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議会報告

2017年第4回定例会総括質問 小林久子議員25分(1)新道の駅の問題点について(2)国民健康保険の都道府県単位化の問題について【2017/12/19】


 1、最初に、新道の駅の問題点について伺います。

(1)一つは施設整備方針についてです。

 道の駅は全国に1134が登録され(2017,11現在)県内は32か所と関東でも数が多く、本市は4つめの新道の駅の設置を上武道沿線計画し、優先交渉権者がヤマトOCOGグループに決定しました。
市は募集要項で、道の駅を整備するに当たり、農業と食を核にした官民連携の取り組みと自然や観光など地域資源を取り入れ、赤城を味わい、赤城を体験するとしました。
これを受けて、提案事業者は、年間100万人の誘客をめざし、市が提案した必須施設のほかに整備することが望ましいとした施設を数多く取り入れた大型施設が提案されました。
今後、市と事業者と提案をベースに協議をしていくわけですが、農業都市としての強みを計画に反映させるために、イニシアチブを発揮すべきちちです。
地元農産物に光を充て、農産物の活用や商品開発などに力を入れ前橋独自のブランドを発信していくことが前橋の農業の振興や地域経済活性化にとって重要です。
川場の道の駅は、村内農家の93%が出荷登録し、川場にしかないブランド米や豊富な果物、乳製品、などを作り上げて集客数を増やし、地域の振興にも大きな役割を果たしています。
前橋の農業を中心に据え農業・食の独自ブランドで、他の駅との違いや特色を打ち出していくなど力を入れるべきと考えますが、見解を伺います

●市長は今年4月の公民連携最前線のインタビューに答え、道の駅に、農産物直売所を始め様々な施設を設置する、ここに市民がつくった製品を、ずらりと並べたい、若者が作ったワイン、障害者の作ったクッキー、おばあちゃんがとってきた山菜のてんぷら、とか500くらい並べたいと言っています。
栃木県の道の駅もてぎは、ゆずやエゴマなど地域の特産品を加工し道の駅を核にオリジナル商品の開発しで6次産業化を推進し、年間144万人利用し約7 億円売り上げるなど、地域経済活性化に大きな効果を上げています。本市もオリジナル商品の開発や6次産業化にJA、農家の皆さんと協力し、応援する体制作りが重要です。

 2つは施設の規模についてです。

北関東一の道の駅をうたい約7haに、道路利用者サービス機能のほかに、農産物直売所、加工施設、地産レストラン、消防団詰所、防災施設、多目的施設、バーベキュー・グランピング施設、野外ステージ、サイクルステーション、農園、温浴施設、コンビニなどで施設規模は9200?にもなります。
川場の道の駅が5haで、年間120万人が訪れ、週末はバスや家族客などで大渋滞をするほどです。自然豊かな環境で一日まるごと楽しめる・遊べる・食べれる道の駅。お年寄りから子どもまで楽しめる。というのがウリです。
新道の駅も、このような多彩な施設で様々な体験ができるとなれば、ここで客の足を止めてしまうことにならないか。赤城山観光、スローシティの取り組みへの影響や、市内3つの道の駅影響が心配です。どう考えますか。
市内3カ所の道の駅との共存を図る上でも、新道の駅は提案のような大型施設とするのでなく、財政が厳しいというならまずは身の丈に合った施設規模に縮小・変更すべきと考えますが見解を伺います。

●事業者は契約期間の中で早期の資金回収と収益の確保など事業者の利益を優先しますから、市内施設への影響が払しょくできません。

(2)次は事業費について伺います。

 今後、市と優先交渉権者と配置・規模・施設内容について基本計画の策定後、事業契約を結ぶということですが、総事業費がいくらになるのか全体像が明らかにされていません。
当初の案としては、想定事業費47億円。用地費・造成費を除く、必須施設と外構のみのモデルプランの建設費は22億円という数字がしめされ、施設規模も、6050?でした。
今回事業者が示した整備費が30億円、維持運営費が35億円(15年間)です。
まだ、用地費、造成費、道路整備費などが示されていませんが、土地の購入、道路から低い予定地の造成、取り付け道などさらに莫大な費用がかかることが想定されます。
今後、国と事業者と市の費用分担が決定していくとのことですが、一体総事業費はいくらになるのか。また市の負担はいくらになるのかお答えください。

 では、総事業費が概算でも議会や市民に明らかにされるのは、いつになるのでしょうか。お答えください。

●事業費全体を見ても過大な財政支出を伴う。市は財政が厳しいと市民生活に直結した施策の廃止や縮小見直しを行い、市民サービスをきり縮めながら、一方で、莫大な予算を伴う大規模な道の駅の整備を進めている。今回民間の資金を活用し、PFI手法で民間事業者が提案しましたが、このような手法や事業のあり方について市民へは全く説明されていない。
総事業費が分らない事業を認めろと言われても判断のしようがありません。そもそも市民はこのような大規模な道の駅を望んでいません。改めて規模の縮小・見直しを求ておきます。 

(3)次は推進体制についてです
新年度の機構改革で、道の駅は政策推進課から建設部道路建設課、用地・道の駅推進室に改編されます。
道の駅は、本市の観光振興や、地域経済にも大きな役割をもつものであり、様々の道の駅の研究や、市内への人の流れをどう作っていくのか、JA・農家などとの連携、出店や新製品の開発など、市が今後も積極的に関わり支援していくことが必要で、事業者任せにしてはいけません。まさにこれからが大切であり、政策部から手が離れることは問題です。引き続き政策推進課も関わるべきです。答弁を求めます。

●道の駅を新たに作り前橋市を発信できる機会に民間任せでいいのか。民はもうけを優先し、先のことは考えていない。目先のことでなく、前橋の先を見据えた、変わらない前橋独自のブランドを生み出すチャンスです。手間暇かかります。それをやるのが行政ではないか。民間任せでなく、政策推進課を始め、全庁挙げて取り組むべきと考えます。


 2、次は国民健康保険の都道府県単位化の問題についてです。

 厚生労働省は10月23日、平成30年度の国保事業費納付金や標準保険料率を試算する仮係数を都道府県に通知しました。県は12月末までに試算結果を国に報告、国の示す確定係数を反映して、1月中旬までに係数を調整し、予算編成を行います。
 厚労省は仮係数は診療報酬改定率など一部を除きほぼ確定係数に近いものに仕上げたとしています。
  
(1)国民健康保険税の引き下げです。

県が出した3方式による前橋市の標準保険料率で試算すると、市がモデル世帯としている年収300万円40代夫婦子ども1人のモデルケースの世帯で、年額340400円から359500円へ19100円の引き上げになります。
また、内訳をみると、医療給付費分は20500円下がりますが、後期医療支援金は23300円、介護納付金は16300 円引き上げになります。
また、新制度により負担が上がる市町村に、激変緩和措置が実施され県内35市町村のうち13市町村が対象になり、本市も1人あたり6279円補助が講じられています。
このことから、子どもの数が多い多子世帯や、40歳以上の介護納付金が課せられている世帯などは国保税が引き上がるのではないかと考えるが、激変緩和措置で、30年度の保険税額の引き上げは回避できるのか。当局はどの様に受け止めているのか伺います。

●市町村国保運営に国が介入し、制度を大きく変えようという時期に、ここにきて、市民のくらしに直結する国保税が上がるのかどうか、全体が見えてこないことは問題です。

 国保税の急激な引き上げを避けるための激変緩和措置は、次年度以降は徐々に縮小していくとしています。まさに、新制度が国保税の引き上げありきで進められていることは問題です。
県内では、低所得層の税負担を抑える応能割の高めの設定や、国保財政が赤字で一般会計から法定外繰り入れなどをおこなっている自治体があります。
藤岡市では、県から示された、納付金の試算結果では、現行税率での収納額では不足すると判断し、12月定例会に国保税率の改正案が出されています。これを見ると、40代夫婦子供2人の所得2500万円の世帯では、55300円の引き上げに、同じ家族構成で2割軽減の世帯では46100円の引き上げ、70歳夫婦2人年金暮らしの5割7割軽減世帯も5000円の引き上げなど、都道府県化に伴う税額引き上げ案がすでに出されているのです。
本市は必要な情報を収集し、試算を行うとともに、いずれにしても、来年度の国保税の引き上げは何としても食い止めるため、必要な手立てをただちに取るべきです。
合わせて基金19億円や一般会計からの繰り入れも行い今でも高すぎる国保税の引き下げを行うべきと考えますが、見解を伺います。

●群馬県の国保運営方針案では、加入者の所得水準が低く税負担が重いという課題があることや、小規模な市町村の財政運営の不安定さ、市町村間の医療水準や年齢構成・所得の格差など現状の問題点を挙げつつ、保険税水準は徐々に県内市町の統一を進めるとしています。市町村の独自の裁量の範囲を狭め、結局は国保税引き上げと徴収強化を市民に押し付けようとするもので、都道府県化は大問題です。

(2)次は税徴収についてです。

本市は4年前の国保税引き上げ、3年ごとに改定される介護保険料も、2期連続引き上げてきました。さらに、2014年の消費税率8%への引き上げなど立て続けに市民負担が強められ、65歳以上の貧困率(生活保護水準以下)は27.4%と、高齢者の貧困も深刻です。
本市の国保加入世帯は、所得200万円以下の低所得世帯が7割を占めています。平均所得132万円。うち滞納世帯数は6392世帯、約1割が滞納しています。
市は、滞納者に対し生活実態を十分把握せず、差押えを昨年は7000件も乱発し、市民の生活や営業を脅かしています。給与や年金は上がらず、社会保障の負担は増え、国保の都道府県化で、徴収強化の姿勢も改めず、これでは市民は救われません。ますます納められない人が増えることが予想されます。
 強権的な差押えをただち止め、丁寧な納税相談を行い、徴収の猶予制度の活用で、市民のくらしを守る収納行政に改めるべきです。見解を伺います。

●いつも答弁が同じですが、滞納者も納税者です。遅れているだけです。どうしたら納めることが出来るか一緒に考えるべきで、滞納者を守る体制がないことは問題です。

(3)最後は資格証明書・短期保険証の発行の問題についてです。

今年5月は、資格証明書の発行は249世帯、短期保険証は1138世帯でした。 
 資格証明書は、医療の窓口で10割全額医療費負担をしなければならず、医者にはかかれません。保険制度でありながら、医療を制限する保険証の取り上げは命に係わる問題です。低所得者、高齢世帯が多く、当然、医療に係る機会も増える加入者の現状を見れば、医療抑制を招く保険証の取り上げは止めるべきと考えますが、答弁を求めます。
  
●滞納者は市の強権的な税徴収と保険証取り上げの2重の苦しみを強いられ、あまりに冷たい市政です。

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