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議会報告

緊急時の高齢者介護支援サービスの創設について/大規模木質火力発電所建設計画の白紙撤回について(近藤好枝、総括質問21日)【2016/6/22】

●緊急時の高齢者介護と市の施策の現状と問題点

毎日新聞の今年2月のケアマネージャーへの調査によると、家族介護による疲れから、いつ殺人事件に発展してもおかしくないとの調査結果が報道されました。「介護者が心身ともに疲労困憊(こんぱい)して追い詰められていると感じていると9割が答えています。本市でも、実態は同じような深刻さがあるのではないでしょうか。 こうした介護者を支えるのに必要なことを尋ねると、最も多かったのは「夜間や緊急時に対応できるサービスの充実」(68%)だったと報道されています。また、介護保険に該当していなくとも高齢者で認知症が一気に進んでしまったり、体の機能がおちたりと高齢になるといつ何時、身体能力の急速な悪化も懸念されます。本市でも、介護保険非該当の高齢者に対する市単独事業として家事援助や短期宿泊事業がありますが、利用対象を限定しているために、高齢者は増えているのに利用者は減り続けています。実態としては、地域の支え合いや緊急の時は民生委員の支援など、なんとなく地域が助け合っていますが、本市の現状において介護保険を利用していても、いなくても夜間や緊急時にサービスの対応が必要と考えますが、現状と課題について伺います。
反論
現状のサービスでは対応できないケースもかなりあるのではないか。

●創設の必要性と施策展開
本来は国が福祉や介護保険での支援の充実を実施すべきと考えますが、現状の中で本市として介護者の負担を軽減するとともに、家族の急病や葬儀の出席など緊急時に確実に対応できる市単独の夜間や緊急時に対応できるサービスが求められていると考えます。具体的には、高崎市が今年4月1日からスタートさせた「介護SOS」サービスは全国的にも大変先進的で学ぶべきものがあります。65歳以上を対象に、介護保険に関係なく、見守りや介護が必要なすべての方にサービスを提供する365日24時間対応する専用電話を設けて、緊急訪問サービスや緊急宿泊サービスを実施しています。高齢者の不安に応えて在宅でもいざとなったら安心して対応するサービスがあるのです。高崎市単独の予算で4500万円を計上しています。少なくとも本市でもこのような支援を創設すべきと考えますが見解を伺います。

結論
本市は来年度から新総合事業をスタートします。介護保険制度を利用できていた高齢者が介護サービスから排除されないようにするとともに、福祉施策の充実が求められています。高崎市では今年度から新総合事業に移行しましたが、一般福祉施策の拡充が必要との観点から、給食サービス・緊急通報システム・認知症GPSシステムそして今回質問いたしました介護SOSサービスの創設拡充を実施したのです。高齢者が在宅で365日24時間安心できる行政の支援について市民に答えたものです。前橋市の予算は高崎市と比べて少なすぎます。高崎市にできて県都前橋市にできないはずはありません。行政の姿勢次第であることを指摘し、ぜひ、創設することを求めておきます。
2、大規模木質火力発電所建設計画の白紙撤回について
原発に代わる再生可能エネルギーは推進すべきですが、東電による福島原発の放射能による環境悪化と健康被害を招く木質火力発電は建設すべきではないと考えています。
(1)(仮称)前橋市自然環境等と再生可能エネルギー発電設備設置事業との調和に関する条例の適用(都市計画部長)

●遡及適用
本市は9月議会提出に向けて、(仮称)前橋市自然環境等と再生可能エネルギー発電設備設置事業との調和に関する条例のパブリックコメントを5月20日から6月20日まで実施し、市民からの意見書提出が行われていますが、何通が寄せられていますか。
この条例は再生可能エネルギー発電施設の設置にあたって、赤城山地域を特別保全地域に指定して市長の許可制にしようというものです。
本条例の趣旨は、現在問題となっている、赤城山苗ケ島の電力中央研究所に隣接する場所に、関電工が建設を計画している大規模木質火力発電所建設計画に対する、白紙撤回を求める住民・市民の願いに応えるための条例制定であるべきと考えます。
赤城南麓の森林も含めて原発事故によって放射能汚染されている間伐材や未利用材を燃やして発電する大規模な火力発電所は、放射能の2次汚染を引き起こし、汚染廃液を地下浸透させることによる、環境汚染など、人体にも悪影響を及ぼすものです。
この重大な問題に対して規制する条例がないために今回の条例制定に至ったのではないか。当然、遡及適用すべきですが答弁を求めます。

答弁
パブリックコメントは現在143通と本条例制定に対する大変高い関心を示しています。
遡及できない

●条例の趣旨に沿った指導をすべき
適用しないとの大変問題ある答弁です。しかし、これから、災害や環境被害を及ぼさないように、規制していくとしている趣旨からしても、条例の目的にそった、事実上条例を遡及していることと同等の行政指導を事業者に行うべきです。
そこで、市は事業者に対して、木材チップ工場での木の圧縮と廃液の処理。発電施設の設計と発生する灰や煙に含まれる放射物質や有害物質などの発生状況と除去方法を届け出るように求めるべきです。
最も住民が問題にしているのは、火力発電のための燃料となる間伐材等年間8万トンもの材料の安全性です。原材料をどこから調達する計画について、住民には事業者から具体的な説明はありませんので、燃料調達先の詳細な場所の搬出計画を提出させ、放射能検査を行った証明も含めて、原料である木材の放射能汚染は問題ない、安全であることを証明する資料を少なくとも提出させるべきと考えますが見解を伺います。


●条例制定後は途中事業でも問題のあると考えられる事業は指導するというが強い権限を持つべきと考えるがいかがか。
苗ケ島の火力発電施設が仮に建設された場合、条例設置以降に完成するので、既に着手している事業でも自然環境や景観を損なう、又は災害若しくは生活環境への被害等が生ずるおそれがあると認められるときは、事業者、土地所有者等に対し、その防止のために必要な措置を取ることを求めることができる。と、自然環境・生活環境への被害を想定した防止措置要請になっています。これは今回の火力発電所にも、適用されると考えますがいかがか。
すでに、環境への影響、危険性が指摘されているのですから、木材が放射能汚染されていないことを証明する科学的な根拠を示させるべきではありませんか。事業者が示さない場合には市は立ち入り検査も行う強い姿勢で臨むべきと考えますがいかがか。被害防止のためには危険性を疑った時点から、操業を停止して調査する強い権限を明記すべきと考えるがいかがか。
結論
平成25年6月21日に閣議決定された放射性物質による環境の汚染の防止のための関係法律の整備に関する法律が成立して大気汚染防止法と水質汚濁防止法における適用除外規定を削除し、環境大臣が放射性物質による大気汚染・水質汚濁の状況を常時監視することになりました。また、環境影響評価法における適用除外規定も削除し、 放射性物質による汚染についても環境影響評価を行うことになりました。この法律を順守することが前提であるべきです。

(2)住民意思の尊重(市長)
●10560筆に到達した白紙撤回の意志に答えるべき
6月3日市長は建設予定地に隣接する住民と懇談をしました。住民はこの事業計画の白紙撤回を求める6000名を超える署名を市長に提出し、到達で10560名になっているとお聞きしています。また、地元宮城地区住民の多くから、放射能や二酸化炭素・騒音をまき散らす公害施設なので建設しないでほしいという声も上がっています。先ほどの答弁ではとても承服できません。白紙撤回を求める住民・市民の願いに真摯に向き合い、白紙撤回すべきではないか。

●市長は3月議会では規制できるルールがないといい、条例を9月議会に提案して
も遡及できないと言い、建設を推進しているように受け取れかねない。原発事故の放射性物質を濃縮し、健康被害をこうむる大規模な施設は建設すべきではありません。この認識に立つべきです。昨年10月19日に前橋市に許可された開発許可申請書の事前協議の覚え書きでは工事の施工にあたっては、周辺住民に事業内容を良く説明し了解を得て現在及び将来においてトラブルを生じることがないよう努めなければならないと文章で約束されています。事業者である関電工は十分な説明もなく、強行しようとしています。市長はまず住民と話し合うように強力な行政指導を行うべきではありませんか。答弁を求めます。

(市長の答弁でほぼ時間切れとなり、以下の点を十分指摘、質問できませんでした)
群馬県は汚染状況重点調査地域に指定され、年間の追加被ばく線量が1ミリシーベルト以上の地域を汚染状況重点調査地域と指定することとしています。指定された市町村では、年間の追加被ばく線量が1ミリシーベルト以上となる区域について、除染実施計画を定め、除染を実施しました。しかし、森林については全く除染されていません。放射能汚染物質の流出対策や、木材伐採規制や間伐材の取り扱い、林業者の保護、人の立ち入り制限を実施していません。
(3)前橋市分散型エネルギーインフラプロジェクトによる地産地消モデルの可能性調査及び報告書作成支援業務に係る報告書の問題点(環境部長)
●総務省の採択を受けて3600万円の補助金で作成した、前橋市分散型エネルギーインフラプロジェクトによる地産地消モデルの可能性調査及び報告書作成支援業務に係る報告書は、放射能汚染されている木材を燃やすことが安全なのかどうかという前提問題が全く考えられていません。放射能汚染されている木材を燃やすことが安全なのかどうかという前提問題が全く考えられていません。


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