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議会報告

請願賛成討論 近藤好枝(小中学校の給食費の完全無料化/子どもの医療費を高校卒業まで/第二子保育料の無料を.『まちなか店舗ホスピタリティー向上支援事業』の拡充.『汎用性が高く、利用しやすい住宅リフォーム助成制度』の創設)




【2017/3/29】

私は、日本共産党前橋市議団を代表して、請願第1号、請願第2号、請願第3号以上3件について採択に賛成の立場から討論いたします。
最初に、新日本婦人の会前橋支部から提出された請願第1号、第一項の小中学校の給食費の完全無料化についてです。教育福祉常任委員会審査では創生前橋、清新クラブは高額所得者を対象にすべきではないとか、貧困家庭にいては生活保護や就学援助制度の活用をすべきと述べていますが、本請願に込められた願いは、日本の相対的貧困率が16%に達し、非正規雇用労働者が労働者全体の4割、その平均給与所得は年間171万円などに示されているように、若い子育て世代の暮らしは非常に厳しい実態があります。物価上昇によって実質賃金が減り続けている中で、子育てに係る費用が一層重くなっています。このような暮らしの状況の中で、義務教育無償化の原則からいっても、教育の一環である学校給食の無料化を今こそ決断してほしいという願いは当然であります。本来は国の制度として無料とすべきですが、当面は子供の医療費の中学校卒業までの無料化のように少子化対策の中心策として市の負担で学校給食費の無料化を要望しているものであり、議会は率直な市民の願いに応えるべきだと思います。
清新クラブ、市民フォーラムは不採択の理由に学校給食法の第11条2項の食材費の保護者負担を持ち出していましたが、本市は子育て支援策として、現在でも同時通学の第3子に対して一部無料化制度を実施しておりますので、
問題点と指摘すること自体が道理に合わないものであります。
さらに、創生前橋、清新クラブ、市民フォーラムの各会派は財政が厳しいので、毎年予算化することは現実的ではないとか、他自治体が実施しているから本市も実施すべきという考えは本市の制度になじまない旨を述べていましたが、完全無料化に必要な14億円の財源についても、どの分野の施策を優先的に実施するかなどを全庁的に議論していくことが重要なのではないでしょうか。財政調整基金を学校給食費無料化のために柔軟に充てていくことも真剣に検討すべきだと考えます。
 学校給食は、栄養や健康、地産地消、地元の結びつきや食育の観点、アレルギー問題、家庭の経済状況や貧困の問題、就学援助や生活保護との関係、財政問題など多角的視点が浮かび上がってくる問題だと思います。もし直ちに完全無料化の実施が難しいとの判断であれば、一層知恵を絞り、工夫を凝らして、例えば第2子からとか、あるいは中学生から段階的に無料にするなど、どうすれば完全無料化へ近づけることができるのか考えて進めていく努力が必要だと思います。

第二項の子どもの医療費を高校卒業まで拡大を求めることについてです。
不採択を主張した会派は財政負担が重いと述べていますが、本市をはじめ群馬県で実施している医療費無料化制度は窓口負担ゼロであり、全国でも優れた制度となっています。疾病の早期発見と早期治療、合わせて疾病の重症化や長期化の予防も図られていると本市でも高く評価しています。
子育て支援の立場や児童福祉法が規定している18歳までの無料化は子育て支援をさらに推進するものであります。
第三項の第二子保育料の無料を求めることについてです。
県内で最も出生率の高い上野村は合計特殊出生率は2・29となり、13年間も維持しています。それに比べて本市は1・51で県内では9番目にとどまっています。第二子を生み育てたいけれど子育てに対する財政的負担が重いと躊躇している子育て世代の切実な願いに応え、国が新年度から非課税世帯への第二子無料化を実施するのですから本市は率先して第二子無料化に踏み出すべきです。
安心して子供を産み育てられるよう、医療費の無料化のように中核市前橋市が全国の先進を走り国や県を動かすという時期に来ていると思います。多くの子育て真最中の市民が望んでいる給食費の無料化、高校卒業までの医療費の無料化、第二子からの保育料無料化を真摯に受けとめて実現をするために、市当局が足を踏み出すように議会が意思を固めて積極的に働きかけるべきだと思います。そのような思いを込めて、本請願に賛成を表明するものです。

次に前橋民主商工会から提出された請願第2号小規模基本法に基づき、中小業者施策の拡充、地域経済の振興を求める請願『まちなか店舗ホスピタリティー向上支援事業』の拡充を求める請願についてです。
第一項は夜間営業のみの飲食店にも適用することについては、当局は実施するとのことですので賛成であり確実な実施を求めておきます。

第二項はリフォーム工事だけでなく、設備・備品購入にも利用できることについてです。市民経済常任委員会審査では創生前橋、清新クラブ、市民フォーラム、市民の会は冷蔵庫や什器の備品など助成対象の拡大は、移動したり、転売するおそれがあるという発言がありました。そして、商工会議所の助成制度がある、備品、設備は自助努力で行うべきとの主張もありました。店舗をリフォームしてお客を増やそう、中心街のにぎわいを取り戻そうと決意して市に助成事業に申請をする事業者を最初から備品の助成をすると転売するかもしれないと疑い、信頼しない後ろ向きの発言は問題だと思います。

第三項は制度を利用できる地域を前橋市内全域に広げる項目も事業の目的にそぐわないという主張をされました。しかし、市内の商店は中心商店街も周辺商店街もともに大型スーパーやコンビニの多数出店によって苦しい経営を余儀なくされています。これまでにも果たしてきた地域のコミュニティーとしての役割を発揮してもらう上でも、魅力ある店舗づくりは中心街だけではなく市内全域においても大変重要な課題です。
高崎市で実施しているまちなか商店リニューアル制度は活用する商店だけではなく工事を行う地元の小規模建設関連業者も大変元気になる制度だと高崎市の職員は語っています。同市では、平成23年の事業開始以来、平成25年度は計4億4,000万円、平成26年度は3億5,000万円、27年度は4億2,000万円、今年度は約3億5千万円の事業実績があり、
高崎市内の地域経済活性化に大きな貢献をしています。本市でも当局は商店や商店街の活性化策を産業ビジョンに位置づけて重視しており、今こそこの高崎市の事業に学び実施すべきです。
第4項は工場や事業所にも適用できることについてです。市内で一生懸命事業している小規模事業者には適用される制度もありません。前橋市で事業を行い工場や事業所がなかなかリニューアルできないと断念している事業者への切実な要望に応えるものであります。工場の中には事務室があり、職場の労働者の働く環境を改善し、福利厚生施設の充実を求めるものであります。
安心して営業を続けられる店舗づくりを目指して積極的に応援することが求められており本請願に賛成です。

最後に同じく前橋民主商工会から提出された請願第3号小規模基本法に基づき、中小業者施策の拡充、地域経済の振興を求める請願『汎用性が高く、利用しやすい住宅リフォーム助成制度』の創設を求める請願についてです。
建設水道常任委員会審査では創生前橋、市民フォーラムは特定業者への直接助成は疑問と述べ、住宅は個人資産であり、前橋市の住宅政策にはなじまないなどと強調して不採択としました。そもそも住宅リフォーム助成制度は建設業者などに直接助成する制度ではなく、市民が住宅リフォームを市内業者に発注した場合に、そのかかる費用の一部を市民に助成する制度です。

さらに、これまで国の補助金を活用して前橋市が実施してきた、耐震、エコ、子育て、バリアフリーに限定したとはいえ、4年間で3億2,600万円余りも助成した住宅改修支援事業、また、一昨年7月から前橋市が事業を開始した空き家の活用や解体のための費用の補助事業、具体的には空き家へ居住するための外装、内装、台所、浴室等の改修工事費の特定目的活用支援以外は3分の1以内を基本として補助している空家対策事業も個人資産である住宅改修への支援であり、この制度に賛成しながら同様な趣旨で市民も市内の中小建設業者も喜び、地域経済を活性化する抜群の効果がある住宅リフォーム助成に対しては不採択にすることは大変矛盾しています。
他の施策の活用を求めた会派は他の制度の活用ができると述べて住宅リフォーム助成制度をあえて創設する必要はないとの理由で不採択を主張されました。しかし、木造住宅の耐震化助成事業の対象は昭和56年以前の木造住宅に耐震補強のための工事に限定されており、住宅リフォーム助成事業のようななんにでも対象になる改修工事を対象としておりません。また、介護保険による住宅改修も要支援、要介護認定者に限定されており、中小建設業者の仕事おこしという点では大きな効果は期待できません。
空き家対策事業は、現在居住している家に対する助成は適用になりません。所有者と新たに居住する人が同じ場合も対象になりません。空き家対策の本市の補助実績は27年度から実施して平成27年度は約6265万円、28年度は年度途中ですが約1億2424万円でした。

空き家対策は増え続ける空き家の利活用策として成果を上げていますが、個人住宅をリフォームによってより長く住みつづけるために、
リフォーム工事で長寿命化を図り、空き家にならないための住宅政策も必要ではないでしょうか。住宅リフォーム助成制度はこのような施策としても大いに有効であります。一方、高崎市では空き家対策の制度に関しても、前橋市の施策よりも拡充されており、平成26年度から創設して平成26年度は約2億428万円、平成27年度は約1億5956万円、28年度は年度途中ですが約1億4千万円で実績額です。
補助額でも示されていますがこの制度に対しても力を入れております。同時に、住宅リフォーム助成制度も実施しているのです。既に5年前の23年度から継続して実施し、助成対象工事経費の30%、最高金額を20万円まで、予算額は1億円で住宅リフォーム助成制度を行っており、毎年8億円から10億円の工事が発注されております。それぞれの制度を活用して地域経済の活性化策として位置付けております。
住宅リフォームの助成制度は厳しい経営を強いられている建設関連業者の受注機会をふやし、今なお長期にわたる不況で元気のない小規模な建設関連事業者を励まし、まちに潤いと活気をよみがえらせる事業であります。今日の社会情勢からも市民要求に合致した施策であります。建設業協会傘下の方からも、業界の経営環境の厳しさの改善のためなら、議会が協力し合って住宅リフォーム助成制度を前橋市としてぜひつくってほしい、こういう意見も聞いております。
いろいろな制度があるから住宅リフォーム助成制度は不要と主張することは、このような市内業者の切実な声にも背を向けることになります。全国ではすでに5県630を超える市町村が実施し、仕事おこしとまちの活性化のために改修箇所に制限を加えない住宅リフォーム助成制度に踏み出しています。県内では35自治体中23自治体が住宅リフォーム助成制度を実施しております。どこでも行政が支出した予算の5倍から10倍の経済波及効果が生み出されており、地域経済の振興策として大いに期待される事業であります。前橋での事業創設を求める願意は、大多数の市民や建設関連業者の多くの共感を得られると確信しております。
以上申し述べまして請願第1号第2号第3号以上3件の賛成討論といたします。

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