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議会報告

第4回定例市議会 総括質問 中道なみ子(答弁含む23分) 1、中学生の自衛隊への職場体験の中止について 2、マイタクの改善策について【2016/12/7】

1、最初は、中学生の自衛隊への職場体験の中止についてです。

(1)実施の経緯

@今、全国の中学校で、総合学習などの時間を利用して「職場体験」が実施されており、本市では、基本的に5日間実施しています。確かに、保育や介護などの現場を体験し、労働の喜びを味わい、様々な職業の人とふれあってコミュニケーション能力を高めるということは大切なことです。しかし、問題なのは、前橋市でも中学2年生の職場体験学習に自衛隊への体験が行われていることです。
 南町の自衛隊群馬地方協力本部のホームページに、H27年度の実施校として本市の元総社中、第7中学、みずき中が掲載されていることを初めて知り、今年度の実施校はと市教委に伺ったところ、第5中学、みずき中、南橘中、大胡中の4校が実施したとの報告でした。
 本市でも、「自衛隊からの働きかけが学校にあったから」「生徒の希望をもとに体験場所として取り上げた」という学校もあるようですが、本市では、いつから自衛隊への職場体験を実施しているのか、どのような経緯で学校が生徒を送り込んでいるのか、あるいは教育委員会の指示で実施しているのか、これまでの実施の経緯をお伺いします。 

●市教委がこんなに大事なことを把握していないことは大問題ではないですか。
さかのぼって調査し、毎年どの学校が、何人の生徒を送り出していたのか責任をもって報告することを求めておきます。

(2)次に問題点

@自衛隊群馬地本のホームページには、中学生が戦車に乗ったり、近距離ミサイルの操作要領を習ったり、迷彩服を着て戦車の前で記念写真を撮るなどの画像が掲載されていたことをご存知ですか。ホームページの映像には、「これで飛行機が落とせるの?」「将来は自衛隊で決まり」とコメントが書き込まれており、先日、太田市の教育長は「およそ子どもがつぶやいているものとは考えられない」と議会答弁したことが報道されました。子どもが言っていないことをあたかもいっているように書いているのは問題ではないですか。車で送り迎えまでしてが、自衛隊の武器や装備品を子どもたちに触れさせる「学習」「職場体験」は自衛隊の勧誘PRそのものではないですか。
問題なしと自衛隊の職場体験を進めていること事態大問題ではないでしょうか。いかがですか。

●体験内容を把握して、問題であると認識すべきです。
 
A今、国民の中では、自衛隊については「違憲」であるとか、「合憲」であるとか意見の相違が存在しており、中学生の保護者の中でも様々な考えがあるのが実態です。
 仮に生徒の希望で自衛隊への職場体験だとしても、子どもの「自衛隊の体験」に反対や懸念を持つ保護者も大勢いるのですから、それを考えず学校が推進することは、市教委としての配慮が欠けていると言わざるを得ません。
 意見の違いがある職場については、配慮すべきではないでしょうか。どのような見解をお持ちなのかお伺いします。

●賛成する保護者だけの意見を聞いていたのでは、正しく判断できないでしょう。

Bそもそも、自衛隊は他の一般職業とは全く異なる職業だと考えるべきです。
 生徒たちが災害時などの人命救助活動などで活躍する自衛隊の姿などをメディアで報じたのを見て職場体験を選んだとしても、自衛隊の第一の任務は国防で、他国との交戦であり、災害救助活動は二次的な任務です。まだ未熟な生徒が職場体験先を選定するがままに受け入れ、教師ならば「自衛隊も職業の1つ」として認めていることは、教育者としての見識が厳しく問われるもので、とんでもない認識です。直ちに改めることを求めますが見解をお聞かせください。

●自衛隊が直接学校を訪問して職場体験を進めるのは、今、若者が自衛隊離れで、中学生のうちから自衛隊に慣らしておく必要があるからではないですか。

C教育長にお聞きします。これまでの認識を直ちに改めて、災害時などの人命救助活動の仕事を体験したいと生徒からの希望だとしても、教師ならば、救急救命隊や消防隊などを紹介し、体験することで解決するのではないでしょうか。自衛隊はやっぱり特殊な職業ではないですか。自衛隊を正しく理解できない状況なのに、職場体験の場にするのは問題があるし、課題も残ります。
 特に、今、重大なことは、昨年7月の集団的自衛権・行使容認の閣議決定と9月に強行採決された「安保関連法制」によって、自衛隊は今月12日から南スーダンで「駆けつけ警護」が実施可能となり、事実上戦闘地域で戦死者が出る可能性が現実化し、軍隊へと危険性が格段に高まったのです。自衛官の息子を持つ母親が、「どの母親も人を殺し殺されるために子どもを育てたのではありません」と南スーダン派遣差し止めと撤退を求め札幌地裁に勇気ある提訴をしました。教職員は「再び教え子を戦場に送らない」これが教育者の原点として、あの悲惨な戦争の反省の上に立って、戦後の民主主義教育を進めてきたのではないでしょうか。
 教育長は、かつて広島に行かれたこともあり、平和教育には力を入れてきたのではなかったでしょうか。全く反省もない、やめることもしない、それでいいのですか。あえて自衛隊に職場体験させるのに、競うようにやっていることについて、教育長は、どのように受け止めているのですか。やめるように決断すべきです。いかがですか。

●全群馬教職員組合と同前橋支部が11月18日佐藤教育長に「自衛隊の職場体験学習は、ただちにやめよ」と申し入れをしました。
職場体験は「総合的な学習の時間」で教育課程の一部であり、その編成権は学校にあり、学校が自主的に判断するものと承知しています。
 しかし、これまでのように安易に自衛隊への職場体験を実施することは、命を何よりも大切にし、平和な社会をつくる人間を育てるという教育上の立場から、また、何よりも命の尊厳、平和の大切さについて、かつての戦争の痛苦の教訓も踏まえた教育こそ今求められているもので、一般の職業とは次元を異にする自衛隊での職場体験は中止するよう働きかけるべきと申し上げておきます。


2、次は、マイタクの改善策についてです。

@今年1月から、デマンドタクシー「マイタク」の運行が始まり、交通政策課は利用状況の実態調査を行い便利になったと歓迎されています。
今、私たち共産党市議団が実施している「市民アンケート」でも「マイバスの拡充やマイタクの改善策、旧4町村で運行されているふるさとバス・るんるんバスを拡充してほしい」という要望がたくさん寄せられています。
 中でも、マイタクの乗車料金は周辺に住んでいる市民には高すぎるので改善してほしい。まだ、元気なので生涯学習に参加したり、コンサートや演劇鑑賞にも出かけているので、利用時間を延長してほしい。また、年間往復60回の乗車券では、平均1週間に1往復しか利用できず、買い物や通院するのに、利用回数をもっと増やしてほしいなどの意見が依然として多く寄せられています。
 そこで、乗車料金の不平等感をなくして、市内どこに居住していても片道300円とか、少なくても500円の市内統一固定料金に改善するとか、東松山市の様にタクシーメーター料金別に3段階に分け、2,000円未満なら料金は500円、3,000円未満なら1,000円、3,000円以上は1,500円と設定するなど、わかりやすく市内一律の低い額・固定料金に改善が求められています。いかがでしょうか。同時に、利用時間の延長や、利用回数を増加するよう改善を求めますが、見解をお伺いします。

●マイタクへの支援金・予算は、年間約1億2000万円から3000万円とお聞きしていますが、せっかく市独自のマイタク運行を推進するのですから、市の予算額をもう少し増やして、高齢者が元気に安心して生活が維持できるように検討すべきです。

A最近、高齢ドライバーによる悲惨な交通事故が多発していることや、本市の「第10次・交通安全計画」でも、「前橋市における交通事故発生件数が全国平均も群馬県平均をも上回り、しかも交通事故死亡者における高齢者の割合が増加傾向にある」との実態が公表されており、長寿社会における抜本解決が求められています。実態は、公共交通が不便で、年をとっても車に乗らざるを得ないからで、改めて本市の公共交通の充実と道路事情の改善が急務であると実感しています。
 そこで、移動困難者対策も、交通不便地域でも、市民が市内どこに住んでいても安い料金でいつでも安心して気軽に利用できるマイタクに改善すれば、高齢ドライバーの運転免許証の自主返納などが特段にすすみ、高齢者の交通事故解消策としても大いに期待できるのではないかと思いますが、当局の見解をお聞かせください。

●高齢ドライバーの交通事故が相次ぐ中、宮崎県西米良(にしよねら)村では高齢者の運転免許証を自主的に返納する高齢者に、14万円余りのタクシー券を支給する取り組みを始めたことが報道されましたが、本市でも、このように思い切った施策の展開が必要ではないいでしょうか。マイタクの改善策を求めて私の質問を終わります。

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