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議会報告

2018年第1回定例会議案反対討論・小林久子議員【2018/4/2】

私は日本共産党前橋市議団を代表して議案第1号から第4号、第6号、第10号から 第12号 、第26号 、第28号 第29号、第33号、第35号、第41号から第43号、以上16議案について反対討論を行います。

反対理由の第1は国政に対する市長の政治姿勢についてです。

 市長の国政への政治姿勢は、9条改憲の中止でも、核廃絶の署名と批准を求める問題でも、原発からの撤退もどれ一つとっても正面からの答弁はありませんでした。
今年、安倍政権が日本の宝である憲法9条を改憲するという、歴史的重大な情勢の中で、日本は戦争か平和かの岐路に立っています。この問題に正面から答えない態度では、平和を求める市民の願いに応えることはできません。
消費税増税を是とする答弁でしたが、そもそも消費税は所得の低い人程、負担の重い逆進性のある税制です。国は、「社会保障」を増税の口実としてきましたが、増税分5兆円のうち、社会保障に使うのは1兆円だけです。国民には消費税増税をおしつける一方で、大企業には法人税率の引下げで大減税ばらまきを進めてきました。
税は「応能負担」が原則です。所得の少ない人には少なく、所得の多い人にはより多く負担してもらう、そして、生活に必要な最低限の所得をも得られないような人は非課税にするのが当然です。10%増税によって市民の暮らしはより深刻になるという認識を持ち、中止を国に要請すべきです。

第2は深刻な市民のくらしの実態に寄り添わない政治姿勢は認められません。

国が10月から行う生活保護基準の引き下げは、所得階層の下位10%の低所得世帯の生活水準に合わせるというもので、格差と貧困を拡大し、母子世帯など子育て世帯を直撃するものです。この引き下げは住民税の非課税限度額、就学援助、最低賃金、国保・介護の負担減免、公営住宅の家賃減免などの制度の基準とも連動し、くらしを支える制度の全面的な縮小に直結します。市民のくらしが圧迫されることについて、国政に対する批判の意思が全くないことは問題です。国にしっかり声を挙げるべきです。
 また、地方交付税の合併特例措置の縮減を理由に、サマーレビューで3年間で26億円削減するなど、市民サービス削減を推し進めることをやめるべきです。


第3は民間主導の大規模開発に財政を投入することは認められません。

今、道の駅は群馬県内においても飽和状態で、市内4カ所目の新道の駅の計画は、他の商業施設や温浴施設と競合し、客の奪い合いになります。市内3か所の道の駅への影響が心配され、農産物の確保ができるのかも疑問です。そこまでして、新年度予算約10億円の用地買収費と合わせて約75億円以上もかけて進める計画が必要なのか疑問です。最初から7ヘクタールもの規模の施設にするのではなく、規模を縮小すべきです。
 また、道の駅の提案型PFI手法は民間に建設及び運営の大部分をゆだねるものです。優先交渉権者を決定する過程も詳細な事業計画も公開せず、ヤマトOCOGグループに決定した段階でも総事業費は示されません。本市の財政投入額も明確ではなく情報公開もできないのが実態です。さらに市民の監視・チェック機能が働かず、かつ事業破たんのリスクや下請業者の低賃金・非正規雇用などの問題があり、安全性・公共性の後退や、事業の計画性透明性公平性に大きな問題があるPFI手法は止めるべきです。
日赤跡地のCCRC事業は、本来、大和ハウスか日赤が行うべき建物除却を、建物除却費予算9億6千万円を計上し内4億円を市が助成するというものです。事業計画では首都圏からの移住を期待すると言いながら住宅は子育て・高齢者用賃貸25戸にとどまり、およそ生涯活躍のまち構想とは程遠いものです。
今後、大和ハウスの設計・建設に補助し、さらに多額の市財政が投入される可能性があります。
このように新道の駅やCCRC事業など、安倍政権が進める地方創生事業に安易に追随すべきではありません。一部企業のために莫大な予算を注ぎ込む大規模開発も見直し、市民が願うまちづくりである市営住宅や生活道路など既存公共施設の維持管理・老朽化対策に予算を抜本的に拡充することが必要です。

第4は、偽装請負、情報漏えい、守秘義務違反が起こる可能性のある行政の民間化を進めることは問題です

 本市は国の言いなりに、指定管理者制度の推進、民間委託化、PFIの導入など民間化を推進していることは問題です。本市職員を削減して行政の仕事を民間にゆだねる行革を推進し、12月から市民課窓口業務の民間委託も実施しようとしています。
 指定管理を行っている富士見温泉見晴らしの湯ふれあい館では2月にお風呂場天井から構造物が落下し利用者が負傷しました。経費削減を目的に民間委託したことによる重大事故であり本市の責任は重大です。
市民サービスを後退させ、市の指定管理で働く労働者の不安定労働を拡大する行革を推進する行政の民間化、民営化は止めるべきです。

第5は、教育・子育て施策が不十分であり問題です。

県内の自治体では学校給食費の無料化が大きく進み、完全無料化は9市町村で一部助成は本市を含め13市町村です。渋川市では子育て支援の柱として一般会計の1%を使って無料化を決断しました。ところが、本市では市長就任時に第3子同時就学の児童生徒に限定され、以来一歩も前進していません。
人口減少・少子高齢化が大きな問題となる中、本市が子どもの医療費無料化を決断したように、子育て支援の柱となる学校給食費の完全無料化に向けて前進させるべきです。
 就学援助の入学準備金の前倒し支給をわが党は再三求めてきましたが、新年度実施を見送ったことは問題です。平成31年度分については入学前に支給するように求めておきます。
就学援助の所得基準は生活保護費基準の1・1倍と低く、せめて1・3倍にして対象者を拡充すべきです。さらに、PTA会費やクラブ活費、生徒会費の支給を決断すべきです。
教員の多忙化の解消は喫緊の課題です。全ての子どもに行き届いた教育を実施するためにも教員の多忙化解消のためにも30人以下学級を全ての学年で早急に実施すべきです。
学習指導要領の改訂により新年度から、小学3・4年生に週1時間、小学5・6年生には週2時間の英語教育を実施します。教員の多忙化が強められ、子どもたちにとってはつめこみ教育とならないよう十分留意するよう求めておきます。

第6は、地域経済活性化、中小企業応援施策が弱いことです。

小規模な事業者を支援する商店リフォームや住宅リフォームは経済波及効果が補助額の5倍10倍以上となり有効であると実証済みの施策に市は消極的です。
市内の中小企業は全事業所約1万5800社の99%を占め、内小規模事業者は雇用の約7割を支え、本市経済の根幹をなしています。
前橋市外に本社を持つ大企業が建設する大型開発事業に莫大な財政投入するのではなく、商店リフォームの対象を全市域に拡大することや、空き家対策とともに老朽化住宅などをリフォームして住みつづけられる汎用性の高い住宅リフォーム助成制度を創設し、地元小規模事業者を応援し、地域経済を活性化すべきです。

第7は前橋地裁で違法な差押えが断罪されたのにも関わらず抜本的な改善の意思が見られないことです。

本市の差押えは一昨年1万件、昨年は7000件を越え、給与・年金でもいったん口座に振り込まれれば預金債権と解釈し、振り込まれたその日を狙い全額あるいは生活費相当額を超えて差押えています。
1月31日、前橋地裁は給与が振り込まれた預金口座を差押え、禁止額を超えて全額差押えたことを違法と判断し、全額返済と慰謝料の支払いを命じ、本市はこれを受け入れました。
市長は重く受け止めると述べながら、わが党が本人への謝罪や第3者委員会の設置、過去のケースを1件1件見直すことなどを求めましたが、これに答えず、ガイドラインの策定も決断しません。反省が見られず改善の意思も感じられません。
今回の裁判を受けて、今までの生存権を脅かすような行き過ぎた差し押さえを止め、暮らしの実態に合った丁寧な収納行政へと改善する良い機会ととらえ、深く反省し出直すべきです。

第8は、環境行政が弱いことです。

本市は、田口町の水道水源の汚染問題、群馬化成産業や西大河原地区の悪臭問題、前工跡地の土壌汚染問題など環境問題の抜本的解決を先送りしていることは問題です。
 また、再生可能エネルギー発電設備設置事業に対する条例を制定しましたが、太陽光発電施設の設置による住民への影響は全市に及んでおり、条例改正が必要です。
 2月11日から24時間稼働を開始した大規模木質火力発電所は、近隣住民の様々な不安に答えず、環境保全を求める3者協定も結ぼうとしません。住民が市に対し環境保全のための事業者への指導を求めているのに誠実に対応しない行政姿勢は問題です。
 
第9は農業支援策が弱いことです。

本市は全国でも有数の農業生産額を誇る農業都市でありながら農業予算が少ないことは問題です。
国内農政は大規模化、効率化一辺倒の路線をおしつけ、戦後農政の根幹である家族経営と地域農業を守ってきた農地・農協制度の解体を進め、昨年主要農産物種子法を廃止し多国籍企業の種子支配にも道を開きました。今年は日欧EPAやTPP11の調印・批准、政府によるコメの生産調整とコメ直接支払交付金の廃止など、企業参入への道を拡大してきました。
本市農業は高齢化と後継者不足により遊休農地が拡大しています。本市の農業を支える畜産酪農農家への支援や、特産品の開発支援、中山間地の農地を保全するためにもグリーンツーリズムやスローシティの取り組みへの支援の充実が求められます。
農業者の多くが専業や兼業など大小多様な家族経営や、その共同で成り立っています。今後の担い手対策も、価格保障の再建などによる営農条件の改善と一体で、多様な家族経営をできるかぎり維持することに重点を置くべきです。また、農業の「経営安定対策」や、各種の補助金は、集落営農などの組織や家族経営も含め規模に関わらず、すべてを対象に支援すべきです。

第10は市営住宅の空き住戸解消策と修繕が弱いことです。

 市営住宅の管理戸数の2割を超える空き住戸解消策が弱いことは問題です。若年単身者の入居や、高齢単身者の入居要件の緩和、エレベーターの設置促進を図るとともに、市営住宅の長寿命化やリフレッシュ工事を急ぐなど抜本的手立てを講じるべきです。
 機構改革で建築住宅課を都市計画部へ移す理由として、管理戸数の再編・集約化を進めるにはまちづくり、居住誘導といった視点が必要と述べていますが、住宅に困窮する低所得者に対し低廉な家賃で住める公営住宅としての福祉の観点が抜け落ち、管理戸数の削減をさらに進めることになれば問題です。
予算を増やし、改修のテンポを速め、住宅に困窮している市民の入居促進をしっかり図るべきです。

第11はマイタクのマイナンバーカードへの一本化を進めることは認められません。

利便性と経費削減をことさら強調してマイナンバーカードへの一本化を推進し、マイタクの利用は任意であるのに、カードを持たない人を締め出しています。高速道路でさえETCカードと現金払いを併用しています。
そもそも市がマイナンバーカード化を危機意識を持たず進めていることは問題です。
マイナンバーは導入当初から、プライバシー侵害、税や社会保障分野での徴税強化や社会保障給付削減の手段にされ、情報漏えいや成りすましのリスクがあるなど問題とされてきました。
先日も、所得税の控除を受けるために年金受給者が年金機構に提出した扶養親族等申告書1300万人分のデータ入力業務を、日本年金機構が委託した情報処理業者が、契約に反し中国の業者に再委託していたことが発覚し、政府は、日本年金機構と自治体とのマイナンバーの情報連携を当面延期しました。
このように個人情報流失の危険がある誤配達や再委託などの事故が相次ぐ中でどうして安全と言えるでしょうか。
本市は国のカード交付促進の先頭に立って、市民にリスクも知らせず、マイタクへの導入を強力に推進していることは問題です。市民への交付率も9・7%にすぎません。
カード化をと言うなら新たなマイタク専用カードを導入すべきです。

第12はまちづくり施策の問題です。

中心市街地再整備において前橋市の都市計画が、企業の新たな投資先・ビジネスチャンスとして儲けの対象になり莫大な財政投入をすることは認められません。
市街地再開発事業でケヤキテラス、広瀬川シティテラス、本町五差路、前橋駅北口の民間開発事業に補助金総額30億円も支出しようとしています。
前橋駅北口の26階建て複合ビルはフロアの価格が高すぎて特養ホーム事業者が手を挙げず、提案変更を余儀なくされています。駅北口の活性化を本気で考えるならまず管理事業者と協議し、エキータの空きフロアの活用策を提案すべきです。
 いままで、規制緩和で郊外に大型店を無秩序に出店させ、中心街をシャッター通り化させておきながら、今度は中心街の再開発に莫大な財政投入をするまちづくりは、見直すべきです。
中心街のにぎわいを取り戻すためには飲食や買い物など楽しみのある街でなければ人は訪れません。トップダウンではなく、市民の知恵と力を借りて今後のまちづくり方針を本気で考えるべきであり、市営住宅や保育所の設置など福祉子育てしやすいまちづくりを進めるべきです。
立地適正化計画は、都市機能誘導区域につづき居住誘導区域を設定します。
ところが、政府が人口減少対策として打ち出した地方創生事業は、周辺都市や地域拠点間を結ぶ幹線道路の整備や中心部や駅周辺の再開発事業を自治体に求めています。その結果、公共施設等の集約化などで住民が暮らしている周辺地域の過疎化や衰退をますます加速させています。このようなまち壊しが進まないように区域指定は住民合意で慎重に検討すべきです。

次に、議案第2号国民健康保険特別会計、議案第28号国民健康保険条例の改正及び議案第29号国民健康保険税条例の改正についてです。

新年度から国保の財政運営が群馬県に移管されます。しかし、加入世帯の多くが低所得世帯であるにも関わらず国保税が高いという国保の構造上の問題は何も解決されず、医療費抑制や徴収強化が迫られ市民に更なる負担増をもたらすことになりかねません。
 国保税改定案は国の激変緩和措置によって1人当たり年間平均国保税額は85468円となり2052円下がりますが、約3割の世帯が引き上げになります。
国保税が高すぎて払えないと多くの市民から引き下げを求める声が上がっていますが、本市は滞納者に対し、情け容赦のない全国でも異常な税の差押えも行っています。
 本市の国保基金18億円のうち11億円を取り崩し1世帯2万円引き下げるべきです。市当局は、社会保障としての国保法の原点に立ち、国庫負担の大幅増額を求め、市民の暮らしの実態に寄り添い払える国保税にすべきです。 
 なお、国保の都道府県単位化で市民の声が直接県に届きにくくなる中で、前橋市国保運営協議会委員の定数を20人から14人に削減することには反対です。

議案第3号後期高齢者医療特別会計です。

 後期高齢者医療制度は、国民を年齢で区切り、高齢者を別枠の医療保険に強制的に囲い込んで、負担増と差別医療を押しつけるものです。 
2008年の制度導入時、差別制度に怒る国民世論におされ、低所得者の保険料を軽減する「特例軽減」を導入しましたが、政府は、その「特例軽減」を2017年度から段階的に縮小・廃止しています。群馬県の4月から2年間の平均保険料は特例軽減見直しの影響で1人平均59742円、前期より1645円2.8%引き上げました。
高齢者に際限ない保険料値上げを押しつけ、「負担増を我慢するか、医療を受けるのを制限するか」をせまるという制度の害悪が、本格的に高齢者に襲いかかろうとしています。ただちに差別と負担増の制度を廃止し、元の老人保健制度に戻すべきです。

議案第4号競輪特別会計です。

我が党は市財政をギャンブル収入に頼ることに一貫して反対してきました。
これまで場外車券売場やミッドナイト競輪・ナイター競輪の開催などで車券の売り上げを伸ばそうとしてきましたが、ギャンブル依存症問題や利用者の高齢化などで収益をこれ以上延ばすことは難しくなっており、公営ギャンブルを将来にわたり存続するかどうかを改めて検討すべきです。

議案第6号介護保険特別会計及び議案第42号介護保険条例の改正です。

第7期介護保険事業計画案が示され、本市の介護保険料は基準月額6233円で450円の引き上げ、65歳以上の1号保険者に7・8%総額7億8千万円の負担を強いるもので認めることはできません。
本市は基金11億円のうち4億円取り崩しただけで、保険料引き下げに全力で頑張ったとは言えません。
今回、都道府県庁所在地と政令都市52市区のうち、盛岡市、秋田市、水戸市、富山市など8つの自治体が基金などを活用して値上げをせず据え置いています。また、山形市、宇都宮市など基準額5000円台を維持している自治体も35%に及んでいます。
本市は第6期でも19・9%総額11億円も引き上げ、高齢者の苦しい生活実態に寄り添っていません。
根本的には国の財源負担を増額し保険料を引き下げるべきですが、本市として、基金の活用額を増やし、さらには一般会計からの繰り入れも検討して介護保険料を引き下げるべきです。
また高崎市のように低所得者の利用料を半額に軽減する本市独自の利用料減免を実施すべきです。
 特養ホームの待機者は、要介護1から要介護5まで約1000人ですが、今期の増設計画は大変少なく79床でとても足りません。高齢化が進行する中、特養ホームに入りたくても入れない市民はやむなく高い家賃で有料老人ホームなどに入所して、料金が払えず退所せざるを得ない人も出ています。
市民要望に応え、待機者ゼロに向けて増設するとともに、職員の待遇改善、職員確保を強力に支援すべきです。

議案第10号産業立地推進事業特別会計です。

市内で頑張っている中小企業応援でなく、資本力のある県外企業などに企業誘致条例で優遇措置を講じて工業団地に呼び込む企業誘致推進の支出であり賛成できません。
新年度は新産業団地開発に向け環境アセスメントの資料作成費を盛り込んでいますが、すでに企業が撤退し空いている工業用地や、ローズタウン東地区の遊休化した用地への対策を先に講ずるべきで、新たな工業団地の造成を急ぐべきではありません。 
 
議案第11号水道事業会計及び第12号下水道事業会計です。

わが党は、自治体の業務にかかわるものや公営企業の事業などについては市営住宅家賃のように消費税の適用除外にすべきと求めてきました。改めて国に上下水道料金への消費税課税の除外を求めるべきです。
 また、水道の浄水施設や水源井戸の保守管理を民間営利企業に外部委託していることを認めることはできません。水道管理技術を伝承し、安全な水を安定給水するためにも直営に戻すべきです。 
 今後、浄水場の更新や管路更新費用などの事業費が予想され、平成34年度以降料金値上げは避けられないと述べていますが、水道料金の値上げで市民負担を増やすのでなく、さらなる県央第二水道の受水単価の引き下げを求め、地下水の利用率引き上げなどを行い、値上げ回避の努力をすべきです。 

議案第26号保育所、保育の実施及び保育料等に関する条例の改正についてです。

平成31年4月から第四保育所と総社保育所を民営化するための条例改正は認められません。
本市では、3歳未満児の待機児が増え、希望する保育所に入れない事態が起きています。
国は、待機児ゼロをうたいながら認可保育所を増設するのでなく、認可保育所より基準の低い企業主導型保育や小規模保育などにもっぱら力を入れています。さらに、保育士配置基準や施設面積などの規制緩和を進め、保育の質を大きく後退させ、安全安心な保育施設の増設を願う親の声に応えようとしていません。
本市の民間保育園や幼稚園は、生き残りをかけて幼保一体の認定こども園へ移行していますが、保育士の処遇改善は進まず、さらに労働条件を過酷にしています。
本市は、公立保育所5園に続き、今回さらに2園を民営化しようとしており、今後これ以上の民営は止めるべきです。

議案第33号公園条例の改正についてです。

都市公園は市民の憩いの場であり防災など多面的な機能を備えています。今回の法改正によりParK-PFI(公募設置管理制度)が創設され、民間事業者がカフェやレストラン、売店などの収益施設の設置と公園の整備・管理を一体に行うことができるようになるとともに、収益施設の建ぺい率が現行の2%から最大24%に拡大されました。
豊かな自然を維持し、市民の憩いの場であり防災拠点でもある都市公園を民間事業者の利益追求のために提供することは公園設置の目的にも反するものと考え反対です。

議案第35号公民館定期講座受講手数料条例の廃止についてです。

この条例は中央公民館が主催する市民定期講座を廃止するものであり認められません。
中央公民館主催の市民講座は、これまで予算を確保し、直接、講師を人選し市民要望に答える講座を開催してきました。
同様の講座があると廃止の理由を説明していますが、地区公民館は予算が少なく有名な講師は呼べず、民間企業や各団体などが実施するのは広く市民周知されず、参加者も限定されます。
市民講座の広報不足を改善し、市民要望に答え、広く受講の機会を保障し継続すべきです。

議案第41号介護保険法等の改正に伴う関係条例の整備に関する条例の制定及び議案第43号障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律等の改正に伴う関係条例の整備に関する条例の制定についてです。

このもとになる昨年5月に成立した「地域包括ケアシステムの強化のための介護保険法等の一部を改正する法律」は、1つに介護保険利用料の3割負担の導入、2つに療養病床を廃止し介護医療院の創設、3つに、すでに介護サービスを受けている人の「卒業」の名でのサービス打ち切りとともに、介護からの自立や重症化予防を自治体間で競わせ、成果を上げた自治体を財政面で優遇すること、4つに高齢者と障害者・児のサービスを同一事業所で行う「共生型サービス」など様々な問題をはらんでいます。
障がい者の福祉サービスを65歳で打ち切り、介護保険へ移行させられることで新たに自己負担やサービス切り下げなどが発生しています。共生型サービスは、この介護保険優先原則を強め、高齢障害者の生活を脅かすものです。
前回の改正で、利用料2割負担や、特養入所対象を介護度3以上に限定しその検証もせず、様々な介護の困難を放置したまま更なる改悪を進めるもので問題です。
本来公的責任において対応すべきものを互助・助け合いに移し替え、安上がりな人員体制で複合的なニーズに対応しようとすることは社会保障の後退であり反対です。

以上申し述べまして16議案に対する反対討論といたします。      

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