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議会報告

2017年第2回定例会に提出した意見書【2017/6/9】

9条改憲を撤回し憲法遵守を首相に求める意見書(案)
                         日本共産党前橋市議団
安倍晋三首相は、憲法9条1項の「戦争放棄」と2項の「戦力不保持」を残しつつ、新たに「3項」を加えて「自衛隊を明記する」という改憲案を提起した。  
首相は「自衛隊が合憲か違憲かの議論の余地をなくすため」と述べて、単に今ある自衛隊を憲法で認めるだけかのような印象を振りまいている。
これまで歴代政権は、自衛隊が9条2項で禁ずる「戦力」には当たらないと主張し、「自衛隊は、わが国の自衛のための必要最小限度の実力組織」と説明してきた。そのために、武力行使の目的を持って武装した自衛隊を他国に派遣する海外派兵や国連軍やアメリカ主導の多国籍軍への参加については、「自衛のための必要最小限度を超えるから憲法上許されない」と国会で繰り返し答弁してきた。
しかし、憲法に自衛隊の存在理由が書き込まれれば、9条の持つ意味は大きく変わることとなる。憲法9条に3項を加え自衛隊が明記されれば、9条の2項が保持しないと定める「戦力」とは別のものであるとして、自衛隊を国際法に基づく存在として位置づけられることとなり、憲法9条2項が死文化する。
災害救助などで活動する自衛隊を憲法上認めるだけのように装いつつ、実際は海外で無制限の武力行使を可能とする狙いが込められていることは明白である。行政府の最高責任者である安倍首相が、憲法第99条の「憲法を尊重し擁護する義務」を無視し、恒久平和を願う多くの国民を欺いて9条改憲の発言を繰り返していることは許されない。
 よって安倍首相に対して、世界に誇る憲法9条の改憲を直ちに撤回し、憲法を遵守するよう強く求めるものである。

 以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

憲法を生かし、「高等教育の早期無償化」の実施を求める意見書(案)
                        日本共産党前橋市議団

 安倍内閣は、憲法9条に自衛隊を明記する改憲と合わせて、「高等教育の無償化」を改憲の理由にあげている。しかし、「高等教育の無償化」は、憲法を変えなくても、法律を変えて予算を確保すればできることである。
 日本国憲法26条は「すべての国民は、法の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する」と、教育を基本的人権の柱の一つに位置付けている。
 憲法の規定を受けて、教育基本法4条は「すべての国民は、ひとしく、その能力に応じた教育を受ける機会を与えられなければならず(中略)経済的地位または門地によって、教育上差別されない」と定めている。このように、教育を受ける権利が経済的理由で左右されてはならないというのが憲法の精神である。
 憲法は、高等教育を含む教育全体の無償化に十分対応できる内容を備えている。 
安倍首相が「高等教育無償化」を主張するのは、「無償化」を憲法に書き込ませ、本丸である憲法9条を改憲する足掛かりにしようとするものにほかならないのである。
 安倍首相は真剣に「高等教育もすべての国民に真に開かれたものとしなければならない」というなら、やるべきことは憲法改定ではなく、憲法26条の精神に基づく政治を進めることである。
 よって、国に対して、「高等教育無償化」を口実にした改憲をすすめるのではなく、憲法を生かして「高等教育の早期無償化」の実施を強く求めるものである。

以上、地方自治法第99条の規定により、意見書を提出する。

再生可能エネルギーのルールある設置を求める意見書(案)
                              日本共産党前橋市議団

前橋市内の(株)関電工が電力中央研究所赤城試験場の西側の一部敷地を取得して出力6700㌗、消費電力量一般家庭7700世帯分、年間8万トンの間伐材等を焼却し蒸気を起こして発電する木質バイオマス火力発電事業が進められている。
同事業では、福島第一原発事故による放射能汚染された地域の森林の間伐材を燃料にする発電に対して、地元住民から不安と懸念が広がっている。
経済産業省がモデルケースとしている5000㌗以上の大規模木質バイオマス火力発電はここ2〜3年間に全国で100か所近くの建設が予定され、計画通りに建設されれば原料となる未利用木材の伐採・搬出作業の木材供給能力が追い付かなくなり未利用木材搬出可能な在庫が近い将来に尽きるとも予想もされている。このようななか原料の調達競争が激化して、搬出容易な箇所は皆伐になり、貴重な森林資源がバイオマス発電に回され、一方で搬出コストのかかる箇所は放置森林となり拡大する。さらに、収益性を追求するため東南アジアなどからの原料輸入で発電を維持するとも専門家から指摘されている。このような問題のある大規模木質バイオマス火力発電計画は見直すべきである。
また、太陽光発電の設置についてもルール化されていないため、崩壊の恐れのある急傾斜地や森林の大規模伐採などによる土砂の流出や自然破壊、環境破壊を引き起こす恐れがある場所に設置されているケースや太陽光発電パネル本体の倒壊や飛散の危険性も指摘されている。
よって、国は原発に代わる再生可能エネルギーのルールある設置を明確化して推進するため、下記事項を求めるものである。

1 環境や景観に影響を与えるような再生可能エネルギー発電については、種別・規模ごとの規制基準を設ける。

2 住民からの要望がある場合には環境影響評価を義務付ける。

3 木質バイオマス火力発電設備の燃料は、福島第一原発事故による放射能汚染されている地域からの木材の搬出基準を設け、基準以上汚染された木材は搬出できないようにルール化する。

4 木質バイオマス火力発電の推進に当たっては、国内外の森林破壊を招かないための規制を実施し、森林保全を図る。

5 太陽光発電設備の設置については建築基準法に基準を設ける。設置済みの太陽光発電設備についても、調査点検を義務付ける。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

子ども医療費助成にかかる国民健康保険の減額調整措置の廃止と、全国一律の子ども医療費無料制度の創設を求める意見書(案)
                         日本共産党前橋市議団

国民の世論と運動ですべての自治体が独自に子ども医療費の無料化や軽減策を行っている。しかし、国の制度としては無料化が実現しておらず、それどころか国は、無料化を実施している自治体に罰則として、国庫負担金の減額調整措置を行い無料化の拡大を抑え込もうとしてきた。
子どもの貧困が深刻化している中で、お金の心配なく、子どもが医療機関にかかれるようにすることは急務となっている。
このことを踏まえ全国知事会などが「減額措置の中止と、国の責任で全国一律の制度を構築すべき」と国に再三要請を行ってきたが、厚労省はこれに答え初めて「2018年度から減額措置を未就学児までは行わない」との方針を明らかにしている。
減額調整額については、厚労省は、未就学児で約62億円、小学生約20億円、中学生約10億円との試算をしているが、なんらかの医療費助成を実施している自治体が、小学生で98%、中学生で93%まで広がっているのに、小学生以上に引き続き減額調整措置を続けることは問題である。
また、子どもの医療費無料化制度は、疾病の早期診断と早期治療を促進し、子育て世代の負担軽減を図ることを目的として、すべての都道府県で取り組まれているが、全国一律の制度がないため、対象年齢や受給者負担金、所得制限等の制度内容が自治体ごとに異なり、地域間で格差が生じている。
よって、国においては、現在、自治体が行っている子ども医療費助成にかかる国民健康保険の減額調整措置を廃止するとともに、全国一律の子ども医療費無料制度を創設するよう強く要請する。

以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。

森友学園・加計学園問題の徹底した真相究明を求める意見書(案)
                           
                              日本共産党前橋市議団

 大阪の学校法人「森友学園」が小学校の開設を名目に、国(財務省)から格安で国有地を手に入れ、大阪府の異例な「認可相当」の決定と合わせて政治家などの関与が疑われている疑惑は、解明が尽くされないまま、問題発覚から4カ月たっている。当面の焦点になっている安倍晋三首相の妻、昭恵氏の証人喚問は実現していない。同学園の前理事長、籠池泰典氏の証人喚問でも疑惑が指摘されたのに、昭恵氏に説明を求めないのは道理がない。森友学園がどのようにして国(財務省・近畿財務局)から破格の価格で国有地を手に入れたのか、小学校を経営した経験がなく財務にも問題があった同学園がどのようにして府から認可を取り付けようとしたのかなど疑惑の核心は解明されないままである。
 不動産鑑定で約10億円の国有地が、途中から「借地」から「売却」に切り替えられ、そのとたん約8億円も値引きされ10年間の分割払いになったという異常な取引が、政治家の介入抜きに行われたとは考えられない。開設予定の小学校で「名誉校長」を務め、安倍首相とともに同学園の幼稚園教育を賛美し、「安倍晋三から」と100万円寄付したとまでいわれる昭恵氏が、籠池氏からの依頼の後、昭恵氏付きの政府職員を通じて財務省に問い合わせをさせた疑いがあり、土地改良費用の支払いや土地の売却に関与していたとも疑わせる手紙やファクスの存在が明らかになっている。
また、安倍晋三首相の「腹心の友」が理事長を務める岡山市の学校法人「加計学園」が愛媛県今治市に来春開設しようとしている獣医学部をめぐり、公平公正であるべき文部行政がゆがめられた。これまで明らかになり、国会などで追及されてきた一連の文書には、来春に「加計学園」の獣医学部を開設することを目指し「最短のスケジュール」を作成することや、内閣府が文科省に「官邸の最高レベルが言っていること」「これは総理のご意向だと聞いている」などと要求していた記載がある。文書が作成された当時事務次官だった前川氏は、昨年9月から10月にかけ、大学の開設を担当する専門教育課から報告、相談を受けた場での資料だと証言した。文書作成当時、次官だった人物の重大発言である。菅義偉官房長官らは「出所不明」「文書はない」などと否定しているが、国政が私物化され、行政がゆがめられた疑惑であり、証人喚問など、国会での真相解明が不可欠である。
よって国に対して、国民の政治の信頼に係る行政をゆがめた疑惑の重大問題である森友学園・加計学園問題の徹底した真相解明を求めるものである。
以上、地方自治法第99条の規定により意見書を提出する。






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