トップページへ 前のページへ 目次ページへ
議会報告

2018年第3回定例会 総括質問(19分答弁含む) 1、本市競輪事業の民間委託化問題について(1)運営検討委員会設置の問題 (2)事業存廃の検討 2、猛暑によるエアコンの購入および設置の助成について(1)全生活保護受給世帯と低所得世帯 (2)小中学校の特別教室や体育施設【2018/9/12】

1、最初に、本市競輪事業の民間委託化問題についてです。

>(1)まず、運営検討委員会設置の問題です。

?8月の市民経済常任委員会で、直営で運営してきた競輪事業について民間委託も含めて運営の在り方を検討する報告がありました。しかも、8月末には運営検討委員会の設置及び第1回検討委員会を開き、来年の2月〜3月には第4回検討委員会を開き答申を出すという超短期のスケジュールで、私も含めて複数人以上の委員から「丁寧な議論が必要」「公営事業をどうしていくのか先に議論すべき」などの慎重意見が多く出されました。
当局は「丁寧に進めていきたい」と答弁はしたものの、スケジュールの見直しもせず、9月5日には第1回検討委員会を開きました。このことは、委員会でも指摘したように、市民の声を聞く耳を持たず、議会を軽視することになりますが当局の見解をはっきりお示しください。

?これまでも、当局は、行政の事業を進めていくのに、市の考え方ありきで、選択肢を持つ提案はないことが多くあり、また、市民の意見聴取といってパブリックコメントを実施しても、わずかな意見しか提供されないことが多く、市民の意見反映にはほど遠く、形だけで決定し、議会や市民の意見が取り入れられずに事業が進められていくことがしばしば多くあります。
行政は、自ら行う事業や施策、およびこれまで行ってきた事業の変更をする時などには、行政の説明やデーターの提供は、市民や議会からの意見を求めるための必要な資料であり、意見を交換する場を保障するのは当然のことです。このような手順で進めることが本来あるべき市民と行政の合意形成をつくりあげることは、行政責任としての果たす役割があるのではないでしょうか。
それにしては、今回の競輪事業の運営の進め方は、副市長や産業経済部長以下6人の委員で進めるようですが、あまりにも形式的であり、結論が見えるようで問題です。直ちに検討委員会を凍結して、議会側の意見もくみ上げていく必要があると思いますが見解をお聞かせください。

●これまでの事業運営を大きく変更するための検討委員会であれば、意見聴取の範囲が狭すぎます。このままで進めるなら検討委員会は認めることができないことを強く申し上げておきます。

強調文(2)次は、事業存廃の検討についてです。
?今回、報告された今後の競輪事業運営のための検討目的について、当局は「歳入減と歳出増が続く中で、競輪事業の安定した財源確保を図っていく必要がある。今後持続的な収益を生み続ける競輪事業の運営を展開していくためには、現在の直営方式によるさらなる経営努力とともに、広い民間事業者の活力も含め検討していく」と述べています。
しかし、景気回復の動向の見通しも図られず、市民のふところも収入減と支出増が強まる中、直営にせよ、民間委託にせよ、今以上の競輪人口の増加や収益確保は到底難しい状況です。
当局は、競輪事業の今後の見通しをどのようにとらえて、民間委託化を含む運営方針を考えているのかお伺いします。

?当局は、広い民間事業者の活力も含め競輪事業の運営を検討していくと述べていますが、公共施設を民営化や民間委託化にする理由の1つとして、コストの削減があります。公共事業でコスト削減は主に人件費の削減によるもので、民間委託になれば低賃金で人員も減らして運営することになるのは間違いないでしょう。しかし、競輪事業に限っては民間委託になると儲けを生み出すためにギャンブル性が強まるため民間委託は問題です。民間に儲けさせてまで競輪事業を存続する必要はありませんし、民間の儲けのためにグリーンドームを使わせるのは市民が納得しないでしょう。当局は現状維持の運営をするために、最大の努力が求められており、当面、直営で継続すべきです。お考えを伺います。

?わが党は、戦後復興期の財政難を打開するための緊急避難的な公営ギャンブルが今もなお継続実施されていること事態に問題があるとの立場をとるとともに、グレードの高い競輪等を開催して車券の売り上げ増に力入れていますが、市民の所得を吸い上げるギャンブル収入を自治体の財源にする競輪事業には反対しています。競輪事業を廃止すればグリーンドーム前橋は、市民の文化スポーツの拠点になることは間違いありません。直営による競輪事業の見通しが困難なら、民間委託を考えるのではなく、赤字を生む前に思い切って競輪事業の廃止も視野に検討する必要があるのではないかと思いますので、この機会をとらえて、競輪事業の存廃を考える必要があるのではないかと思いますが見解を求めます。

●日本人の成人に占める「ギャンブル依存症」の割合が4.8%、フランスでは1.2%、アメリカルイジアナ州では1.6%、韓国では0.8%で、日本は大変多いのが現状です。直営による競輪事業の見通しが困難なら、民間委託を考えるのではなく、赤字を生む前に思い切って競輪事業の廃止も視野に存廃の検討する必要があるのではないかと意見を述べておきます。

2、次は、猛暑によるエアコンの購入および設置の助成についてです。
わが党市議団は、8月9日にこの件について市長に申し入れしました。

(1)まず、全生活保護受給世帯と低所得世帯についてです。
?全国的に猛暑となった今年の夏は、総務省消防庁によると今年4月30日から8月5日までに熱中症で救急搬送された人は、全国で7万1266人、このうち死亡者は138人、重症は1651人にのぼりました。年齢区分別では、「高齢者(65歳以上)」が48.2%、「7歳以上から18歳未満」でも1万231人で14.4%、「乳幼児(生後28日以上7歳未満)」が739人の1.0%で子どもの救急搬送も少なくありませんでした。
本市でも7月1日から8月末で280人が熱中症で救急搬送され、昨年と比べて約3倍にのぼりました。
気象庁は、今後も暑さが続くという予測を明らかにし、来年の夏についても猛暑が続くことは避けられないとみています。
厚生労働省は6月27日、全国市町村に「今年度7月から新たに生活保護を開始した世帯と4月にさかのぼって開始した世帯に限りエアコン購入費などの支給を認める通知」を出しました。
しかし、3月以前に生活保護受給になった世帯は通知から除外されており問題です。生活保護受給世帯は希望する全世帯を対象にするとともに、一方、生活保護を受給していない低所得世帯で、特に高齢者や障害者、乳幼児などの身体的な弱者がおり、しかも経済的理由でエアコンの設置ができない世帯も対象にすべきです。熱中症は、エアコンを適切に利用し、水分をこまめにとることで十分防ぐことができます。本市として、市民の命と健康を守るために、エアコンの購入費と設置費用について助成することが求められていますのでお考えをお伺いします。同時に、国に対しても予算化するよう市としても要望することを求めますが、いかがでしょうか。

●3月以前の生活保護時給世帯では、ほとんどがエアコンを設置しているというなら、対象はわずかなので対象にすべきです。東京の荒川区では、「酷暑から命を守る」とカラー版のチラシを配布しており、対象は自宅にエアコンのない世帯で65歳以上の高齢者のみ世帯や障害者世帯などで、新規に購入した場合に上限5万円まで助成することにしています。低所得世帯については、どこで線を引くかですが、非課税世帯などを対象にすることを求めておきます。

(2)次は、小中学校の特別教室や体育施設についてです。
?文部科学省は、これまでも市区町村に交付金を出しているが、校舎の耐震化などが優先されるケースもあり、エアコンの設置状況にばらつきが出ていると認識しています。しかも、対象となるのは普通教室が主で、特別教室や体育館、武道場等は対象外となっています。全国各地で災害が発生し、住民の避難場所に指定されている小中学校の体育館にはエアコンの設置は必要不可欠です。このような中で、国は来年夏までにすべての公立小中学校にエアコンを設置するため、予算措置を図る方針を決め、秋の臨時国会への今年度補正予算案を提出することを想定していますが、未だ未定ですので、本市としては早急に対応策を講ずるべきだと思います。同時に、国に対しても直ちに予算化をするよう要望すべきだと思いますが見解を求めます。

●この猛暑は「災害」ととらえて、緊急な対応が求められています。本市でも、来年の夏に間に合うように対応することを求めて私の質問を終わります。
文字色

ページのトップへ