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議会報告

大規模木質火力発電所建設計画の問題点について・近藤好枝総括質問3月10日【2016/3/23】

(1)環境破壊から赤城南麓を守る考え
@国県の予算化の撤回を求めること(政策部長)
「赤城山の環境と自然を考える会」と「赤城南麓の環境と子供を守る会」をはじめとする市民が放射能汚染などを引き起こす大規模火力発電所建設に対して、環境破壊から赤城山を守りたいと白紙撤回を求める陳情書は7000名を超えています。私は市民の切実な声に真摯に応えるべきと考えます。このような中、国と群馬県は事業者に対して該当施設の火力発電用のチップを供給する製造施設への木材の集荷施設整備に対して4500万円の追加補助を予算化しています。住民の声を事実上無視して強行する重大な問題と言わざるを得ません。本市は県に対して、住民の意向を尊重し予算化は止めるように求めるべきと考えますがいかがか。

A放射能汚染への危険性の認識(環境部長)
12月議会では福島原発事故により、放射能汚染された群馬県や栃木県の森林の木材の放射線量測定と濃度の高い放射能汚染木材の持ち込みを排除できないと私は述べましたが、引き続き重大な問題は解決していません。放射能汚染問題では、
1つは汚染された木材をチップ化して燃やす火力発電問題です。生木をチップ化して1メートル4方の巨大な油圧機で圧縮し、水分を抜く、その際絞られた廃液の中に放射性物質が溶けて浸透桝にためられ、そのまま地下浸透し地下水汚染をもたらす危険性があります。
2つは流動床式焼却炉で渇からになったチップを高温の砂と混ぜて燃やしてその熱でタービンを回すわけです。チップに付着している放射性物質セシウムは少なくとも200度で気化する物質です。バグフィルターを設置しても個体は補足できても気化したものはフィルターを通り抜けて空気中に飛散し放射能の2次汚染をもたらす危険性があります。
3つは燃焼灰です。燃やすと全体総量の10分の1程度の灰が出ます。放射性物質を含む灰は最大280倍にまで濃縮されるため、8000ベクレルを超えると特定廃棄物になり、高濃度放射性廃棄物となり処理は難しくなります。この灰を飛散しないために水処理すると福島第一原発で最大の問題になっている汚染水を作ることになります。この水はどのように処理するのか全く明らかになっていません。特徴的な放射能汚染の危険性を述べましたが、当局はこの危険性をしっかりと認識されているのか伺います。

B騒音や振動、低周波などの環境破壊(環境部長)
宮城地区に建設予定の発電所からは木材チップの容積圧縮機、木材破砕機からの騒音、タービンが回転音、送風機の回転する騒音、など様々な機械から80デシベルから110デシベルを超える騒音、たとえると自動車のクラクションを鳴らし続ける音と同等の騒音が常時発生する可能性があります。敷地境界に遮音壁を立てても、今までの静寂は戻りません。
市は今回の火力発電施設建設に当たって、当該地域に第2種区域として新たな基準を設ける予定です。明らかに、騒音公害が深刻になります。
また、送風機やタービンから発生する音の高さを表す1ヘルツから100ヘルツ以下の音つまり低周波が発生します。長期間、低周波音にさらされていると、頭痛、不眠、動悸(どうき)、耳鳴り、食欲不振などがおこるといわれます。
いろいろ検査をしても、原因となる異常は見つからず、低周波音のない環境に行くと、うそのように症状が消えるという深刻な公害です。これらの環境悪化についてどのように認識されていますか。

Cそこで、本市行政としても実証実験することが求められています。(環境部長)
前橋工科大とも連携して、放射能汚染に対する検証では、バグフィルターの補足実験を実施する。那珂川のバイオマス発電所からの焼却灰の放射性物質検査を市として行う。工科大に設置している非破壊検査機器を利用して木材の圧縮によるしぼり汁に含まれる放射性物の値を図るなど、本市の関連施設で実証実験できるものも、工夫すればかなりできると考えます。これくらいは当然実施すべきと考えますがいか。
D都市から移住してきた住民への魅力の喪失(政策部長)
本市は人口増加対策として、関東圏などからの移住に力を入れていますが、該当する地域は千本桜や赤城山の自然環境に魅力を感じて、移り住み永住されている方が増えている地域で、すぐ隣には100軒余りの住宅団地に関東圏からだけではなく日本全国から移住してきています。地域に慣れ親しみ、自治会にも入り楽しく元気に生活していました。にもかかわらず、放射能汚染や騒音振動、低周波などの深刻な環境悪化にさらされようとしています。精神的にも大きなダメージを与えられています。前橋市が誇る赤城山のみならず、移住支援への大きなイメージダウンだと考えますがいかがですか。本気で、環境破壊問題を解決すべきと考えますがいかがですか。

(2)規制条例
@規制条例の内容(都市計画部長)
該当地域ではすでに、進入路の工事が終わり、造成工事もめどが付き、景観条例に基づく事前協議と発電所建設のための建築確認申請が提出される段階に入っています。市長は「会」の皆さんとの懇談の席で住民に寄り添って白紙撤回の立場で条例を創りたいと述べているわけです。今、市当局がただちにアクションを起こし条例を創るのかかが問われています、いかがですか。

A住民が行政と共に参加し、監視することもポイントだと考えます。そこはいかがですか。

B白紙撤回のための規制(市長)
市長に伺いますが、昨日の代表質問に対する答弁に施設建設の白紙撤回はできないという条例になっているということです。火力発電所施設建設が前提の規制条例制定では住民の願いに答えることはできません。この建設予定の施設は、自然エネルギーの施設ではないのです。本来のバイオマスの活用は熱利用が主で発電はその余力で行うことがベストで、ヨーロッパなどの自然エネルギー先進地のバイオマスは熱利用で活用されているということは十分承知していると思います。しかし、苗ケ島の発電施設は大規模な放射能汚染・騒音・振動・低周波など公害をまき散らす有害な物質をまき散らす公害施設なのです。今の国の法律では規制対象になっていない、新しい規制が求められる分野です。住民の不安が払しょくされるための条例ができるまでは、事業者に対して建設着工をしないように求めるべきです、いかがですか。また、発電施設の規模を縮小するようにも求めるべきと考えますが答弁を求めます。

C市長に伺います。改めて確認しますが白紙撤回はできないとのことですね。1月29日に「会」の皆さんが市長に会い、その後市長の対応について報告集会を開き、参加者からお聞きしました。「会」の皆さんは市長が白紙撤回することを約束してくれたと、市長へ大きな信頼を寄せていました。この約束つまり信頼関係を反故にするということですか。

(3)住民・事業者・行政の3者協議(環境部長)
私は昨年来、事業者説明会、住民の皆さんのご意見、市当局のお考えを伺ってきましたが、事業者の説明は一貫性がなく説明も大変不十分です。行政の指導や助言はどこまで行っているのか、不透明です。また、行政も環境・都市計画・政策・農政と多岐にわたり縦割り行政で、担当セクションでなければ状況も答えられない場面もあります。そこで、住民の不安や疑問をうけとめ、事業者・行政・住民さらに群馬県の担当課も交えて同じテーブルについて協議し合う機関が必要だと考えます。群馬化成産業の悪臭問題でも、これは群馬県ですが協議会を作って協議してきた実績もありますので、直ちに設置すべきと考えますが見解を伺います。

2、銅像建立の寄付金不足に対する市からの補てん問題について
 NHK大河ドラマ「花燃ゆ」に合わせて企画された、前橋市長を会長とする「楫取素彦と松陰の短刀」銅像建立委員会は群馬から生糸の直輸出を目指して渡米する新井領一郎へ、吉田松陰形見の短刀を託すシーンを表現する銅像を前橋公園内に建立する計画を立てました。2500万円の寄付をつのり、1730万円が集まりましたが目標に届かなかったので前橋市が補填する補正予算が計上されました。当初の計画では、寄付で賄う予定でしたが不足額と最終的に銅像本体の経費を合わせて1000万円を補てんするものです。
 寄付が集まらなければ観光コンベンションや他の関係機関、群馬県との連携などあらゆる手立てをとるべきではなかったのか、それでもなお集まらなければ期間の延長を行うなどの様々な検討をして募金を集めきるべきと考えますいかがか。


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