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議会報告

2017年第1回定例市議会総括質問(答弁含む25分)中道なみ子 1、子育て支援策の充実について(1)学校給食費の完全無料化 (2)子どもの医療費無料化を高校卒業まで拡大 (3)保育料第2子の無料化 (4)就学援助制度の拡充【2017/3/18】

1、子育て支援策の拡充についてです。
 本市の「県都前橋創生プラン」前橋版人口ビジョンによれば、2060年には約22万人まで人口が減少すると見込みながら、子育て支援策の具体策が十分に講じられておりません。

 今の政治のもとでは、安心して子供を産み、育てられない現状があります。雇用不安や低賃金、過密労働など総合的に改善が求められていますが、少なくとも、市民の求めてい

る子育て支援策を具体的に人口ビジョンに盛り込むことが必要なのにそれ自体も欠けていますので、以下4点について質問します。

(1)最初に(1)学校給食費の完全無料化について伺います。
@日本の子どもの貧困率は6人に1人で過去最悪、中でも、ひとり親家庭の貧困率は54.6%とOECD加盟国中最下位となっています。子どもの貧困は見えにくいものではありますが、

大きな社会問題となっています。また、憲法第26条で「義務教育はこれを無償とする」と謳われながら、子どもが学校に通うためには多くの費用がかかります。

 今、全国の自治体では、大事な子育て支援策として学校給食費の無料化が広がっておりますが、県内でも、この新年度から、渋川市やみどり市が完全無料化の決断をし、一部無

料化を含めれば、18市町村が取り組み始めています。すでに本市の小中同時通学の第3子のみ無料化は、今や後れを取っています。本市でも学校給食費の完全無料化の実施は、子育て支援策の大きな柱となると思いますので、当局の見解をお伺いします。

A先の新聞報道によれば、県内で最も出生率が高いのは上野村で、合計出生率2.29。しかも、13年間も維持しているとのことです。それには、上野村自身で学校給食費の完全無料

化をはじめ、子ども医療費も高校卒業まで無料化し、2歳児以上の保育料は月2000円などと様々な手厚い子育て支援策や祝い金制度など、具体的な施策を積み上げてきているから

です。渋川市では、完全無料化実施に3億円の予算を組んだことが報告されていますが、年間予算の1%に当たります。本市では14億円と試算していますが、年間予算の約1%で

す。渋川市が頑張るのですから、本市が実施できないことはないでしょう。本市が学校給食費の完全無料化実施の推進役になって、県と市町村で負担を半分づつにすることができ

れば、今後の展望が開けるのではないでしょうか。
今、大事なのは、前橋市が必要な財源を予算化することです。いかがですか。

B当面中学校だけを完全無料化し、続けて小学校をと計画的に実施していく方法もありますが、いかがですか。

●県都前橋が完全無料化を決断することは、全県的にも全国的にも大きな影響を及ぼすことになり、子どもの医療費無料化の様に県や国を動かすまでの展望に繋がるものだと申し上げておきます。

(2)次は、子ども医療費無料化を高校卒業まで拡充することについてです。
@子どもの医療費無料化制度は、所得制限や一部自己負担などを含むと、今では全国の全ての1,741市区町村がこの制度を設けています。中でも、本市など群馬県の窓口負担ゼロ

の取り組みは、全国でも優れた制度と評価されています。本市でも福祉部長は「疾病の早期発見と早期治療、合わせて疾病の重症化や長期化への予防も図られている」と評価して

います。このことは、中学卒業までの無料化はもとより、子育て支援の立場から考えれば、児童福祉法や子どもの権利条約が規定している18歳までを対象にすることで子育て支

援をより積極的に推進し、前橋版人口ビジョンで掲げた「健康医療都市前橋」にふさわしい取り組みになると期待できるのです。高校生になると体力もついてお医者にかかること

は少なくなりますが、スポーツなどでけがをすることが多くなり、受診することが増えているようです。中学卒業までの児童生徒の年間の平均医療費を単純に参考にして、高校卒

業までの医療費を割り出してみると概ね2億7千万円ほどになるでしょうか。健康部長は「他市町村の対応状況を注視しながら、福祉医療の充実について研究したい」と答弁して

いますが、本市で実施できない金額ではないと思いますので、健康部長の決断を求めますがいかがでしょうか。

Aスエーデンやイギリス、オランダなどの先進国では、子どもの医療費無料化をはじめ、子どもを出産した7割以上の女性が1年以上の育児休暇を取得したり、育児休業直前の8割

の所得を390日も保障して、国が積極的に手厚い子育て支援策を実施して、出生率を回復させてきました。わが国でも本来なら国が積極的に子どもの医療費の無料化などの子育て

支援策を実施すべきですが、そのような状況がつくりだされていないのが実態です。今、高校卒業までの拡充は、201の自治体に広がっています。子どもの医療費無料化を高校卒

業まで拡大して、前橋版人口ビジョンで掲げた「健康医療都市前橋」にふさわしい取り組みになると思いますが答弁を求めます。

●前向きな答弁が得られず残念です。

(3)次は、保育料の第2子無料化についてです。
@前橋版人口ビジョンでは、将来にわたって、子どもたちの元気な声が聞こえる、ずっと住みたい生涯活躍の街を理念としています。

中でも、出生数の減少を上げ、2人目の壁の打破を掲げており、1人よりも2人、2人よりも3人の子どもを産みたいと思えるように子育ての負担を軽減しますと表明しています。し

かし、保育料の軽減や無料化については何も示されていません。市民からは、子育て応援の具体的な施策として、「せめて保育料の第二子無料化の実施を」と求められていますが、当局の見解を求めます。

A前橋市は、国の保育料の基準より、減額施策の対応を取っていることも、同
時入所の第二子保育料を6割軽減していることも承知しています。その上で、「2人目の壁

を打破」するために、第二子保育料の無料化を約8億円を捻出できないだろうかと求めているのです。しかし、どうしても無理と言うなら、同時入所の第二子と限定すれば1億5000万円ほどで実施できるようですから、段階的に決断したらいかがですか。

●結局、お金のかかることはやるつもりがないのでしょうか。家計の足しに少しでも働こうと子どもを預けても保育料で消えてなくなるようでは生活や子育てに展望が持てません
から、こういう世代の生活や子育てにもっと展望が持てるように支援すべきです。

(4)就学援助制度の拡充についてです。
@国は、2017年度予算案で生活保護世帯の就学援助費の「新入学児童生徒学用品費」つまり、「新入学準備金」の補助単価を小学校は2万470円を4万600円に、中学校は2

万3550円を4万7400円にそれぞれ約2倍に引き上げました。これまでは、新入生全員が購入するランドセルやかばん、制服や自転車などの購入費用が年々上がっており、支給され

る「入学準備金」では購入できませんでした。埼玉県の富士見市などでは、この単価引き上げを準用保護世帯にも適用すると表明しています。

本市でも、国からの通達の関係で、まだ態度をはっきり示せないといいますが、今回の単価改定も準用保護世帯に適用すべきだと思いますが、当局の見解を伺います。

●太田市では、小学校の入学準備金を4万円に、中学校は5万円に増額し、すでに支給しています。本市では、補正を組んでからと先送りですが、ぜひ、引き上げることを求めておきます。

A続いて、就学援助制度における「新入学準備金」の前倒し支給についてです。
本市などでは、通常ですと6月頃に「新入学準備金」を支給しており、入学時に必要なか

ばんや学用品、制服や体育着などを購入するのに、お金を借りて対応する家庭もあります。制服が買えなくて入学式を欠席する子もいると聞いています。太田市では、繰り返し

の市民要望に応えて、「入学準備金」を2月から3月に支給を前倒しして対応しています。すでに全国88の自治体が入学前に変更しており、来年4月入学の子どもから始めるところ

も24か所あり、合わせると少なくとも112の自治体に広がります。本市でも、「入学準備金」を前倒して、家族で心から入学を喜び合えるようにすべきです。見解を求めます。

Bしかも、来年4月の入学に先立って実施する24自治体の内半分は、小学校
と中学校の両方を対象に、開会中の今議会の議決を経て実施する予定です。どうしても無

理と言うなら、就学援助制度を利用している6年生については、親の所得の継続性があるので中学校の入学準備金だけでも前倒しすべきです。いかがですか。

◎市長に質問
市長にお伺いします。市民の意識調査では8割以上の方が「人口減少や高齢化に対して不安を感じる」と答えています。こんなに大事な子育て支援策が「前橋版人口ビジョンに」

には示されていません。学校給食費の完全無料も保育料も、子どもの医療費も、就学援助の拡充も全て実施しても約24億円超でできます。LRTを先送りしたのですから、市政の

軸足を子育て支援に置き換えて、積み立ててきた財政調整基金も利用して、一歩前進させようではありませんか。いかがですか。

●市民は日赤跡地のCCRC構想や大規模道の駅、前橋駅北口の26階建て複合ビルなどの公共事業より、くらし、福祉、子育て支援を優先してほしいと本議会に請願も提出されていま
す。市長は、市民の要望に応えるよう求めて質問を終わります。

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