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議会報告

2017 第1回定例会 提出意見書(案)【2017/3/2】


「共謀罪」の創設に反対する意見書(案)

日本共産党前橋市議団
安倍政権は「テロ等組織犯罪準備罪」という口実で、実際の犯罪行為がなくても、話し合いや相談や計画をしただけで犯罪とみなす「共謀罪」を創設しようとしている。
 政府は、「共謀罪ではなくテロ等準備罪である」とか、「取り締まる対象は組織的犯罪集団に限るもので、一般の人は対象にならない」と繰り返し説明している。ところが法務省は、「正当に活動する団体でも、犯罪を行う団体に一変したと認められる場合には処罰の対象とする」と述べ、一般人が対象にされる余地がある旨の見解を示している。捜査機関の解釈や裁量で労働組合や市民団体が対象とされ、市民生活全体への監視や盗聴などが横行しかねない。
 しかも「共謀罪」は、まだ起きていない「犯罪」についても、2人以上で話し合い「合意する」ことが犯罪に問われるというものである。実際に起きた犯罪行為を罰するとした日本の刑法の大原則を踏みにじるとともに、「思想及び良心の自由は、これを侵してはならない」とした憲法19条にも反する危険な内容である。
 また、「共謀罪」がテロ対策のために必要だとする根拠の一つにしている「国際組織犯罪防止条約(TOC)」締結のためという理由も説得力はない。この条約のもともとの主眼は、マフィアなどによる経済犯罪を念頭にしたものである。すでに日本はテロ防止のために13種類の国際条約を締結し、それに基づく国内法も整備されている。
 いま、政府があらためて「共謀罪」を創設しようとする意図は、平和を願う多くの国民の願いに背を向けた秘密保護法や安保法制・戦争法に続く違憲立法であり到底認めることはできない。
 よって、国においては、国民の思想や内心まで処罰の対象とする「共謀罪」を創設しないよう強く求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


オスプレイの配備撤回、飛行中止を求める意見書(案)

日本共産党前橋市議団
 防衛省は1月18日、3月6日から17日までに、群馬県と近隣3県を担任地域にする陸上自衛隊第12旅団の所属部隊と、米海兵隊第3海兵師団所属部隊が、榛東村の相馬原演習場と関山演習場(新潟県)などで共同訓練を実施すると発表した。
米軍の垂直離着陸輸送機オスプレイ6機も参加を決定している。オスプレイが飛来すれば、群馬県内では初めての訓練となり、群馬県民の命と暮らしを脅かすことが強く懸念される。
この間、安倍政権は陸上自衛隊へのMV22オスプレイ17機導入を決め、佐賀空港(佐賀県)への配備をねらい、陸上自衛隊木更津基地(千葉県)には日米共同のオスプレイ整備拠点を建設しようとしていることは重大な問題である。
 また、普天間基地配備のオスプレイは、横田基地(東京都)、厚木基地(神奈川県)、キャンプ富士(静岡県)、岩国基地(山口県)などにも飛来し、訓練を繰り返している。横田基地には、米空軍の特殊作戦用のCV22オスプレイ10機の配備も計画されている。
昨年12月13日に沖縄県の米海兵隊普天間基地(宜野湾市)配備の垂直離着陸機MV22オスプレイが同県名護市安部(あぶ)の沿岸部に墜落した。防衛省は国内初の重大事故を小さく見せかけようと「不時着」と発表したが、安部沿岸の岩礁でバラバラに大破した無残な姿をさらす機体を見れば、墜落であることは明白である。さらに問題なのは墜落事故原因の究明を米軍に求めていないことである。
2013年1月、沖縄県内全ての41市町村の首長と議会議長、県議などが配備撤回を求める「建白書」を安倍晋三首相に手渡したにもかかわらず、日本政府はオスプレイの「安全性」をその後も繰り返し宣伝し、配備を進んで容認することは重大な責任がある。このような中で行われる日本国内へのオスプレイの配備、及び訓練は国民の命と安全にとって極めて危険である。
よって、国に対し下記の事項を強く求めるものである。

1 昨年12月13日に墜落したオスプレイの事故原因の徹底究明を求める。
2 米軍横田基地へのオスプレイ配備の中止を求める。
3 陸上自衛隊へのオスプレイ導入を中止する。
4 群馬上空でのオスプレイ訓練を中止する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


学習指導要領改訂の撤回を求める意見書(案)
                 日本共産党前橋市議団
文部科学省は2月14日、小中学校の学習指導要領と幼稚園教育要領の改定案を公表した。
改定案は、子どもたちに求められる「資質・能力」を国として詳細に定めており、子どもたちの成長・発達に深刻なゆがみをもたらすことになりかねない。
また、子どもたちの「育成」のために、学習内容や指導方法、学習評価のあり方まで細かく示しており、いっそう教育現場を縛るものとなっている。
たとえば、小学校3年から4年生に「外国語活動」を新設し、5年生から英語を教科化するとしているが、日本学術会議や英語教育研究の専門家の間では、英語を早く学んだ方が上達するという学問的根拠やデーターはなく、かえって英語嫌いを増やすことになり適切ではないと指摘している人もいる。その上、授業時間が増えて、休日や休み時間が減るなど子どもの負担がさらに心配される。
現状の授業においても、わからない子どもがいても先に進み、暗記と反復で何のために学ぶのかが見えず、学年が上がるにつれて勉強嫌いが増えており、子どもたちの学びには多くの課題がある。教育内容の基準をつくるのであれば、こうした現状を改善するところから出発すべきである。しかも、幼稚園教育要領でも「幼児期の終わりまでに育ってほしい姿」を明示し、「日の丸・君が代」を押し付ける「我が国の国家に親しむ」が新たに加わった。これでは子どものための教育ではなく、国が求める愛国心教育そのものである。
中央審議会が文科省に寄せた答申では、指導方法として「主体的・対話的で深い学びの実現に向けた授業改善」を強調し、アクティブ・ラーニングを掲げている。教師が多忙で授業準備の時間も取れない現在の教育条件の改善に踏み出し、指導方法の押し付けをやめて、教師自身の主体性や対話こそ保障すべきである。
よって、国に対して、国民への説明もなく、子どもたちに決められた「資質・能力」を押し付けたり、教師への指導方法の押し付けを強要するなど、現場の教師の理解も得られていない学習指導要領の改定は、撤回するよう強く求めるものである。

以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。


国民が安心できる年金制度の実現を求める意見書(案)                          日本共産党前橋市議団
消費税増税と「アベノミクス」で物価を引き上げながら、年金は減らし続けるという安倍内閣の年金政策の中で、高齢者や国民の家計は激しく疲弊し、地域経済の落ち込みや消費不振の大きな原因ともなり、社会全体に深刻な影響を与えている。
 これまで年金は物価(賃金)上昇に合わせて改定されてきたが、2004年の年金法の改定でマクロ経済スライドを導入し、物価(賃金)が上がっても年金の引き上げを抑制し、実質削減・目減りする仕組みがつくられた。
 昨年末の年金法の改正で、物価と賃金の両方が下がった場合に、賃金の下げ幅の方が大きければ賃金に合わせて年金を切り下げることになり(2021年4月施行)、さらに、物価や賃金の上昇率が低い場合に「マクロ経済スライド」の未調整分を「キャリーオーバー」として翌年度以降に引き下げるとしており(2018年4月施行)、際限のない年金削減を国民に押し付けようとしている。
 年金の実質的な低下は、生きる糧としての食生活さえ切り詰めざるを得ない深刻な事態をもたらし、憲法で保障された生存権を脅かしている。
 政府は、現役世代と年金世代の負担の公平をいうが、年金の削減は高齢者だけの問題ではなく、将来の年金生活者にとっても大変深刻な問題である。賃金の下落に苦しむ若者世代が高齢期になった時に大幅に引き下げられた年金しか受け取れないことになり、これはまさに現役世代をも苦しめるものである。今若者への施策として必要なことは、非正規雇用から正規雇用への切り替え、最低賃金の大幅引き上げで、非婚・晩婚・少子化に歯止めをかけることである。
 ほとんどが消費にまわる年金を引き上げることは、地域経済や地方財政に与える影響は大きく、自治体の行政サービスにも直結する問題である。年金が増えれば地域の消費も増え地方税収が増加し、高齢者の医療や介護の負担も低減できる好循環が期待できる。市民は、高齢者が地域で安心・安全・健康で長生きし、地域のつながりやまちづくりに貢献できることを願っている。
よって、国に対し下記事項をすみやかに実現するよう強く求めるものである。

1 年金の隔月支給を国際水準並みに毎月支給に改める。
2 物価・賃金スライド制を無視した、際限のない年金引き下げを行わない。
3 年金の支給開始年齢は、これ以上引き上げない。
4 年金を毎年下げ続ける「マクロ経済スライド」及び未調整分のキャリーオーバーは廃止する。
5 全額国庫負担の「最低保障年金制度」を早期に実現する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。


 時間外労働の上限規制を法律で定めることを求める意見書(案)

日本共産党前橋市議団
安倍内閣は、「働き方改革実現会議」で年間720時間(月平均60時間)までの残業時間を容認するとした実行計画の内容を踏まえて、労働基準法改正案を今年度内に国会に提出しようとしている。
しかし同法案は月45時間、年360時間とする厚生労働大臣告示による限度基準の2倍もの残業を許容する内容であり、決して容認できるものではない。
繁忙期には年間720時間、月80時間〜100時間の残業を認める検討がされているが、これは過労死ラインまで容認する危険な内容である。多くの大企業では、「三六協定」の特別条項で年700時間程度の残業を設定しており、異常な残業時間の現状を追認するもので問題である。
また、現在は時間規制の適用除外となっている研究開発と建設業、運送業について引き続き適用除外とすることも、過労死ラインまで働かせることに政府がお墨付きを与えるものとなり大問題である。
厚労省の過労死・過労自殺の認定基準では「発症前1か月ないし6か月間にわたって、1か月あたりおおむね45時間を超えて時間外労働が長くなるほど、業務と発症との関連性が徐々に高まる」と明記している。大臣告示は月45時間を超えると、脳・心臓の疾患が高まるとの医学的知見に基づき国が設定したものであり、こうした危険性を知りながら、それを上回る時間外労働を容認することは過労死・過労自殺を助長するものであり、およそ「働き方改革」に値しない。
よって国は大臣告示の限度基準で定める時間外労働の上限(月45時間、年360時間)規制を法律で定めよう強く求めるものである。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

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