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議会報告

2017年第3回定例会建設水道常任委員会・長谷川薫議員〜市営住宅施策、立地適正化計画、道路水路の維持管理について【2017/10/20】

2017年9月議会 建設水道常任委員会決算審査(長谷川)

1、市営住宅施策について

 最初に市営住宅の維持管理について質問します。これまでにも、私は繰り返して質問に取り上げてきましたが、少子高齢化の急速な進行や貧富の格差の拡大が深刻化する中で、生活困窮者や低所得者に低廉で快適に暮らせる市営住宅を提供する行政施策は、本市においても今後ますます重要となって行くと思います。
ところが、現在、本市の市営住宅は、管理戸数の2割を超える空き部屋が恒常化しており、今後、修繕が遅れて建物の老朽化が進んで行けば、さらに空き部屋が増えて行く悪循環に陥る恐れがあるという問題を抱えております。
このようなかで今、本市議会で、管理戸数を大幅削減すべきという主張も一部議員から出されております。前橋市が、市営住宅のスック活用計画や長寿命計画に基づいて営々と維持管理し建て替えて市民に提供してきた努力や、市営住宅が市民の暮らしのセフティーネットという福祉的な役割を果たしていることを理解していない主張だと思います。
今後とも市当局が市営住宅の空き部屋をできる限り減らして、本来の公営住宅の役割を十分果たせるよう、これまでの施策を見直し充実改善することを求めて質問したいと思います。

(1)空き部屋の現状と影響

●空き部屋増加の特徴とその原因

 郊外立地の芳賀団地や江木団地が42%も空き部屋となっていることは深刻ですが、比較的交通も生活の利便性も良い南橘団地も24%もの空き部屋があります。すでに市全体の空き部屋率が21%ですので、立地条件にかかわらず市営住宅全体をリニューアルしエレベーター設置を進めなければ、今後も空き部屋はますます増えて行くのではないかと心配しています。空き部屋の現状の特徴や原因についてどのように分析されているのか、お答えください。
 
●空き部屋増加の影響

 空き部屋が多いことによって、とくに上層階の階段やベランダがハトの糞だらけになったり、入居者に求めている共用部分の清掃ができなくなったり、建物周辺の樹木の剪定や除草が十分実施されずに荒れ放題になるなど、団地全体の環境が悪化し暮らしにくくなるという問題も起きています。

 その結果、当該市営住宅全体の市民の入居意欲が弱まり、団地全体が高齢化してコミュニティーが崩壊するなどの問題も強まり、さらに空き部屋が増えるという悪循環に陥りつつあるのではないでしょうか。このような影響をどうとらえているのか、お聞かせください。

●市営住宅は大事な市民の共有の財産です。有効活用することは当然です。入居待機者は今でも205名もおられます。私も、繰り返し「修繕を促進し、外の伸び切った樹木を剪定しなければ、団地の魅力が低下する」「若い世帯が暮らさない高齢者ばかりの町になる」と指摘してきましたが、市営住宅のリニューアル事業は遅れています。団地が整備されれば、もっと入居希望者が増えるのではないでしょうか。入居を希望する団地との空き部屋のミスマッチと安易にとらえないで、何年間も空き部屋を放置している現状を改善するという行政姿勢に立っていただきたいと思います。

(2)空き部屋解消に向けての抜本対策

?建て替え計画

 南橘団地のNA・NB・NC棟の建て替え後の計画として、今建築住宅課は広瀬町2丁目第4団地の建て替えを検討されています。本市の市営住宅の建て替えとしては初めて民間コンサル事業者に建て替えに向けての方向性の検討をされていますが、民間資金導入のPFI方式まで検討されているのでしょうか。仮にPFI事業となれば、受注事業者は投資に見合った利益を上げるために、設計や建設だけではなく、その後の修繕まで一貫した事業参画を求めることも想定されます。私は、市営住宅の建替工事や入居後の修繕については、地域経済の活性化や中小企業振興のためにも地元業者に分離割発注している現在の事業手法を維持すべきだと思いますがいかがでしょうか。また、市営住宅の福祉施設への転用・利活用なども検討されていますが、今後の老朽化した市営住宅の建て替え計画をどのように考えているのかお聞かせください。 

 【提言】100戸の市営住宅を建設すると建設費用は、約10億円です。100戸の平均家賃収入は年間約3千万円なので、建設費の半分を国の交付金で巻かない、あとの半分を家賃収入とした場合、16年で建設費用が賄えます。安易に、管理戸数を削減しなくても、跡地に市民ニーズにこたえた市営住宅を建設すれば、空き家はなくなると思います。国の補助事業採択を積極的に求めて、今後も建て替え計画を進めていただくよう強く求めておきます。

●大規模修繕計画 

 改修に費用がかかり過ぎるとして、空き部屋になってもあっせんを保留している空き部屋が現在約350戸あるとお聞きしています。さらに既設住棟の多くが、浴槽や風呂釜や給湯器がない、経年劣化によるカビや汚れ、塗装の剥がれなどが進み、大規模改修が必要となっています。耐震補強工事は完了しましたので、快適な居住環境を早急に提供するためのエレベーター設置や風呂場の設置、外壁補修や塗装などの大規模修繕の計画を早期に具体化し、国の補助事業採択を求めるべきだと思います。岡山市の市営住宅も5,597部屋のうち、浴槽が無い部屋は約半だそうです。これまでは、個人負担で取り付け、退去する際に撤去していました。お風呂が無い事自体が市営住宅への入居をためらう原因になっているのではないかと判断し、同市は市営住宅で浴槽がついていない部屋については、昨年度2016年度の新規募集分から浴槽を市の責任で設置して募集しています。入居希望が明らかに前進したそうです。全国の大規模修繕の取り組みに学んで、推進すべきと思いますが見解をお聞かせください。

【提言】南橘団地は664戸ありますが、空き部屋が3割の200戸、除却予定の木造簡易住宅の60戸を差し引いても140戸もの空き部屋があります。芳賀や江木団地などは4割も空いています。今、南橘団地に3棟目のバリアフリー化した市営住宅が建設され、まもなく入居者公募に近づいていますが、団地内の既設の建物はエレベーター設置も1棟のみで、老朽化が進んでおり、今後、更に空き部屋が増えることが心配されます。多くの市営住宅は、間取りや設備などが若い世帯のニーズに合わなくなっているのではないでしょうか。間取りの変更も含めた全面的なリフォームを実施し、子育て世帯の入居を促進すべきです。強く求めておきます。

●入居者負担の軽減
 入居者の自己負担による修繕が多いことも、市営住宅入居の魅力を弱めています。長く住むほど、水回り部分の劣化が進み修繕費の入居者負担が増えて、住環境が悪くなっています。他自治体が実施しているように、長期入居者を対象にして、自治体負担による経年劣化による畳屋や建具やドアのかぎなどの定期交換を実施すべきです。
 また現在、入居者負担で行っている排水管の年1回の業者発注による清掃も、市の実施に変えるとともに、建物周辺の除草や植木の剪定も、定期的に業者発注を行うべきです。
さらに、各入居者の部屋内部の修繕要望のアンケート調査を行い、自己負担部分についての修繕を市(公社)が取りまとめて、共同して業者発注して1戸当たりの負担を軽減する取り組みを実施すべきです。
 多くの既設住棟で空き部屋の増加と高齢者率が高くなっています。そのためにも、入居者任せでは十分な団地の環境保全は困難となっています。年間約3億円の一般補修予算では対応できません。一般修繕のための維持管理予算を増額してこのような負担軽減を図るべきと思います。見解を。
私も、繰り返し「修繕を促進し、外の伸び切った樹木を剪定しなければ、団地の魅力が低下する」「若い世帯が暮らさない高齢者ばかりの町になる」と指摘しても、団地全体のリニューアル事業は進んでいません。

●入居条件の緩和

 住宅の事実上の明け渡しを迫られる「高額所得者」の政令月収は31万3千円です。子どもさんの就職などで少しでも収入が高くなった世帯に対しては、近傍同種の民間家賃並みの使用料を徴収して事実上追い出しを行い、限られた低額所得者しか入居はできません。老朽住宅には、若い世帯の入居が進みません。その結果、市営住宅には単身高齢者、高齢者世帯、障害者や低所得者や生活保護世帯ばかりになり、コミュニティーの崩壊がすすむという問題点がいっそう増幅することが懸念されます。
それへの対応のためには、修繕の促進とともに、入居条件の緩和が必要と思います。とくにすでに群馬県住宅公社住宅が実施している若年単身者の入居、さらに現行の単身高齢者の55・5?の入居住宅面積の拡大、生活保護世帯で家賃の代理納付をする方の保証人の免除、入居継承などの緩和に向けての検討状況をお聞かせください。

【提言】私も相談活動の中で市営住宅の入居や更新の際に、「連帯保証人を求められ、頼める人がいなくて困っている」との声を聞いています。
 保証人になってほしいと何人にもお願いしてもダメだったと入居希望者は肩を落として言いました。身寄りのない人、一人暮らし高齢者、所得の少ない障害者が保証人を見つけることは大変であります。やっと入居できるようになっても、保証人をみつけることができず、入居を断念した人もいたと聞きます。
 そこでどうしても保証人が見つからない場合は免除出来るという対応を条例や処理要領をもってすべきと思います。自治体によっては条例や事務処理要項によってそのものズバリ免除しているところもありますし、国も免除は可能と各県に通知しています。
 平成14年の住宅局の通知で、「本人に家賃の支払いその他賃貸借契約に基づく債務の履行について誠意と能力があると認められるときは、保証人は必ずしも要しない。また、公営住宅が住宅に困窮する低額所得者の居住の安定を図ることをその役割としていることに鑑みると、入居者の努力にかかわらず、保証人が見つからない場合には、保証人の免除などの配慮を行うべきである。」として条例制定の際に参考とするようにとしています。
 このように他の自治体も国も保証人の確保が難しい入居対象者に対しては保証人なしでの入居は可能としているわけです。
民法の今年の改正で、連帯保証人を付ける契約をするなら、その旨と上限額を必ず契約書に書きなさい。そうでなければ連帯保証人という約束事は無かったことにしますという改正が間もなく施行になります。市営住宅の連帯保証人の責任範囲も明確にすることが求められます。ぜひ検討してください。
 北海道登別市では、連帯保証人の免除取扱要領を定め、入居者の実態に合わせた免除をしています。本市も市営住宅に住む方々に寄り添った考えと、取扱いの整備が必要と思います。

●家賃の減免制度の周知

 現在入居3973世帯のうち681世帯、17%が家賃減免を受けています。現在入居中の高齢者等、低年金で暮らす生活困窮の方に減免制度を知らせるとともに、市営住宅の入居を希望している方に広く知らせることが、入居促進につながると思います。現状を改善し、周知を強めるべきだと思います。見解を。

●南橘団地の市営住宅跡地の利活用方針

跡地に福祉的な施設を整備する方針は、どのように具体化しているのか。まもなく建て替えのNC棟が始まり、木造簡易耐火住棟の60世帯の除却が始まると思います。学童保育所などの整備が検討されていると思いますが、住民は、来客者用駐車場や高齢者の福祉的な施設整備の要望も出されています。いつまでに具体化するのか。
 
【提言】教育委員会は、学童保育施設は学校敷地内に設置することを原則としています。南橘団地に住んでいる児童生徒は桃川小学校に通っていますので、跡地への学童保育施設は検討が必要だと思います。高齢者施設などの要望もありますので、団地住民や自治会の要望にも耳を傾けて、整備計画を具体化していただきたいと思います。

 最後に、市は公共施設再編計画で将来、人口及び税金収入が減小するとして、公共施設面積の保有総量を減らす計画を掲げています。しかし、福祉施策である市営住宅については、安易に集約化するのではなく、入居者の住環境を改善することを最優先して市営住宅への市民ニーズに応えるべきです。公営住宅法第1条の「 国及び地方公共団体が協力して、健康で文化的な生活を営むに足りる住宅を整備し、これを住宅に困窮する低額所得者に対して低廉な家賃で賃貸し、国民生活の安定と社会福祉の増進に寄与することを目的とする」という立場に立って、早期に住宅修繕を促進し現状の管理戸数を維持し入居率を高めるようよう強く要望します。

2、立地適正化計画と今後のまちづくり方針

 これまでの街づくりは都市計画区域内を『市街化区域』と『市街化調整区域』に区分するだけでしたが、国が自治体に策定を求めている立地適正化計画は、さらに『居住誘導区域』と『都市機能誘導区域』の設定であります。国は、人口が減少しても一定エリアの人口密度を維持し、生活サービスやコニュニティが持続的に確保されるようにするとともに、医療・福祉・商業などの都市機能を中心拠点や生活拠点に集約して、コンパクトな街づくりを進めようとしています。今後、居住誘導区域に設定されない区域や市街化調整区域では、住民の暮らしに不便が生まれ、いっそう過疎化が進むことが心配されます。今後、住民の暮らしやすさ、安全・安心を維持しながら前橋全体の街づくりをどのように進めていくのかという角度から質問いたします。

(1)中心市街地など拠点地区における再開発事業

●今後いっそう人口減が進むので、コンパクトな街づくりを進めると言いながら、再開発事業として前橋駅北口開発や前橋版CCRC構想のように市内で大規模開発が進んでいます。北口再開発では10億円もの市の一般財源を投入する見込みです。今後の再開事業の展開によっては、前橋市の財政負担も大きくなることが心配されます。人口減を予想している中で、大規模開発が進む現状をどのように市民に説明されるのでしょうか。答弁を求めます。

●前工団のローズタウンも当初の東西両地区で総事業費約240億円、1300戸の分譲計画でしたが、結局、宅地分譲が進まず大幅に下回る400戸余りの分譲にとどまりました。そして今も、東地区に売却も賃貸のめどもない12.8?もの保有土地を抱えています。昨年度は特別会計に8億円の一般財源を元利償還のためにつぎ込みましたが、まだ19億円の償還金の残額を残しています。このような過大な需要を見込んで見通しの甘い事業をスタートさせて、結局、事業破綻するような事業を繰り返してはならないと思います。
 いま進めている拠点地区のこれらの再開発事業は民間主導の開発ではありますが、拠点地区の再開発なので国・県・市の補助金交付も得られるとアピールして事業提案をして公募し優先交渉権者を選定したのは前橋市であります。ローズタウンのように、万が一事業が円滑に進まなければ、税金投入による支援を余儀なくされるのではないでしょうか。
人口が減り、経済状況も良くない今日の状況の下で、都市間競争に安易に参加し、国の地方創生方針に追随するまちづくりを進める方針は問題だと思います。大型開発を推進せず、身の丈に合った、住民合意の再開発を進めるべきではないでしょうか。見解を。

【提言】高度成長期の前橋市の街づくりは、市営住宅は芳賀団地や江木団地、前原団地、分譲住宅団地はローズタウンや下川団地のように郊外立地を促進させました。また、大型商業施設が郊外の幹線道路沿いに乱立したために、中心商店街だけではなく周辺商店街も寂れて、歩いて生活用品を買い求められない高齢者などの買い物難民が増えています。今、東京圏の人口の一極集中の打開策として、また急増する首都圏の高齢者の受け皿として、日赤跡地のCCRC構想や前橋駅北口の再開発が進行している。さらに中心市街地の広瀬川沿いには120戸の分譲住宅と店舗を併用する大型再開発ビルの建設も進んでいる。景観が壊されるのではないか不安という意見も出ている。人口が急増した時期に、景観をあまり配慮せず、十分な検討も尽くさず都市化を進めた側面もある。今後は、人口減少で生み出される空間をゆとりととらえて、居住環境の改善に充てるべき。また、老朽化が進み空き家率が高まっている市営住宅のリフレッシュ改修工事を進め、入居条件の緩和や住み替えの促進によって、今ある市営住宅の適切な管理によって、高齢者や若い世代の暮らしを支えるべきです。


(2)市街化区域内における都市計画事業の見直し

 都市施設誘導区域や居住誘導区域を設定して、コンパクトで効率的なまちづくりを進めようとしていながら、一方で、落合地区のように市街化区域であれば面的な再開発事業である区画整理事業を従来通り進めるのは、立地適正化計画の考え方に反するのではないでしょうか。現在、市内には駒形や元総社蒼海地区など11箇所で区画整理事業を同時に施行し、どの事業でも当初の事業期間を延長せざるを得ず、いつになったら事業が完了するかわからない状況となっています。市街化区域内であれば、住民から要望と地権者の合意があれば面的整備である区画整理事業を進めるという当局のこれまでの街づくりの姿勢を改めるべきです。見解を。

【提言】落合地区の事業面積は35?で事業期間は平成29年から44年までの15年間となっています。隣接する元総社蒼海土地改良事業は、平成11年度から平成38年度が施行期間ですが事業期間の3分の2を経過した16年経っても、建物移転の完了戸数は必要移転戸数1092戸のうち584戸の48%です。事業全体が大変遅れています。建物の移転は、昨年度44戸、今年度の計画は27戸にとどまっており、約500世帯の地権者は「いつになったら建物の移転ができるのかわからない。将来の生活設計ができない」と不安を募らせています。当局はこのような住民の声や蒼海地区の事業の大幅な遅れを承知しながら、現時点で落合地区の事業を開始しようとすることは、蒼海地区はもちろん落合地区の地権者や住民に対しても不誠実な行政姿勢と言わざるを得ません。
 都市計画道路の整備も含めて、区画整理事業も抜本的な見直しを求めておきます。

(3)居住誘導区域の設定と住民参加のまちづくり

●居住誘導区域は、とくに住民の声を反映した決め方が求められるのではないか。急いで設定せず、国の補助事業採択のためなら、当面は居住誘導区域の設定を保留して、当面は都市施設誘導区域だけでよいのではないでしょうか。

●居住誘導区域に設定されない市街化区域は、一定規模以上の開発をする場合は届出が必要となります。市は、規模の縮小や居住区域内で開発するよう調整することができることになります。市街化調整区域ほどの開発規制はありませんが、開発についての十巻の制約がかかります。
今後、民間開発が抑制されて、地価の下落などの住民の生活に影響を及ぼす恐れがあるのではないでしょうか。そうした点からも、住民との話し合いを重視して、慎重に設定する必要があるのではないでしょうか。

【提言】居住誘導区域は市民の暮らしに大きな影響を及ぼすので慎重に設定すべきです。

(4)小・中学校区単位の街づくりを重視した関係部局との連携と総合調整

 前橋市は、これまでに郊外に拡散した市街地や合併地区の町の現状を踏まえ、単純にコンパクトな市街地をめざして、拠点地区の開発に絞るのではなく、これまでにも住民生活の基礎となっている、中学校区や小学校区を単位とした街づくりを進めるべきではないでしょうか。
都市計画部が中心となって、公共交通網形成計画によるネットワークづくりも、スマイルプランがめざす地域包括医療ケア―ネットワークづくり、教育振興計画や子育て支援計画などとの連携も含めて総合調整を行うべきだと思います。答弁を。

【提言】市民にはほとんど情報公開がないまま、民間事業者中心の拠点地区開発が進められている。万が一破たんすれば、これまで築いてきた地域のコミュニティーが崩壊する。このような事態にならないように、市民共同・市民合意の街づくりを進めるべきだということを強調したいと思います。

3、道水路の適正な維持管理について

(1)整備順位の決定基準

 道路の維持管理を怠ると、路面の陥没や橋の崩落などで、車の渋滞や事故を招き、日常生活に大きく影響を招きます。国の補助採択を求めながら、より効率的で効果的な補修を早めに行わなければなりません。雨がすぐに溜まってしまう道路や舗装がひび割れている道路などが沢山あり、改修整備を早急にすすめるべきです。一方、厳しい財政状況の中で、舗装補修の先送りを余儀なくされるなど、適切な維持管理が難しい状況にもなっていると思います。市民の要望を受けて、損傷原因は何なのか、それはどの程度進行しているのかをできる限り予見して、適切な修繕を行うことが必要だと思います。道路施設を含めて年間1000件を超える膨大な量の道路関係の補修・更新需要に対応していくためには、計画的・効率的な維持管理手法を構築して行くことが必要だと思います。
道路管理課ではどのような基準あるいは優先順位で道路整備を行うのか、答弁を求めます。

【提言】事故発生状況や地元要望などを勘案しながら、全市的な観点で整備効果を検討して優先順位を決めているとのことですが、私の地元でも多くの要望が出されていますが、申請から整備までに何年もかかるし、予算も少ないからいつ出来るかわからないなどと、不満の声も寄せられています。大規模な都市計画道路と比べて、住民への情報提供が弱いと思います。
 市民に対して、市単独の緊急補修の対応なのか、国の補助金を求めた抜本的な道路整備をめざしているのかなどの、道路整備の方針を伝えることが必要なのではないでしょうか。
老朽化が進む道路の適切な補修方法の選択などの維持管理に関する情報を積極的に市民に発信するとともに、市民からの意見や要望を適切に把握し、市民ニーズに即した維持管理を進めるべき。

(2)狭隘道路の拡幅

 現状の道路幅員が4メートルに満たない狭隘道路の整備についての住民要求が私にも寄せられます。市当局は狭隘道路整備等促進事業として国の交付金の採択を基本に取り組み、交付金を受けられない場合には、市の単独事業として整備に取り組んでおられるとお聞きしています。いずれの事業個所も財源確保が大変厳しく、(昨年度も決算の大要158ページの記載では7394万円余りの決算額で、)地域みなさんの整備要望に対して、単年度では完了せず数カ所の複数年度にわたる事業実施となっているとお聞きしています。ほとんどの要望箇所が、日常生活に不可欠な道路となっており、事業の進捗に向けての努力をお願いしたいと思います。
 そこでお聞きしますが、今、道路拡幅に向けての関係地権者の合意が得られず、整備要望を市に提出できないまま、長期間にわたって悪路のまま通行せざるを得ない状況も続いている個所が少なくないのも実態です。したがって、そのような地区においては、関係者の合意を形成するための勉強会を市が地元自治会などに呼び掛けて開催し、私道整備補助事業や建築指導課の生活道路後退用地整備事業なども含めて狭隘道路を拡幅する場合の整備手法や奨励金交付などの事業内容を示して、事業実施に向けてのスタートラインに立ってもらう必要があると思いますが、いかがでしょうか。

【提言】前橋市は多額の財源を必要とする都市計画道路の見直しも進めています。したがって、国交省に対して市当局は生活道路の整備に向けての市民要望を十分伝えて、補助事業の採択を強く求めていただきたいと思います。住民の要望に沿った整備を進めるための、市の積極的な役割の発揮を求めておきます。

(3)上武道路と市道の接続

 上武道路が3月19日に全線開通しました。便利になった一方で、周辺の道路で交通事故が起きています。特に上武道路の下をくぐるトンネル(カルバートボックス)の出入り口が危険になっています。川端町の上武道を通過する市道のトンネルの中が暗いために、トンネルを通過する車が出口付近で、側道から来る車と衝突する人身事故がすでに4件も起きています。地元の自治会の皆さんと現地調査も行い、トンネル内の事故防止対策を2ヶ月も前に前橋市当局に申し入れをしていますが、いまだに照明灯の増設などの改善対策が行われていません。日輪寺町でも、歩行者用の横断歩道の設置などの要望やカーブミラーの設置が行われていません。国道17号から上武道に至る県道の延伸工事完成に伴う大堰川沿いの市道の通行止め個所の通行要望についても、県当局との話し合いも進んでおりません。市当局は、国交省高崎事事務所や群馬県前橋工事事務所などとの協議と具体的な改善の推進に力を注ぐべきだと思いますがいかがでしょうか。

【提言】国道や県道の整備に伴い、現状変更が求められる市道については、設計段階からから関係当局と連携し、既存の市道の安全な通行が維持されるよう調整を図るとともに、工事完成後の道路状況を十分チェックして、必要な対策や整備を迅速に行うよう要望します。

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