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議会報告

第1回定例会 前橋民主商工会提出「中小業者支援策の拡充を求める請願」の2「汎用性が高く、利用しやすい「住宅リフォーム助成制度」を創設してください。建設水道常任委員会の請願審査 中道浪子議員が賛成討論【2016/3/25】

 私は、日本共産党前橋市議団を代表して、請願第1号2中小業者支援策の拡充を求める請願1項の「汎用性が高く、利用しやすい『住宅リフォーム助成制度』を創設してください」についての賛成討論を行います。

賛成理由の第一は、長引く不況の中で、建設関連業者への仕事がなく苦しんでいる市内業者を励ます制度です。
第二次安倍政権のもとでの3年間の経済政策は、総務省資料によれば個人消費、賃金、雇用のすべてがマイナスとなっています。
2015年のGDPは、年率で実質−1.4%となり、最大の要因は、消費税の8%への増税による物価上昇で、実質賃金はこの3年間で5%も下がっています。正規雇用は2012年から3年間で23万人も減少し、非正規雇用は同時期で172万人も増えて、大企業には空前の利益をもたらしましたが、中小業者との格差は大きく広がり、その中でも本市などで多数を占める小企業・家族経営は、行政の支援と施策の拡充が待ったなしで求められているのです。

第二は、この制度は、投資する補助金額をはるかに上回る経済波及効果があることです。
お隣の高崎市では、事業内容は外壁工事、内装工事、浴槽・トイレなどで、発注先の業者は、工務店など一般建設業をはじめ、瓦・畳など専門建設業、水道など設備関係業者などが仕事を請け負っています。2011年度からこの事業を始めて、2015年度の5年間の総事業件数は4,803件、補助金額の総計が8億4,694万3千円、総工事費は47億6,827万3千円で総工事費は補助金額の約6倍となっています。 秋田県では、事業実施5年目になりますが4年間の事業効果は、制度の活用件数は5万1千件、補助金総額は68億6200万円、工事総額は約1,032億5千万円に上ります。産業連関表を使って試算した経済波及効果は約1,626億円で、投資した補助金額の24倍に相当します。 
福岡県自治体問題研究所は、福岡県内の2014年度の助成実績があった19市町村の県内経済効果の推移を調査・分析した結果、助成金額が約2億9千万円で、工事総額約45億5千万円となり、建設業の場合はその経済波及効果は1次効果、2次効果を算出し1.91と大きくなりました。工事総額45億5千万円に経済波及効果の1.91をかけると87億円の生産誘発額になります。つまり、県内経済への波及効果の大きさは、生産誘発額87億円と助成総額2億9千万円を比べると、助成額の約30倍となり、公共土木事業と比べても経済波及効果が大きく、影響のすそ野も大きいことです。

第三は、企業収入や雇用者収入に直結し、地方税収の増加が期待されることです。
住宅リフォーム助成制度は、地域内中小業者を施工者とする条件があるため、工事に伴う需要が企業収入や雇用者収入に直結し、それが地域内で消費される割合が高く、それらにかかわる地方税収入も確保され、地域経済活性化への貢献度が抜群であります。
福岡県内の今回の試算では、地域内建設業をはじめとする地域内産業の納める地方税収の増加は約1億5千万円と見積もられ助成金のちょうど半分くらいが市税として戻ってくるなど地域内の所得循環が期待されています。

第四は、全国の市町村だけでなく県レベルでも、また群馬県内でも事業の実施自治体が広がっていることです。
請願団体である前橋民主商工会が昨年取り組んだ「全会員調査」では、原材料の高騰、消費税8%増税や社会保障削減が営業と暮らしを直撃していることが明らかになっています。地域で雇用と仕事を生み出す地域循環型経済の振興策としての住宅リフォーム助成制度は、今、全国的に広がりを見せており、2013年度には北は秋田県から南は佐賀県などの5つの県と628の市町村で実施されています。県内でも35自治体の内、22市町村にとどまらず、安中市では新年度から実施すると予算を組んでおり、さらなる広がりを見せていることです。地方創生というなら、本市でも実施に踏み切ることこそが最適な施策です。

第五は、汎用性が高く、利用しやすい住宅リフォーム助成制度を市民も市内事業者も創設を求めていることです。
本市では、国の補助金が受けられる耐震、エコ、子育て、バリアフリーに限定した住宅改修支援事業を昨年まで実施していましたが、利用する市民も工事をする事業者ももっと使い勝手が良い高崎市のような住宅リフォーム助成制度にしてほしいと強く求め続けてきました。ところが、昨年度、国が制度を廃止したことで本市はこの事業を廃止してしまいましたが、それでも、この4年間の事業実績は、申請総件数1,724件、補助金総額は3億2,622万9千円となり、市の補助金額の5倍の事業効果・経済効果があったと当局は報告しております。この事業実績には、リフォーム内容が限定されていても工務店などの事業者ができる限り施主の要望に沿ったリフォーム工事を行うよう工夫を凝らして仕事を請け負っていたこともお聞きしています。
高崎で実施している住宅リフォーム助成制度は、住環境改善助成事業といって、市単独で行っている事業です。住宅にかかわるリフォームなら全てを対象にしているので、汎用性が高く、利用しやすい事業となっており、しかも、市単独事業ですから、国の制度廃止に関わりなく今でも事業を継続しているのです。本市でも高崎市のような住宅リフォーム助成制度を創設して欲しいという市内業者団体の要望は最もなことであります。
 
 なお、空き家対策事業などを実施しているから、そちらを優先に事業を進めていると当局はいいますが、高崎市では住宅リフォーム助成事業を実施しながら空き家対策事業にも力を入れており、両立して効果を上げています。高崎市ができて前橋市が財政的にできないことはないとおもいます。以上申し述べまして請願第1号2の賛成討論といたします。

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