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議会報告

2019年9月、第3回定例会総務常任委員会、長谷川薫議員(防災行政、非正規職員の処遇改善、税収納行政の改善、交通弱者支援の公共交通の充実)【2019/9/20】

;>2019年第3回定例会総務常任委員会質問【長谷川薫】

1、防災行政について

 ?はじめに、防災行政について質問します。頻発する地震、地球温暖化による異常気象がもたらす台風の大型化や線状降水帯の何度もの通過や停滞による集中豪雨、河川の氾濫・土砂崩れ・ライフラインの途絶など予想を超える自然災害が毎年のように全国各地では発生し、多くの人命が奪われ、道路や住宅など甚大な被害が出ています。昨年7月の西日本豪雨では200人もの死者が出ました。今回の台風15号による千葉県を中心にした災害も、大規模な停電によって電気・水道が長期に使えないというこれまでに経験したことのない大規模災害になりました。
 本市においても、河川堤防の決壊や氾濫や土砂災害などが予想される危険個所を日常的に掌握し、消防局は、気象警報発令時は迅速な警戒活動を強め、人命救助体制を速やかに整える必要があると思いますが、どのようになっているか答弁を求めます。

 ?豪雨によって利根川や赤城白川・荒砥川・桃ノ木川など市内の河川が増水して警戒水位を超え、堤防の決壊や溢水・氾濫が予想されたときに行う水防活動は、どのような判断と体制で実施するのでしょうか、昨年度は約60万円の決算額でしたが、市消防局は必要な資機材を十分備蓄しているのかどうか、お聞かせください。

 ?豪雨が予想される時に、農業用水を取水するための中・小河川の堰や農業用水路の水門を開けるなど的確な洪水防止策も重要と考えますが、消防局はどのような対応をしているのでしょうか。

【提案】国土交通省・県・本市農村整備課とも連携し、特に土砂が堆積する砂防ダムや堰などの管理、流木などが河川をせき止めて堤防などの決壊の原因となる水門などの日常的な管理や豪雨などで水位が上昇する際の措置を的確に行うよう連絡調整を図っていただきたいと思います。

 ?広範囲に及ぶ浸水災害が発生し、住宅や病院などが孤立し救援が求められた場合、どのような人的体制で人命救助活動を行うのでしょうか。(必要なボートや救命胴衣は常備しているのか。〜省略)警察や災害出動した自衛隊との円滑な連携はどう進めるのか。お聞かせください。

 ?次に避難についてです。今年の3月に、国が避難勧告と避難指示の2段階を5段階に変えました。5段階のうち、警戒レベル3は高齢者などの避難、レベル4は全員避難などと具体化し、分かりやすくしたと説明されていますが、今年の7月の記録的な集中豪雨時に、鹿児島市が52万市民全員を対象にしたレベル4の全員避難指示を出した際に、かなり大きな混乱が起きたそうです。本市も6月22日に赤城山麓に降った198ミリの豪雨時に、午前2時20分に土砂災害発生の危険地域にレベル4の避難勧告を発令しました。気象庁は記録的な大雨が予想されるときは、早めの避難や身を守る行動を呼びかけていますが、本市は、これまで、どのような判断でレベルを選択して発令をしているのでしょうか。市民の理解をどのように進めるのでしょうか。答弁を。

【提言】地震の予知は難しいともいますが、台風や豪雨災害については、最近は、気象庁の天気予報や線状降雨帯の予報もかなり正確になっています。豪雨が強まり、河川の氾濫や浸水が始まる前に、避難情報を低いいレベルから発令し、市民が余裕をもって避難の準備ができるよう、また、避難の最中に命が脅かされる危険な事態に遭遇しないよう、適時的確な避難発令をするよう強く求めておきます。

 ?災害の危険から命を守るために緊急的に避難する76か所の避難所が指定されていますが、たとえば、洪水などの時には浸水想定地区内にある避難所は開設しないと決めています。しかし、たとえば、1万8千世帯の南橘地区の指定避難所は桃川小学校と鎌倉中学校の2か所だけです。避難者が殺到して避難所の体育館の収容限度を超えて受け入れが困難となったり、なじみの南橘公民館や地震の時だけ避難所になる荒牧小学校や南橘中学校などに避難するなどの混乱が心配されます。日常的な避難所の周知や緊急時の市民への広報はどうするのでしょうか。答弁を。

【提言】ハザードマップで3〜5?の浸水を想定している北代田町や龍蔵寺町の方で、とくに赤城白川沿いに暮らす方や南橘町の方に、「市から避難勧告や指示が出されたときにどこに避難するか分かりますか」と質問してみましたが、「わからない」と答える方がほとんどでした。中には、避難所とならない「細井小学校や南橘公民館に避難する」と答えた方もおられました。多くの方が、はっきり考えていないのが実情ではないでしょうか。地元自治会と連携して、具体的な避難発令時の避難場所を周知すべきです。

 ?初動における正確で迅速な情報収集と情報伝達・避難誘導は、市民の命を守るためにも大変重要です。現在、防災無線、防災ラジオ、緊急通報メール、ツイッターなどで広報していますが、決して十分ではありません。
避難所や避難経路の案内、車か徒歩かなどの避難手段、避難開始時間など、災害発生予想地域に即した的確な避難行動を促すためには、市や自治会の広報車の活用や、消防団などによる具体的な広報活動も必要だと思いますが、どのような体制で行うのでしょうか。

【提言】今回の千葉県のように停電時には、防災無線も長期時間の使用は不可能になります。正確な情報を市民に提供するため、市の公用車を使っての広報も必要になることも予想されます。広報資器材の備蓄も行っていただきたいと思います。

 ?避難行動要支援者登録・約1300人の確実な避難誘導は、とりわけ配慮が必要です。自治会など地域任せではなく行政が責任をもって確実に支援することが必要だと思いますが、どのような計画になっているでしょうか。

 ?昨年度の災害に備えた食料や資材の備蓄のための決算額は約1307万円でした。災害に備える避難所の生活環境の整備は重要課題です。全国的に、体育館での雑魚寝、おにぎりやパンなど貧しい食事の繰り返しなどが問題になっています。感染症の拡大や不衛生なトイレなど劣悪な環境で体調を壊したり、高齢者が災害関連死に至るなどの問題を解決しなければなりません。いま国際的なスフィア基準や国のガイドラインに基づいて、簡易ベッドやプライバシーの確保・冷暖房機器の整備・洗濯機やテレビ、清潔に使える十分な仮設トイレの確保など避難所生活を改善することが必要だと思いますが、どのような整備計画になっているでしょうか。

 ?避難所での温かい食事を提供するための炊き出し、避難所生活者への入浴・シャワーなどの提供・支援は検討されているでしょうか。

 ?食料や水など備蓄物資の状況についてです。災害時には、交通が途絶し、企業との災害支援協定は円滑に進すまないと思います。21014年2月の1メートル近くの前橋市の大雪の時も、交通が途絶して食料もガソリン灯油も供給がストップしました。応援協定による確保ができなくなることも想定した、食料・水・生活必需品の備蓄が必要です。本市の備蓄目標と備蓄の現状についてお聞かせください。全国的にはすぐに飲める乳幼児用液体ミルクなどの備蓄も進んでいます。本市も備蓄すべきと思います。備蓄品のローリングストックは確実に実施されているのでしょうか。答弁を。

【提言】避難所生活のストレスで子どもや高齢者など災害弱者が体調を壊し、最悪の場合は死に至る災害関連死が大きな問題になっています。本市でも、全国の避難所開設のこれまでの教訓を生かして、できる限り避難所の快適な生活を提供するための準備が必要です。段ボールを使った間仕切りやベッドの確保、清潔なトイレ、そして温かい食事の提供などが必要です。体育館が避難所の中心ですので、教育委員会とも連携して、ぜひ、充実した避難所の整備を進めるよう要望します。

 ?停電が長期化する時に、病院や高齢者施設への発電機の設置などの支援が必要となると思いますが、検討されているでしょうか。

 ?医療や介護が必要となった避難所や自宅避難者を福祉避難所や医療機関に移送が必要となった時に、市はどのような支援をするのでしょうか。

 ?避難所の運営は、避難者任せにせず、各避難所に市職員を配置して、市の責任で運営すべきだと考えますが、現状の防災計画で明確になっているでしょうか。

 ?熊本地震の際は、受援体制の混乱が大きな問題になりました。被災者への支援物資の受け入れや他の自治体や日赤、民間の各種ボランティアなどの受援体制の整備も、被災者支援を効果的に進めるうえで重要だと思います。
本市の計画をお聞かせください。

 ?この質問項目の最後に、被災者支援体制は、ひとりひとりの被災者にそった医療や保健の支援・住宅の復旧や確保、営業再開の支援などワンストップ的な総合的な対応が求められます。官民連携の支援体制の構築も求められると思いますが、現状の計画について答弁を求めます。

【まとめ】
 詳細にわたって質問しましたが、本市の災害発生時の避難所への誘導支援策が大変弱いと思います。現状では、災害発生時、緊急時に市民の間に混乱が起きると思います。避難所の整備もまだまだ不十分だと思います。
本市でも、1947年・昭和22年9月のカスリーン台風で、利根川や市内の河川の多数が氾濫し県内だけでも死者592人の大被害が出ました。前橋市では、幸いにその後大きな災害の発生はありませんが、地球温暖化による異常気象が以前にも増して強まっているだけに、決して楽観し、油断することはできません。
国も地方自治体も、防災行政を推進するにあたって、一人一人が自ら取り組む「自助」、地域や身近にいる人同士が助け合って取り組む「共助」、国や自治体などが取り組む「公助」が重要だと強調しています。
 しかし、「自助」や「共助」をことさら強調するのではなく、何よりも重要なことは「公助」だと思います。猛威を振るう自然災害の発生時には、個人の力は限界があります。
正確な情報伝達手段の整備や確実な避難誘導体制の確立がは自治体の最低限の責務です。国や自治体が十分な予算を確保して、河川堤防の整備や電気や水道などライフラインの確保さらには水・食料などの備蓄や避難所の整備を進めなければなりません。
 今起きている台風15号による停電や断水も、電線地中化や老朽化した電柱などの更新が進められていれば、かなり防ぐことができたはずです。
今回の台風15号もそうですが、自然災害は、時として、想像を超える力で襲ってきます。日頃から十分な防災対策で、被害を少なくしなければなりません。
今後、ほぼ確実に首都直下地震や南海トラフ大地震の発生が懸念されております。必ず襲来する台風も最近は大型化しています。本市も、全庁的に災害に強いまちづくりをめざして、各インフラの強度の見直しや、河川の堤防の改修など減災対策の一層の充実強化を求めておきます。

2、非正規職員の処遇について

 ?次に、非正規職員の処遇について質問します。本市の非正規職員は566人の嘱託と91人の臨時職員で約650人です。全職員の4人に一人を超えています。男女比、平均年齢や勤務年数の状況と、ここまで非正規職員が増えた原因についてお答えください。また、非正規職員は各現課で採用していますが、全体の人事管理に責任を持つ職員課ではどのような判断で採用人数や部署を認めているのでしょうか。

 ?嘱託職員の中には、勤務時間が短いので、あえて非正規という働き方を選ぶ人もいると思いますが、嘱託の保育士の中には、クラス担任を受け持つなど、正規保育士とほぼ同じ職務や責任を担っている職員もいます。しかしその処遇は、年齢や経験年数も関係なく一律、給与は月額18万7千円で昇給もなく、期末手当の支給もありません。同一労働同一賃金という観点からも、検討が必要ではないでしょうか。答弁を。

【提言】以前、『非正規職員』は、短時間で補助的な業務に関わることが前提でした。しかし、正規職員と同じような仕事を担うようになってきたのに、待遇面は以前のままというのが実態です。年収200万円以下の官製ワーキングプアーを固定化することは、民間事業者にも波及し、労働者を雇用するばあいに非正規雇用で問題はないという影響を広げ、地域経済の活性化や少子化対策と逆行します。改善が必要です。

 ?今、少子化も進み多くの民間職場で人手不足が深刻化しています。非正規職員の処遇を現状のように低いままにしていたら、市役所の職場でも将来なり手不足の問題が深刻化するのではないでしょうか。昇給も期末手当もない非正規職員が将来に展望を持てない状況は、仕事に対する意欲・モチベーションも弱くなり、住民に奉仕するという公務員としての役割が果たせなくなるのではないでしょうか。

【提言】住民に最も近いところでサービスを提供する人たちの多くが非正規であるというのが現状です。ワーキングプアーと呼ばれる年収200万円前後の賃金、雇用も1年ぐらいで不安定な状態でやっていくということは、将来に対する展望が見えない。近い将来、このままでは安心した住民公共サービスが提供できなくなるおそれがあると思います。

 ?来年度から、非正規職員の処遇を改善できる会計年度任用職員制度に移行します。本市も。この制度改定を機に,昇給、期末手当、退職金を支給し、有給休暇や産休、労災などの処遇ができる任用職員に移行すべき。月額給与を引き下げて期末手当分を生み出して、処遇を改善せず現状維持する方針は問題だと思います。国に、処遇改善の必要な財政措置を求めて、会計年度制度のメリットを生かすべきです。見解を。


【まとめ】これまで本市は、嘱託は更新2回の3年雇用、保育は更新4回の5年、例外的に10年間の雇用を認めるという制度を運用してきました。
 会計年度任用職員制度への移行にあったって、本市は、本人の希望と査定によって期限を定めない任用の更新をするとの立場です。それならば、嘱パート任用に限定せず嘱託員の職責や勤務状況を判断して、退職金規定もあるフルタイム任用を増やすべきです。条例にはフルタイム任用既定の定めもしています、新たな条例改正は非梅雨ありません。今年度内に、勤務状況を精査してフルタイム任用を広げるとともに、来年度以降の職員定数の削減や民間委託を拡大しないよう求めておきます。

3、税収納行政について

 ?次に、税収納行政、特に滞納整理について質問します。一般税と国保税の滞納に対する昨年度の差し押さえ件数と、この数年差押え件数及び額が減っている理由についてお聞きします。

【提言】前橋市の差し押さえが年間8千件、7千件という数年前と比べれば減ってきていますが、前橋市の債権を中心とした年間5千件近くの差押えは、まだまだ多すぎると思います。厚労省が発表した最新の統計では、平成28年度の国保税滞納者に対する全国の差し押さえ件数は33万6436件で総額993億円です。執行した1591自治体で平均すると1自治体当たり211件です。自治体規模は大小ありますので、全国47都道府県で割ると1県当たり平均7158件、21億円です。前橋市の昨年度の国保の差し押さえ件数が2809件、約3億円です。つまり、前橋市は、全国の市町村平均の13倍、県レベルのおおよそ半分弱の差押え総件数に匹敵する件数であり、今もなお滞納整理は早期の差し押さえを遅滞なく執行するという全国的にも異例な滞納整理をしている状況は変わっていません。
 短期的な徴収実績を重視するか、生活再建を支援して長い目でみた住民の「税を担う力」つけることを重視するかで、税徴収の姿勢は変わってきます。
過酷な税の徴収は滞納者の事業や生活、健康に大きなダメージを与え、逆に、より多くの医療費や生活保護費などを使う結果となってトータルコストは大きくなることも考えられます。
私たち党市議団は、税滞納者の暮らしの実態を十分把握し、納税緩和制度で救済すべきと主張し、本来最後の強制手段である差押えの乱用の中止を求めてきました。 今後とも、さらに、差し押さえ件数を減らして、納税者が滞納に至った場合も、自主納付できるように、より丁寧な納税相談を強めていただくよう求めておきます。

 ?次に、一昨年の暮れまでは、収納課は、税滞納者の給与や年金が振り込まれた預金口座を狙い撃ちにして、預金残額すべてを差押えて市民の最低限の暮らしを脅かす強制徴収を続けていました。「生活の糧をすべて奪う差押えはやめるべき」とわが党が繰り返し主張してきたにもかかわらず、市当局は一貫して、「給与も年金も口座に振り込まれれば一般債権化するので、差し押さえ禁止額の配慮は不要」という立場だったからです。
ところが、給与が振り込まれた口座の全額差し押さえを受けた市民からの訴えに、前橋地裁は昨年の1月に「このような前橋市の差し押さえは違法、全額返済と慰謝料の支払いを市に命ずる」判決を下しました。
 この確定した地裁判決を受けて、収納課では、差し押さえ禁止額すなわち1カ月ごとに10万円と滞納者と生計を一にする配偶者その他の親族があるときは、1人につき4万5000円と税金や社会保険料など加算した額は差し押さえをしていないと説明を受けていますが、昨年度、および現状はどうなっているのか確認させていただきます。答弁を。

【提言】禁止額を差し押さえていない事はわかりましたが、預金口座の全額差し押さえが困難となったからと言って、安易に税滞納者の勤務先で給与の受け取り債権そのものを差し押さえれば、個人情報が洩れて、人間関係が悪化し、働きにくくなるなどの雇用不安を招きかねません。給与や売掛金などの債権の差し押さえも減らすべきです。

 ?生命保険を差し押さえて返戻金を換価し配当するという手法も、慎重さが求められます。休職休業による収入がなくなった時の生活保障や、入院や手術の保証約款があり、解約すれば病歴や高齢のために再加入できない保険など、税滞納者の生計の維持が困難となる場合は、差し押さえをしない判断が必要と思いますが、現在はどのような方針でしょうか。答弁を。

 ?次に、徴収の猶予や換価の猶予などの納税緩和制度は何件でしょうか。納税折衝において、滞納納税は一括納付が原則と機械的に説明したり、猶予制度を説明しないまま延滞金の減免もない分割納付を求めることは問題ではないでしょうか。申請及び職権による猶予制度をもっと運用すべきです。見解を。

【提言】2件ではあまりにも少なすぎると思います。誠実に納税の意思がある滞納者には、職権による換価の猶予や申請による徴収や換価の猶予などを丁寧に説明し、申請書の記載を援助して、延滞金を減らし、納付しやすい環境を作ることも、公の仕事である収納課の重要な職責だと思います。自主財源確保の任務が強調されると、納税緩和制度が後景に追いやられる傾向が強くなります。ぜひ改善していただきたいと思います。


 ?差押え不動産の公売を安易に行うべきではありません。まして、いたずらに公売手続きの開始を予告して、分納額の引き上げを求めるなどの納税折衝や、事業継続できなくなるような公売をすべきではないと思います。答弁を。

【提言】本市収納課の公売によって住まいも仕事も奪われて、生活保護世帯となったり、一家が離散するなどの事態も起きています。とくに自営業者の場合は、営業の継続なくして滞納税の自主納付を続けることはできません。滞納税を納付している場合は公売手続きに入らない、生活を破綻させかねない公売の判断はくれぐれも慎重を期すよう求めておきます。


 ?納税者の最低限の生活を脅かしたり、事業の廃業を招くような滞納整理は国税徴収法や地方税法も認めていません。今、市民の暮らしに格差と貧困がいっそう広がる中で、そもそも年収の1割を超える国保税額は、協会けんぽなどと比べても3倍近くとなり、担税力を超えた国保税となっています。税滞納者を悪質滞納者としてとらえ対応するのではなく、雇用が不安定な非正規労働者や、低所得者や零細業者などは、病気や失業で誰が滞納してもおかしくない状況に置かれていると認識すべきです。
 生活に窮して税を滞納している人を追い込むのではなく、生活再建をていねいに支援して、自主納付できる納税者にしていくことが行政の責務だと思います。滋賀県野洲市のように、税滞納者をワンストップで生活を支援する体制を前橋も作るべきです。見解を。

【まとめ】私たち市議団には、いまでも税滞納をしている方から、収納課窓口で職員から配慮のない言葉を投げつけられたとか、厳しい納税督促を求める指導を受けたという相談が少なくありません。
 憲法25条が保障する最低限の文化的生活を維持できなくなるような差し押さえや公売で滞納者を追い詰めるような収納行政を根絶しするとともに、納税緩和制度の運用や執行停止などの判断も的確に行うよう強く求めておきます。

4、交通弱者支援の公共交通について

 ?次に、すでに繰り返し議会質問をしていますが実現していない交通弱者支援の公共交通について質問します。高齢化が進むなかで、南橘や芳賀地区などの交通不便地域へのマイバスの新規路線の増設は、多くの市民の強い要望になっています。バス購入費を除けば、1路線を年間約2000万円の運行経費で実現できるにもかかわらず、なぜ、具体的な検討を進めないのでしょうか。答弁を求めます。


【提言】幹線バス路線を整備することも重要ですが、100円で乗れる交通不便地域の循環バスは、高齢者にとって強い生活の支えです。交通結節点や病院、商業施設を循環する現在のマイバスの有効性を大いに市民周知して利用者を増やせば、収益性も高まると思います。重要視して増設してください。

 ?次に、坂道の多い旧勢多郡地区を運行しているデマンド相乗りバスの停留所方式は、高齢者に利用しにくい運行形態です。住民の強い要望であるドアーツードア方式への転換がなぜできないのでしょうか。また、るんるんバスを田口や芳賀地区に運行エリアを拡大したり、ふるさとバスを桂萱地区や城南地区に拡大できないのはなぜでしょうか。

 ?マイタクの運行改善も市民から強い要望が出されています。一人乗車で半額支援、上限1,000円までの支援制度では、長距離利用者の負担が重すぎます。利用距離に応じた段階別の料金の設定で、利用者の負担を軽くする制度に改善すべきです。また、現行の午後6時までの運行時間をさらに延長することなどの改善策を検討すべきと思います。答弁を。

 ?バス自動運転の社会実験や電車・バス・タクシーなどの複数の交通手段検索と決済までできる前橋版アプリの開発を進める社会実験やワンマイルタクシーなどの社会実験など、国が進める社会実験に安易に手を上げています。切実な市民要求である、交通弱者支援を優先すべきです。見解を。

【まとめ】公共交通網形成計画の中で総合的に検討するという答弁に今回もとどまりました。従来通りの答弁では市民は納得できないと思います。
高齢者の通院や買い物の足を守るための外出支援事業は、交通政策ではありますが健康福祉予防の効果が高く、結果として病気の重症化や認知症の発症を予防し医療や介護給付費支出が抑制されます。
超高齢化社会が到来する今、高齢者のための公共交通への投資は、財政支出の優先度の上位に位置付ける施策です。市内の多くの高齢者が、今日私が質問した施策は強い要望であります。いずれも本市の財政力であれば実現可能な施策です。ぜひ、来年度の予算編成にあたって、具体化されるよう強く求めて質問を終ります。



【参考】
※日本は、地理的・地形的・気象的条件から地震や豪雨災害が発生しやすく、官民一体となった災害対策に対する取り組みが欠かせません。1995年1月17日に発生した「阪神・淡路大震災」では、6,000人以上の死者がでました。近年でも、2011年3月に発生した東日本大震災では、死者約15,000人、行方不明者は約2,500人です。2016年4月に発生した熊本地震、そして昨年2018年7月に発生した西日本豪雨と、記録的な災害が発生しています。これほど繰り返して災害を経験しながら、西日本豪雨では、死者・行方不明者が200人を超える未曽有の豪雨災害となりました。

国・県レベルの抜本対策の強化を求めて、ヨーロッパのように、災害備蓄を一層充実させ、キッチンカーや水洗トイレやシャワーを装備した車を確保するなど避難所の整備をすれば、避難者の健康を守り、災害関連死を大幅に減らすことができます。先進資本主義国の日本で出来ないはずはありません。


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