トップページへ 前のページへ 目次ページへ
議会報告

2016年第1回定例会 新日本婦人の会前橋支部提出「小中学校の給食費無料化を求める請願」の賛成討論 小林久子議員【2016/3/25】

 私は日本共産党前橋市議団を代表して、請願第3号小中学校の給食費無料化を求める請願について、賛成の討論を行います。

 前橋版人口ビジョン総合戦略では、「子どもが生まれ、育ち、まなび、働き、家族になり、生み、育てる」という好循環を形成し、将来にわたって、子どもたちの元気な声が聞こえるずっと住みたい生涯活躍の街を理念としています。
人口ビジョンで2つの基本目標と4つの優先課題、解決に向けた12の方向性を示しています。出生数の減少では、2人目の壁打破を掲げています。
 市民意識調査によれば、「2人目の壁は存在すると思うか」と聞いたところ
約8割の人が「思う」と答えています。その理由は「子育てにかかる費用負担が大きい」が50.7%と半数を超えています。前橋版人口ビジョン、総合戦略は、この壁を打破し1人よりも2人,2人よりも3人の子どもを産み育てたいと思えるよう子育ての負担を軽減しますと表明しています。
 しかし、この目標達成は、そう簡単にはいかない複雑な背景があります。2012年厚生労働省が発表した子どもの貧困率は過去最悪の16.3%で、実に6人に1人の子どもか゛貧困家庭にあるということです。

 この背景には、非正規雇用労働者が4割に上るなど日本社会の異常な働かせ方があり、勤労者の年間収入は20 年前と比較しても年間60 万円も減少、子育て世帯の生活悪化に拍車をかけているのです。

 格差と貧困の広がりの中で本市では、就学援助制度を活用している児童生徒が、2,709人と全児童生徒数の10.2%です。
平成25年度の全国平均が15.42%であり、相対的貧困率16.3%と比べると、本市は本来就学援助を必要とする子どもが、制度を受給できていないことが想定できます。給食費の滞納が1500万円と増える傾向にあります。また、経済的に困窮する世帯の児童生徒が増えているのですから、給食費の無料化が必要なのではないでしょうか。

 今月11日安倍首相が議長を務める経済財政諮問会議の民間議員は、子育て世帯への支援拡充の一環として、政府に学校給食費の無料化を提言するとの報道がありました。安倍政権が子育て世帯への支援拡充を一億総活躍社会実現の柱として位置づけていますが、その中心施策の一つとして成り得ると考えます。
 
 憲法第26条は「義務教育はこれを無償とする」としています。しかし、日本の子どもにかかる保護者の教育費負担は欧米と比べてもはるかに高く、少子化が叫ばれる中で、子育て世帯の負担軽減が求められています。
2012文科省子どもの学習費調査によると、学校教育費は小学校で学校給食費を合わせて年間97000円、中学校で16万7600円で、うち給食費の占める割合は、小学校で約43%、中学校で約22%と大きな比重を占め、子育て世帯の経済的負担となっています。
 市当局は、「学校給食法は、給食の施設設備は行政が、食材は保護者が分担すると決めているので、保護者負担を求めたい」といいますが、法でいう行政と保護者の負担分担とは、保護者への経済的負担や子育て支援のために行政が食材費を補助することを禁止するものではありません。
また、朝食を食べてこない子や夜も一人で食事をするなど、食生活の乱れが進み、食育の大切さが求められています。食育として、人間生活の基本の食文化を伝える教育の柱の一つとして、学校給食も無償とすることは賛成するものです。
 
 全国では、給食費の一部を含め無料化を実施している自治体が50を超え増えています。
戦後すぐから今日までずっと継続して幼、小、中の給食費無料化を実施している山口県和木町をはじめとして、完全無料化を、茨城県大子町、兵庫県相生市などが実施をしており、滋賀県長浜市も新年度から小学校で実施予定です。
県内では、12市町村で行われていますが、南牧村、神流町、上野村が完全無料化に取り組んでいます。「安心して子育てができる環境をつくり、人口増加につなげたい」と町長が述べているように、人口減、少子・高齢化が深刻な自治体ほど、その有効な対策として首長の決断で取り組まれています。みどり市も市長が完全無料化の実施を表明しました。

 現に本市でも、少子化対策の一環として子育て世代の経済的負担を軽減する政策的目的を持って第3子無料化を行っています。しかし、3人同時に義務教育期間である3人目以降に限られているため、対象が800人余りに限られています。2人目の壁打破というなら、まずここに手を入れるべきではないでしょうか。
給食費完全無料化には約14億円が必要と言われています。多額の財政負担は、財政上難しいと当局は言いますが、前橋市の一般会計予算の約1%です。県にも働きかけて、給食費80億円を県と折半で行えば、市の負担も半分の7億円で実施できます。市長が決断すればできるのです。

 かつて、子どもの医療費無料化は、満1歳の乳児のみでした。若いお母さんや市民から、せめて満3歳まで、あるいは就学前まで、そして中学卒業までと、市議会に何回も請願が提出されたり、議会で繰り返し質問してきた経緯があります。そのほとんどに「財源がない」「無理だ」と反対していた会派が大勢ありました。しかし、市民・県民の要望と運動が粘り強く取り組まれ、前橋市が実施したことを契機に、全国に先駆けて群馬県の施策として実現させることができたのであります。

 子どもの医療費と同じように、子育て支援策の大きな柱に給食費の無料化を位置づけるべきであり、小中学校の全児童生徒の給食費無料化を求めることに賛成であります。
子どもの医療費無料化に続き学校給食費無料化を県と一体となって自治体が支えることになれば、子育て世帯にとって群馬のそして、前橋市の魅力は倍増することと思います。よって県に対して小中学校給食費の無料化を県に働きかけることに賛成であります。

以上、申し上げ本請願に対する賛成討論といたします。

ページのトップへ