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議会報告

第3回定例会総括質問・近藤好枝1、大規模木質バイオマス火力発電施設建設の問題点について2、乳児から青年までを対象とする全庁横断的な子育て教育総合支援センターの創設について【2015/9/9】

1、大規模木質バイオマス火力発電施設建設の問題点について
(1)エネルギーの地産地消に反する大規模施設計画(環境部長)

@新エネルギーとしての木質バイオマスも含めて福島原発事故を受けて、原発に代わる新エネルギーとして積極的な取り組みをすべきと考えます。本市でも太陽光発電は市の事業としても堀越や中ノ沢、荻窪で実施されています。
しかし、宮城地区の自然豊かな千本桜並木のすぐ隣に突然降ってわいた大規模な木質バイオマス火力発電建設は多くの問題があります。電力中央研究所赤城試験場の一角の用地を買収して株式会社関電工と製材会社のトーセンが計画している間伐材などを燃やして蒸気を起こして発電する火力発電所は大規模すぎる施設です。そもそもバイオマスは木質・畜産糞尿・ごみなどの原料を調達しなければ成り立たない点で、太陽光や風力・水力と根本的な違いがあります。
荻窪町太陽光発電所にたとえれば、発電出力815キロワットの8倍、面積では荻窪のあいの山の湯も含むアジサイの丘など整備されている施設のすべてに太陽光パネルを設置するのと同じ出力、6700キロワットです。原料となる間伐材は年間8万トン20年間で160万トン、前橋市の間伐材すべて使っても市の資料によると年間2,237トン20年間で計算すると45,000トンにすぎません。この35倍の原料を調達し燃やし、24時間煙をはきだし続けます。しかも、市民がごみとして清掃工場に出す剪定枝の受け入れはできません。まさに、大企業の利益のために建設される施設ではありませんか。本市の地産地消に反する大規模な計画ではないかと考えますが見解を伺います。


反論
木材を燃やす火力発電は固定買い取り制度によって大規模になるほど大きなビジネスチャンスになっています。このため、全国で一気に100か所近くの大規模バイオマス火力発電所が計画されているということです。原料をかき集めるため、今まで森林に捨てられていた間伐材だけでなく、燃やせる木は木材に使われる木までも規制されず燃やせるため、山全部が伐採されて原料にされる、はげ山が次々にできると警鐘が鳴らされています。
 まさに、今問題になっているメガソーラー発電建設のため、山を伐採し急傾斜地に次々と建つなど自然を破壊し災害を招くという深刻な問題が起きる可能性があります。こういう認識を持つべきです。

A次に木質バイオマスの理念から逸脱している問題です。燃料の調達・加工・運搬の工程で排出するCO2が大きく上回ることです。10tトラックで毎日30台前後、焼却灰の搬出車両を後合わせると1年間で発電所に出入りする車両は10,000台近くになり、宮城地域を行きかうことが予想されます。燃料を長距離輸送するとガソリンの燃焼からCO2を多量に排出します。栃木県や埼玉県、長野県と100キロを超える遠くの地域から搬入することよって燃料輸送からの二酸化炭素の排出増加というバイオマスの特性が生かされずに膨大なCO2を増加させることになります。バイオマスはできるだけ狭い地域の中で燃料調達から発電まで行うことが、欧米などの先進国の教訓からも当然であると考えますがいかがか。

反論
CO2を大量に増加させる事業はバイオマスとは根本的に違いのあるものです。改めて指摘しておきます。


(2)放射能汚染・騒音問題(環境部長)
@次に放射能汚染問題です。清掃工場であれば環境影響調査を行い、煤煙や煤塵、飛灰などが排出されることによる影響や土壌汚染、地下水汚染、動植物に打与える影響、施設が与える景観や環境など多角的に調査をし、十分な対策を行うことが前提です。しかし、この施設は赤城山の豊かな自然や動植物が住む環境でありながら、法律に定められた環境影響調査の対象ではありません。しかも福島原発事故により放射能が福島から北関東の山間部にまで広く拡散しています。これらの放射性物質が木の皮に沈着し、汚染された間伐材を燃やすことにより、放射能の2次汚染や焼却灰への汚染問題が起こります。今回の発電事業の間伐材等は高濃度に降り注いだ福島地域のすぐ隣の栃木県の山林や群馬県でも北部や吾妻地域も含まれています。放射能汚染は24時間燃やし続けることによって、煙突から多量の煙が排出され赤城山周辺や、赤城山にぶつかった煙は前橋地域に降り注ぐ深刻な放射能の2次汚染が心配されます。
岩手県のある製紙会社では燃焼した灰から1万ベクレルを超える放射能が検出され、産廃としても処分できない、セメント会社にも売れない、周辺住民から大きな不安が起きるなど深刻な問題となっています。
放射能汚染の高い木材が燃やされても焼却灰の処理に対する規制であり、間伐材に対する規制はありません。このような問題があるため放射能汚染された木材を大量に燃やすべきではないと考えるがいかがか。

反論
企業の自主検査に任せる旨の答弁ですが、この事業所は4月のある日、突然の爆音をとどろかせ、井戸の試験掘りを行いました。しかし、一切の説明なく突然実施たのです。現在でも経済産業省や前橋市の開発許可事前申請は出されているにもかかわらず、地元住民にはどんな施設が建設されるのか詳細な情報は示されていないのがこの間の事業者の対応です。今後も安全を担保する客観的な保障はありません。



A次に騒音被害などの問題です。当該施設の隣接地には100軒の住宅団地があります。1日300トンもの間伐材が運ばれるので、大型車両の行き来や焼却灰の運搬車両の騒音や二酸化炭素の排出による環境汚染、併設する木材チップ工場での重機の振動音やクレーンの音。破砕する騒音、24時間稼働の発電施設から水蒸気を回すタービンの騒音や振動、低周波、こうこうと光る灯りはまさに不夜城になり、近隣住民への被害は計り知れません。製材会社のトーセンが経営している栃木県那珂川町の2500キロワットの発電所でも行きかう10トン車両での騒音や振動、木材の重さで道路が陥没する、500メートルも離れた住宅団地にまで騒音が響いて大きな被害を受けています。該当する宮城苗ケ島地区には騒音の法的規制の対象外になっていることも問題であり、建設地として適地ではないと考えるがいかがか。

反論
木材を破砕するチップ工場は住宅地との間に塀を設置するようですが、この程度の対策では防ぎきれません。車両の出入りや振動対策は全くできないのです。

(3)住民意思の尊重(政策部長)
近隣住民は514名(8月26日現在)の署名を市長に提出、また群馬県にも陳情しました。赤城南面の豊かな自然や千本桜をはじめとする観光資源に恵まれた地域の環境を守っていきたいとの思いで、火力発電計画に対して、白紙撤回を求めています。今回の木質バイオマス火力発電は様々な生活や自然環境への負荷が伴います。工事に伴う騒音・振動、工事車両の往来、建設することによる騒音・振動、景観への支障、生態系への影響、有害物質汚染やCO2排出、原料の車両や廃棄物運搬車両の往来などの問題が起きます。これに対して事業者の説明責任を果たさせ、企業側に自主環境アセスを求めるべきと考えるがいかがか。
これらを含めて、本市として関電工及びトーセンに行政指導を強め、住民が求める白紙撤回の願いに応えるべきと考えますが答弁を求めます。


(4)前橋市の新エネルギー導入のあり方(環境部長)
@いろいろお伺いしてきましたが、企業と住民との問題であり、行政は積極的に関与しないとの問題ある答弁でした。
前橋市で新エネルギーを積極的に推進する上でも、行政が責任を持って進めるルールが必要です。高崎市では全国でも先進的な条例を今年4月1日から施行しました。この背景には、高崎市のシンボルである観音山の急傾斜地に巨大な太陽光発電計画が持ち上がり、住民から陳情があったとお聞きしています。名称は「高崎市自然環境、景観等と再生可能エネルギー発電設備設置事業との調和に関する条例」ですが、市長の許可、敷地境界から200m以内の住民対象の事業計画説明会、罰則規定もあります。該当地域の指定をしていて観音山・榛名湖・箕郷梅林周辺、市長特任など高崎市の保全すべき景観と環境地域をしっかりと位置付けています。しかも、事業計画中であっても対象になります。先に質問した地域でも赤城山の自然と環境を最も守るべき地域です。まさに今必要な条例ではないでしょうか。このような条例を作るべきではないか。

反論
行政の姿勢が問われています。企業優先の姿勢が表れています。お隣の高崎市にただちに行って研究してきていただきたい。地元住民の市民の願いに応えるべきです。

A今後の新エネルギーの導入にあたっては、地域外から購入するエネルギーを減少させ地域内経済循環ができるようにすることです。地域内で経済が循環し地域産業が活性化し雇用創出にも大いに貢献するまちづくり施策として位置付けるべきではないか。そのためにも、前橋市内の中小企業が運営できるのが新エネルギーであり、大企業や他地域の企業にゆだねないことです。
新エネルギーのありかたとして、上野村では定住対策としても林業振興に力を入れています。村の森林の素材生産に力を入れるとともに木質ペレット工場、オガ粉工場、木炭センターを作り、ペレットボイラーにして村内の温泉施設に設置。村営のきのこセンターで特産品を作り、ペレットによる180キロワットの小規模発電施設を作ってきのこセンターに送電しています。自治体が積極的に関与して住民とともに新エネルギーの活用で地域の発展に貢献しています。こういうものこそ本来の木質バイオマスではないでしょうか。いかがですか。

結論
本市の新エネルギー、バイオマスの在り方は自然環境や景観、環境保全に十分配慮して、地元のエネルギーを充分活用し地域の発展に貢献するものかどうかをしっかりと見極めるべきです。


2、乳児から青年までを対象とする全庁横断的な子育て教育総合支援センターの創設について
                 (教育長・政策部長)
私たちは乳児から青年までを対象とする全庁横断的な子育て教育総合支援センター「エールぎふ」を視察し本市にも反映したいと考えました。平成21年の6月に市長・教育長がリーダーシップを発揮して、いじめや不登校や発達障害など多様化・複雑化する子どもたちやその保護者に対して、教育委員会と福祉部、健康局が連携して総合的に対応・支援するための組織を立ち上げる方向性を確認し、平成26年度から子ども未来部を創設しました。これらの施策に学ぶべきと考えます。

@教育現場での課題(教育長)
本市では小学校入学時には5歳児検診や就学時検診などを重ねて特別支援が必要な子どもに対し、よりよい教育環境を保護者と相談しながら進めていると考えています。こうしたなか、特別支援教育の場面で時として子どもと保護者と教師との間に共通の認識ができず、合意できない場合があります。私のところにも、担任との意思疎通がうまく測れずに悩んでいる保護者から、学校や相談機関に相談してもなかなか改善されないとの相談がよせられています。教育委員会では学校・担任・保護者とのケース会議などを積み上げて、必要に応じて専門機関の助言を受けているなど努力されていると考えています。しかし、子どもの家庭状況や保護者の意識とのかい離などで課題を残すこともあるのではないでしょうか。これらの課題についてどのようにお考えでしょうか。また、オープンドアサポーターが不登校の中学校を卒業しても引き続き支援しているが、高校や高校を卒業してからから引きこもってしまった青年への支援が課題だと考えますがいかがですか。
先に紹介しましたエール岐阜では小学校・中学校を始め保育園や幼稚園などと連携しながら教育・福祉・健康の垣根を越えたワンストップで相談支援をおこない対応しています。全庁横断的な支援体制を作って対応し大きな効果が生まれています。本市でも各課が対応しながら必要に応じて連携していると考えますが、複雑化する現代社会が求める多様化する子どもたちの実態に合わせて対応する機関の創設が求められていると考えますがいかがか。



                  




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