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議会報告

2015年第1回定例会教育福祉常任委員会質問〜教育行政・介護保険・国民健康保険・生活保護(3月17日・長谷川薫議員)【2015/3/27】

>教育福祉常任委員会質問事項(2015年3月17日)
1、教育行政について

(1)30人学級の推進について

@最初に教育行政について質問します。
 川崎市の中学1年生の殺害事件は他人ごとではありません。競争社会や経済的格差が広がる今日の社会状況の下で、本来なら夢と希望をはぐくむべき子どもたちがストレスを抱え込み、不安定な精神状態になっています。本来は助け合いながら成長してくはずの子どもたちの間に、いじめや暴力、そして大人社会を拒否する引きこもりなどが、どこでも起こりうる状況になっていると思います。
 前橋の子どもたちが事件に巻き込まれたり、自ら命を絶つような最悪の事態にならないよう、いち早く察知して、学校・保護者・地域の連携した対応で子どもたちを守り、問題を解決することが求められていると思います。
 ところが、今、市内の小中学校の多くの先生が、「仕事が忙しすぎて授業の準備や子ども達とじっくり話す時間が持てない」いう共通した悩みを抱えています。多くの教員が、教える喜びや成長する子どもたちの姿に喜びを感じながらも、心身ともに疲れ切っている多忙化の問題は、教員の健康を守るためにも、すべての子どもに行き届いた教育を保障するためにも、解決を急がなければなりません。
そこでお聞きしますが、本市の教員の超過勤務の実態を教育委員会では、どのように把握されているのでしょうか、それぞれの学校の校長先生は自校の教員の時間外勤務の状況を把握しているでしょうか。答弁を。

●学校での超過勤務の状況や持ち帰り仕事の実態を十分把握していないようですが、実態は過労死ライン月80時間を超える残業をされている先生も多いのではないでしょうか。
 昨年の経済協力開発機構(OECD)の教員に関する調査では、世界的に見ても日本の中学校の教員の勤務時間が突出して長いことが明らかになりました。日本の教員の勤務時間は週53・9時間で、調査に参加した34カ国・地域の平均38・3時間を15時間以上も上回り最も長時間勤務しています。
 全日本教職員組合の全国調査でも、教員の土・日も含む時間外勤務は月平均73時間で、自宅に持ち帰った仕事を加えると95時間。部活動の指導が多い中学校では115時間になっており、厚労省が定めた過労死ライン、月80時間を大幅に超えています。
 しかも、残業手当もきちんと払われていないサービス残業になっています。勤務時間の内外を包括的に評価して一律の教職調整額として給料月額の4%が加算されているだけです。「公立の義務教育学校等の教員・職員の給与等に関する特別措置法」で、特別な場合を除き教員に時間外勤務を命じることを禁じており、時間外勤務手当を支給しないと定めています、つまり、教員は残業しない、すでに4%は盛り込んであるので、残業しても手当ては出さないということになっております。長時間勤務の歯止めのためにも、残業手当をきちんと支払う法改正をして、文科省としても教員の給与を支払う自治体としても残業時間の実態を正確に把握したうえで、どうすれば抑制できるかを考えることが必要ではないでしょうか。見解を。

A次に、教員が多忙になっている原因やその改善のための努力をどのように具体化しているのかお聞かせください。

●さまざまな努力されていることは理解しますが、各種資料や統計作成、報告書提出などを減らしたりすることは改善が可能だと思います。それだけではなく、管理職による教員評価制度は、教員の教育活動に管理職に高く評価されることを優先する風潮をもたらし、子どもと誠実に向き合う気風を奪っているのではないでしょうか。報告書を大量に出させて教員を管理するやり方も改めるべきだと思います。
 同時に、教職員組合の調査結果では、学校現場での多忙化の原因に、発達障害などより丁寧な対応を必要とする子どもの増加、保護者対応の複雑化・困難化、会議や行事の多さ、部活動の負担などから、教員が多忙化している点の改善も強く指摘しています。

B そこでお聞きします。その打開策としては、時間的な余裕の確保のためにも、教育効果も試されずみの、学級の定員へらす、少人数学級を一刻も早く実現することが最も確かな解決方向ではないでしょうか。
 群馬県もさくらプランとわかばプランで少人数学級を実施していますが、2011年の小学校1〜2年生の30人、3〜4年生の35人、中学校1年生の35人学級以降4年間全く前進していません。
 本市独自の新年度の5〜6年の単学級の35人学級化は、多忙化の解消策としても、行き届いた教育を行う上で大きな前進でありますが、3〜4年生の30人学級、5〜6年生の全学級の35人学級、中学校2〜3年生の35人学級などを、予算措置をしながら計画的に推進すべきと思いますが、新年度以降どのように考えておられるのか。見解を。

●少人数学級の推進は保護者、教育関係者など多くの国民の長年にわたる切実な願いです。少人数学級実施で欠席率や不登校が減ったり、人数の多い学級よりいじめの件数が少なかったりという成果も出ています。
 わが党は、国レベルで、今後8年計画で小中学校全学年を35人学級にすることを提案しています。そのため必要な国の予算は1年目が約16億円、ピークとなる6年目でも約139億円で、政党助成金約320億円の半分足らずです。その気になればすぐ実行できます。
 国内総生産(GDP)に占める日本の教育予算の割合は、3.6%で経済協力開発機構(OECD)加盟30か国のなかで、5年連続して最下位であります。それにもかかわらず、第2次安倍政権は、発足とともに「35人学級」の計画を小1でストップしました。今年度は少子化に伴う自然減を上回って公立小中学校の教職員定数を削減しました。財務省は40人学級に戻すべきという国民の願いに逆行する姿勢まで示しています。
 このような国民の願いに逆行する国の政治に追随せず、少人数学級を推進していただきたいと思います。前橋市の来年度の5〜6年生の35人学級は市費教員の給与は約3千万円、3〜4年全学年の30人学級を市単独で実施しても約1億5千万円。決して財政的に不可能ではありません。国や県に30人数学級の推進を強く求めるとともに、市独自の特段の努力を強く求めておきます。

(2)道徳教育の教科化の問題点

@ つぎに、現行の道徳は教科外活動とされ、検定教科書はなく、成績評価もされていません。ところが、文科省は2018年から道徳の教科化を打ち出しています。国定教科書を用いた戦前の「修身」は、愛国心といった徳目を国民に植えつけ、若者を戦場に駆り立てる軍国主義教育の中核を担いました。
 戦後の道徳教育はその反省に立って行われてきただけに、今、教職員や父母・法曹団体などから「国による特定の価値観を押し付けかねない」と強い反対の声が上がっています。文科省は改定案について意見公募をした上で3月中に指導要領を改定し、小学校は2018年度、中学校は19年度から実施する方針です。 教育委員会はどのように考えているのか。見解をお聞かせください。

A 道徳教育は、個々の子どもがいかなる生き方が善い生き方なのかを自分の判断で選び取ることができるように支援する教育であるべきであり、決して、国家が一定の価値観や宗教観を押し付けるようなものであってはならないはずです。日本国憲法が「個人の尊厳」(13条)、思想良心の自由(19条)、信教の自由(20条)学習権(26条)等を保障していること、及び子どもの権利条約が子どもの成長発達権(6条)意見表明権(14条)等を保障していることに照らせば当然だと思います。
 実際に、学校現場では、教師が副読本を使いながら、創意工夫に富んだ道徳の授業をされているとお聞きしています。
 しかし、道徳の教科化がなされれば、学習指導要領や教科書検定基準により、道徳の授業内容が縛られ、道徳教育が、国家が望ましいと考える価値観を刷り込むための教育に変容しかねません。
 特に学習指導要領に盛り込まれようとしている道徳的価値のうち、「自然や崇高なものとの関わりに関すること」は、宗教的な価値の押し付けになりかねず、「集団や社会とのかかわりに関すること」は愛国心の押し付けに繋がる危険性が大きいと思います。
 また、評価に関しては子どもの発言や行動の観察まで必要とされており、子どもの生活全般を対象とするものになるため、子どもの思想良心の自由、信教の自由が侵害されるおそれもあります。
さらに、「国や郷土を愛する態度」が含まれていることも見逃せません。安倍政権は、過去の侵略戦争を肯定・美化する勢力によって構成され、支えられています。戦前のように、子どもを戦争に駆り立てるための偏狭な「愛国心」が押し付けられる恐れがあります。
 改定案はこの道徳科の「内容」を、各教科や「総合的な学習」、行事や学級活動、児童会・生徒会活動など学校教育の全般にわたって指導するよう指示していますが、教師や子どもたちの授業や自主活動の自由が制約されかねません。
 文科省は今回の教科化について、「考え、議論する道徳」を促すものだとしています。しかし、本当に子どもたちが考えあう道徳にしたいなら、評価と検定教科書で教師と子どもをしばる教科化は、きっぱりやめるべきと国に声を上げるべきだと思います。見解を。
 
●これまで、安倍政権は、憲法改正を掲げ、軍備増強にまい進しながら、教育の分野では教育委員会制度を改悪して国家や首長の意向を教育委員会に反映させやすくするなど、国家による統制を強化してきた。
 道徳の教科化により、子ども達が戦争をする国に積極的に協力するような教育がなされてしまう可能性は極めて高い。憲法や子どもの権利条約に沿い、基本的人権の尊重や民主主義の精神に立脚した市民道徳を、自由な雰囲気の中で培えるような教育と社会を築くことが必要です。教科化に反対していただくよう強く求めておきます。

(3)教育委員会制度の改変について

@次に、地方教育行政法の改正で、自治体の教育目標や施策の根本的な方針である「大綱」の策定を首長に義務付けています。こうした「大綱」は、本来、教育委員会と首長が対等平等の関係で、共同して広範な住民の参画で民主的に策定するべきです。大綱を策定するための協議・調整の場となる総合教育会議において、首長と教育委員会が十分に協議・調整を尽くすことが肝要であると思いますが、このことが保障されているのかどうかまず伺います。

●地域住民の意向のより、市長の教育理念が強く押し出されないようにすべきだと思います。教育委員会が今回の改正後も引き続き執行機関であることから、「大綱」に記載された事項を含め、教育委員会の所管に属する事務については、自らの権限と責任において、管理し、執行すべきものであります。地方公共団体の長が有する「大綱」の策定権限は、教育委員会の権限に属する事務を管理し、執行する権限を地方公共団体の長に与えたものではないことを確認しておきます。いかがか。

●文科省も、総合教育会議は、地方公共団体の長又は教育委員会が、特に協議・調整が必要な事項があると判断した事項について協議又は調整を行うものであり、教育委員会が所管する事務の重要事項の全てを総合教育会議で協議し、調整するという趣旨で設置するものではないと強調しています。さらに、総合教育会議においては、教育委員会制度を設けた趣旨に鑑み、教科書採択、個別の教職員人事等、特に政治的中立性の要請が高い事項については、協議題とするべきではないと述べています。そのような認識をされているかどうか。見解を。

B教育委員会の今後の役割の発揮について、3点おたずねします。

1つは、教育委員が保護者、子ども、教職員、住民の不満や要求をつかみ、自治体の教育施策をチェックし、改善するために一層役割を果たすべきだと思います。教育委員会における審議を活性化し、地域住民の民意を十分に反映するためには、学校や教育委員会事務局に寄せられた市民からの意見の丁寧な検討、教育に関する市民アンケートの実施、学校や公民館などの所管施設の訪問や教育委員が市民と直接意見交換する場を設けたり、PTAなど保護者の代表との意見交換会の開催など、市民の声を教育行政に反映できる機会を作るべきだと思います現状はどうなっていますか。

 2つは、今回の制度改革においても、教育委員会は引き続き独立した執行機関として、職務権限は従来通りとされています。とくに、政治的中立性を確保し、いかなる政治的介入も許さず教育の自由と自主性を守るべきと思いますが。見解を。

 3つは、憲法やこどもの権利条約の精神に則り、教育活動全体を通じて基本的人権が尊重されるべきであり、児童生徒の人権にも十分配慮し、一人一人を大切にした教育を実施すべきと思います。 以上の3点について、答弁を求めます。

C最後に、佐藤教育長の任期終了の2年後になると思いますが、首長任命の新教育長と教育委員会のどちらに根本的な権限があるのか伺います。

●教育委員の集まりである教育委員会が最高意思決定機関であることに変更はないと思います。新教育長が教育委員会会議の主宰者となり、教育行政の責任者としての教育長のリーダーシップは高まりますが、教育委員会は引き続き、重要施策や基本方針を決定する複数の委員による合議体の執行機関であり、教育長は教育委員会の意思決定に基づき事務をつかさどる立場であることに変わりはありません。

 教育委員会制度の改変によって、首長任命の教育長の選出、首長の教育大綱決定権、教育委員会と首長との総合教育会議が示されていますが、教育委員会は合議制の執行機関であります。その意思決定は、教育長及び委員による会議において、出席者の多数決によって決せられるものであり、委員の役割が引き続き重要なものであることは変わりがありません。したがって、教育委員は、執行機関の一員であり、教育委員会の重要事項の意思決定を行う責任者であります。
 つまり、今後も、教育委員会制度発足の3つの根本方針である地方分権、民意の反映のレイマンコントロール・市民が参加すること、一般行政からの独立については継続されるということですが、あくまでも首長と教育委員会とは、対等な関係を保ち、政治的中立性、独立性を確保し、幅広い多様な住民の声を反映させる教育委員会、教育委員会を形骸化させず、市民の声を吸い上げ、住民自治の機関として活性化させるように一層取り組んでもらうことを求めます。

 安倍政権の教育再生は、教育予算を抑え、「戦争をする国」のための安倍流「愛国心」教育と異常な競争主義を押し付けるものであり、日本の教育をさらにゆがめる方向です。教育委員会は、国の教育再生方針に安易に追随せず、教育の独立性を堅持すべきです。そして、教員の苦労に正面から応え、毎日子どもと生き生きと関わる時間を豊かに保障するためにも、予算を増やして30人学級を早期に実現し、教員の長時間労働をなくし、自主性を尊重して教員たちの力が十分発揮できるように国や県に財源保障を求め、市独自の教育充実策も推進されるよう、いっそうの努力を強く求めます。

2、介護保険について

@ 第6期介護保険事業計画における介護保険料の基準額が、19.9%も引き上げられ958円アップの5785円、総額約11億円の負担増とすることは高齢者の暮らしを脅かす負担増であり、認めることはできません。とくに、今回の法改定で、給付費の5割の公費に加えて別枠での公費投入が法制化されましたが、消費税増税の先送りをしたことを理由に、3つの段階の基準額に対する7・5・3割軽減がなくなり、結局、第一段階の方の現行の5割軽減が55%軽減になるという微々たる軽減になってしまいました。
 一般財源を投入して、国の当初計画通りの軽減を市独自に実施すべきだと思います。答弁を。

 厚労省や国会答弁を調べてみましたが、介護保険料の引き上げを抑えるためにも、一般会計からの繰り入れを禁じる法規定も罰則規定はありません。介護保険会計は公費半分、保険料半分、市町村の法定分12.5%は一般会計からの負担を求め、介護保険は特別会計で運営を求めているだけです。
 全国的には、国保と同じように低所得階層の保険料軽減のために繰り入れをしている自治体もあります。
先進自治体に学んで、繰り入れを決断していただきたいと思います。

A 今回の最大の改定内容は、要支援1・2の高齢者の訪問介護と通所介護を保険給付から外して、市町村事業である新総合事業に段階的に移すというものです。
 本市の要支援者のうち3500人が介護サービスを利用していますが、今後2年の猶予期間が終了すれば、地域包括支援センターが、要支援者の状態や意向に応じて、予防給付で対応するか総合事業を利用するかを判断して振り分けることになります。総合事業の財源は、介護給付費の見込み額のわずか3%以内という上限があり、さらに、当初、国は要支援の給付全てを地域支援事業に移す方針を、国民の批判で二つの給付に譲歩した経緯から見ても、最終的には要支援者の大部分を総合事業に移すというのが国の本音だと捉えるべきです。
 総括質問で部長から、新総合事業は高齢者の心身の状況に応じた多様なサービスの提供するものと認識している答弁がありましたが、専門的サービスについては全体の5割以下に抑制する国の方針を軽視すべきではないと思います。4類型の新総合事業の導入の準備ではなく、給付費の抑制を最大の目的にした新総合事業の制度廃止を強く求めるべきだと思いますが、見解を。

●要支援者の介護予防給付サービスは、重度化を防ぎ、日常生活を維持する、まさに予防効果を持っており、要支援者には認知症高齢者も多数います。日本全体の要支援者の給付費は介護給付費全体の3%で9兆円に過ぎず、介護保険料の抑制効果もわずかです。長期的に見れば、このような要支援給付外しは、むしろ重度化が進み給付費の増大になる恐れがあります。ぜひそうした点を認識して、国の言いなりにならないようにすべきと強く申し上げておきます

B つぎに、介護事業者の収益率が一般の中小企業より高いことなどを理由に、厚労省は特養ホームの基本報酬の「6%以上の」引き下げなど、介護報酬を平均2.27%引き下げる大幅削減を決定しました。今回は、介護労働者の「処遇改善」の特別な加算を含んでいるため、その上乗せ分を除けば4.48%の最大規模の引き下げになります。
 消費税増税や「アベノミクス」による物価高などで介護事業の経費が増えるなかでのマイナス改定の実行は、介護職員の労働条件や介護サービスの後退になることは明らかであり、介護保険の土台を破壊させかねない異常なものです。これは、介護事業者の経営を苦しめ、介護職員の人材不足を深刻化することは明らかです。報酬引き下げ中止を求めるべきだと思いますが見解を。

● 指導監査室で、監査を実施しているので掌握されていると思いますが、特養の「内部留保」は、非営利法人としてのさまざまな制約のなかで施設の改修・建て替えに備えた準備基金的なものであり、労働者の賃金を抑えて大企業がため込んでいる内部留保とは性格が異なるものです。特養が不当に利益をため込んでいるかのようにいうのは間違いです。

C 特別養護老人ホームの待機者解消を。増設計画を見直す。
 特別養護老人ホームへ入所を希望しても、入所できずにいる高齢者が全国で約52万人、群馬県全体で8千人、前橋市で1300人、特養の現在の総定員数約51万人を超す高齢者が、入所を待たされ続けている現状は危機的です。2011年から「サービス付き高齢者向け住宅」の建設が進んでいますが、ほぼ共通して部屋代と食事代だけで月額10万円以上費用負担が必要ですし、介護サービス保障の点からも、特養を希望する人の“受け皿”として機能を果たしていません。24時間対応の在宅介護体制も整備が追いついていません。
 高い介護保険料を払い続けてきたのに、いざ必要になったときに使えない人たちが激増している事態は、介護保険への信頼を失わせる、制度の根幹にかかわる大問題です。しかも、特養入所対象を原則「要介護3以上」に限定したことは、国民の願いに真っ向から反します。
 人生の最後に行き場を失う人を大量に生み出す政治に未来はありません。介護を「家族の犠牲」「自己責任」に求める政治は許されません。特養待機者を解消するため、市として一般会計の繰り入れもしながら保険料への跳ね返りを抑えて、第6期の増設計画250床を大幅に増やすべきだと思いますが、見解を。

●政府は、介護への公的支出を抑制・削減するため、特養建設への国庫補助を廃止して一般財源化し、施設費への国の負担を削減するなど、特養大増設を事実上妨げる政策を続けてきました。介護保険制度が始まった2000年と13年で比べると、民間営利企業が多数参入する有料老人ホーム定員数が9倍以上に増えたのに、特養の増加は1・7倍にとどまりました。高額な入居費用がかかる有料老人ホームに、いったいどれだけの高齢者が入れるというのでしょうか。今回の厚労省調査で17万8千人にのぼる「要介護1〜2」の高齢者は、入所希望すらできず、「待機者」の対象からも除外されてしまいます。これは「要介護3」に進行するまで待て、と高齢者の健康状態と生活機能の悪化を迫るに等しい、非人間的なやり方です。
 国民の批判によって、要介護1〜2でも「やむを得ない事情」があれば入所できるとしましたが、すでに要介護3以上の待機者が34万5千人もいる現状からすれば、有名無実になりかねません。いまでさえ地域によっては要介護1〜2の入所は事実上不可能だからです。特養増設にもっと力を入れていただきたいと思います。

D 国が繰り返す「制度持続のために負担も我慢してほしい」という立場に立つべきではありません。制度発足時には家族介護の負担を減らすために介護の社会化を強調してきましたが、今では介護保険料の負担が増え続け介護サービスは抑制され続けています。介護サービスの市場化・営利化も進み、低所得の高齢者は介護難民化しています。文字通り保険あって介護なしの状況。このような制度改悪に従わず、すべての高齢者の尊厳が守られる介護保険制度の実現のために、全力を尽くすべきと考えます。国が強調する2025年問題に同調せず、超高齢化社会に対応する国の施策充実を求めるべきだと思いますが見解を。

3、国保運営について

@ 最初に今年度の国保会計の決算見通しと、基金積み立ての見通しについてお聞かせください。
A前橋市の年間の平均国保税額は、一世帯当たり16万9277円、一人あたり10万2千390円です。総収入360万円で所得192万円の3人家族(40代の夫婦・子ども一人)では、年間国保税は34万円で、所得に占める割合は18%にもなります。前橋市の国保加入者は、所得200万円以下の世帯が77%。低所得者や高齢者が多く、派遣切りされた失業者も増えています。このために、毎年の収納率は93%程度で推移しており、5万3,625世帯の加入世帯のうち、1年以上の滞納世帯が1割5,447世帯にも及んでいます.
 多くの市民から「国保税が高すぎる!」という声が上がっています。
国保税の引き下げは、加入者の切実な声。少なくとも今年度末で10億円程度になる国保基金を取り崩せば、1世帯当たり1万円の引き下げは可能です。なぜ決断できないのか。

●収納率アップのために国保税滞納世帯に対して財産調査、全国トップクラスの差し押さえが強化され、国保税滞納のペナルティーとして短期保険証、資格証明書が発行されています。少しでも国保税を引き下げる努力を尽くすべきです。

B所得減少による生活困窮世帯への国保税の申請減免の改善充実が必要です。所得の対前年比5割減からを減免の対象にしている減制度は、対象者が限られます。かつての市長特認による減免がなくなったこともあり、減免実績も少なく今年度の実績も10件程度です。たとえば現行基準では、所得200万円程度の低所得者が100万円以下の所得減少でなければ対象となりません。これでは、ほとんどの生活困窮者が対象から外れます。所得階層ごとの減免基準を作って、低所得者の国保税申請減免を行うべきだと思いますが、見解を。

●前年の所得を基準に賦課をされる国保税は景気が良いときはいいのですが、現在のように景気が低迷し年々、売り上げが落ちている業者にとっては、国保税の支払いが毎年大変になっています。市民に寄り添い、生活の相談にのる中で減免も認める方法をともに考えていくことが求められています。厳しい滞納処分の中で、借金をしたなどの話しも聞きますし、生活がさらに厳しくなり、生活保護へと追いやるなどは許せません。

C本市も、滞納者に対して国に言われるままに制裁措置を講じており、本市の、国保資格証明書を879世帯1,109人、国保短期保険証を1,605世帯、2,644人に発行しています(2014年11月25日現在)。病気になれば、資格賞発行者にも弁明書の提出を求めて、短期証を発行して病院受診できるようにはしていますが、この対応を認識できていない方は、命を脅かすこともあり得ます。滞納した国保税の自主納入を丁寧に指導すべきであり、制裁措置としての資格証明書や短期証の発行は中止すべきです。答弁を求めます。

●資格証による受診抑制が必ず起こります。一人あたりの受診回数は、正規保険証は7・7回に対し資格証は0・8回と、約10分の1です。今回の厚生労働省の調査で、政令市でも全国の1791自治体のうち、約3割の551自治体が資格証発行ゼロと改善が進んでいることも明らかになりました。広島市や埼玉市などのように、政令市でも発行していない自治体もあります。
生命と基本的人権にかかわる問題として、資格証発行を一刻も早くやめるべきです。

D安倍・自公政権は開会中の通常国会で、国保の広域化法案を提出する準備を進めています。国保広域化の狙いは、過酷な滞納制裁や無慈悲な給付制限をやりやすくし、収納率の向上、保険料の引き上げを狙ったものであり、「老いも若きも負担増」と言われています。
 全国知事会は、合意をしたものの「被保険者は低所得なのに国保税が高い」この国保の構造問題を温存したままの都道府県単位化に強く反発をしてきました。国保問題は今日、貧困問題になっており、その点から国保の改善に取り組まなければならない時期にきています。
 国保が保険税高騰と財政窮迫の悪循環から抜け出せなくなっているのは、国庫負担が抑制されるもとで貧困が拡大したからです。この矛盾を抜け出すためには、国保税を軽減して「払える人を増やす」しかありません。
そこで伺います。構造問題を温存したまま、国保の広域化は非常に問題があります。国保の広域化は、結果として国保税の引き上げを招くので国や県に反対の声を上げるべきです。見解を。

4、生活保護行政の改善について

@ 生活に困窮し支援が必要な市民に丁寧な相談支援体制を確立することは重要です。生活保護の申請・面接時に、申請権を尊重することは当然ですが、他法他施策の活用が可能と判断した場合、関係窓口に丁寧に案内するなどの連携が図られているでしょうか。
全国では、生活保護の申請を受理してもらえなかったために、餓死したり自殺したりする不幸な事件も全国では起きていますので十分留意すべきです。見解を。

A 保護申請は受けたが手持ち金など資産活用が可能などの理由で保護開始決定に至らなかった場合、その後の相談者にどのような援助が行われているのでしょうか。一人暮らしの高齢者など、その後の安否確認が必要な方は、民生委員や地域包括支援センターに連絡して見守りの支援をしているのかどうかお聞かせください。なお、新年度から、社会福祉協議会に委託して社会福祉課窓口でスタートする生活困窮者自立支援事業として行う、相談支援・就労準備支援、家計相談事業、学習支援事業、一時生活支援事業について、どのように生活保護行政と連携されるのでしょうか。決して、生活保護の水際作戦とならないように留意すべきと思いますが、それぞれお答えください。

B 保護申請を受理した場合、申請者が扶養義務者への調査への配慮を求める場合がありますが、どのような対応をしているのでしょうか。

C 申請時に、通院移送費や家具什器や寝具などの一時扶助など各種扶助制度の説明及び活用方法を十分行っているか。

D 生活保護の開始決定後の、毎月の扶助費の給付決定書を、被生活保護世帯の方が分かりやすい内容にすべき。アルバイトなどの収入認定額や移送費の支払いなどの内訳の詳細を表示すべき。

E 本市のケースワーカー一人あたりの保護世帯軒数は84件で国基準はほぼ満たしていますが、生活指導や相談を受け、扶助費の給付事務などで多忙を極めています。負担軽減が必要です。さらに、被保護者との信頼関係を作るためにも、ケースワークを行う上での言葉使いや態度を含めて資質向上が必要です。上から目線ではなく、暮らしの実態を把握し被保護者に寄り添い、丁寧な生活指導を行うべきだと思います。適正なケースワークのためにも負担軽減のための増員と研修強化が必要と思うがどうか。

●安倍政権は12年末の政権復帰直後から生活保護費の大幅な削減を続けています。最初に手をつけたのが食費や水光熱費などにあてる生活扶助費削減です。13年度から15年度にかけて総額740億円を段階的に削減する計画を立てて、現在実行中です。この削減計画は、利用世帯の9割以上が減額の対象になるなど過去最大規模で、月2万円も削られる子育て世帯がでるなど深刻な被害を広げています。
 利用者に苦難を強いている最中だというのに、新たに持ち出したのが住宅扶助費と冬季加算の削減です。住宅扶助費は15年度から18年度まで総額190億円(15年度は約30億円)削り、冬季加算は今年11月に約30億円削る計画です。
安倍政権の生活保護攻撃は、保護費削減だけでなく、保護申請の制限を狙った生活保護法改悪など全面的です。15年度政府予算案では生活保護の国庫負担を14年度当初比で188億円も減らしました。減少に転じたのは07年度の第1次安倍政権の予算以来です。
 貧困率が悪化し、生活保護利用者が増加しているなか、「最後の安全網」であるべき生活保護の機能をいったいどこまで壊すのか。多くの受給者が不安を抱いております。
 昨年の4月から、消費税8%増税と円安で、水光熱費、食料品はじめ生活必需品の値上げラッシュは、厳しい生活に拍車をかけるばかりです。市として生活保護受給者世帯の深刻な実態を把握して、国に対して生活保護基準の見直しを求めるべきです。安倍政権による社会保障破壊の逆行を許さず、憲法25条にもとづく「人間らしい生活」が保障される政治への転換が重要です。生活保護行政の後退は、多くの福祉施策に連動し国民全体の社会保障水準を引き下げますので、現場から制度改悪をやめるよう声を上げていただきたい。このことを強調して、質問を終わります。

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