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議会報告

2016年第2回定例会総括質問 小林久子議員(23分)?保育施策の充実について?滝窪町の産業廃棄物最終処分場計画の撤回について 【2016/6/23】

1、保育施策の充実について

(1)公立保育所の民営化方針の中止(福祉部長)

?民営化の検証は不十分。

公立保育所のあり方検討委員会の答申が先ごろ出されました。主に総社、清里、元総社保育所の3保育所の今後のあり方などについて検討され、総社保育所を民営化により3歳未満児の宝塔保育園と一体的に設置・運営することが望ましいという結論が出されました。
私たち党市議団は、10年前の公立保育所5園の民営化の時、公立保育所の民営化は、地方自治体の行財政改革の人件費削減が狙いであり、公立・私立双方の保育サービスの質低下をもたらし、市の保育事業穂の公的責任を交代させるものと反対をしました。
 今保育をめぐり、国でも待機児や保育士の処遇改善を求める問題が噴出しています。
報告書では民営化で零歳児保育や長時間保育保育などでサービスが向上し、ニーズにこたえ、保護者はおおむね評価できると述べていますが、
しかし今、保育士不足や低賃金が問題になっており、アンケートでも保育士がよく変わる、雑費などが増えたなどの記述がります。
民間の保育園は、保育士が勤務時間休みもとれず、長時間労働、持ち帰り残業、低賃金で働く保育士の献身的な努力によって支えられています。若い保育士も一定の年齢でやめてしまう、募集しても若い人が集まらず、保育士不足も深刻で、保育士の献身的な努力にこれまで頼って保育園を運営してきましたが、それも限界でその矛盾が噴出しています。
そういう点を踏まえ、民営化の検証は、保護者や保育士、プラス面マイナス面、様々な角度から検証し、問題点を明らかにすることが必要ではなかったかと考えますが、見解を伺います。

●上陽保育所は、最初に民営化方針が出され、当初は保護者の約7割が、民営化に反対あるいは疑問があると答え、1年後におこなった保護者アンケートでは2割が悪くなったと答えていました、ここをしっかり検証することがより良い保育につながると思います。


?公立保育所の役割について

公立保育所の運営費は2004年から、施設整備費は2006年から国庫補助を無くし一般財源化しました。さらに国は、自治体に対し、公共施設等総合管理計画策定を求め、公立保育所などの公共施設の統廃合を推進すると財政的に優遇し民営化を強力に推進しています。一方民間は施設整備に3分の2あるいは二分の一の国庫補助を継続しています。本市の平成26年度の民間施設整備費の実績は4億3700万円ですが市の負担は3300万円あまりです。公立保育所あり方検討委員会で出された資料ですが、こうした国の財政的な差別、優遇、誘導を無批判に受け入れることは問題です。この流れを容認すれば、市町村は民営化・統廃合を、選択せざるを得ず、ますます公立保育所減らしが進むことになります。
 さらに、こども子育て支援新制度は、保育の質の低下をもたらす「規制緩和」による「詰め込み」と認可保育所以外の「受け皿」の拡大などで、認可保育所の増設は一言もありません。保育士不足も、「多様な保育士」「保育補助員」など、人件費の安い非正規・無資格の職員で対応する方向です。
先の検討委員会での公立保育所の保育士アンケートを見ますと、強み、良さとして、ベテラン保育士が多い。民間に比べ、金銭的な実費負担が軽い。公立の弱み、改善するところとして、施設老朽化、零歳児保育の受け入れが少ない。民間に比べ、早朝保育、延長保育などで保育時間が短いなどの指摘が出されています。
検討委員会の設置に当たっては「民営化ありきではない。公立保育所の保育の質の向上等も含めて、検討したい」旨、議会で答弁しています。そうであるならば、公立保育所の強みを伸ばし、弱みを改善すべきです。
民営化を進める前に、公立保育所の保育要求に答える。施設整備、保育サービス向上をはかりよい保育水準に改善することが、公立保育所の役割を果たすことになると考えますが。見解を伺います。

●市が子育て支援に公的責任を果たしていくべきで、国の民営化推進に追随すべきでない。

?地域の宝・核としての公立保育所の民営化中止

学校もそうだが、保育園もまちづくり地域づくりと一体で、これまで、地域で支え支えられ、役割を果たしてきました。
保育を求める保護者の状況は様々ですが、ただ保育の受け皿が増えることだけを望んでいるのではありません。子どもにとっての環境や条件が整い、居住地から近く、就学まで預けられることが望ましいと考えています。「朝預けた子が、夕方元気で笑顔でいてくれることが何よりの希望」という保護者の記述がありましたが、まさに安全が担保されることが何よりで、そのために、市町村が保育の実施に責任を負うことが必要なのです。
今回の総社保育所の民営化方針が答申されましたが、ずっと地域で3歳未満児と以上児の保育所が役割分担し共存共栄で問題もなく来たのに、突然の民営化方針がだされました。
少子化が進む中で、新たに認定こども園の参入や、近くには事業所保育所の設置も検討されています。子ども子育て支援法の改正で新たに企業の参入をも認めるなど民間は子どもの奪い合いにさらされ、民間の保育園経営にも影響を及ぼしかねません。
 総社保育所は、昭和27年の認可と、古く、前橋の保育を支え、地域とともに長年培ってきた宝、財産です。総社保育所の民営化方針は中止すべきと考えますが答弁を求めます。

●公立は最小受け入れ年齢が総社、清里、東が3才以上他は、1才からが多く、私立は多くか゛産休明けからとなっています。開設時間も公立が7時45分から18時半に対し、私立は7時から19時と違いが歴然としています。公立保育所を残し充実することが、民間も含めて保育全体の質の向上につながると考えます。総社、清里、東も3才未満児も受け入れるなども検討すべきです。
           
(2)保育料第2子無料化の実施 
 
今子育ての負担を行政が軽減し地域で安心して子育てができるようにと、保育料の無料化のながれが、国・県、市町村で、進んでいます。
本市は国の制度に上乗せし、市独自に第3子保育料無料化を平成13年から3歳児までを段階的に拡大し、平成15年度は全就学前児童に拡大しました。
(対象者は平成26年度は1369人。幼稚園第3子以降保育料軽減事業では、346人で予算は合わせて、3.3億円)。
第2子は、平成7年より国の5割軽減に市が独自に1割上乗せし6割軽減を行っています。
無料化の動きでは、大阪市では今年4月から、5歳児教育費無料化を実施しました。
明石市は、「明石市まち・人・仕事創生総合戦略」の人口ビジョンで、人口、出生数増を目標に掲げ、その一つとして、今年9月より、所得制限なしで、保育料第2子無料化に踏み出します。
本市も、県都前橋創生プランで、合計特殊出生率は1.42(h26)を5年後には1.52をめざすとし、結婚出産子育てに力を入れ、二人目の壁打破を優先課題と掲げています。本市は国に先駆け保育料の軽減に早くから独自に取り組んできた経緯があります。さらに進め、たとえば第2子の市独自の1割上乗せをさらに拡充するなど、さらにどのような軽減ができるかを研究すべきです。
本市も保育料無料化を地方創生に位置付け、段階的に保育料第2子無料化に踏み出すべきと考えますが。見解を伺います。

●あと1億5千万円余で保育園同時入所の第2子無料化を実現できるとのことですので、予算のやりくりも含めてぜひ研究を。
 

2、滝窪町の産業廃棄物最終処分場建設計画の撤回について

大胡地区滝窪町に(株)前橋美建が、安定型産業廃棄物(安定5品目と言われている廃プラスチック、ゴムくず、金属くず、ガラスくず、がれき類)の最終処分場建設計画が明らかになり、地元住民の間に不安が広がっています。
株式会社美建の親会社である株式会社ストーンは、東京世田谷に収集運搬補完積み替え施設を持ち、川崎には中間処理施設を持ち、青森から山梨まで東日本一帯に収集運搬業の許可を取得しています。
開発面積は4万4千?、処分場面積は約3万?、埋め立て容量は約50万㎥と巨大な建設計画です。
安定型と言っても、酸性雨にさらされ科学変化を起こし、有害物質を溶出させるプラスチック類やゴムくずなどが含まれています。また、5品目とそれ以外の分別の徹底ができず、木くずなどから熱が発生し、煙が上がるなどの危険性が指摘されています。
しゃ水工も浸水処理施設もない構造のため、地下水や河川への汚染物質の流出など、環境汚染を引き起こすことが心配されます。全国でも環境汚染を引き起こすなどと最終処分場建設に反対する住民運動が各地で起こっています。

?本市は安定型が、市内に3カ所あります。事業者に対して、法に基づき、施設の定期的な検査を行うことになっています。1年に1回以上の地下水検査や、1か月に1回以上浸透水の検査を行うことや、また抜き打ちの立ち入り検査も行うとしていますが、今まで、廃棄物の処理状況に対し、不適切な問題が発生したことがあったのか。市が行政指導や行政処分を行ったということはあったのかどうか。市のこれまでの対応について伺います。

?昨年計画事業者から、事前協議書が提出され、廃棄物処理施設の事前協議規定にもとづき現在審査が行われています。市は法に適合するようひとつひとつ事務を進め、許可の基準に適合していれば、市は許可をせざるを得ないといわれまずが、何より、住民合意がなければ建設はできません。
すでに、建設に反対する地元自治会長らが4月27日、前橋市役所を訪れ山本市長に1860人の反対署名と陳情書を提出しています。
 陳情書は、処分場から流れ出る汚染水などが周辺の河川に流入したり、農作物に被害を与える恐れがあるとし、市に建設を認めないように求めています。
住民の方々も、つくられてしまえば、こののち孫子の代まで影響が及ぶと、なんとしても作らせてはいけないと市長に陳情したと聞いています。
陳情を重く受け止め、地元住民が反対していることを事業者にもしっかりと伝え、この住民意思に寄り添った、行政の対応が求められると考えますが、見解を伺います。

●事前協議に関する規定では、設置者の責務として、関係地域、自治会等を単位とする地域の住民と生活保全上の利害を有するものの合意形成に向け誠実に対応するよう努める。市の責務として設置者と関係地域の住民等との合意形成に向けて適切な指導助言を行うとある。

?前橋は赤城山の観光を売り出そうというのに、このような巨大施設がつくられては大きなイメージダウンになり、環境への影響がどうなるかは計り知れません。
安定型処分場は、過去、安定型という法の理念と裏腹に、多くの問題を引き起こしてきました。度重なる汚染事故や不法投棄、いくら規制を厳しくしても、完全に安定5品目とそれ以外とを分別することは極めて困難であり、安定5品目自体に性質が安定していないものがあるという問題や、あるいは有害物質の流出・拡散の危険性があることも、何ら解決されていません。そこで、日弁連では、安定型処分場が今後新規に許可しないよう求める意見書を環境省に提出しています。
このように、建設されれば、今後様々な問題を引き起こす可能性が否定できないものを市として、容認できるのかどうかが問われています。地元住民の反対の意思は明確であり、行政として業者に対し、キッパリと撤退を求めるべきと考えますが答弁を求めます。

●この問題を放置しては地元住民、地権者もおり、地元住民の間で、関係が悪くならないとも限りません。地域づくりにも大きな影響を及ぼしかねません。
事業者に対し、早期の撤退を求めるべきです。

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