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議会報告

2015年6月第2回前橋定例市議会議案反対討論・賛成討論(長谷川薫市議会議員)【2015/7/1】

 2015年第2回定例前橋市議会議案反対討論(2015年6月23日・長谷川薫) 

 私は日本共産党前橋市議団を代表して、議案第68号、第70号、第78号、第87号、報告第2号、の5件について反対の討論を行います。

 最初に議案第68号、「前橋市個人情報保護条例の改正について」です。

 本条例は、本市の情報システムをマイナンバー制度に対応させるため、個人情報の取り扱いなどを定める条例改正であり反対であります。
 国はいよいよ10月に全国民に個人番号をつけ、来年1月からはICカードの交付を始める予定であります。本市でも、交付開始に向けて準備が進められております。
 しかし、このマイナンバー制度は、国民に利便性が向上すると説明していますが、ひとたび個人番号が漏えいすれば、個人情報のほとんどが一気に漏洩することになります。先月発生したサイバー攻撃による日本年金機構の125万件もの年金情報の大量漏えいは、セキュリティに万全ということはありえないことを示した事件であります。個人情報を保護するためには、できる限り各種情報を分散管理し、仮に不正や情報流出があったとしても被害を最小限に抑えるようにするのが行政の最善の備えであります。
 さらに、今回のマイナンバー制度のシステム導入費用は、国と地方で合わせて1兆円規模であり、IT企業の巨大市場となっています。国が導入を急ぐ最大の目的は、民間金融機関などにもマイナンバーの活用を拡大して、国民の所得や資産を効率的に把握し、税や社会保障分野などの徴収強化と社会保障の給付抑制であります。わが党は、以上の理由からマイナンバー制度そのものに反対であるとともに、その実施にかかる国庫負担金を国が充分出さず地方自治体に負担させるやり方も問題であり、制度導入を前提にした本議案に賛成することはできません。

次に、議案第70号「前橋市児童福祉施設の整備及び運営に関する基準を定める条例及び前橋市家庭的保育事業等の設備及び運営に関する基準を定める条例の改正について」です。

 そもそもわが党は、保育体制が不十分で子どもへの安全が確保できない恐れがある小規模保育の制度化に反対を主張してきました。本市は、現行の認可保育所や認定こども園などの充実で対応し、家庭的保育事業等は認可しないという方針であり、条例改正は急ぐ必要はないのではないでしょうか。
 本条例改正案は、乳児4人以上を入所させる保育所の職員配置基準に、当分の間、保健師、看護師に加えて准看護師を、1人に限って保育士とみなすことができる規定を追加するものです。国の基準改正への準拠ですが、は医療の専門知識を持つ看護師を保育士の配置基準に加えて配置するものではありません。実質的には保育士配置基準の引き下げであり、保育環境の低下につながりかねません。子どもの成長と発達を保障するためには、何よりも子どもの発達に関する専門知識を持つ有資格者である充実した保育士配置が重要です。不足する保育士の人材確保には保育士のさらなる待遇改善を行うことが必要です。以上の立場から本条例改正議案には反対であります。

次に、議案第78号「前橋市立学校設置条例の改正について」です。

 桃井小学校と中央小学校の統廃合のための改正であり反対であります。

 反対の第一の理由は、教育委員会の進め方が問題であります。当初は特に中央小の保護者から「小規模校だからこそ一人ひとりの子どもの様子がよくわかって、きめ細かい教育が実現できるのではないか」とか「地元の声を聞くといいながら結論だけが押しつけられているのではないか」などの意見が出されていました。
 関係する地元自治会では、統合に賛成派と反対派の対立は避けるべきとの立場から、保護者から出されるこうした疑問に対して、統合のメリットを教育委員会から保護者や住民に説明をしてほしいという姿勢が強まったことは事実であります。
結果として教育委員会の対応は、住民の間に「統廃合した方が子どもの教育環境が良くなる」「老朽化した桃井小学校の建て替えやコミュニティーセンーの設置がすすむ」の統合への期待感を保護者や地域の方々に強く抱かせたことになったのです。  

 反対の第二の理由は、いまほど一人ひとりの子どもたちに、目も心も行き届く教育が求められている時はないのに、学校規模を拡大は、決して「子どもたちの教育条件の整備」にならないからです。
 教育委員会が統合を進める理由は、学校規模が小さくて子こどもの教育条件が悪いということです。しかし、子どもも教職員も名前はもちろん人柄もよく知り合い、一人ひとりが個性を発揮して活躍できるのは小規模校です。文科省の言いなりになって、「小規模校は競争がなく、活力がない。人間関係が固定化し切磋琢磨ができない」などと説明しながら、小中学校を統廃合して学校規模を大きくしようとしている国は、日本以外にありません。
 世界の国々では「小さな学校」「小さなクラス」が当たりまえになっています。21世紀の世界で求められる学力を身につけるためには、「少人数のクラス」「小規模の学校」の教育効果が高いことが立証されているからであります。WHO、世界保健機構は、様々な調査研究を集約し、学校は「小さくなくてはいけない。生徒100人を上回らない規模が適切」と各国に報告しています。
 今年度の桃井小学校の新入学児童は2クラスで34人、同校の総児童数は241人です、同じく中央小学校が2クラス34人、総児童数は172人であります。いずれも欧米では基準を超えた大規模校で不適切という位置づけになります。
 日本の教育学者が参加する学会でも、「学校規模が小さくなると教育効果が下がる」などといった研究データは一切ありません。むしろ大規模になればなるほど、いじめや 不登校、校内暴力、学級崩壊等が発生しやすくなるという研究報告の方が数多く発表されております。学校規模がどうあるべきかについては、もっと広い視野からの議論が必要であります。

 反対の第三の理由は、表向きは教育長も否定していますが、2校の統廃合は文科省が狙う経費削減を目的としているとしか考えられないからであります。
2校が統合すれば学校運営費が減額し、職員定数削減で、人件費が抑制されます。明らかに、教育リストラであります。
中央小学校の保護者から出された意見には、「小規模校は専科の教員や教師の数が少ないなどというが、教員を増やすことこそ必要だ。ただ教育予算を削るための統合ではないか」「お金のためではないというのならば、小規模校のモデル校として一層充実させるべきではないか」「中央小学校の1年生は2クラスになっている。全学年の30人学級を実現すれば2クラスを6年生まで維持できるのではないか」などの疑問はいまだに解決されていません。
いじめや不登校など子どもたちをめぐる問題を「学校規模」の問題にすりかえて、学校の統廃合を進めることは、子どもたちの健全な成長発達を保障するものとならないばかりか、地域が求めている学校づくりにもつながらないことはあきらかであります。
前橋市が進める小規模校切り捨ての学校統廃合は、教育条件の充実を願う多くの市民の期待に背を向けるものであります。
「教育条件の整備」を推進するのならば、今こそ全学年の30人学級の早期実現や教職員の定数増、教員の多忙感の解消、学校施設の改善・充実、保護者負担の軽減などさまざまな条件整備をこそ最優先で行われるべきです。日本や前橋市の将来を見据えて、詰め込み教育や競争教育、管理教育による子どもたちや教職員の苦しみを改める教育行政です。
 子どもたちに不安を与え、地域に不必要な軋轢を生み出して進める、小規模校の統廃合を前提とする「小中学校の適正規模・適正配置基本方針」は、撤回すべきです。

 また、大胡幼稚園と大胡東幼稚園の統廃合にも反対です。合併前の大胡町が幼児教育の充実をめざして整備した幼稚園を、包括外部監査の指摘などを受けて、経費削減を最大の目的に統廃合方針を進めてきたことは明らかであります。旧大胡町は私立の幼稚園がないために、平成16年に入園者希望者が300人を超えたために分割した2園をわずか10年しか経過していないのに、2園をそれぞれ存続させる立場で充実させるのではなく、充実検討委員会を立ち上げて教育委員会が率先して統廃合を推進したことは認めることはできません。今年度の大胡幼稚園の入園希望者が14名まで激減したことは当然の成り行きですが、同時に大胡東幼稚園も60名定数に対して入園児が30人まで落ち込んだのは、教育委員会の幼稚園教育への消極的な市政が市民や保護者に反映し、先行きが暗い幼稚園への入園を敬遠した結果であります。
 以上のことから、本議案に賛成することはできません。

次に、議案第87号「前橋総合運動公園拡張用地の買い入れについて」です。

 わが党はかねてから、拡張規模が過大であると指摘してきました。現在の公園内の運動施設の老朽化に対応するリフォーム工事を優先し、利用者への利便性を向上すべきです。また、不足する駐車場も現在の公園内の樹木の整理などによって確保できる。さらに、サブグラウンドなどは、近隣の下増田運動広場などの活用が可能と提案してきました。また新たなスポーツ施設を拡張整備すれば、その後の維持管理費も当然増額し後年度の負担が重くなることも指摘してきました。それにもかかわらず、防災公園機能を高めるなどと説明しながら当初計画通りの14.6fもの用地買収を続けてや野球場などを整備することを認めることはできません。

報告2号「前橋市国民健康保険税条例の改正の専決処分について」です。

 今回の改定は、国の法改正に伴い、高所得層の負担増で中間所得層の負担を軽減するというものですが、本市が「高所得層」としている世帯は、自営業者や年金生活者が主であり、最高限度額は4万円引き上り、年間85万円の負担となります。昨年度の本市の国保会計は約10億円程度の黒字決算が見込まれ、国が示した最高限度額引き上げ方針に昨年度に続いて追随する緊急性はありません。したがって専決処分を承認することはできません。
 そもそも、こうした一部の世帯の負担増だけでの対応では、国保税が高すぎることを根本的に解決することはできません。生活困窮を原因とした国保税滞納者の生活実態も配慮しないまま、年金や給与が振り込まれた預貯金を強権的に問答無用で差押える本市収納課による過酷な収納行政もいまだに改善されておりません。このような状況が続けば、本市でも、お金がない、正規保険証がないために病院に行くことができずに、病気の重度化を招き、いわゆる「手遅れによる死亡者」を出しかねません。市民のいのちと健康、医療を受ける権利を守るために、国民健康保険税全体を引き下げるべきであります。
 構造的な問題をかかえる国保の財政基盤強化は必要ですが、それならば国保税の引き上げではなく国庫負担を抜本的に増やすべきです。今、国保医療費に占める国庫負担は25%にすぎず、50%だった1984年の水準の半分です。国保財政問題を解決しようとすれば、これをもとに戻すべきです。
 さらに、国の責任を問わずに、県単位で支え合う仕組みである国保の広域化、「県単位の共同事業の恒久化」は、認めることはできません。

以上5件に対する反対討論と致します。 


 続きまして日本共産党前橋市議団を代表して議案第71号と報告第1号の2件について賛成の討論を行います。

最初に議案第71号「介護保険条例改正について」です。
 
 改正内容は、非課税世帯の低所得者に関わる第一段階の方の介護保険料を基準額の0.45%を0.4%に引き下げ、年額で3500円の軽減となる改正であり、賛成であります。
今年度から3年間の本市の第6期介護事業計画では、介護保険料の基準額月額4825円を一挙に、958円、率にして19.9%も引きあげて5,785円にしたために、高齢者は年間総額約11億円の負担増となっており、第一段階の方も、軽減幅を引き上げたとはいえ、昨年度までの第5期事業計画より年額1,700円の引き上げとなっています。
 現在の介護保険制度は、サービス給付に関わる費用は、利用者負担を除いた費用の半分だけしか国と自治体の公費負担がないために、介護サービスの利用者が増えると、介護保険料や利用料の負担増になります。

 いま本市の高齢者の3人に2人は住民税非課税であり低所得者であり、介護保険料の負担が生活圧迫の大きな要因となっています。市当局は国に向けて、公費負担割合を増やす制度の見直しと社会保障予算の充実を求めるとともに、一般会計からの繰り入れも行い、第2段階以降の方の軽減策も含め、本市独自の介護保険料軽減策の実施などさらなる努力を求めておきます。

次に、報告第1号 「市税条例等の一部改正の専決処分について」です。

 本条例の改正点の第1は、グリーン化特例についてです。平成27年度4月1日から平成28年度3月31日までに購入し、最初の新規検査を受けた軽自動車で、排出ガス性能及び燃費性能の優れた環境負荷の小さいものについては、軽自動車の税率を軽くするグリーン化特例が導入されたものであり、車種によって異なりますが900円から8,100円の幅で軽減されており賛成であります。
 改正点の第2は、原付バイクの増税が、平成28年4月実施となり1年延期されるものであり賛成です。
軽自動車税は毎年4月1日現在、軽自動車やオートバイの所有車に課税されます。当初、平成26年度税制改正により平成27年度課税から税率の引上げを実施する予定でしたが、平成27年度税制改正により実施期間が1年間延期されました。従って、平成27年度の税率は、平成26年度と同額のままとなりました。
 市町村税の軽自動車税は『庶民の生活の足』への課税であります。消費税の増税などで、軽自動車等を取得する際の購入価格も引き上がっているとともに、サラリーマンの実質賃金も物価上昇によって減り続けているだけに、市当局は国に対して軽自動車税の増税の中止を働きかけるとともに、少なくともグリーン化減税の恒久化と増税の延期期間を更に延長するように、国に要望するよう求めておきます。 

以上、2件についての賛成討論を終わります。

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