、食事の在り方や食文化を伝える食育として教育の重要な柱の一つであります。食材費は父母負担という国の言いなりにならず、本市でも、憲法26条義務教育は無償という立場から、全ての子どもを対象に学校給食費の無料化を早期に実施すべきです。答弁を求めます。

B教育委員会制度の改変と教育の自由の確保

 新年度から教育委員会制度改革が行われ、市長と教育委員会で構成する総合教育会議が設置され、その合議にもとづいて市長は教育の目標となる大綱を策定します。つまり、来年度から制度として市長の教育行政への直接的な関与が強められます。そこでお聞きしますが、綱策定においては、教育の自主性・自律性を維持し、何よりも子どもの学習権等を確保するため、教育の中立性、自主性・継続性の確保が不可欠であると思いますが、どのような立場で大綱を策定され用としておられるのか、お聞かせください。

以上で1回目の質問と致します。

第2質問をします。

@それぞれお答えいただきましたが、5項目に絞ってお聞きします。それぞれ答弁を求めます。
 最初に、歴史認識の問題です。市長は「戦争のない平和な世界に貢献する政治が大事」と答弁されましたが、多くの市民は、安倍政権になってからの右翼的潮流の強まりを大変心配しています。
 戦前のように若者を戦場に駆り立て海外で戦争をする国づくりを目指すのか、それとも戦後政治の原点であり、世界の宝である憲法9条を守り、平和外交を強め二度と戦争をしない平和国家をめざすのか、日本は今、歴史的な岐路・分かれ道に立っています。市長は、「村山談話」「河野談話」の核心的中心的内容を継承し、談話の精神にふさわしい行動をとり、談話を否定する動きに対してきっぱりと反論すべきです。侵略戦争を反省し、戦争放棄を謳った憲法9条を守るべきという立場に立たれているのかどうか。明確に答えください。
市長は、集団的自衛権の行使やその法制化などには明確に反対の声を上げるとともに、アメリカ軍ジェット機やオスプレイの配備や訓練には、もっと毅然として抗議すべきではないでしょうか。
 もちろん、これまでの前橋市の平和行政を予算も職員体制も拡充することは当然です。具体的な態度と施策の拡充を表明しなければ、本音を隠したうわべだけの態度表明にしかならないのではないでしょうか。いかがでしょうか。

A2番目の質問です。
 国保の引き下げや介護保険料や学校給食費の値上げの撤回などを求める質問や、行き過ぎた税滞納整理の改善の質問には、いずれも背を向けました。今地方自治体に求められているのは、制度の持続性の確保のためと言いながら年金も医療も介護も手当たり次第に社会保障を切り捨てている国の言いなりになって、市民への痛みを押し付け我慢してもらう下請政治ではなく、国の悪政の荒波から市民のくらしを守る防波堤の役割をはたし、市民の痛みを全力で取り除くことが求められています。本当に市長は、市民のくらしを守る、生活困窮者を支えるという態度を貫く姿勢をお持ちなのかどうか、お答えください。

B3番目の質問です。
 国保財政のゆとりが生まれたにもかかわらず、国保税の引き下げを決断しないことは問題です。また市町村国保の都道府県単位の広域化は、医療費の削減を目的とするものであり、さらなる保険料の引き上げや滞納保険料の徴収強化、資産の差し押さえなど、国民健康保険を解体し、国民皆医療保険を破壊しかねません。市長は、国民健康保険の広域化に反対すべきであります。答弁を求めます。

C4番目の質問です。
 予算を確保すればすぐに実現できるのが、全市域デマンド交通や住宅や商店リフォーム助成制度の拡充です。デマンド交通は、距離に関係なく1回あたりの利用者負担を低額固定料金に設定すれば、残りの運賃を市が負担することになり、タクシーメーターで対応できます。新たな運賃確認のためのソフト開発やタブレットなどの初期投資は不要です。他の公共交通を利用できない交通弱者は現にタクシーを利用している方々です。市が全市デマンドタクシーの運行予算を確保するかどうかに、早期実現の可否がかかっているのではないでしょうか。いかがでしょうか。答弁を求めます。
 経済波及効果が明らかな住宅及び商店リフォーム制度は、地域経済の活性化策としてすでに試され済みです。高崎市に学んで、枠を狭めずに市民にも業者にも喜ばれて使いやすい制度にしてスタートすべきです。

D5番目の質問は、教育委員会問題です。
 市長は2014年6月に結成された「教育再生首長会議」に参加されています。「教育再生首長会議」は、安倍政権が国政レベルで進める「教育再生」と連動して結成された地方版です。超タカ派出版社である「育鵬社版」などの戦争賛美・憲法破壊の歴史教科書や公民教科書の採択教科書採択全国の教育委員会に10%台まで引き上げようと主張しています。 日本のあの侵略戦争を正義の戦争だったとして180度真逆に子どもたちに教えようとする極めて右よりの団体です。だからこそ、全国1700以上の自治体首長の中で、この「教育再生首長会議」に参加しているのはわずか70人ほどにとどまっているのです。
 ご承知の通り、日本は戦前の国家主義教育が侵略戦争につながった反省から、戦後一貫して、教育行政は住民自治の教育委員会が担ってきました。行政権力は教育条件整備をもっぱらに担い、教育内容には介入しないことが原則となってきました。様々な見解がありうる教育を、首長や地方議会の多数決で押し切らずに、広く民意を反映させ住民の合意で教育を行うという戦後民主改革の一つであります。
 ところが、安倍政権になってから特に、文部科学大臣によって戦前の教育勅語の再評価が強調されたり、教育再生が強調され、道徳教育や愛国心教育が強調されるなどの政治状況が強まっています。多くの国民が、戦前のような軍国主義教育の復活に懸念を感じ、マスコミの世論調査では「政治家が教育内容をゆがめない歯止めが必要」という声が強まっています。
今回の教育委員会制度の改変は、自治体首長に教育行政の決定権を持たせ、教育委員会を首長の「特別な付属機関」に変えて、教育への権力支配に道を開く大改悪です。
しかし、市長はこれまで一貫して、教育行政については今後も、教育委員会の合議による決定を尊重する立場を表明してきています。しかし「教育再生首長会議」は、これをひっくり返し、再び戦前のように、時の政治権力の意志が色濃く教育に反映することをもって、「教育再生」と称している右翼的な運動団体です。「教育再生首長会議」への積極的な参加は市長の答弁の立場と矛盾するものではないでしょうか。市民の不安にこたえるためにも直ちにこの団体から脱会すべきではないでしょうか。
 そして、教育委員会が国いいなり・首長追随ではなく、子どもの権利を最優先に考えて自立性を持って活動ができるように、委員会としての機能強化や教育委員の公選など教育委員会制度を拡充・強化する改革を国に求めるべきだと思います。答弁を求めます。
以上で第2質問と致します。

第3質問

 最後に、市長の今日の代表質問の答弁に対するまとめの質問です。市長は、3年前の市長選挙の時に、老後の不安と子育ての負担を減らしますと公約されました。30人学級の全校実施で教育現場を支えます。市内全域で200円乗合多久市を運行して市民の足に等と公約されました。
 市長の任期最後の新年度に、介護保険料の2割もの大幅引き上げ、30人学級も先送り、学校給食の値上げ、住宅リフォーム助成制度は打ち切り、事業所税の減免制度も見直し、市民が期待している低料金で利用できる全市デマンドバスも先が見えない。次々と公約を投げ捨てたり、あいまいにされています。公約や市長になられたときの初心をもっと大事にすべきではないでしょうか。市民にどのように説明されるのか最後にお聞きして、質問を終わります。

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