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議会報告

2018第1回定例会総括質問3月8日小林久子議員 1、国民健康保険の新制度における市の役割と国保税の引き下げについて 2、住宅リフォーム助成制度の創設 3、商店リフォーム助成制度の拡充【2018/3/14】

1、国民健康保険の新制度における市の役割と国保税の引き下げについて 
 
(1)市の国保事業運営
ア、激変緩和措置の継続
払いたくても払えない高すぎる国保税に市民が苦しんできました。
4月からの国保の都道府県化は、被保険者の多くが低所得世帯であるにも関わらす、国保税額が高いという、国保の構造上の問題は何も解決されず、医療費抑制や徴収強化が迫られ、市民に更なる負担をもたらす恐れがあります。
都道府県化に向け、当初国が示した保険料率の試算では保険料が大幅に引き上がるなど不安を増幅させるものでした。国はこうした批判を避けるため、激変緩和措置を実施しました。結果は、引き上げ幅を抑えた自治体がある一方で、国保税の引き上げを決め法定外繰り入れを削減する自治体が出ました。
前橋市は激変緩和の3億9300万円が措置され、1人当たり年間平均国保税額が85468円となり、現行より2052円引き下げられました。
この激変緩和は、県は6年間続けるとしていますが、次年度以降の国の方針は明らかにされていません。激変緩和措置が無ければ、前橋も含め多くの自治体での国保税が引き上げになります。激変緩和のための公費投入の継続など国に求めるとともに、払える国保税にするために市はあらゆる努力をすべきと考えますが、見解を伺います。

(2)国保税の引き下げ  
ア、 平成27年度の前橋市の国保基金が約17億5000万円でしたが、今年度末はさらに増えて約19億7000万円です。新年度国保特別会計に予備費として1億5000万円の繰り入れを予定していますが全国の市町村と比べても基金の額は多く、集めすぎた国保税を保険者に返すべきです。
新年度からは、納付金を県に納め、必要な保険給付費は県から来るので、市長も安定的に運営できると答弁していますので、基金をこれ以上積み立てる必要はありません。代表質問でも11億円取り崩し1世帯2万円の引き下げを行ったとしても、7億円は残ります。基金を活用し国保税を引き下るべきです。答弁を求めます。 
 
○国県は、法定外繰り入れの解消や、徴収強化や、県下統一保険料の設定などをすすめようと圧力をかけてきますが、賦課徴収権限は市にあります。「高すぎる国保税を引き下げてほしい」「独自の減免制度を拡充してほしい」という市民の声に応えるため、基金や一般会計からの繰り入れなど含め国保税を引き下げのためのあらゆる努力をすべきです。

イ、 子どもの均等割の減免  
 高い国保税を軽減し、安心して医療を受けられるようにするため、全国の自治体では、子ども医療費無料化の拡大、低所得者に対する減免など、様々な独自策を行ってきました。
 子どもの数が多い多子世帯の保険料負担が重いという問題に対し、2015年1月、全国知事会も子どもに係る保険料の均等割の軽減を国に要請し、東京都議会も意見書をあげています。
埼玉県ふじみ野市(11万人)では、第3子以降の18歳未満の子どもの均等割を全額免除する条例をつくり4月から実施予定で、203人分733万円を見積もっています。
 本市は、今回1人当たりの平均国保税額は下がりましたが、40代夫婦と子ども1人の3人世帯で所得183万円を超える世帯は国保税が引き上げられます。医療給付費分24600円と後期高齢者支援金分13200円の均等割が世帯人数に乗じて加算されるからです。
国も市も、少子化対策に力を入れ、子育て応援を掲げていながら、今回の税率改定で、子育て世帯の負担を増やすことは問題です。
本市でも18歳未満の子どもの均等割の減免制度を作り、子育て世帯の国保税負担を軽減すべと考えますが、見解を伺います。

 ●今回、国保税の引き上げを抑える措置がされたのですから、合わせて子育て世帯の引き上げを回避するための対応をすべきと思います。対象者が何人いるのか把握し試算もして、市の子育て施策と一体に子どもの均等割減免の実施に向けた努力を求めておきます。

ウ、保険証の取り上げ止めよ
高すぎて払いきれずに滞納する世帯が平成28年度は3679件、差押え4095件と大変多く、滞納世帯の所得階層を見ると4割が所得50万円以下の低所得世帯です。まさに生活保護基準以下の世帯です。追い打ちをかけるように資格証明書を178世帯、短期保険証を1142世帯に発効する制裁措置を課しています。
滞納者に対し、医療機関を受診する機会を奪い、病気の重症化を招きかねない、制裁的な保険証の取り上げは止めるべきです。答弁を求めます。

●市民に更なる国保税の負担や徴収強化を強いることになれば、さらに保険証のない市民が増えることになります。

エ、 削減された国庫負担を引き上げ元に戻す。
 国は、医療費の45%支出していた国庫補助金を1984年に給付費の50%に削減しました。これは実質的には医療費の37.15%で、以来毎年減らし続けてきました。
 国からの補助が減らされた分、国保税が引き上げられ、払えず滞納する人が増え、収納強化、税率引き上げに転嫁されるという悪循環に陥っています。
このため市町村の国保は赤字自治体が多く、法定外の一般会計からの繰り入れをせざるを得ない状況になっています。
新年度、国は3400億円を投入しますが、全国知事会は1兆円の国庫負担の増額をもとめていました。国保の財政基盤をしっかりとするためにも、さらに強く国庫負担の引き上げを国に求めていくべきと考えますが、答弁を求めます。

●全国の国保の加入年齢は65歳から74歳の割合が39.5%と多く、平均所得84万円と低いにも関わらず保険料負担率は10%と高くなっています(H27)。発足当時は自営業者や農林水産業者が多くを占めていましたが、現在は所得の低い無職の人の割合が高くなるなど、ますます国保基盤が脆弱化し、国保税負担が増えることは予想がつきます。
 そもそも国民健康保険は、保険料・税による助け合い・相互扶助が原則の制度でなく、公費負担を原則とする社会保障制度です。この点をしっかり踏まえて、
今後も高齢化の進展、低所得者の増加、医療費増加などが見込まれており、更に公費を投入し財政基盤の強化を図ることを強く求めておきます。
 
2、住宅リフォーム助成制度について 

前橋市の住宅リフォームの取り組みは、2011年から2014年まで国の交付金を活用し、耐震、エコ、子育て、バリアフリーに限定するものでしたが、4年間で1,724件、3億2,622万9,000円の実績があり、約5倍の経済波及効果がありました。
しかし、市は交付金がなくなると同時にこの事業を終了し、2015年からは空き家対策への助成に変わりました。2016から毎年1億円を超える事業費になっていますが、高崎市と比べても予算が少なすぎます。

(1)制度の創設  
ア、年齢制限・住宅外部に限定しないで実施を
空家対策計画の改定にあたり、空家のみを対象とする補助制度から、今回、現在居住している住宅の改修に対する補助を行う方針が出されました。
危険な空家を発生させないためということですが、改修を行うことで、住み続けることが出来るようになるという視点は大切です。しかし、家の壁や屋根などの改修、60歳以上の方が住む住宅に限定しています。
 老朽化した住宅を住んでいるときから改修することで、空家の発生を防ぎたいということですが、中古住宅の購入や、家の相続など、改修の必要性は年代でわけられないのではないでしょうか。住宅の老朽化対策とするなら、年齢制限を設けないで実施すべき。
また、外壁屋根などに限るとしていますが、住宅は定期的なメンテナンスが必要で、外側に限らず、台所、ふろの水回りや、トイレなどの改修も対象とすべきと考えますが、どの様な施策を考えているのか伺います。

イ、住宅リフォーム助成制度への取り組み
空家の発生を防ぐという目的に立つならば、危険な空家と対象を絞り込むべきではありません。
 個人の住宅を長く住み続けるためにリフォーム工事で長寿命化を図り、空家にならないための住宅政策が求められます。
全国600を超える自治体で取り組まれている住宅リフォーム助成制度は、市民の安全快適な住環境を推進するとともに、地元中小業者の仕事起こしや地域経済への活性化にもつながっています。県内では24市町村が実施し地域経済波及効果が実証されています。
市は2013年10月に前橋市中小企業振興基本条例を策定しました。市内中小企業は全事業所数の99%で、地域経済の主役は中小企業であるとして、基本施策の1つに受発注機会の拡大を掲げています。
 市民にとっては住宅改修で住み続けられる施策として、また、業者の仕事を増やし地域経済の活性化策としても、住宅リフォーム助成制度に取り組むべき考えるが、いかがか。

●高崎市は、2011年度から市民が市内業者を利用し、住宅を改修、修繕、模様がえなど、対象工事を広げて2017年度までに 7723件、補助額11億3300万円 経済波及効果9倍という成果を上げています。並行して空き家対策も空き家の活用、解体、サロンなどでの利用と店舗への活用も含めて総合的に事業を行い効果を上げています。ここを見習うべきです。

3、商店リフォーム助成制度について
(2)まちなか店舗ホスピタリティ向上支援事業の拡充 

全国で商店リフォーム助成を実施している自治体は55を超え、空き店舗対策、起業応援、小規模事業者への経営力強化(荒川区)住宅と店舗両方、商工業店舗改修など多岐にわたり補助しています。

本市のまちなか店舗ホスピタリティ向上支援事業では、日中営業する商業店舗のみから、今年度、夜間のみの営業店舗にも拡充し、29年度これまでの実績は1058万3,000円 22件 夜間6件となっています。

ア、補助内容の拡充 備品、前橋市全体に、事業所工場などにも拡充を
新年度では、商店だけに限らず、既存オフィスの改修や空きオフィスの改修へと拡大し、対象区域も重点区域から活性化区域に広げようとしています。対象を広げるのであれば今の予算では少なすぎます。
また、まちなかに限定した事業ですが、今後コンパクトシティで、都市誘導区域、居住誘導区域の指定を行うということですが、中心市街地だけに特化した支援では、市の立地適正化計画とも矛盾します。郊外でも人が住み続けるためには、買い物や交流できるお店が必要です。
中心商店街も地域の商店街も、郊外への大型店や量販店の出店で、どこも客が減り苦しい経営を余儀なくされ、閉店も相次いでいます。高齢者など交通弱者は日々の買い物にも困っています。地域のコミュニティの場としても果たす役割は大きく、魅力ある店舗づくりは中心街だけでなく市内全域でも重要な課題になっています。
 予算をふやして、市内全体に施策を広げるべきと考えますが、いかがですか。

イ、高崎市は、商店リニューアル助成を2013年から実施し、2427件で17億5000万円の補助をだし、経済波及効果は約3,6倍となっていますが、こうした事業の地域経済波及効果についてはどの様にとらえていますか。


● 高崎市のように住宅・商店リフォーム、空家対策などを組み合わせた事業を実施し、住民が住み続けられる住宅、そして、安心して営業を続けられる店舗づくりを積極的に応援すると同時に、市内建設関連業者の仕事を増やし、地域経済の好循環を進めることが前橋に今切実に求められています。ぜひ拡充を求めます。


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