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議会報告

総括質問、近藤好枝(介護保険料・利用料の軽減について、木質火力発電所施設建設の中止について、古墳の整備・活用について【2017/3/16】

1、介護保険料・利用料の軽減について(福祉部長)
●介護保険料の軽減
介護保険制度が発足してから上がり続ける高い保険料に高齢者から悲鳴が上がっています。介護保険料はすべての市内に在住している高齢者に負担を求め、生活の糧である年金からの天引きも手痛いものとなっています。
国は団塊の世代が75歳になる2025年には介護保険料の基準額は月額8500円、現在の1・5倍になると推計しています。高齢者の負担の限界を超えて上がり続ける介護保険料の問題を解決するには、国の国庫負担割合を引き上げて払える保険料にしなければなりません。来年度策定される第7期介護保険事業計画において本市は私ども市議団の再三にわたる介護保険料の引き下げを求める質問に対して、国庫負担割合の引き上げについては市長会を通じて求めていると答弁されています。これを強力に求めるとともに、本市独自に負担の軽減も検討すべきです。一般会計からの繰り入れは困難との本市の立場を改めて、本市の人口の約3人に1人に当たる高齢者への介護保険料引き下げのための財源投入をすべきと考えますが答弁を求めます。

反論
本市は国保税でも法定外繰り入れはしないと、長い間拒否してきました。しかし、国保税の引き上げ幅が大きくなってしまったために、一般会計からの繰り入れで値上げを一定額、押さえてきた
経緯があります。介護保険料でも高齢者の生活を圧迫する事態になっているのですから、一般会計からの繰り入れをすべきです。

●低所得者に対する介護保険料・利用料の独自減免
つぎに、本市は災害など法に基づく減免以外には保険料の軽減制度がありません。群馬県内では介護保険料と利用料それぞれ自治体独自で減免しているのが12市では、保険料は伊勢崎・太田・桐生・安中・富岡の5市、利用料が伊勢崎・太田・高崎・沼田市の4市です。伊勢崎市などは第2、第3段階の介護保険料を第1段階で徴収するという低所得者対象の独自の減免制度をつくっています。
また、利用料についても自己負担額1割に対して半額助成しています。低所得者が介護保険の制度から排除されないように、福祉の心を持って支援しているのです。これらの、独自支援に対する予算はほんのわずかです。当然前橋市でも実施すべきと考えますが答弁を求めます。

反論
答弁された内容は私も承知しています。その上に立って県内の他市で低所得者の生活実態からみて独自の施策を実施しているのです。わずかな予算でできるので実施すべきと求めているのです。高齢者からも本市に、ケアマネさんなどからも切実な声が届いているのですから保険料、・利用料の軽減をすべきです。本市の年間予算、財政調整基金を活用すればわずかな予算であることをあらためて申し上げておきます。

2、木質火力発電所施設建設の中止について
(環境部長)
苗ケ島の(株)関電工及び(株)トーセンによる大規模木質火力発電所の建設は燃料供給のチップ工場は3月末で完成する予定ですが発電所は今年6月の予定から2〜3か月遅れてからの稼働となっています。工事は遅れながらも住民の不安と懸念を無視して突き進んでいます。私は福島原発事故から6年が経過しても、いまだに放射能汚染は深刻さを増し、本市にとっても看過できない問題であると考えます。周辺住民からは「建設中の施設は、低減しつつある放射性物質をわざわざ集めて燃やすという、新たに放射能汚染物質を生成しなおす装置を建設するようなものだ」と批判が寄せられています。空気中の放射能の拡散、地下浸透、騒音、振動、などなどの環境悪化が指摘されています。

@燃料調達の情報開示を前橋市が求めよ
この間、住民団体である「赤城山の自然と環境を守る会」と事業者である関電工と月1回の懇談を7回行ってきました。ここで、一貫して明らかにしていないのが、森林の放射能汚染が高い地域からの間伐材等が運ばれないかということです。年間6万トンの未利用材、2万トンの製材端材が焼却される計画ですが、どの地域からどの山から調達してくるのかが、明らかになっていません。20年間も安定的に調達できるのかも、事業者であるトーセン職員が説明会に参加しても明らかにしていません。しかも、今年度トーセンが群馬県に申請していた県内2か所に設置予定の燃料用木材集積場整備補助金4500万円については用地契約ができないなどの理由により中止になっています。一体どこから搬出する計画なのか本市として、詳細な報告を文書で受けるべきと考えますが答弁を求めます。

A次に年間8万トンもの燃料を燃やすことによる空気中の放射能の拡散問題です。原発事故後に行った文部科学省の放射性物質の航空機モニタリングで作成した放射性セシウム137の沈着量マップをもとに、3万ベクレル/m2以上の場所は福島県の浜通り・中通りから栃木・群馬両県の北部に連なる帯状の地域に広がっています。これらの地域で生育している樹木の線量は、今後十数年にわたって上昇し続ける可能性が高いと言われています。その樹木を山から伐り出して利用する間伐材および皆伐した未利用材に沈着している放射性物質からの放射線被曝のリスクにさらされるのです。
事業者が昨年5月に提出した環境配慮計画書によりますと、1時間当たり最大42400リューベもの排気ガスを煙突から排出することになります。本市の六供清掃工場の1炉で排出する排ガスが約3万リューベですので、膨大な排ガスであることは明らかです。それ自体も本来は環境アセスの対象であり大きな問題ですが、その排ガス中の放射能を測定した値は1立方あたりセシウム50ベクレル以下にするとしています。これは原発立地と同じ原子炉と同じ基準を採用しています。24時間365日20年間排出し続けるセシウムの量に換算すると1日最大で約2万ベクレル、300日として計算しても年間580万ベクレルとなります。こんな大量の放射性物質を排出してもよいということです。1年目2年目3年目と日時が経過するごとに大量の放射性物質が空気中に拡散されます。24時間、365日20年間の総量を出させるべきではないか。少なくとも、事業者であるトーセンの稼働施設での生の数値、及び総量を提出させるべきです答弁を求めます。

反論
6年前の原発事故の直近の前橋市の六供・大胡・亀泉の各清掃工場で、一般ごみにも放射性物質が大量に付着して飛灰の値では最大4030ベクレルと汚染された時でさえ、排ガス中に含まれる放射性物質の検査値はいずれも不検出でした。しかし、今回の発電事業では50ベクレルまで許容するというので大変危険ですよ。

B放射性物質を含む廃液の地下浸透・汚染問題
製材端材を油圧機にかけて脱水することにより排水される廃液などの排水を地下浸透させる問題です。
事業者の資料によると、発電所から排出される排水が日量280トン、燃料チップ製造所からの排水が日量45トン排出される計画です。この排水は浸透桝に沈殿させて地下浸透させるというものです。つまり、浄化しないでそのまま地下にたれ流してしまう。最も汚染が懸念されるのは、大量の水分を含んだ丸太をくりぬいて製材にした残りの樹皮部分を含水量40%まで減らすために油圧機で脱水する際に排出される廃液です。放射性物質が付着している樹皮部分だけを集めれば、水に溶けやすい放射性物質が廃液に溶けて地下浸透することが専門家の間でも指摘されています。危険性が高い廃液、日量45トン、年間1万トン近くの廃液が流されることになります。このような土壌への汚染水が毎日流されて地下浸透すれば、地下水への汚染も想像に難くないと考えますがいかがか。本市として、廃液の地下浸透は止めるように企業側に求めるべきと考えますが答弁を求めます。

反論
ロシア共和国のブリャンスクは、チェルノブイリ原発から200〜300kmの距離にあって、大量の放射性物質が沈着しました。その沈着量に応じて四つのエリアに分けられていますが、線量の高い地域では森林への立ち入りや林産物の採取に制限が加えられている。
ブリャンスクでは、原発事故から約10年が経過した時点で、地域内の木材を伐採して線量の調査がおこなわれました。マツ、トウヒ、カバの三つの樹種について剥皮した木部と樹皮を比較すると、いずれの樹種も外樹皮の線量がきわめて高いことが報告されています。
福島原発事故の影響、たとえばセシウム137の影響が完全になくなるのは300年後です。専門家の間でもどのような健康被害が起こるか予想できないと述べています。この認識をしっかりと持っていただきたい。


C住民意思の尊重
●「赤城山の自然と環境を守る会」の皆さんらが、市当局に2年近くに渡り再三この事業の詳細と市の対策について申し入れや懇談をしてきました。
また、事業者側が昨年5月18日に本市に提出した環境配慮計画書つまり、どんな放射能測定をするのか、基準の数値などの情報開示を本市と群馬県に求めてきました。本市は情報開示を拒んできましたが、群馬県が今年の2月にようやく開示したものです。もっとも、環境が悪化し被害を受ける施設に隣接する住民には一切開示しなかった市の責任は重大と言わざるを得ません、反省すべきではありませんか。住民に事業者側からの情報を迅速に開示し、住民の立場に立った行政運営にすべきです答弁を求めます。

結論
燃料の不明確さ、空気中の放射性物質の拡散、放射性物質の地下浸透次々に不安と疑念が持たれています。縷々聞いてまいりましたが、事業者の自主管理基準そのものの放射性物質の数値が高すぎます。原発施設と同じ基準で管理すること自体が許しがたいものです。このような事業では市民の命も健康も守れません。しかも、住民に丁寧にいつでも連絡いただければ説明しますと言いながら連絡先に電話しても10回に1回しか出ない。事業者の不誠実な態度も一貫しています。このような、危険性が懸念される事業はただちに中止を求めるべきです答弁を求めます。


3、古墳の整備・活用について(教育次長)
(1)古墳の調査・整備
昨年度から総社古墳群の調査・整備に関する予算化が行われています。本市は市内随所に貴重な古墳を有していますが、総社二子山古墳のように石室が崩れているために、入室を禁止して雑草が繁茂しているところなど、調査と整備が緊急に求められる古墳も少なくありません。市内の貴重な古墳の調査・整備の方針をしっかりと位置付けるべきと考えますが方針と具体的な内容について伺います。

(2)教育・観光資源としての活用
本市の歴史遺産の最も重要な位置づけるべき分野が古墳と考えますが、この間総社資料館を改築して学校教育や社会教育の拠点ができました。この施設も生かしながら、大室古墳など活用して子ども達をはじめ、各種グループ学習などに活用できるように、力を入れるべきではないか。

また、私は昨年の夏に青森県の三内丸山遺跡を見学してきましたが、観光資源として多くの観光客が訪れて、古代人体験や勾玉制作コーナーなどさまざまな仕掛けが作られ、楽しませていただきました。これらも、参考にして活用すべきと考えますがいかがか。



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