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議会報告

第1回定例会・提出意見書(案)【2016/2/29】

TPP協定の国会批准手続きの中止を求める意見書(案)
                         日本共産党前橋市議団

 安倍政権は2月4日、国会での徹底した議論も国民への十分な情報公開もないままTPP協定に署名し、今国会での批准を強行しようとしている。
コメなど「重要農産物」は、174品目で関税を撤廃し、関税を残しても、特別輸入枠の導入や関税の大幅削減が明らかになっている。「重要農産物」は、「除外」するとした国会決議に明白に反するもので、全国の農協組合長の92%が「国会決議は守られていない」と答えている。「重要農産物」以外でも、野菜や果物、農林水産物ではほとんど関税が撤廃され、農林水産品全体の撤廃率は8割を超え、史上最大の自由化である。
TPP協定には、締結国は順次「関税を撤廃する」と明記されている。日本については、発効7年後にアメリカなど輸出大国から農産物の関税やセーフガードの見直し要請があれば、協議に応じる規定もある。「例外を確保」するどころか、「全廃」へのレールに乗ることにほかならない。ほとんどの農林水産物は、外国産との競争になげだされ、ごく一部を除いて成り立たなくなるのは必至である。
TPP協定の影響は経済や暮らしの広い分野に及び、アメリカとの事前交渉で、BSE検査の緩和や保険市場の開放などを受け入れ、TPPの本交渉では遺伝子組み換え食品の貿易拡大の促進、医薬品価格の決定に米製薬企業の意見を反映させた。このように、譲歩に譲歩を重ね、国家主権を脅かすISD条項も導入され、多国籍企業の利益を最優先し、国民の権利や国の主権を脅かすTPPの危険性はいよいよ明らかである。
しかも、アメリカでは大統領選が本格化し、実質的な審議は選挙後になるとみられ、大統領候補のほとんどが「反対」を表明しており、批准できるか不透明である。カナダ政府も「署名はするが批准はわからない」と述べており、関係各国では批准反対の声が広がっている。どの国も政府が署名したからといって、ただちに批准とはならない。アメリカか日本が批准しなければ要件を満たせず、発効できないのである。
よって、国においては、TPP協定の国会批准手続きの中止を強く求めるものである。

以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。




経済政策「アベノミクス」からの抜本的転換を求める意見書(案)

                       日本共産党前橋市議団
 いま、安倍政権の経済政策「アベノミクス」が、中小企業の経営や国民生活を脅かし、貧困と格差をいっそう拡大している。内閣府が発表した2015年10月から12月期の国内総生産GDPは、年率で実質マイナス1.4%となった。最大の要因は個人消費の落ち込みであり、第二次安倍政権発足直前の2012年10月から12月期は308兆5千億円が、直近の2015年10月から12月期には304兆5千億円となり、4兆円も減少した。
 個人消費落ち込みの原因は、実質賃金の減少である。今、労働者の賃金が多少上がっても、消費税が8%に引き上げられたことによる物価上昇によって、実質賃金は3年間で5%も下がっている。
 また、総務省が発表した直近の労働力調査によると、3年間で正規雇用は3,330万人から3,307万人に23万人減少し、同時期に非正規雇用は1808万人から1980万人に172万人増え、雇用不安が消費抑制の大きな要因ともなっている。
 このように、大企業を応援すれば経済全体がよくなるというトリクルダウン政策「アベノミクス」はすでに破たんしており、日本銀行の当座預金をマイナス金利にするなどの金融政策だけでは日本経済が改善しないことは明らかである。いま、政府が行うべき経済政策は、何よりも家計を温め、日本経済の6割を占めている個人消費を拡大して、経済の好循環を作り出すことである。
 よって、国においては、貧困と格差をただし、暮らし最優先で日本経済の再生を図るために、下記事項を実現するよう強く要望する。

1 来年4月から実施を決めている消費税10%増税を中止する。
2 大企業への行き過ぎた減税を中止する。
3 社会保障の削減をやめて充実への転換を図る。
4 非正規雇用など不安定雇用の拡大をやめ、人間らしく働ける雇用のルールを確立する。
5 環太平洋連携協定(TPP)から撤退し、経済主権を回復する。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。



政治資金パーティー券も含め
企業・団体献金の全面禁止を求める意見書(案)

日本共産党前橋市議団

 甘利元経済再生大臣の「口利き」疑惑によってあらためて企業・団体献金の害悪が浮き彫りになっている。甘利氏本人と関係者らの証人喚問と真相究明とあわせて、企業・団体献金の全面禁止が問われている。
 甘利元大臣は、口利きを依頼した建設会社側からの現金受け取りは認めたものの、自ら代表を務める政党支部で「政治資金として適正に処理した」と弁明している。
しかし、甘利元大臣が法違反していないとしても、自らが代表を務める政党支部、政治資金の受け皿団体である資金管理団体「甘山(かんざん)会」、政治団体「通商産業政策研究会」の3団体で2011年から14年の4年間に得た企業・団体献金とパーティー券収入は総額5億円を超えている。
政治家と企業が癒着した金権政治が大問題となるなか、2000年から政治家個人への企業・団体献金が禁止された。しかし、政党本部や政党支部への献金は認められ、なかでも政党支部は政治家が企業・団体献金を受け取る“新たな財布”となってきたのである。
 安倍政権でおきた「政治とカネ」問題で辞任した西川公也元農水相も、自ら代表を務める政党支部が、国からの補助金を受給していた団体から献金を受けていたというものである。
 2014年の政治資金収支報告書によると、自民党本部の政治資金団体「国民政治協会」は26億円以上の企業・団体献金を集めている。日本共産党以外の政党・政治団体が集めている企業・団体献金は年々増え、政党支部も含めて100億円となっている。
 企業・団体献金以外に、政治資金パーティーの収入も3年連続増加し、政党本部・政党支部などを含めた収入総額は187億円で、企業・団体献金の総額の2倍に及んでいる。政治資金パーティーは、企業・団体にパーティー券を購入してもらい政治資金を集めることによって、形を変えた企業・団体献金となっている。
 よって、国においては政治をゆがめ、政治の堕落をゆるす企業・団体献金はパーティー券も含め全面禁止を強く求めるものである。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。



若者も高齢者も安心できる年金制度の実現を求める意見書(案)
                            日本共産党前橋市議団

 これまで年金は物価(賃金)上昇に合わせて改定されてきたが、2004年の年金法の改定でマクロ経済スライドを導入し、物価(賃金)が上がっても年金の引き上げを抑制し、実質削減・目減りする仕組みが作られた。
 その上、厚生労働省は、「少子化」と「平均余命」の伸びを理由に「マクロ経済スライド」を使ってこの先30年間も年金を下げ続けることを見込んでおり、この仕組みをデフレ経済下でも適用できるように法改正も狙っている。
 年金の実質的な低下は、消費税増税、物価上昇、住民税、医療・介護保険料の負担増のもとで高齢者・年金生活者にとっては、生きる糧としての食生活さえ切り詰めざるを得ない深刻な状態をもたらし、憲法で保障された生存権を脅かしている。
 年金の削減は高齢者だけの問題ではなく、低賃金の非正規雇用で働く労働者が約2,000万人にも増大し、年収200万円以下のワーキングプアが約1,100万人を超える異常な状態となるなか、「将来の年金生活者」にとっても大変深刻な問題である。
 いま若者に必要なことは、非正規雇用から正規雇用への切り替え、最低賃金の大幅引き上げであり、現在と将来の生活に明るい見通しを示し、非婚・晩婚・少子化に歯止めをかけることである。
 年金は、そのほとんどが消費に回ることになる。年金の引き下げは、地域経済と地方財政に与える影響は大きく、自治体の行政サービスにも直結する問題となっている。年金が増えれば地域の消費も増え、地方税収が増加し、高齢者の医療や介護の負担も低減できる好循環になる。多くの高齢者が、地域で安心・安全・健康で長生きできること、地域のつながりと街づくりに貢献できることを願っている。
 よって、国に対し下記事項をすみやかに実現するよう強く求めるものである。



1 年金の隔月支給を国際基準並みに毎月支給に改める。
2 年金を毎年下げ続ける「マクロ経済スライド」を廃止する。
3 全額国庫負担の「最低年金保障制度」を早期に実現する。
4 年金支給開始年齢はこれ以上引き上げない。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

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